【人事向け】新卒採用はいつから?いつまで?検討と判断の重要ポイントを紹介
新卒採用の早期化や就活ルールに関する情報が錯そうしており、結局「新卒採用はいつからいつまで?」と疑問を抱いている採用担当者は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、こうした疑問に応えるべく、新卒採用の開始時期と終了時期、いつからいつまで行うかを検討するために理解すべき背景を紹介します。
さらに、新卒採用スケジュールの立て方と重要ポイントもあわせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
新卒採用の開始時期はいつから?
新卒採用の開始時期は、就活ルール上は「対象者が卒業・修了する前年度の3月1日」です。
ただし、多くの企業は、それ以前から動き出しているのが実状です。
では、具体的にいつから動き出せば良いのでしょうか。以下で解説します。
政府が定める就活ルールにおける「3つの解禁日」
下記が、政府主導で定めている就活ルールです。
なお大学の年度(学年)は、4月から始まり3月で終わる点は留意しましょう。
■広報解禁日
- 対象者が卒業・修了する前年度の3月1日
- 学年でいうと大学3年・修士1年の3月1日
- 例:2026年4月卒の学生ならば、2025年3月1日
■選考解禁日
- 対象者が卒業・修了する年度の6月1日
- 学年でいうと大学4年・修士2年の6月1日
- 例:2026年4月卒の学生ならば、2025年6月1日
■内定解禁日
- 対象者が卒業・修了する年度の10月1日
- 学年でいうと大学4年・修士2年の10月1日
- 例:2026年4月卒の学生ならば、2025年10月1日
「3つの解禁日」以降でできるようになること
就活ルール上、「3つの解禁日」以降にできるようになる内容は以下の通りです。
■広報解禁日以降でできること
・就活サイトでの採用情報公開
・自社の採用ページの公開
・会社説明会の実施
・エントリーの受け付け
■選考解禁日以降でできること
・筆記試験や面接などの選考活動
■内定解禁日以降
・候補者への内定出し
実際の「動き出し」は就活ルールよりも早いのが実状
ここまでの解説を読んで「あれ?実際は、どの企業ももっと早く動き出しているのでは?」と思った方も多いのではないでしょうか。
その通りです。
例えば、インターンシップは「対象者が卒業・修了年度に入る前年度の夏や冬」には既に実施しており、その募集はさらに数か月前から行っています。
その他、就活支援のイベントを開催して、事実上の採用広報や囲い込みを行う企業も散見されます。
就活ルールはあくまで政府から企業への要請(お願い)であり、罰則などはないため、順守している企業は少ないのが実状です。
つまり、就活ルールの広報解禁日(対象者が卒業・修了年度に入る直前の3月1日)でスタートを切っていては、他社に大きく後れをとることになってしまうのです。
具体的な動き出し時期は、業界などによっても異なりますが、あえて定義するならば「対象者が卒業・修了年度に入る前年度の5〜7月頃(対象者が大学3年や修士1年)」となるでしょう。
ここでいう「動き出し」とは、新卒採用のファーストステップである「母集団形成の開始時期」を指します。
具体的には、「インターンシップの募集開始」「就活生向けのイベント開催」「自社の採用ページの公開」などが挙げられます。
そのため、企業内での下準備などはそれ以前から行っておく必要があります。
新卒採用の終了時期はいつまで?
新卒採用の終了時期がいつまでかは非常にシンプルであり、「内定者が入社する4月1日まで」です。
内定フォローを行うことで内定辞退を防ぎ、実際に入社に至る日まで当年度の新卒採用は終わりません。
もしくは「内定出しを終える時期」を一旦のゴールと見なす場合は、「対象者が卒業・修了する年度の10〜11月頃」といえるでしょう。
新卒採用はいつからいつまで?
ここまでの情報を集約すると、「新卒採用はいつからいつまで?」の答えは以下の通りです。
■新卒採用の開始時期と終了時期の目安
- 開始時期:対象者が卒業・修了する前年度の5〜7月頃
- 終了時期(内定出しの時期):対象者が卒業・修了する年度の10〜11月頃
つまり、期間としては1年半以上を要することになります。
ただし、上記はあくまで「目安」であり、絶対的な答えではない点は留意しましょう。
新卒採用がいつからいつまでか検討するために理解すべき背景
新卒採用がいつからいつまでか検討するために理解すべき背景を以下にまとめます。
新卒採用が早期化している
新卒採用のスケジュールは早期化傾向にあります。
企業間の人材獲得競争が激化しており、より優秀な学生を確保するために、従来のスケジュールよりも早い段階で新卒採用をスタートするケースが増えているのです。
この早期化により、学生は大学3年生の夏頃から動き出し、各種就活イベントやインターンシップに積極的に参加するようになっています。
企業としては、こうした動向を踏まえ、より早期の新卒採用スケジュールを立てることが求められます。
学生優位の売り手市場が続いている
昨今、新卒採用市場において学生優位の「売り手市場」が続いています。
学生は複数の企業から内定を得ることが容易になり、より自らの希望に合った企業を選択可能です。
一方、企業からすれば、学生に選ばれる必要があるのです。
こうした市場状況においては、いかに自社の魅力を学生に伝えて他社との差別化を図るかが重要となるのはもちろん、早期に動き出すことで優秀な学生を囲い込むのも有効といえるでしょう。
選考辞退や内定辞退が生じている
前述した売り手市場の影響もあり、企業側は選考辞退や内定辞退に直面することが増えています。
学生が複数の企業からオファーを受けるなかで、より条件の良い企業や、自らの価値観にマッチした企業を選ぶ傾向が強まっています。
これにより、最終選考まで進んだにもかかわらず辞退するケースや、内定を出した後に辞退するケースが生じてしまうのです。
こうしたリスクを低減するために、企業は採用プロセスの早期から学生とのコミュニケーションを密にとり、ミスマッチのリスクを低減しつつ関係値を高めていく必要があります。
その上で、内定後も決して放置することなく、入社に至るまで丁寧なフォローを行わなければなりません。
新卒採用スケジュールの立て方4ステップ
新卒採用スケジュールの立て方を、4ステップで解説します。
ステップ1:採用ニーズの確認と目標設定
新卒採用のスケジュールを立てる際には、まず自社内の採用ニーズを正確に把握し、それに基づいた目標を設定することが重要です。
具体的には、現場の管理者や役員クラスからのヒアリングなどを通じて、どの部署でどのような人材が何名必要なのか、経験・スキル重視か将来性・ポテンシャル重視か、などを正確に把握しましょう。
もちろん、人員計画が定められているならばそれに沿った目標設定が不可欠です。
冷静に検討した結果、新卒採用よりも中途採用の方が適していると判断できる場合もあるでしょう。
また、目標は最終的な採用人数のみならず、中間目標にあたるKPI(重要業績評価指標)を設定することで、スケジューリングがスムーズになります。
例えば、母集団の目標人数、エントリーの目標人数、内定者の目標人数などが挙げられます。
ステップ2:採用ターゲットの明確化
次に、採用ターゲットを明確化します。
どのような学生を採用したいのかを具体的に定めることで、ターゲットに響くメッセージを発信しやすくなります。
具体的には、学歴、専攻、志向性、価値観などを基に、求める人材像を具体化します。
さらに、ターゲットとなる学生がどのような情報メディアを利用しているかを理解し、それに基づいて効果的な採用チャネルを選定することも欠かせません。
このステップを行うことで、採用活動がブレることなく、より効率的に進められるようになります。
ステップ3:具体的なスケジュールの設計
ステップ1と2で採用ニーズと採用ターゲットが明確になったら、具体的なスケジュールを設計しましょう。
このステップでは、会社説明会の開催時期、エントリーシートの受付期間、各種選考の日程、内定出しの時期など、各採用プロセスのタイミングを詳細に決定します。
また、新卒採用活動は長期間にわたるため、各フェーズでの目標達成度をチェックできるマイルストーンを設定します。
ここで役立つのがステップ1で設定した「母集団の目標人数」や「エントリーの目標人数」などの各KPIです。
新卒採用スケジュールは、競合企業および学生の動向を把握しながら、設計していくことが大切です。
ステップ4:実施と振り返り
ステップ3で設計したスケジュール通りに実施し、その結果を振り返ります。
各採用プロセスでの成果を評価し、どの段階で課題があったのかを分析します。
この際も各KPIの指標が有効です。
例えば、エントリー数が目標に達しなかった場合、何が原因なのかを見直して次年度の新卒採用活動に反映させます。
また、入社に至った新卒社員にヒアリングを行うことで、学生視点でのリアルな情報を得ることが可能です。
新卒採用は早期化と長期化により年間を通して多忙になりがちですが、
振り返りを怠らずにPDCAサイクルを回すことが、長期的な採用成功の鍵となります。
新卒採用をいつからいつまで行うか判断する際の重要ポイント
新卒採用をいつからいつまで行うか判断する際の重要ポイントを、4つ紹介します。
採用競合よりも早期に動き出す
新卒採用において自社が求める人材および優秀な人材を確保するためには、競合他社よりも早く採用活動を開始することが重要です。
採用競合よりも早期に動き出すことで、学生の目に留まる可能性が高く、早期に就職活動を始める優秀な学生との接点をもつことにもつながります。
また、学生がまだ進路を決定していない段階でアプローチすることで、企業の第一志望として選ばれる可能性が高まります。
特に競争が激しい業界や職種では、スピードが勝敗を分ける要因となるため、新卒採用を早期に展開していくことが求められます。
自社の採用ターゲット層の動きを把握しておく
より優位に新卒採用を進めていくためには、ターゲットとする学生層の就職活動の動向を把握しておくことが不可欠です。
学生がいつどのように就職活動を始めるのか、インターンシップや会社説明会への参加を検討し始める時期などを理解することで、最適なタイミングでのアプローチが可能になります。
これにより、自社の採用ターゲット層に対して効果的にリーチでき、無駄のない採用活動が実現できるでしょう。
スケジュールに柔軟性をもたせる
新卒採用スケジュールは、事前に計画を立てるのが重要ですが、状況に応じて柔軟に調整・変更できる余地を持たせることも必要です。
新卒採用の対象は「人」であるため、予期せぬ事態も起こり得ます。
例えば、「母集団がほとんど集まらない」「選考辞退が相次いでしまった」「内定辞退者が予測よりも多い」などが挙げられます。
このような場合には、母集団形成の追加実施のほか、ダイレクトリクルーティングや人材紹介といった比較的早期に成果を得られる採用手法を講じる必要などが生じます。
いざ予期せぬ事態が生じた際に混乱を避けるため、想定可能な範囲での対策を準備するとともに、スケジュールにも余裕および柔軟性をもたせておくことが重要です。
まとめ
本記事における「新卒採用はいつからいつまで?」に対する答えは、「開始時期:対象者が卒業・修了する前年度の5〜7月頃」「終了時期(内定出しの時期):対象者が卒業・修了する年度の10〜11月頃」です。
もちろん、業界や競合の動向によって変化するため、あくまでも目安としてご理解ください。
いずれにしても、就活ルールよりは早い時期に動き出している企業が多いのが実状です。
また「新卒採用のいつからいつまで」の検討は、「新卒の早期化」「学生優位の売り手市場」「選考辞退や内定辞退の増加」といった傾向を理解した上で行うようにしましょう。
本文では、新卒採用スケジュールの立て方を4ステップで紹介しているため、重要ポイント4つとあわせて、ぜひ参考にしてください。
弊社はダイレクトリクルーティング支援企業として、過去70万件・全40媒体以上のソーシングデータを用いて、自社が求める人材の採用を最短ルートで成功に導くサポートを行っています。
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竹村 朋晃
株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。
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