活用事例
2022.12.14

全エンジニアのダイレクトソーシング化を実現|harmo株式会社様導入事例紹介

全エンジニアのダイレクトソーシング化を実現、初期のharmoを支えたコアメンバーとの出会いに着目。

「harmoおくすり手帳」「harmoワクチンケア」など、個々人の医療・健康に寄り添ったPHR(Personal Health Record)サービスを展開しているharmo株式会社。

2008年からソニーグループ株式会社の社内ベンチャーとして開発をはじめ、2019年に医薬品開発支援を手掛けるシミックグループに承継。
その後も医療・健康情報のデジタルプラットホームの発展に注力し、2021年10月にはシミックグループの一事業から法人格を得て、新会社「harmo株式会社」営業開始へと至りました。

今回は、親会社シミックホールディングスからharmo株式会社に出向し「一人人事」として活躍されている「佐野瑛士」さんに、長年ダイレクトリクルーティングを続けて得た変化などのお話を伺いました。

「harmo株式会社」として正式なスタートを切った今、採用体制に変化は?

 

ーー親会社シミックホールディングスからharmo株式会社として法人格を得たことで、色々な変化が生じている状況かと思われますが、「採用」という側面ではどのような変化がありましたか?

 

私どもは2021年10月に「harmo株式会社」として営業開始いたしました。
大きな変化は、以前のように「事業部としての採用」ではなく、正式に「会社としての採用」ができるようになったことですね。

 

ーー人事機能を含めたバックオフィス機能を会社として持てるようになった、ということでしょうか。

 

はい、今まで制約のかかっていた採用予算の決定でも自由度や裁量性が大きくなり、これまでできなかった採用手法にもチャレンジできるようになりました。

柔軟性を持ちつつ機動力を高める、という意味では、法人化して得たメリットの中でもかなり大きなものだと思っています。

また、「harmo株式会社」として動き出したことで、「harmoおくすり手帳」「harmoワクチンケア」など、別々の組織として存在していたものが一つの会社となり、より「harmo」というブランドを強く考える機会が増えたようにも感じています。

 

harmoのサービス概要:https://www.harmo.biz/

 

社員の中でも、どのように「harmo」を世の中に広めていこうか、より活力を高めるにはどうしたらいいかといった、harmoというブランドがより強固になってきている感じです。

 

ーーまさに新しいフェーズ、といった段階にいらっしゃるかと思いますが、佐野さんご自身の業務に変化はありましたか?

 

harmoの採用に100%自分の時間を使えるようになったことです。

以前はシェアードサービスという形で、シミックホールディングスに在籍しながら、harmoの採用には半分ぐらいのリソースを使って携わっていたのですが、

正式な出向が決まり、全てのリソースをharmoに割けるようになりました。
お陰で採用から始まり、入社後のOJT、キャリアプラン、業務のフォローなど、全てカバーできるようになったことが一番の変化ですね。

また、経営に非常に近い立場になったことで、代表の石島や福士が何をしていきたいのか、部長陣がどのような意見を持ち、どういう会社にしていきたいのか、といった生の言葉を聞けるようになったことも大きいと思います。

それにより、今後会社として必要な人材や、特に採用が必要な部署が明確に見えてきます。

さらに、スカウトの際のメッセージングも大きく変わりましたし、ダイレクトソーシングさん(以下、DS)と仕事をする上で、会社の中で「現状起きている変化」・「今後挑戦していくこと」等の情報をリアルタイムで共有できるようになりました。

全てがスピーディーになったと感じています。

ダイレクトリクルーティング導入のきっかけは?

 

ーーDSの名前を出していただいたので、ここからはダイレクトリクルーティングに関してお聞かせいただければと思います。

まずは少し過去に遡りますが、DSと共にダイレクトスカウトを導入し始めた時のことをお伺いできればと思います。もう4、5年前になりますか?

 

そうですね、初めてDSさんと接点を持ったのは、2018年の夏だったと思います。
当初は留学生採用でダイレクトリクルーティングをお願いしていました。

 

ーーDSを認知したきっかけをお聞きしてもよろしいでしょうか?

 

はい、私がシミックホールディングスに入社した2016年に、ダイレクトスカウト目的で「LinkedIn」のアカウントを持っていたんですよ。
ただ、正直扱いが難しくてほぼ使えていない状況でした。

「LinkedInを使いこなせたらかっこいいのに」
と当時の先輩と、話していたのを覚えています。

ここで留学生採用の話に戻りますが、その頃採用にとても苦戦していたんです。
難しいんですよね、留学生採用。

ボストンキャリアフォーラムと東京サマーキャリアフォーラムくらいしか接点を持てる場がなく、どうしたら彼らの懐に入り込めるだろう?と常々考えていました。

そんな時に、「そういえばLinkedInはアメリカ発祥だ」ということを思い出したんです。
LinkedInなら、アメリカにいる日本の学生さんと直接コンタクトが取れるのでは?と。

そこでLinkedInの活用方法について改めて調べ、LinkedInさんとDSさん共催のLinkedInセミナーにたどり着いた、といったきっかけになります。

 

ーーなるほど。現在だけでなく、当初から新しい採用手法を積極的に取り入れられていたのですね。これは会社の方針ですか?

 

その傾向はとても強いと思います。
シミックグループは「挑戦」を求めている会社です。

W&3C。
(Wellbeing、 Challenge、Change、Communication)

これはシミックグループの企業カルチャーで、この中の「Change」と「Challenge」こそ、シミックグループが未だにベンチャー気質を残していると私が個人的に感じる部分であり、採用戦略における武器になると考えています。

採用は競合(他社)の存在が強いので、どんどん他社とは違う方法を考え出していかないと勝てなくなってしまいます。

 

ーー難しい領域ですよね。

 

はい、本当に。
だからこそ、今までの手法が通じなくなってきた時「だったらどうする」と考えることで、おのずと新しい媒体などを見つけられているのだと思います。

そこには新しい人材がいますし、早く行動すれば先行者利益として、質のいい人材と出会えるんですよね。

ダイレクトリクルーティングを導入して良かったポイントは?

 

ーー新しい手法を取り入れる際、苦戦されたこともあったかと思います。苦戦しながらでも、導入して良かったポイントはありますか?

 

留学生採用、それもLinkedInの話でいえば、ボストンキャリアフォーラムだけでは出会えない学生さんと出会えたのは大きなポイントですね。

当時、LinkedInを使用した採用手法は、流行ではなかったので他社でも取り組んでおらず、学生さんからすると

「アメリカにいて日本の会社から連絡が来た!面白い会社だ」

と思っていただけたのか、驚くほど返事が来ました。
確か、返信率40%とかだった気がします。

そして、そこで出会った学生さんは総じてレベルが高く、LinkedInへの可能性を感じました。今後も使い続けよう、と思いましたね。

 

ーーなるほど。それがきっかけで、その後のエンジニア採用などでもDSを使っていただけたのですね。

 

はい。

本当は留学生採用の後、すぐに他の採用にも活用したかったのですが、2018年に私が異動になったこともあり一度契約終了とさせていただきました。
当時はとても名残惜しかったです。

しかし2019年冬、シミックグループでharmoがエンジニアの採用を始めることになり、

「エンジニアの採用ってどうやるんだ?」

が議題に上がりました。
「もう一度LinkedInが必要なんじゃないか?」と考え、改めてDSさんにご相談させていただいた次第です。

 

ーーエンジニア採用に関して、初期の段階から携わらせていただいていたんですね。

 

言うなれば、harmoのエンジニア採用はDSさんと共に歩んでいるようなものです。
エンジニア採用のノウハウに始まり、harmoに近い他社の事例なども含めて惜しみなく色々なことを教えていただきました。

ターゲティング、ペルソナを作るところから一緒にスタートして、私にもエンジニアの知識がなかったのでプログラミング言語の名前から一緒に勉強したり。

そうしてしっかり設計していくと、やはりLinkedInの中に良い人材がいたんです。

実は今のテックリードも、LinkedIn経由で繋がりを持った人なんですよ。
現在も大活躍してくれて、その人がいないと会社が回らないくらいです。

初期のharmoを支えてくれたメンバーは、みんなLinkedIn経由での入社でしたので、心からLinkedInを導入して良かった、DSさんにお願いして良かったと思います。

DSとの取り組みで、印象に残っていることは?

 

ーー嬉しいお言葉、ありがとうございます!では、DSとの取り組みの中で、一番印象に残っていることはなんですか?

 

複数ありますが、我々にしっかり伴走していただき、一番良い形のダイレクトリクルーティングになるよう、アイディアをたくさん出していただいたことでしょうか。

毎月ある定例のミーティングで、どのような文面を送れば、またどのような工夫をすれば返信が来るのかを、一緒に考えていただきました。

特に印象に残っていることは、PR動画をスカウト文面に添付して送ったことです。
別の施策で作成した動画でしたが、これを活用することで一気に返信率が跳ね上がりました。

アイディアをいただけたこともですが、何より一緒に考え、結果を出せたことが嬉しかったですね。
その時スカウトで採用した社員は、今も働いてくれている大切なメンバーです。

私一人では出なかったアイディアですし、スカウトの文面も私だけでは思い付かないような魅力的な言葉に変えていただきました。

そう、スカウトの際の文面作りも印象に強く残っていますね。

スカウトの文面作りは本当に難しくて、最初に一人で作った時は下手くそな文面が出来上がったな、と思ったものです。

そこにペルソナに合わせてテコ入れしていただきました。

詳細にペルソナを作り、文面をカスタマイズしていただいたことで、本当にその通りの人と繋がりを持つことができたんです。

「狙った人材を採用すること」は求人広告などの採用手法だと難しいですが、改めてダイレクトリクルーティングでは、それが可能だと実感しましたし、同時に感動も味わいました。

 

ーー担当者が聞いたら本当に喜びます。

 

ダイレクトリクルーティングを続ける中で、不安に感じる瞬間は?

 

ーーDSやダイレクトリクルーティングを重宝していただきとても嬉しいのですが、最近は様々な企業がダイレクトリクルーティングの導入を始め、市場感的にも厳しくなってきているかと思います。

ーーその点に不安感などは感じられていますか?

 

そうですね…。不安がゼロとは言えませんが、
現状、harmoの実績で言うと、ダイレクトスカウト経由での採用は現在、8~9割を占めています。

これを止める、という選択肢は今のところありません。

むしろ、今は他社とどう戦っていくのか、アップデートしていくことが課題ですね。

どんどん新しいサービスが出ているので、今後も試していこうと思っています。
乗り遅れたくないですし、柔軟に対応していかないと勝てない時代ですよね。

手段を問わず、新しい採用手法はもちろん、もう一度使えるなら少し前の採用手法でも使いたい。

現在は不安よりワクワクが勝っている状態です。
新しいサービスや手法を見つけた時は何よりも面白いですね。

同様の課題を持っている企業に対してアドバイスするとしたら?

 

ーー現在ダイレクトリクルーティングを取り入れていない企業や、harmoと同じく専門性の高い人材を採用したいと考えている企業に対してアドバイスするとしたら、どのようなことを伝えますか?

 

社風によっては、新しい採用手法を取り入れることが難しい会社もあると思います。
予算が限られていたり。

それでも、何か一つでもチャレンジして欲しいと思っています。

お金をかけなくてもできる採用手法はたくさんあります。
LinkedInもまさにそうですよね。自分自身でスカウトを配信してみたり。

そういった身近なものから始めることはとても大事だと思います。

最初から大きな予算を持って、大きなプランを立てない。
KPIを意識しすぎない。押し潰されてしまうから。

もちろんKPIを意識しないといけない時もありますが、逆に求めすぎてはいけない分野もあると考えています。
特に、エンジニア領域は目まぐるしく採用手法がリニューアルされていきますし、いくらKPIを立てたとしても、KPI自体が目的にすり替わってしまうことがあるんですよ。

それは少し違いますよね。

そうではなくて、面白いと思ったら実行してみる。
好奇心を持って楽しいと思いながら仕事をしてみる。

難しそうなら、DSさんのように知見を持った企業に相談したり、セミナーに参加したりしてみて欲しい。

まずは好奇心、興味を持って行動してみてほしいですね。
その方が長続きしますし、結果が出れば予算も出やすくなります。
小さな成功体験を積んでいくことが重要です。

 

ーーまずは動くこと、小さな成功体験を積むこと、何より楽しむことが重要なんですね。

とはいえ、多くの会社が採用にKPIを設計しているのが現状かと思います。harmo株式会社としては、KPIを重視しすぎないことに理解を得られているのでしょうか?

 

それに関しては代表の石島と福士は理解があります。かなりの裁量を認めてくれています。

実はシミック時代からKPIを強く設定しておらず、良い人に出会えるか出会えないかは運だと理解してくれていました。
もちろんKPIを追うことや、そこに紐づくアクションも大事ですが、こだわり過ぎるのは違う、というのが社内の共通認識でしたね。

それにharmoは文化的に手を抜く人がいないので、そういった面で部門側から信頼を得ていたことが大きいように思います。

「採用チームは優秀な人材を連れてきてくれる」

そんな信頼関係を築けているからこそ、無理にKPIを設計しない土台があるのかもしれません。

今後のharmo株式会社としての展望やビジョン、目標は?

 

ーー最後に、今後harmo株式会社として実現したいビジョンなどを教えてください。

 

harmoとして実現したいビジョンは、端的にお伝えすると「個々人が医療・健康情報データを利活用できるプラットフォームを作る」ことです。

ユーザーが自分や家族の大切な医療・健康情報を活用できるような、未来にとって必要な社会インフラを目指しています。

harmoを含む、個々人が医療・健康情報を活用するテクノロジーは「PHRサービス」とも呼ばれますが、この事業ドメインはこれからの成長が期待される領域であり、世界的にみても確固たるビジネスモデルを構築できている組織はありません。

製薬企業やユーザーの声を聞き、シミックグループ内外とも連携しながら、実際のソリューションを考え、今までにないサービスを作る段階に入ってきているのが今のharmoです。
とても面白く、楽しい時期です。

一方で、生みの苦しみを感じるタイミングでもあります。
今までのプロダクトを守りながら、0→1で新しいものを作り出すことはとても大変です。

何が正解で何が不正解か、誰にもわかりません。

しかし、最近入社した新しいメンバーを含め、今のharmoは全社員が同じ方向を向いていると感じています。
とにかくharmoで日本の医療をより良い方向へ変えていきたいという気持ちで働いてくれています。

私個人のビジョンとしては、社員をどのように支えるのか、どのように体制を整えていくかが最も重要だと考えております。

 

ーーharmoのメンバーのみなさんが同じ方向、同じビジョンを持っていることが伝わりますね。

本日はお忙しい中、とても貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。今後ともダイレクトソーシングをよろしくお願いします!

ダイレクトリクルーティングに特化した採用支援会社です

弊社(株式会社ダイレクトソーシング)では、LinkedInやBizreachなどを活用したダイレクト採用を支援するサービスを提供しています。
過去40万件のソーシングデータに基づいた定量的な分析を行っています。
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野溝

野溝

前職で採用担当・コンテンツディレクターを経験後、株式会社ダイレクトソーシングのWebマーケティング担当に転職。 これまで数多くの採用関連コンテンツに携わり、特にエンジニア、スカウト関連のコンテンツに強みを持つ。

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