エンジニア採用
2023.03.02

エンジニア採用にテストは必要?メリット・デメリット・実施方法を徹底解説

昨今業界からの需要が高騰し、採用戦略に苦戦を強いられるケースも多いエンジニア採用。
多額の採用コストを注ぎ込んだにも関わらず、採用後に企業ニーズとマッチせず、すぐに退職されてしまった、なんて経験をしたことがある採用担当者も多いのではないでしょうか。

エンジニア採用でミスマッチを防ぐために行われる採用テストが有効ですが、どのような内容にすればいいのか悩んでしまうケースも少なくありません。

この記事では、エンジニア採用にテストが必要なのか?メリット・デメリットや実践方法など詳しく解説していきます。
エンジニア採用を効率化し企業ニーズにマッチする人材を確保したいという採用担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

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エンジニア採用でテストが行われる理由

IT分野の成長やDX化の流れにともない、IT人材の需要は高まるばかりです。
しかし、IT人材の代表とも言えるエンジニアの数は圧倒的に少なく、採用は困難を極めると言ってもよいでしょう。

新卒をエンジニアとして育成していく方法もありますが、なかには折角育てたエンジニアが一人前になったと同時に退職してしまい途方に暮れてしまったという企業も多いです。
転職市場においてエンジニアは、好待遇を提案されることも多いため、競合他者との差別化ができなければ育成コストに見合った成果は出しにくくなります。

そこで注目されるのが中途採用です。
即戦力となるエンジニアを採用し、早期に成果を上げたいという企業が増えました。

ただでさえ数少ないエンジニアを、多くの企業が求めるため、自然と採用コストは膨れ上がります。

参照:中途採用状況調査2022年版

2022年に発表されたマイナビの中途採用に関する調査によると、IT分野における採用コストの平均は574.4万円という結果が出ています。
これらの採用コストを無駄にしないためにも適切なテストを行い、企業の求めるスキルや人格を持つ人材を選別する必要があります。

エンジニア採用で行われる3つのテスト

エンジニア採用で行われるテストにはさまざまなものがありますが、代表的なものは「コーディングテスト」「性格診断テスト」「能力適性検査」の3つです。

続いて、それぞれのテストについて概要を紹介していきます。

コーディングテスト

コーディングテストでは、エンジニアの持つ基本的なスキルを確認します。

指定したプログラミング言語を使用し、コーディングの課題に取り組んでもらう方法を採用する企業が多いです。
指示した内容通りにコーディングできるのか、間違いなくプログラムを構築できるかなど、スキル面の判断材料となるでしょう。

また、コーディングテストでは、あえて完璧な正解を提示せず抽象的な指示を出し、エンジニアとしての対応力を観察するケースもあります。
指示した内容に合わせて、どのような考えでコーディングをするのか、その過程を観察することで対応力の判断ができます。

性格診断テスト

エンジニアは多くの場合チームで仕事をします。
そのため、チーム内で円滑なコミュニケーションをとりスムーズに業務を遂行できる人柄や性格も求められるでしょう。

面接などで対話することで見えてくる人柄もありますが、採用条件を一定水準で保つために性格診断テストを行うケースも珍しくありません。

能力適性検査

エンジニアには、プログラミングの知識だけでなく、相手の意図を理解する国語力やプランニングに欠かせない計算力も必要です。
どれだけプログラミングを熟知していても、相手の希望を理解できなければ求められたプログラムを提供することはできませんし、どれだけ良いプログラムを構築しても納期に遅れてしまえば大きな問題になりますし、予算度外視の設計なんてもってのほかでしょう。

そこで、エンジニアとして働くにあたりさまざまな視点から適性を調べるために行うのが能力適性検査です。
能力適性検査も性格診断テストと同様、市販されているものがあります。

エンジニア採用でテストを行うメリット

エンジニア採用でテストを行うメリットには、「評価規準の一定化」「スキルの把握」「コミュニケーション能力の把握」「企業ニーズの高い人材選定」「採用ミスマッチの予防」が挙げられます。

続いて、エンジニア採用でテストを行うメリットを詳しくみていきましょう。

評価規準を一定に定めることができる

エンジニア採用に関わる採用担当者が、必ずしもIT分野に精通しているとは限りません。
特に大きな企業になるほど、採用部門はエンジニアとは全く関係のない人員で採用活動を行うケースが多くなるでしょう。

エンジニアのような専門性の高い人材採用を行う場合、知識のない人にスキルの選定などを任せるのは大変危険です。
だからといって、ただでさえ人手が足りないエンジニアを採用業務に回すことも現実的ではないでしょう。

そこで、テストを行い評価基準を定めることで、エンジニアではない採用担当者でもある程度の選定が可能になります。
もちろん、テスト内容をエンジニア部門で精査する必要はありますが、業務を分割できるようになれば採用活動の負担は軽減されるでしょう。

スキルを把握できる

エンジニアの能力は学歴や職歴だけで判断することが難しいケースも少なくありません。
例えば、高学歴で前職もエンジニアとして10年間勤めていたという実績があっても、自社で主に使うプログラミング言語の経験が無かったり、自社とは全く違う開発分野の職歴しかなかったりする場合、即戦力は期待できないでしょう。

さらに、中途採用だけでなく新卒を採用する場合は職歴での判断ができないため、テストを行わなければ、どの程度のスキルを持っているのか判断する基準がありません。

テストを行い合格ラインを作ることで評価規準を一定化することで、企業ニーズにおける最低限の採用ラインを守ることができます。
特に、即戦力を求めている企業の場合、一定の評価規準をクリアできるスキルを持っているという担保はとても重要です。

人間性やコミュニケーション能力が分かる

人間性やコミュニケーション能力は、面接でも測ることができるでしょう。
しかし、面接でその人の仕事に対する姿勢のすべてが見える訳ではありません。

特に短時間で行われる面接であれば、好感のもてる人物像を演じることも容易いです。
面接でハキハキと受け答えできるからといって、コミュニケーション能力が高いとは判断できないのではないでしょうか。

性格診断テストやコーディングテストをしてみると、その人がどのような性格や思考回路を持って課題に取り組んでいるのかが視覚化されます。
チームでプログラミングやコーディングに取り組めるのかどうかを判断するのに最適です。

企業ニーズに合う人材採用ができる

求職者が仕事に対してどのような考え方を持っているのかは、採用するうえで重要なポイントです。
企業によって、従業員に求めるニーズは違います。

コーディングひとつとっても、協調性を求めるのか独自性を求めるのかは企業によって違います。
また、エンジニアが直接クライアントとやり取りをするなら接客力や提案力も求められますし、間に営業が介入するならそれらの能力は必要とされないかもしれません。

このように企業ニーズに合うスキルや経験を持っているのかを、テストを通して確認することができます。

採用後のミスマッチを防げる

テストを行い評価を数値化することで、採用後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
企業が求めるスキルを持っていることをテストで証明できれば、

「即戦力になると思って採用したのに前職のやり方だと自社では使えない。一から育成し直す必要がある」

なんて事態には陥りにくくなるでしょう。

また、性格診断テストや能力適性診断の結果をデータとして蓄積し、短期離職率などと照らし合わせることで、離職者の傾向や今後の対策などに繋がることも考えられます。

エンジニア採用でテストを行うデメリット

エンジニア採用でテストを行うと、メリットだけでなくデメリットも発生します。
デメリットとなる点を理解し、不利益を最小限に抑えて採用活動を行うことが大切です。

応募のハードルが上がる

エンジニアの求人は数が多く、現在はほとんど売り手市場であると言えます。
そんななか、待遇や条件が同じで一方は採用テストがあり、もう一方は無かった場合、どちらに応募が集まるのかは一目瞭然でしょう。

特に、中途採用を希望している場合、辞職前から転職活動を始めるエンジニアも多いです。
1日がかりとなる採用テストが必要な企業には、物理的に応募できないケースも少なくありません。

テストを受けてでも入社したいと思える条件が提示できているのか、また応募者に合わせた柔軟な対応でテストを実施できるかがポイントとなります。

採用担当者の負担が増える

テストを行う場合、必ず採点が必要になります。
また、テストの情報を採用活動のデータとして分析に活用するなら、データ化や管理も必要となるでしょう。

採用担当者にとっては、テストを行うことで、業務負担が大きくなるケースが多いです。

また、コーディングテストの採点や評価を自社エンジニアが担当する場合、通常業務に支障がでてしまうケースもあります。
人手不足で即戦力を求めているのに、採用に時間を取られて本業が滞ってしまう状況に陥ってしまうのは本末転倒かもしれません。

優秀な人材の取りこぼしが起こる可能性がある

性格診断テストや能力適性検査では、評価を一定化してしまうことで、クリエイティブな感性や個性を持つ人材を取りこぼしてしまうリスクもあります。

会えば魅力が伝わるものの、テストで評価を下回るから面接にまで上がれないという人材も少なくありません。
そもそも、簡単な回答で評価される市販のテストなどでは、詳細までは判断できない可能性が大きいです。

即戦力を求めているのなら一般的なテストによる評価を規準とすべきですが、今後エンジニアとして育成していく人材を求めているなら、テストの結果よりも素直さや勤勉さなど伸び白の大きさを重視する必要があるでしょう。

採用テストを行った場合、数値化された情報を盲目的に信用せず、あくまで判断材料のひとつとして扱うことが大切です。
企業のニーズに合わせて、総合的な判断を行うことで優秀な人材の取りこぼしを防ぎましょう。

エンジニア採用でテストを行う方法

エンジニア採用でテストを行う場合、以下の方法があります。
あくまで一例ですので、自社の企業ニーズと照らし合わせて最適な実施方法を検討してみてください。

コーディングテストを行う方法

コーディングテストを行う際には以下の2つの方法があります。

 

  • 自社独自の問題を作る
  • 外部のコーディングテストサービスを利用する

 

自社独自の問題を作る場合には、問題の作成や採点にエンジニアの協力が必要です。
また、試験方法にも、実際にWeb上でコードを書く方法や、紙に書き起こす方法、対話をしながらゴールとなるプログラムを作成していく方法などさまざまです。

自社独自の問題を作成するにはエンジニア部門と協力して行う必要があるため、現在のエンジニアの人員に余裕のある企業向きだと言えるでしょう。
採用テストに割く人員が足りていない企業の場合は、外部のコーディングテストサービスを利用するのがおすすめです。

コーディングテストサービスでは、コードの正否やプログラムの構築にかかった時間、完成までの構築過程などを後から確認できるものもあります。

性格診断テストを行う方法

性格診断テストにはさまざまな種類があり、まずはどのような分野のテストを実施していくのかを決める必要があります。
一般的に用いられる採用テストには以下のものがあります。
 

16パーソナリティ:
「外向型・内向型」「判断型・知覚型」「直感型・感覚型」「思考型・感情型」の4つの指標を気味合わせ16パターンのうちから性格を診断する

 

16PF人格検査質問紙:
回答から行動特性を明らかにし、16に分類した性格因子のどれに当てはまるのか診断できる

 

キャリパープロファイル:
質問の答えから良い面・悪い面を分析して、求職者がそんな成果を達成できるのかを推定する

 
性格診断を行う際には、そこから得たデータをどのように活用して採用の判断材料にするのか考える必要があります。
結果だけを評価規準にしてしまうと、優秀な人材を取りこぼしてしまう可能性があるため、あくまで判断材料として活用してみてください。

能力適性診断を行う方法

能力適性診断を実施するうえで必要なのは、ボーダーラインの設定です。
まずは、自社で活躍している複数名の人材に能力適性診断を受けてもらい、その結果を参考にボーダーラインを定めるとよいでしょう。

能力適性診断では、以下のテストを利用する企業が多いです。

 

SPI:
リクルートマネジメントソリューションズが開発した能力適性診断。
言語分野と非言語分野に分けた2種類の出題から、職種の違いを越え共通して求められる知的能力を測ることができる

 

玉手箱:
日本エス・エイチ・エルが提供している能力適性診断。
Webで利用でき、知的能力と性格適性を測ることができる

 
近年、能力適性診断や性格診断テストはオンラインで受験できるものも増えています。
柔軟に採用テストを行いたい場合は、自宅でも受験できるオンライン版の能力適性診断や性格診断テストを活用するのもよいでしょう。

採用テストを効率的に行うなら外部サービスの利用もおすすめ

採用テストを行うことでさまざまなメリットが得られますが、一方で採用担当者や採点をするエンジニアには大きな負担となってしまいます。
また、自社でテストを作成する場合には、どのような問題を出題するのか、制限時間の設定、模範回答の作成などさまざまな工程が必要となるでしょう。

採用テストに多くの労力を割くことになり、本業に支障をきたしてしまう可能性があります。

コーディングテストをはじめ、今回紹介した3つのテストはどれも外部サービスで提供されているものがあります。
採点までしてくれるサービスもあれば、問題だけを購入することも可能です。

自社に合った方法で効率的に採用テストを実施できるよう、外部サービスの利用を検討してみるのもおすすです。

まとめ

採用テストの必要性や種類、メリット・デメリットについて紹介してきました。採用の費用対効果を高めるためにも、テストを行い企業ニーズにマッチする人材を選別することが重要です。

今回紹介した採用テストは、一般的に用いられているものです。より、企業ニーズに合う人材を選別するのであれば、企業独自のものを取り入れてみるのもよいでしょう。

優秀な人材を獲得するためにも、採用テストを活用してスキルや性格・能力などを可視化し採用の判断材料としてみてください。

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野溝

野溝

前職で採用担当・コンテンツディレクターを経験後、株式会社ダイレクトソーシングのWebマーケティング担当に転職。 これまで数多くの採用関連コンテンツに携わり、特にエンジニア、スカウト関連のコンテンツに強みを持つ。

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