電気電子系エンジニアのダイレクト採用について(回路設計編)
目次
電気電子のエンジニアについて
概要
エンジニアは大きく分けてハードウェアとソフトウェアに分かれますが、このブログで紹介する電気電子のエンジニアはハードウェアに分類されます。電気や電子の原理を応用して機器を設計・開発する専門家です。このエンジニアは製造業を中心に電子機器や通信機器、制御装置など、様々な分野で活躍しています。
有効なメディアについて
電気電子系のエンジニアのダイレクト採用を実現するにあたって、どのメディアを使用すれば良いか、母集団調査をする必要があります。普通であれば有識者にヒアリングしたり、メディアに検索条件を打ち込んで母集団状況をチェックしますが、弊社では50万件以上のスカウト配信データを蓄積したデータベースがあるので、そこから有効なメディアのあたりをつけてます。
こちらのバブルチャートから母集団や反応の良さを読み取ると、BizreachやLinkedInが有効であることがわかります。
種類
Bizreachの検索欄を見てもこれだけの種類の電気電子系の職種があります。
今回のブログでは、その中でも「回路・実装設計」の職種について探ってみます。
- 研究・開発
- 回路・実装設計
- 電気電子制御設計
- 生産技術
- 生産管理
- 品質管理
- 品質保証
- 工場長
- セールス・サービスエンジニア
回路・実装設計エンジニア
実はこの職種だけでも様々なエンジニアが混在しているため、この職種を次の2つに分解してみます。
回路設計
実現したい機能の要件をもとに電気回路の設計とその設計図を作るエンジニアです。
実装設計
回路設計者が作成した設計図をもとに実物と同一の図面を作成し、部品のレイアウト設計を担当するエンジニアです。
回路設計エンジニア
上記で分類した2つの職種の中でも、さらに「回路設計」のエンジニアを分解してみます。
回路設計のエンジニアは大きく3つに分けることができます。
アナログ回路設計
アナログ回路設計エンジニアは、アナログ回路の設計を専門とするエンジニアです。アナログ回路は、電気信号を連続的な波形として扱います。アナログ回路設計エンジニアは、電圧や電流の変化を制御することによって、電子機器や通信機器、制御装置などを設計します。
回路例:電源回路、フィルタ回路、増幅回路、変復調回路、発振回路
ディジタル回路設計
ディジタル回路設計エンジニアは、ディジタル回路の設計を専門とするエンジニアです。ディジタル回路は、電気信号を0と1の2進数で扱います。ディジタル回路設計エンジニアは、論理演算やプログラム言語を駆使して、電子機器や通信機器、制御装置などを設計します。
回路例:カウンタ回路、レジスタ回路、フリップフロップ回路、エンコーダ回路、デコーダ回路
混合回路設計
混合回路設計エンジニアは、アナログ回路とデジタル回路を組み合わせた電子回路の設計を専門とするエンジニアです。混合回路は、アナログ回路とデジタル回路を組み合わせたもので、両者の長所を生かしつつ、機能的な制御を行うことができます。
回路例:A/D変換回路、D/A変換回路図を入れる(混合回路)
ポジションの要件にもよりますが、実際に候補者をサーチする場合は最低でもこのレベルで分解する必要があります。どの回路設計エンジニアを必要としているのか、候補者がどの回路設計エンジニアに当てはまるのか、求人票と比較しながらサーチする必要があります。もちろん、複数の領域に跨っている電気電子のエンジニアも存在します。
キーワードの抽出
これまで、各回路設計者の概要と設計する回路の例を記載してきましたが、候補者のプロフィールには丁寧に回路の名前まで記載していないことが多いです。そこで参考までに、各回路設計者のキーワードを抽出してみます。
アナログ回路設計
キーワード:PCB、PSB、基板設計、回路設計、電源回路、アンプ、DCDC等々
製造業であれば自社製品に搭載される基板を設計しているエンジニアが多く在籍しているため、基板設計や基板を指すPCB(Printed circuit boad)、回路設計等を入れるとヒットしやすいです。その基板に搭載されているアンプやDCDC等、回路名を直接打ち込むと母集団は狭まるものの、より確度の高い候補者をソーシングすることができます。
ディジタル回路設計
キーワード:Verilog、VHDL、ASIC、FPGA等々
ディジタル回路では回路名を直接記載するよりも、その回路が搭載されているチップ(ASIC、FPGA)や開発に用いるハードウェア記述言語(Verilog、VHDL)を検索欄に入れれば基本的には対象の候補者がヒットします。VerilogやVHDLはC言語を基に作られた言語のため、組み込み系のソフトウェアエンジニアと混同しやすいので注意しましょう。
キーワード抽出のコツ
キーワード抽出のポイントについて、下記3点にまとめてみました。
候補者のプロフィールのキーワードを抽出
ダイレクト採用で使用するメディアで実際に検索して、ヒットした候補者のキーワードを抽出しましょう。候補者はプロフィール欄にどの回路を設計していたか、細かい部分までは記載しないことがほとんどです(私も基板設計、FPGAくらいしかプロフィールに書いてません笑)。候補者がどの粒度で書いてあるのか把握するためにも、ソーシングする際は必ず実施しましょう。
現場へのヒアリング
現場の方にヒアリングして、どんな設計者を探しているか確認してから検索しましょう。必要であれば画面共有しながら一緒に検索キーワードを考えながら候補者を見る時間をとっても良いでしょう。30分くらいでも良いので、その時間を取るだけで後の作業効率が格段に違うはずです。
電気電子についてのざっくり学習
上記の2つのコツはキーワードを見たり、ヒアリングを実施してもベースの知識がなければ理解するのに時間がかかると思います。特に、電気電子のエンジニアは専門用語や聞き慣れない単語が多いです。採用担当者でも最低限の知識は事前にインプットしておきましょう。エンジニア程とはいかないものの、採用担当者も自社に必要なエンジニアスキルの知見は常に学び続けることが必要になってきそうです。
まとめ
このブログでは、電気電子系エンジニアの中でも回路設計エンジニアの種類について紹介してきました。また、キーワードの抽出についても触れ、候補者を効率的にサーチするコツについても紹介しました。電気電子のエンジニアは幅広く様々な技術を持っている方がいらっしゃるため、採用担当の方も最低限必要な知識は学び続ける必要があります。また、ダイレクト採用のスピードを加速するためにも、現場と協力してお互い理解しながら進めていくことが重要だと考えてます。
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大戸井 慶人
青山学院大学大学院卒業後、株式会社リコーにエレキ設計者として入社。主に産業機器の電気回路設計・開発を担当。その後、株式会社ダイレクトソーシングにカスタマーサクセスとして参加。前職で培ったエンジニア知見を武器に、クライアントのダイレクト採用支援に従事。