新卒採用ノウハウ
2025.06.29

【企業側】会社説明会の準備・本番・終了後にすべきこと一覧

新卒・中途を問わず採用市場の人材獲得競争が激しさを増すなか、自社の魅力を伝えて応募に導く「会社説明会」の重要性が増しています。

ただ一方で「会社説明会に向けて具体的に何を準備すべきか分からない」「会社説明会を上手く開催できるか不安」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、会社説明会の形式など基本情報をまとめた上で、準備・本番・終了後の各フェーズにおいて企業側がすべきことを一覧にして紹介します。

会社説明会とは

会社説明会

会社説明会とは、企業が求職者に対して自社の情報を伝え、志望度アップや応募につなげるためのイベントです。
なお具体的に求職者とは、新卒の学生や第二新卒者、中途の転職希望者が挙げられます。

合同説明会

合同説明会とは、複数の企業が一堂に会し、求職者に向けて自社の魅力をアピールするイベントです。

例えば、就職情報サイトが企画する大規模イベントや大学主催のキャリアフェアなどがあり、参加者側は一度に多くの企業情報を得られる点が魅力です。

  • 合同説明会における企業側のメリット
    短時間で多くの求職者にアプローチを行える
    参加者を集める負担が少ない
    他社目当ての参加者が、自社にも興味を持ってくれる可能性がある
  • 合同説明会における企業側のデメリット
    採用競合と比較されやすい
    限られた時間とスペースのため、深い説明は難しい

オンライン合同説明会

昨今はオンラインで合同説明会も開催されています。
企業は会場内のブースではなく時間で区切られており、順番に自社の説明を行っていきます。

対面の合同説明会と比べると、全国の求職者にリーチ可能な点や、移動コスト不要で参加ハードルが低い点などがメリットです。
ただし、対面に比べると、実際の雰囲気や熱量が伝わりにくい点はデメリットです。

単独説明会(個別説明会)

単独説明会(個別説明会)とは、1つの企業が自社だけで説明会を開催するイベントです。

自社の採用活動に特化した内容を伝えられるため、合同説明会とは異なるメリットがあります。

  • 単独説明会における企業側のメリット
    自社の魅力をじっくり伝えられる
    企業と参加者の距離が近い
    会社の雰囲気を直接的に伝えられる
  • 単独説明会における企業側のデメリット
    自社での集客や会場準備など負担が大きい
    参加者は既に自社に関心がある求職者ばかりになりがち

オンライン単独説明会(個別説明会)

オンラインで合同説明会の開催も増えています。自社の紹介や質疑応答など全てオンライン上で完結します。

対面と比較すると、全国の求職者にできる点や参加ハードルが低い点などはオンライン特有のメリットです。

一方で、実際の雰囲気や熱量が伝わりにくい点や必要機材やシステム、通信環境の準備を全て自社で行わなければならない点はデメリットといえるでしょう。

企業側における会社説明会の重要性

説明会の重要性

企業側における会社説明会の重要性について、以下3つの観点で解説します。

求職者の企業理解を深める機会

会社説明会は、求職者が企業の理念や事業内容を深く理解する貴重な機会です。
企業ホームページや求人票と比べ、社風や職場の雰囲気を直接的に理解できるので、求職者は会社説明会での企業の印象を非常に重視します。

そのため、企業側としてはより良い印象を持ってもらうための工夫が欠かせません。

採用ブランディングの向上

会社説明会は、単に情報を伝える場ではなく、企業の魅力を効果的に発信する場でもあります。
企業の理念や強みを伝えることで、求職者に「この企業で働きたい」と思ってもらえるでしょう。

また、会社説明会の告知や集客を通じて知名度や認知度アップも図れます。

このように、会社説明会は採用ブランディング向上にもプラスに作用するため、企業側にとって採用活動に重要なイベントといえるのです。

企業と求職者のミスマッチ予防

採用後のミスマッチを予防するには、求職者に自社に関する現実的な理解を持ってもらうことが重要であり、会社説明会がその役割を果たします。

会社説明会で、自社の理想や魅力だけでなく、業務の厳しさや求められるスキルについても正直に伝えれば、入社後のギャップを最小限に抑えられます。

例えば、実際に働く社員の1日のスケジュールや、仕事のやりがいと同時に直面する課題を共有することで、求職者が自分に合った職場かどうかを判断しやすくなります。
結果として、企業に対する理解が深まるだけでなく、長期的に活躍できる人材の採用にもつながるのです。

会社説明会の準備で企業側がすべきこと一覧

準備一覧

会社説明会の準備で企業側がすべきこと一覧を紹介します。

対象の明確化

効果的な会社説明会を実施するためには、まず対象となる求職者を明確にすることが重要です。

新卒採用か中途採用か、また文系・理系のどちらを主なターゲットとするのかによって、説明会の内容やアプローチが大きく異なります。

求める人材像を具体的に定め、それに基づいた内容構成を考えることで、より魅力的な説明会を実現しましょう。

実施形式の選定(オンライン・オフライン)

会社説明会をオンラインで実施するか、オフラインの会場で開催するかを決定することも重要です。

オンライン説明会であれば、参加しやすさが向上し、遠方の求職者にもアプローチできます。
一方、オフラインの説明会では、直接の対話や社内の雰囲気を伝えやすくなります。

自社が定めた対象(ターゲット層)に対して、より有効な形式を選定しましょう。

日時やスケジュールの決定

求職者が参加しやすい日時を選定することも、説明会の成功には欠かせません。
大学生向けであれば授業の少ない時間帯や休日、中途採用向けであれば業務終了後の時間帯が適しています。

説明会のスケジュールも事前にしっかりと決め、企業紹介、社員のプレゼンテーション、質疑応答など、参加者にとって有意義な流れになるよう調整することが大切です。

説明会の概要をまとめた資料の作成

説明会の開催に向けて、開催日時やスケジュール、目的・目標、当日のプログラム内容などの概要をまとめた資料を作成します。

この資料は、説明会の担当者が開催準備~開催当日までの指針として用いるほか、社内に協力を依頼する際の説明資料としての役割を果たします。

登壇者の選抜や依頼

会社説明会では、実際に働く社員の生の声が求職者に大きな影響を与えます。
そのため、企業の魅力を伝えられる登壇者を選定し、事前に依頼を行うことが重要です。

人事担当者だけでなく、現場で活躍する若手社員や管理職など、異なる視点を持つ人材を登壇させることで、よりリアルな情報を提供できます。

また、経営層が自社の理念やビジョンを魅力的に語る機会を設けるのも有効です。

発表スライドの準備

会社説明会でのプレゼンテーションには、分かりやすいスライドが欠かせません。
企業の特徴や強みを伝えられるように、テキストだけでなく、写真やグラフを活用した視覚的に見やすい資料を作成します。

また、求職者の興味を引くために、単なる情報の羅列ではなく、立ち上げの背景や苦難の時期などストーリー性を持たせた構成にすることが効果的です。

必要備品の手配(配布資料や装飾品など)

とりわけオフラインの説明会では、参加者に配布する資料や、会場の装飾品などを準備する必要があります。

例えば、企業パンフレットや募集要項をまとめた冊子を用意すれば、説明会後も求職者が企業について振り返ることができます。
会場のブースやスクリーンの設置、企業ロゴを使った装飾なども、企業の印象を強めるために重要な要素です。

アンケートの作成

説明会の効果を測定し、次回以降の改善につなげるためには、参加者にアンケートを実施することが有効です。

企業の説明が分かりやすかったか、どの点に魅力を感じたか、また改善が必要な点は何かといった項目を設定し、具体的なフィードバックを収集します。収集したアンケート結果を分析することで、より効果的な説明会を企画できます。

ただし、アンケートの質問項目は少なめかつ分かりやすくしましょう。その方が、より正確な回答が集まりやすくなり、印象も良いためです。

ターゲット層への告知と集客

説明会を成功させるためには、ターゲットとなる求職者に向けた適切な告知と集客が不可欠です。

具体的には、求人情報サイトや自社の採用ページ、大学のキャリアセンター、SNSなどを活用し、説明会の魅力を伝えながら参加者を募りましょう。

また、過去に応募した求職者やインターン経験者に直接案内を送ると、より関心の高い層を集めることもできます。

本番を想定したリハーサルの実施

スムーズな進行を実現するためには、事前のリハーサルを行い、問題点を洗い出すことが重要です。

登壇者の話し方やスライドの切り替えタイミング、質疑応答の流れなどを確認し、想定外のトラブルが起こらないように準備します。
オンライン説明会の場合は、通信環境や配信ツールの動作チェックも欠かせません。

必要備品や発表スライドなどの最終チェック

説明会当日に慌てることがないように、必要な資料やスライド、配布物などを最終チェックしましょう。

会場の設営状況やオンライン配信環境も事前にチェックし、想定外のトラブルが起きないよう万全の準備を整えることが大切です。
説明会を成功させるためには、細かい部分まで丁寧に確認し、スムーズな進行を目指します。

会社説明会の本番で企業側がすべきこと一覧

会社説明会の本番で企業側がすべきこと一覧を紹介します。

スムーズな受付対応と開始

会社説明会の第一印象を決めるのが受付対応です。
参加者がスムーズに入場できるように、受付リストの管理や必要書類の準備を事前に整えておくことが重要です。

オンライン説明会の場合も、入室リンクの送付や接続トラブルへの対応を迅速に行うことで、スムーズな進行につなげられます。

開始前には、企業側の担当者が笑顔で挨拶し、リラックスした雰囲気を作ることも求められます。

スケジュールに沿った進行

会社説明会の成功には、スケジュール通りの進行が欠かせません。
開始時間の厳守はもちろん、各プログラムの時間配分を適切に調整し、参加者にストレスを感じさせないようにすることが重要です。

特に、長時間の説明が続かないように工夫し、適度に休憩を挟むことで集中力を維持できます。
予定している内容をすべて伝えられるように、事前のリハーサルを活用しながら進行管理も徹底しましょう。

参加者の興味を引くプレゼン

会社説明会では、単に企業情報を伝えるだけでなく、参加者の関心を引くようなプレゼンテーションを行うことが重要です。
例えば、業界の動向や企業のビジョンを具体的な事例を交えて説明することで、求職者に共感を持ってもらいやすくなります。

また、一方的な説明にならないように、問いかけや簡単なディスカッションを取り入れると、より参加者の記憶に残りやすくなります。

参加者が積極的に質問しやすい環境づくり

求職者にとって、会社説明会は企業への疑問を解消する貴重な機会です。
質問をしやすい雰囲気を作るためには、「どんな小さなことでも大丈夫です」などの声かけを行い、質問を歓迎する姿勢を示すことが大切です。

こうしたちょっとした気遣いが自社の印象を高めます。

また、オンライン説明会の場合は、チャット機能を活用するなどして、質問しやすい工夫を取り入れると効果的です。

なお特に聞かれやすい内容については、事前に想定問答を準備しておくと、よりスムーズに回答できます。

以降の選考フローに関する説明

説明会の終盤には、今後の選考プロセスについて明確に伝えることが重要です。
応募方法や締切日、面接の流れなどを具体的に説明することで、参加者がスムーズに次のステップへ進めるようになります。

また、企業としてどのような人材を求めているのかをあらためて伝えると、企業と求職者のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。

アンケートの実施

事前に作成したアンケートを実施し、参加者からのフィードバックを今後の説明会運営に活かしましょう。
アンケート記入は説明会のプログラム終了後に記入をお願いし、記入が完了した参加者から順次退出という流れにするとスムーズです。

なおオンラインの場合は、Googleフォームのようなアンケートツールのリンクを共有すれば、両者の負担も少なく回答率を高められます。

最後まで印象の良さを重視する

説明会の最後の対応が、企業の印象を大きく左右します。
終了後も丁寧にお礼を伝え、参加者が気持ちよく説明会を終えられるように心がけることが大切です。

退場時の個別の声かけや見送り(オフラインの場合)、フォローアップのメール送信などを行うことで、求職者との関係を強化できます。

最後まで良い印象を残すことを意識し、応募意欲の向上や企業ブランドの強化につなげましょう。

会社説明会の終了後に企業側がすべきこと一覧

会社説明会の終了後に企業側がすべきこと一覧を紹介します。

応募促進のための連絡

会社説明会を終えた後は、参加者に対して適切なフォローを行い、応募につなげることが大切です。
説明会に参加したものの、次のステップに進むか迷っている求職者も多いため、応募を後押しするような連絡を入れると効果的です。

具体的には、説明会に参加したお礼を伝えるメールを送信し、選考フローや応募締切を改めて案内することで、応募へのハードルを下げられます。

また、質疑応答で関心を示していた内容に関連した情報を個別に提供するなど、パーソナライズされた対応を行うことで、企業への関心をより強めることができます。

アンケート結果を次回に活かす

会社説明会のクオリティを向上させるためには、参加者からのフィードバックを分析し、次回以降に反映させることが欠かせません。

アンケートの結果を集計し、満足度の高かったポイントと改善が必要な点を整理すれば、より良い説明会を企画できます。

例えば、あるプログラムに対して「企業の魅力を理解しやすかった」という意見が多ければその内容を強化し、「もっと社員の話を聞きたかった」という声があれば、社員座談会の時間を増やすといった対応が可能です。

オンライン説明会の場合は、通信環境やツールの使いやすさについての意見もチェックし、スムーズな運営につなげることが求められます。

このように参加者の声を真摯に受け止め、より魅力的な会社説明会を目指して改善をし続ければ、長期的な採用力の向上につながります。

まとめ

会社説明会とは、企業が求職者に対して自社の情報を伝え、志望度アップや応募につなげるためのイベントです。
開催形式としては、合同説明会と個別説明会(単独説明会)の2つがあり、昨今はいずれもオンラインで開催されるケースが増えています。

会社説明会で企業側がすべきことを、「準備」「本番」「終了後」の3フェーズに分けて紹介しました。

「準備」では、まずターゲット層を明確にし、説明会の形式(オンラインまたはオフライン)やスケジュールを決定することが求められます。

また、登壇者の選定や発表資料の準備、会場の設営、集客のための告知も大切です。

「本番」では、スムーズな受付や進行、質疑応答の対応が重要で、参加者が安心して情報を得られるように配慮することが必要です。

「終了後」には、アンケートを実施してフィードバックを集め、次回に活かすことが求められます。

この他にも紹介した各項目を参考に、会社説明会を成功に導きましょう。

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。