【企業向け】オンライン会社説明会とは?メリットや成功のポイントを紹介

母集団形成から面接まで、オンラインを活用した採用活動が広く普及しています。なかでもオンライン会社説明会は、全国の求職者を対象にできる、開催と参加も容易といった理由から多くの企業が実施しています。
ただ一方で「導入すべきか迷っている」「メリットとデメリットを踏まえて検討したい」「何を準備すべきか分からない」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、オンライン説明会について、メリット・デメリット、必要な準備、成功させるための工夫を紹介します。
オンライン会社説明会とは?
オンライン会社説明会とは、採用活動の際に企業が求職者を対象に行うインターネット上での説明会です。従来の対面型説明会とは異なり、企業側が特定の会場に求職者を集める必要がなく、オンライン上で情報を発信できるといった特徴があります。
オンライン会社説明会のメリット
オンライン会社説明会の主なメリットを、4つ紹介します。
全国の求職者にアプローチできる
オンライン会社説明会は、インターネット環境さえあれば場所を問わずに参加可能であり、地理的な制約がありません。そのため、企業は自社の拠点がない地域や遠方に住む求職者に対してもアプローチできます。
特に地方企業の場合、母数の多い都市部に住む学生をターゲットにできる点が大きなメリットです。また必要に応じて、留学生や海外在住の求職者も対象にできるため、幅広い候補者の中から人材を選ぶことが可能となります。
会場や配布用パンフレットなどの手配が不要
オンライン形式では、会場の手配や設備準備が不要なため、説明会に関わる様々なコストを削減できます。具体的には、会場の利用料や予約の手間、椅子や机のレンタル費用、映像や音響設備の設置などの負担がなくなります。
さらに、求職者に配布するパンフレットや資料もデジタル化できるため、印刷費用や輸送コストを削減できるだけでなく、環境負荷の低減にもつながります。これにより、採用活動全体の効率を向上可能です。
企業側と求職者側の両方が移動コストを削減できる
オンライン会社説明会では、企業側も求職者側も移動する必要がないため、時間や交通費を節約できます。
企業側では、説明会に参加する各社員の移動や宿泊にかかるコストが削減され、より効率的な運営が可能です。求職者側も、特定の会場へ足を運ぶ負担がなくなるため、参加しやすくなります。
特に地方や遠方から都市部の説明会に参加する場合、移動コストの負担が理由で参加をためらう求職者も多いため、オンライン形式は双方にとって大きなメリットとなるでしょう。
録画とオンデマンド配信で繰り返し利用可能
オンライン会社説明会は録画を容易に行えるため、当日の映像をオンデマンド形式で提供することも可能です。これにより、当日参加できなかった求職者に対しても、説明会の内容を後から視聴してもらえる環境を提供できます。
また、企業側にとっても、録画した説明会を複数回利用することで、新たに説明会を開催する手間やコストを抑えつつ、継続的に情報発信を行うことが可能です。さらに録画内容を確認すれば、改善点を洗い出して次回以降の説明会の質を向上させることもできるのです。
オンライン会社説明会のデメリット
オンライン会社説明会の主なデメリットを、4つ紹介します。
職場や社員の雰囲気が伝わりづらい
オンライン会社説明会では、画面越しの情報に限られるため、実際の職場の雰囲気や社員同士の関係性が伝わりにくいデメリットがあります。
対面の説明会では、オフィスの内観や働く社員の表情、現場の様子などを見れるため、企業文化を感じ取りやすいといえます。一方、オンラインではカメラを通して限られた範囲の情報しか伝わらないため、求職者が「実際に働くイメージ」を持ちづらくなりがちです。
結果として、企業への理解が浅くなり、志望度の向上につながらないケースも起こり得るでしょう。
参加者の集中力が持続しにくい
オンライン形式では、対面と比べて参加者の集中力が持続しづらい傾向があります。特に自宅やカフェなどから参加する場合、周囲の物音や別の作業に気を取られ、説明会の内容に集中しきれないケースが考えられます。
また対面と異なり、「企業から見られている」という意識が薄い点も集中力が途絶えやすい要因のひとつです。加えて、オンライン説明会が長時間に及ぶと、視聴による疲労感が強まり、途中で興味を失ってしまう参加者も少なくありません。
企業側は、飽きさせない工夫や参加型の要素を取り入れない限り、求職者に十分な情報を届けるのは難しいといえるでしょう。
質問が出てきにくい
オンライン説明会では、求職者が積極的に質問しづらいという課題もあります。対面の説明会では、会場の雰囲気や周囲の流れに後押しされて質問が出やすいのに対し、オンラインでは、タイミングを読み取りづらかったり、余計に緊張したりして質問が出てこないケースが散見されます。
さらに、チャット形式での質問の場合、「参加者全員に自分の質問が見られてしまう」といった心理的なハードルが生じやすくなります。その結果、疑問点が解消されないまま説明会が終了し、企業理解が深まらないままとなる恐れがあるのです。
通信トラブルなどのリスクがある
オンライン説明会では、通信環境に依存するため、音声や映像の乱れ、接続中断のようなトラブルが発生するリスクは避けられません。
企業側の配信システムや各種設備の不具合に備えた準備が不十分だと、スムーズな進行が難しくなります。求職者側が使用するデバイスやインターネット環境によっても、説明会の内容がうまく伝わらない場合があります。
このようなトラブルが発生すると、参加者にストレスを与えるだけでなく、企業の印象が低下してしまう可能性もあるため、可能な範囲でのリスクマネジメントと対策が必要です。
オンライン会社説明会に必要な準備
オンライン会社説明会を開催するためには、以下3つの準備が欠かせません。
必要な機材と環境の整備
オンライン会社説明会を成功させるためには、安定した通信環境と適切な機材の準備が不可欠です。
まず、高速かつ安定したインターネット回線を確保し、配信中に映像や音声が途切れないようにしましょう。
次に、カメラやマイクなどの機材も重要です。パソコン内蔵のカメラやマイクよりも、外付けの高画質カメラや高性能マイクを使用することで、よりクリアな映像と音声を求職者に届けることができます。照明にも配慮し、顔が暗くならないように明るい部屋で配信することが大切です。
また、背景には企業ロゴやバーチャル背景を使用することで、自社の個性や雰囲気を演出できます。
使用するプラットフォームの選定
オンライン会社説明会に使用するプラットフォームは、目的や参加者の規模に応じて適切なものを選定することが大切です。
例えば、ZoomやMicrosoft Teamsは操作性が高く、多くの参加者を一度に収容できるため、多くの企業が用いています。双方向のコミュニケーションを重視する場合は、チャット機能やQ&A機能が充実しているプラットフォームを選定します。後でオンデマンド配信をする場合、録画機能も確認しておきましょう。
また、求職者が簡単にアクセスできるよう、事前に参加方法や操作手順を案内し、プラットフォームに不慣れな人でも迷わず参加できる工夫を行うと好印象です。
プレゼン資料や動画コンテンツの作成
オンライン会社説明会では、求職者の興味を引きつけ、自社への理解を深めてもらうためのプレゼン資料や動画コンテンツが不可欠です。
まずプレゼン資料は、視覚的に分かりやすいことに重点を置き、グラフや写真、動画を活用しましょう。次に、企業理念や事業内容、働く環境について伝える際は、社員のインタビュー動画やオフィスツアー映像を取り入れると、職場の雰囲気や働く魅力をより具体的に伝えられます。
また配信前にリハーサルを行い、資料のスライド切り替えや動画再生のタイミングを確認することも大切です。求職者が飽きずに参加できるように、リアルタイム投票やQ&Aセッションを組み込んでおくと、より魅力的なプログラムになります。
オンライン会社説明会を成功させるための工夫
オンライン会社説明会を成功させるための工夫を、6つ紹介します。
事前の通信テストとリハーサルを行う
オンライン会社説明会では、通信トラブルを避けるためのテストとリハーサルが欠かせません。当日に使用する機材やインターネットの接続状況を確認し、本番とほぼ同じ環境で映像・音声がクリアに届くかをテストしましょう。
特に、複数者が交代で発言する場合や動画を挿入する場合は、スムーズに切り替えができるか入念にチェックが必要です。
また、リハーサルを行うことで、話す内容や進行スケジュールの最終確認ができ、配信中の焦りやミスの予防にもつながります。安心して本番を迎えるために、想定しうるトラブルへの対策も事前に用意しておきましょう。
身振りやリアクションは対面時より大げさに行う
オンラインでは画面越しのため、表情やリアクションがどうしても伝わりにくくなります。そのため、対面時よりも意識的に大きな身振りや明るい表情を心がけることが大切です。話している内容に合わせてうなずいたり、ジェスチャーを加えたりすることで、参加者に熱意や親しみやすさを感じてもらえるでしょう。
また、声のトーンも大切です。単調にならないよう強弱や抑揚をつけて話すと、参加者の集中力を維持し、聞き手にポジティブな印象を与えられます。
「採用動画」を作成しておく
オンライン会社説明会では、参加者に視覚的なインパクトを与える「採用動画」の活用が有効です。
短時間で自社の魅力や業務内容を伝えるために、動画にはオフィス風景、働く社員の姿、チームの雰囲気などを盛り込みましょう。特に、現場社員のインタビューや一日の流れを紹介するコンテンツは、求職者が企業で働くイメージを持ちやすくなります。
採用動画は説明会だけでなく、自社サイトやSNSでのプロモーションにも活用できるため、長期的な採用活動に役立ちます。
「ブレイクアウトルーム」での質疑応答を取り入れる
大人数が参加するオンライン会社説明会では、個別のコミュニケーションが取りづらい点が課題です。これを解決するために、少人数グループに分けられる「ブレイクアウトルーム」の活用を推奨します。
採用担当者や現役社員が各ルームに入り、少人数内で求職者の質問に直接答えることで、双方向のコミュニケーションが生まれやすくなります。参加者がリラックスして質問しやすい環境を作れば、理解が深まり、企業への興味や志望度の向上にもつながりやすくなるでしょう。
現役の活躍人材に参加してもらう
オンライン会社説明会には、現役の活躍人材に参加してもらうと効果的です。実際に自社で活躍している社員が仕事のやりがいやキャリアパスについて語ることで、リアリティのある情報を提供でき、求職者の不安解消につながります。
また、活躍したエピソードを聞き、いきいきとした様子を見れば、「憧れ」につながり、「自分も同じように働きたい」という思いから志望度の向上につながる可能性もあります。
さらに若手社員や中堅社員、管理職など、複数の立場の社員が登場すれば、企業の多様な働き方や成長環境をアピール可能です。求職者は、ますます「自分が働く姿」をイメージしやすくなり、企業への信頼感も高まるでしょう。
終了後にアンケートを実施して改善を図る
オンライン会社説明会の終了後は、必ずアンケートを実施し、参加者の声を収集しましょう。アンケートでは、以下のような5段階ほどで回答可能な質問項目を設けて、具体的なフィードバックを得ることが大切です。
- 説明会の内容は分かりやすかったですか
- もっと知りたかった情報はありますか
- 通信環境に問題はありませんでしたか
集まった意見をもとに改善点を洗い出し、次回の説明会に反映すれば、より満足度の高い説明会を実施できます。こうした改善の積み重ねが、企業の採用活動の更なる強化につながるのです。
まとめ
オンライン会社説明会とは、採用活動の際に企業が求職者を対象に行うインターネット上での説明会です。「全国の求職者にアプローチ可能」「会場や配布用パンフレットの手配不要」「企業も求職者も移動コスト不要」といったメリットがあります。
ただし、「職場や社員の雰囲気が伝わりづらい」「参加者の集中力が持続しにくい」「通信トラブルなどのリスクがある」といったデメリットも存在します。
そのため、「必要な機材と環境の整備」「使用するプラットフォームの選定」など必要な準備をしっかりと行い、あわせて紹介した6つの工夫を実践して、オンライン会社説明会を成功させましょう。
また弊社はダイレクトリクルーティング支援企業として、過去60万件・全40媒体以上のソーシングデータを用いて、自社が求める人材の採用を最短ルートで成功に導くサポートを行っています。
スカウトを上手く行えれば、会社説明会の参加者を募れるだけでなく、各採用プロセスを省略して採用に直結させることも可能です。
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竹村 朋晃
著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。
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