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2022.09.21

リファラル採用とは?仕組みやメリット・デメリットについて

みなさん、リファラル採用に積極的に取り組んでいますか?
こんにちは。ダイレクトソーシングの竹村です!


人事部の方であれば、リファラルを採用の軸として活用していきたい!と考える方は多いでしょう。
社員からの紹介によって、自社の求人要件にマッチし、さらには企業理念も理解した人が、次から次へときていただければ、そんな素敵なことはありません。社員紹介なので、採用プロセスの短縮、採用コストの削減にもつながります。
今回の投稿では、「リファラル採用を利用して成功を収めている企業」の事例をもとに、どのようにすれば、リファラル採用が促進された企業が作れるか?について言及していきたいと思います!
 

1.リファラル採用とは?

そもそも、みなさん、リファラル採用とは何でしょうか?
日本語に直訳すると「縁故採用」。少しイメージが悪くなります(笑)。日本の場合「縁故採用」と「コネ採用」で近いイメージを持つ方がいるため、前時代的なものと思われがちです。
日本語のイメージの問題だと思いますが、「縁故採用」という言葉が呼び名を変えて、「リファラル採用」とかっこいい呼び方を変えて、多くの会社が積極的に取り組んでいます。
それでは「リファラル採用」とは具体的にどういったものでしょうか?
簡単にいえば、「現職の社員のつながりから、マッチした方を紹介してもらい、採用する方法」のことです。会社によっては、現職に限らず、すでに退職した方も含めてリファラル採用という場合もあります。(※アルムナイ採用という場合が多いですが)
例えばLinkedIn社。LinkedInプラットフォームを運営している同社は、自社の採用としてリファラルを積極的に活用しています。社員紹介を活用するツールや仕組を提供したり、アルムナイとして、退職者ネットワークを構築し、定期的にフォローアップやリワードを提供しています。
次にMicrosoft。こちらの会社も、毎月入社してくる中途採用のメンバーに対して、一番ホットなタイミングでリファラルを出してもらう仕組みを精緻に構築しています。
では、日本企業はどうでしょうか?もちろんうまくいっている企業もあるのですが、
実際のところ、「文化的に違う」といったいいわけ(?)を理由にして、積極的に取り組んでいない会社が多いのも事実です。
 

2.リファラル採用のメリット

みなさんも十分イメージがあると思いますが、ここではリファラル採用のメリットを中心にお話していきたいと思います。

 2.1.採用コストの削減

有料職業紹介に依頼すれば、みなさんもご存じの通り、年収の30%~40%近い紹介手数料を支払う必要があります。それに対して、リファラル採用は、基本的には無料です。もちろん、会社によっては紹介していただいた社員に対して何かしらを提供している場合もありますが、エージェントに支払う金額を考えれば、かなり予算が抑えられます。
コストがかからず、今すぐにでも始められるという利点から、
私自身も、昔は社員の横に座って、「Facebookの友達を表示して」と社員にお願いし、友達一覧の中から、「この人はどう?この人は何やっている人?」といった形で、毎月手作業(力技?)で社員から紹介をもらっていました。
社員のファーストフィルターを通した候補者なので、選考プロセスは短縮化され、採用の時間的なコストも削減されます。
さらには、紹介で入ってきた候補者は、入社後も違います。
紹介元(友人)の期待を裏切ることはできないので、非常に高いモチベーションで入社してきます。そのため、リテンション率もさがる傾向にあります。
したがって、もちろん仕組みを構築するには最初は苦労するのですが、一度構築されると、非常に効率的です。

 2.2.数多くのツールが提供されている

一昔前は、私も実施していたように、社員ひとりひとりに「誰かいない?」と訪ねてまわる必要がありました。そのため、Facebookなどで、「友達一覧がみえる!」と思って、感動したものです。でも、いまではさらに進化しています。
たとえば、私が感動したシステムとして、まだ日本には入ってきていないのですが、
Teamableというリファラルを活用するツールがあります。https://www.teamable.com/
このSaaSのすごいところは、Teamableのプラットフォーム上で、求人条件を入力すると、「社員のLinkedInやTwitter、FacebookなどのSNSのつながりから、求人要件にマッチした候補者一覧」を瞬時に作成してくれます。
そのリストの中から、「紹介してほしい人」をクリックすると、つながりのある社員へ依頼メールが送られ、紹介ボーナスが提示される、という仕組みです。ぜひ日本に来てほしい、と思うツールに一つです。
一方日本では、Refcomeという会社が、リファラル採用のツールを提供しています。https://jp.refcome.com/
 

 2.3.近いコミュニティから価値観の一致する人材を見つけやすい

紹介元となる自社の社員はどういったところから、候補者を出すのでしょうか?

  • 学生時代の部活・サークル・学部のつながり
  • 前職のつながり
  • 特定のグループや会合のつながり

この3つがメインになります。なかでも、社会人としての期間が長ければ長いほど、会社でのつながりがメインになってきます。
そういった点を踏まえ、Microsoftは、中途採用で入社した一番ホットなタイミングでリファラルを依頼します。入社した時点で、「自社がオープンしている求人情報の共有」「各部門のハイヤリングマネージャーによるポジションの魅力の共有」「人事部とのワンツーワン」「リファラル促進ビアパーティ」等々、リファラルを促進するための多くの仕組を提供しています。これも、リファラル採用による価値を非常に重要視しているからです。
いわゆる「優秀な人財のまわりには、優秀な人財がいる」とったところでしょう。

 2.4.転職市場に出てこない人材も採用できる

転職顕在層のみならず、転職潜在層も採用できる、ところも大きなメリットでしょう。みなさんもご認識のとおり、転職顕在層にだけアプローチしても、オープンポストを埋めきれない時代になってきました。データサイエンティスト、セキュリティエンジニア、AIエンジニアなどのポジション等、世の中のニーズは高いが、有スキル人材が少ないポジションはなおさらです。こういった難易度の高いポジションは、転職潜在層にアプローチする必要があります。
なお、社員に依頼する際も、「転職したいと考えていない人でもOK」ときちんと伝えるようにしましょう。
 

3.リファラル採用のデメリット

 3.1.交友の範囲に左右される

「リファラル採用さえうまくいけば、すべてうまくいくのか?」というと、もちろんそんなことはありません。リファラル採用は、「笑っていいとも」の「テレフォンショッキング」のように、「紹介のバトン」をつなぎ続けなくてはなりません。それができないと、すぐに枯渇してしまいます。
「紹介した人が入社し、その人が紹介し、さらに紹介し、、、」のバトンをつなぎ続ければ、無限連鎖が起こります。
一方で、そのバトンが途切れてしまえば、すぐに枯渇してしまうのがリファラル採用の難しいところです。
また、友人つながりを繰り返すと、「特定のポジションはリファラルで埋まるのだが、、、」といったことも起きます。したがって、リファラル採用は、全体採用の3割程度が理想状態といわれます。

 3.2.組織の価値観が偏りやすい

昔、私が面接官をしていた時に、先輩からよく言わていました。
「自分と違う考え方の人を採用しなさい」 と。
価値観が同じ人で会社を作ると、大きな成長は見込めません。理念への共感は採用でもっとも重要ですが、アプローチの方法については多様性が必要です。
リファラルばかりを実施してしまうと、「同じ人だらけの組織」になってしまいますので、その点は注意が必要でしょう。

 3.3.社内からの協力が必要

これがもっとも重要かつ、難しい部分です。
「社員がなぜ紹介をするのか?」。
その根本は、「この会社が好きで」「仕事が楽しくて」「成長もできる」。「ここに来れば、友人のA君もより成長できたり、人生が豊かになるはず!」という想いから生まれるものです。
そのため、仕事が楽しくない、成長できない、と社員が感じていればリファラルは絶対にでません。強制的には出すことができたとしても、「友人A君を不幸にしてしまう」という想いから、優秀な方の紹介は得られないでしょう。
私の過去の経験でいうと、売上もよく、チームメンバーも仲良く、成長を実感している時期は、頼まなくても次から次へとリファラルが生まれました。
しかし、チームの売上が低迷し、チームがぎくしゃくしていた時期は、一切、頼んだとしても全く出ませんでした。
したがって、リファラル採用の根本は、良いツールを導入することではなく、仕組でもなく、「社員が自社に満足していること」なのです。それができていない会社で成功している会社と同じことをしてもうまくいきません。 
 

4.現状を変えたいのであればリファラル採用を検討してみましょう

今回の記事ではリファラル採用についての根本的な考え方についてご紹介してきました。
リファラルが成功する会社、失敗する会社の根本は、「社員の満足度」にあります。社員の満足度の高い会社は、積極的にリファラルを実施していきましょう。社員の満足度の低い会社は、「その理由は何なのか」の根本理由を探ってみましょう。
弊社では、「ダイレクトソーシング」をメインとしていますが、その際に、「社員のつながり」のある方からスカウトをしていきます。どういった方法で実施するのか等、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。