イベントレポート
2024.05.16

LinkedIn宇野さんに聞く!イベント登壇者事前インタビュー

今回イベントにご登壇いただく、前パーソルキャリアエージェント、
現LinkedIn採用•組織開発コンサルタントである宇野魁人さんに、ご自身の経歴や実績についてのインタビューをさせていただきました!

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プロフィール
新卒でリンクアンドモチベーショングループに入社し、その後自身で教育事業を立ち上げる。パーソルキャリア株式会社では、IT企業を中心にCxOの幹部採用からDX人材の採用支援に従事し、現在では、世界最大級のビジネスプロフェッショナルプラットフォームを運営するLinkedIn Japanにて、採用&育成コンサルタントとして従事。LinkedIn社員×経営者の二つの顔を持つ。
一貫して“採用&教育”のキャリアを積み、事業を自ら立ち上げ経験からくる経営視点と組織開発の観点を強みに、企業の人的資本経営の課題を解決することに取り組んでいる。
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目次

ご経歴、採用支援編

Q:まずは現職、LinkedIn社へのご入社経緯について教えてください。

自分は元々、dodaでお馴染みのパーソルキャリア株式会社でエージェントをやっており、「LinkedIn」というサービスとはその時出会いました。

実際にLinkedInを活用しながら顧客の採用の成功を支援する中で、随分特徴的なダイレクトリクルーティングツールだなと感じていましたね。
それがまずきっかけです。
 
ーーLinkedInのどのあたりが「特徴的」だと感じたのでしょう?
 
例えば私はLinkedInだけでなく、様々なダイレクトリクルーティングツールを活用していたのですが、LinkedInを使っていて「かなり優秀な方と簡単に繋がれる」ということに、日々驚いていました。

普通だったらなかなか声をかけられない人材がバイネームでわかり、
そして直接声をかけられるし、カジュアルにも繋がれる。

一般的にダイレクトリクルーティングツールって、スカウトをして返信があるかないかで、ゆるく繋がれることって、まずないですよね。

返信が返ってこなかったとしても、繋がっていたら、ある投稿をきっかけに返信が返ってきたり、誰かのつながりだったから返信をするなど、明らかに他とは違うなと。

まずこの点が一番特徴的だと感じていました。

また、使えば使うほど、採用におけるデータやフォロワーが増えたり、会社としての資産が溜まっていく、たくさんの可能性を秘めているツールだとも思っていました。

 
ーー実際に活用されているからこそ、LinkedInというサービスの魅力を体感されていたんですね。
 
はい!それがLinkedInに興味を持ったきっかけですね。

ここからが入社経緯というか志望理由になるのですが、エージェントとして企業に代わって人を採用するだけでなく、企業の採用力を高めたいと思うようになったからです。

私は、エージェントとしてスタートアップから、大企業まで、様々な採用支援に関わる中で、ニッチなポジションや、高難易度なポジションの採用にあえて集中していました。

しかし、どうしてもエージェントの仕組み上、採用のご支援できないポジションも多くあり、企業自身が直接採用しなければいけないことが多々ありました。

でも、企業からしたらいきなり振られても時間がないし、求める人材の採用の仕方がわからない。

極端にお客さんの事業スピードが遅くなるという課題に何度か直面しました。

実は、大手であってもそんな企業はいくつもあるんです。

その経験から採用における内製化支援の必要性を感じ、業務外でも取り組んでいたのですが、一エージェントとして、サスティナブルに仕組み化することは難しかったんです。

それだったらそもそもの採用における考え方や、マーケットをアップデートする必要があると思い、LinkedInであればそれができると思い、入社を決意しました。
 
ーーなるほど、ありがとうございます。
確かにLinkedInは他のサービスと比べると、ブランディングとしても使えるなど特徴的ですよね。
 

Q:ご自身でも教育事業を立ち上げられている宇野さんですが、立ち上げの経緯についてお聞かせください。

ただただ、教えることが好きだったんです!笑

学生時代は教員免許取得を意識したこともあったのですが、勉強していくうちに

「本当に自分は”学校の先生”になりたいのか?」
「自分は”教える”こと自体が好きなのではないか?」

と色々考えるようになり、家庭教師や予備校教師なんかもやっていました。

そうしたら個別に依頼がくるようになったりして、ぼくなんかよりもっと優秀かつ有名な講師がいる中、自分を選んでいただくことに学生ながらにとても使命感が湧いてきまして。

そこから一定自信がついて、「教える」を武器に勝負していきたいと考えるようになりました。

どうやったらそれができるかを考え始め、自分で事業づくりをすることに興味を持ちましたね。

二つめに、本気で頑張る人を支援したいという想いです。

私が運営する事業の対象はビジネスマンでして、大人になってから新しいことを学習するのって、とてつもない決断だと思うんです。

ただでさえ時間のないビジネスマンです。

その時間を休憩に使ったり、大切な人との時間に使うこともできたのに、学ぶことに時間を使うって、相当な覚悟を持ってやる必要があると思います。
それならば、学ぶ中で辛い部分を少しでも楽しんでほしい、ぼくの授業を受けるのであれば、最高級の時間を過ごしてほしいと思い、自分なりの、大人向けに塾を立ち上げました。
 
ーー確かに、今お話を聞いていてとても分かりやすいですし、採用だけでなく講師も天職のように感じますね。
 
ありがとうございます!

その後新卒1社目に「リンクアンドモチベーショングループ」という組織開発、人材育成系の会社に入社しました。

そこで教えることで人が、価値観がどんどん変わっていくことを法人向けにやることの面白さも知りました。

そしてやっていくうちに、やはり「自分でこういった事業をやりたいな」という気持ちを持ちまして…

立ち上げの背景としてはこのような感じです。
 
ーーありがとうございます。

最初は教育に対して強い興味をお持ちになっていた宇野さんですが、採用にはどのようにして関わるようになられたのでしょう?
 
そうですね…当時自分の英語教育事業で教えていたお客さんからの影響が大きいです。

英語を学びにきて、英語力を上げるというよりは、みんな転職するために英語を勉強していました。

また、お客様に経営者も多く、海外のVCから資金調達、海外事業拡大など、英語の先にあるものを達成するためにがんばっていらっしゃることから、
そこも支援することで、さらに事業にも付加価値がでる!と考えるようになりました。

そこから英語以外の悩みも聞くようになり、特に「採用」は、多くの経営者の方たちの悩みのタネとして話題に上がっていました。
自分の事業で人の採用もしていたことから、大変さもすごく腑に落ちていて、ここを支援できるうになりたいと思ったんです。
 
ーーなるほど、教育と採用、フェーズは違えど、人に深く関わるという点で共通していますね。今後も採用と教育の二軸で活動されていくご予定ですか?
 
そうですね!
採用と教育はセットに考えることが、本当の意味での組織開発、そして事業成長につながると考えています。

間違った人を採用してしまうと教育をしても育たないですし、逆に、採用が成功しても、組織開発がうまくいかなければ、
その人の持つ才能が開花しないと考えています。

なので、経営者として事業を運営する経営視点を持って、採用と教育両方の軸で、お役に立っていきたいなと思っています!

【採用戦略について】

Q:スタートアップからプライム上場企業まで幅広い企業の採用をご支援されてきた宇野さんですが、印象に残っている支援エピソードなどはございますか?

これは難しい質問ですね笑

全部印象深く残っていて、選ぶのが大変なんですが…まず挙げられるのが、とあるSaas系の会社でしょうか。

社長が開発出身の方で、エンジニア層はとても充実していたんですが、プロダクトを売る仕組みが出来ていなかったり、そもそも営業がいないという課題を抱えていました。

そこの営業チーム、営業部長と営業マネージャー、シニアクラスなど一気に5人ほど採用しまして、一人を採用する、というよりは、“組織を作る”ところまで関わらせていただきました。

これはとても印象に残っていますね。
 
ーーそれは印象的ですね。

個人的な感覚ですが、組織づくりの初期フェーズだと、まだチームの魅力などは伝えづらい段階なのではないかと感じます。

そのような中で、どのように魅力訴求を行なっていたのか、最終的に採用成功に至ったプロセスや工夫した点などあればお聞かせいただきたいです。

 

そうですね、工夫した点は色々ありますが、大きく3つの点が挙げられるかな、と考えています。

1つ目は、経営戦略まで踏み込ませていただいたことです。

社長に直接お会いして、社内の実情や今後の経営についてヒアリングし、その会社への情報度そのものを高めることを意識しました。
 
ーー経営戦略まで踏み込まれてたんですね。それはどういった狙いからですか?

 

その会社でいきますと、優秀な営業の方を適切に口説いていくためです。

営業の上手い方って、情報感度が非常に高くて、ヒアリング力のプロなんです。

ベンチャー、かつ知名度が無い企業が、他の有名企業よりなぜ良いのか、今後の経営戦略はどうなっていて、働くとどういうメリットや魅力があるのか、すべて事細かく聞かれます。

窓口である自分が理解しないと全力で口説けないので、そこはしっかり踏み込ませていただきました。
2つ目は、採用プロセスを全てカスタマイズさせていただいたことです。

自分が手を入れる前は、4次面接まで実施していたんですね。
 
ーー4次面接までとなると、候補者側の離脱も多くなりそうですね。

 

そうですよね。でも、そうしなければならない背景もわかるんです。

スタートアップの会社や新しい事業部って、採用した後一人でもミスマッチや早期退職が起こってしまうと組織自体に相当なインパクトを与えてしまうんです。

なので4次面接まで実施したくなる気持ちはとても分かるのですが、とはいえ採用していくには他に取られないようにスピード感も重要となってくる。

そこを埋めなきゃいけない状況でした。

幸いにも自分は色々会社の中に踏み込ませていただいていて、企業としての文化や風潮、状況をある程度理解していたので、カスタマイズをお任せいただけました。

例えば、すごくマッチする方がいれば一次面接に社長に出て口説いていただいたり、4回面接するのが外せないのであれば、最初の一回の面接に数時間かけて、複数人面接に参加していただいたり。

候補者に合わせて柔軟に対応することで、候補者にとってベストな選考体験ができて、その体験も含めてご入社を決断いただけていたのだと思っています。
 
ーー宇野さんが信頼されていた証ですね。

 

そうだと嬉しいですね笑

でも、それだけ、企業全体が社長も含め、本気で変わろうと覚悟持って頂いていたからだと思います。
そして3つ目が、口コミへの対策です。

候補者の方は面接を重ねるごとによりリアルな情報を求めます。

そうなると当然オープンワークなど、口コミサイトも確認するのですが、ここで少しでも良くない噂が書かれていると大きな影響を与えてしまうんです。

特にスタートアップはその影響が強いので、現場の方にあらかじめ噂の真相や背景なんかをヒアリングして全部答えられるように準備していました。
 
ーーだいぶ中に入り込まれて、トップとボトム両面からアプローチをされていたんですね。

そこまで入り込むための信頼を勝ち取るのはとても大変そうに思えますが、どのようにされていたのでしょうか?

 

そうですね、やはり信頼いただくために時間はかかりました。

ただ企業として採用に力を入れなければいけない状況で、自分のようなエージェントの代わりはほぼいない、という点は強かったように思えます。

あとはコンサル的な関わり方をしたことも信頼を得る一歩になったと感じますね。

本当は優秀な人材を採用して信頼を得るのが一番なのですが、最初の一人を紹介するのって本当に大変なんですよ。

特にスタートアップはまだ情報も少なく、候補者の興味を惹くのが難しいフェーズだったので、最初はひたすらコンサル的な関わり方を強化していきました。

具体的には、候補者と話す度に企業に持つイメージをヒアリングし、興味を持っていた点、刺さっていなかった魅力などをレポーティングして定例会議でお渡ししていました。

現場の方にも会議に出ていただいたりして、参加してくださる人達の特徴を掴んで、――さん、面接に入ってくださいよ!などと提案もしてました。(笑)

それを繰り返していくと自然と会社の強みとかが見えてくるので、「ここを攻めましょう!」と提案をしたり。

それを繰り返すうちに信頼を得られたのではないかと考えています。
 
ーーそこまでやってくださるエージェントの方はなかなかいらっしゃらないように思えますが、宇野さんがそこまでやろうと思ったのは何か勝ち筋が見えていたからでしょうか?

 

ありがとうございます、すごく嬉しい質問です!

これだけ工数がかかる中でどうしてここまでコミットできたのか、という話ですね。

正直、勝ち筋などは後から見つかるものだと思っていて、覚悟の問題かなと思うんです。

エージェントは一人何十社から依頼を受けていることが多く、一つの会社に賭けるというのは、エージェントとしての自分の成績がでないリスクを背負うという意味にもなります。

逆もまた然りで、企業の採用担当者や社長も、本当に忙しい中で採用に時間を使うということは、他の経営課題に時間を割けないということになり、採用活動はお互いにリスクを背負います。

だからこそ、このポジションを採用することで企業の事業にどんなインパクトがあるのか、組織がどう変わるのかなど、色んなステークホルダーと一緒にゴールを合わせ、やるしかない状態を作っていましたね。

意志を持って取り組めばいろんな発見があるんです。

例えば、その企業にしかない独自性や、現場の方々の何気ない想いが候補者に刺さったり、

意志をもって入り込むことでしか見つけられない、いわゆる勝ち筋が見えてきていたのかもしれません。

また、自分の性格でもありますが、そういった自分だけしか知らないものを「教えてあげたい」と思うというか、よりコミットしがいがあると思うというか。
 
ーー既に知られているものより、知られていない側面に光を当てるのがお好きなんでしょうか?

 

そうだと思います!笑
もう性格ですね、だからこそ強い気持ちでコミットできたのではないかと考えています。
 
ーーなるほど、ありがとうございます。

宇野さんから見て、知名度がなくても知っていくと魅力を感じさせる企業と、そうでない企業に分岐点などはあるのでしょうか?

 

そうですね…これは自分の主観が入ってきてしまうかと思うのですが。

自分は分岐点は「無い」と考えています。

これはエージェントとしての覚悟の問題で、どの会社にも知れば魅力がある。

だって、そこに人が入社してますから。

それを難しくても考えられるか、コミットできるかの問題で考えていますね。
 
ーーでは、宇野さんが見てきた中で知名度に課題を感じている会社でうまくいかなかった、というケースはありますか?

 

正直なところ、あまりなかったと思っています。

というより、基本苦戦はしていました笑

その中でも「面接回数が全部で6回あってここは変えられません」や、「求めている人材要件のレベルが高すぎる」といった理由で苦戦することなどありました。
 
ーーありがとうございます。他の企業で印象に残っているものはありますか?

 

いくつもあります。笑 詳細については、またイベントでお話しできればと思うのですが、

  • グローバルに事業開発ができる人を求める、沖縄のIT企業
  • 将来的には事業継承を任せられるCOOを採用したいある伝統的な化学系メーカー
  • IT子会社を立ち上げたばかりで、事業モデル自体を変革するフェーズの超大手エンタメ企業
  • まったく新しいビジネスモデルを広げるリユース企業のCOO, CMO, CTOの幹部採用

どれも思い出深く、今でもその企業がどうなってるか毎日チェックしてます。

Q:知名度がある会社VS働き方、社風、会社情報を積極的に出しているが知名度に課題を抱えている会社、支援しやすかったのはどちらの会社でしょう?

いい知名度のある会社は、もちろん採用しやすかったです。

ただ知名度というのは悪い知名度もありますよね。

また、いい知名度であっても、狙うペルソナにとっては、全然知名度がないということもあり、結局難しいポジションというのは、一から採用設計しなければいけない事が多かったです。

超有名なブランド企業を支援していたこともありますが、狙うペルソナには全然響かなかったりとか本当にあるんですよ。求めるペルソナからすると、いいイメージではなかったり…。

そういう意味では、どの企業も採用市場ではフェアで、知名度なんかよりも、会社全体が採用への覚悟を持っているかのほうが、全然採用しやすさが変わります。
 
ーー宇野さんの中では、知名度がない会社が戦う上での成功法、みたいなものがあるのでしょうか?

 

やはり「知名度が無い」という事実を最初に認めることでしょうか。

皆さん”戦略”ってよく聞くし使うと思うんですが、そもそも戦略って立てたものが腑に落ちていないと意味がないんですよね。

なので、戦略を本気で作るため、理解してもらうためにもまずは「自分たちは知名度がない、採用市場においては弱者寄りである」ということを最初にお伝えするようにしています。

やれること、打てる施策はいくらでもあります。

問題は、それを優先順位高く、やらなきゃいけないものであると理解してもらうことなので、そこが成功の第一歩だと考えています。
 
ーー今の話を聞いて、逆に「知名度が無いから」と採用に弱気になってしまう、諦めてしまうといったケースもありましたか?

 

ありましたね。

諦めてしまう企業も多いですが、「分かってます」と答えはするものの、本質的なところを理解していなかったり、採用担当者は理解していても経営層が分かっていなかったり…。

採用を諦めるのは簡単ですが、会社を動かしていくには人がいないとまずいですよね、とビジネスレベルにまで落とし込んでいくと、経営層は理解が早かったように思います。

それでも動かない場合は、そもそも採用をしないという選択肢もあると思うんです。

採用にお金を賭けるんじゃなくて、今いるメンバーの教育とかにリソースをかけるとか、

それが整理できただけでも、会社にとっては適切なことに時間をかけられるようになるので、価値になると思っていました。
 
ーー知名度がない企業の採用は、まず現状の立ち位置を理解してもらうところがスタートで、それを前向きに捉えていただくことが重要かと思います。

宇野さんはそういったマインドに持っていくことを重視されていたんですね。
とはいえ、採用担当者の立場から見ると、ゴールがとても遠く感じることもありそうです。

その場合のゴールやファーストステップはどこに置けば良いのでしょうか?

 

そうですね、企業によってリソースやターゲットなどが異なるので、ファーストステップを定義するのは正直難しいですが、大きくいうと、業務の優先順位づけかと思います。

先ほど仰っていただいた通り、やれることというのはたくさんあります。

その膨大なやるべきことの中で、これは本当にやるべきなのか、いつやるのか等、俯瞰して優先度をつけられるようになることが大事ですね。

あとは求職者だけでなく、社内を動かせているかどうかも視点に入れてもらうようにしています。経営層や現場が本気になれば、結果は早く出ます。

もし難しければ、それこそエージェントや第三者がバリューを発揮できる所なので、間に入らせていただいたりしていました。
 
ーー担当者だけのマインド、というより会社全体のマインドそのものを整えていらっしゃったんですね。
 

Q:ではもう少し視点を絞って、例えば知名度が無い会社が、自分たちの魅力を外に伝える際のファーストステップもお聞かせいただけますか?

これも色々あると思いますが、まずは自社の独自性の整理がスタートだと思っています。

本当に、自社のいいところって理解しているのか?そのいいところって、マーケットにとって魅力的なものなのか。もし、ずれているとすれば、外から見た魅力って何なのか。ターゲットも本当に合っているのかまで深ぼることが重要だと思います。

ある会社の支援をしていたとき、会社のカルチャーやプロダクトなどを押していたところ、全然応募者が集まらなかったんです。

でも、社員の半分が副業をやっていて、それを押すと返信率も一気に上がったりもして、気付かぬところに魅力って隠れていたりします。

ダイレクトリクルーティングツールって、そういう市場調査でも使えたりもします。

スカウトの文面を何パターンか用意してみたり、求人票を書き直してみたり、市場とのコミュニケーションツールとして活用するのもいいです。

そこがファーストステップになるかなと思っています。

Q:それをLinkedInの中で実行する場合、どうアプローチすべきでしょうか?外からも中からもLinkedInを見たことがある宇野さんのご意見をいただきたいです。

そうですね…。

それこそLinkedInは出来ることがたくさんあると思います。

今お話ししたようにダイレクトスカウトでデータをとったり、求人広告を掲載してみたり。使えば使うほど、データが溜まりますし、色々やっているとフォロワーも増えてきますよ。

データとして結果も残るので、使えば使うほど、PDCAを回しやすくなります。

もっと簡単なところでいくと、最初は気になる方をフォローするだけでもいいんです。

そうすればその人の投稿も見れますし、自分も投稿していれば、その人が見てくれてある日をきっかけにフォローされたりするのも本当によくあります。

自分達が採用したいペルソナが今どんなものに興味を持っているのかなど、鮮度の高い情報をLinkedInを見ているだけで得ることができます。

出勤しているときや、帰りの電車で、2-3人ずつフォローしていくなど、少しずつやっていくだけでも、LinkedInは効果を発揮します。

課題やリソースは各社によって違いますし、LinkedInの効果的な使い方も企業によって使い方も異なりますので、イベントではもう少し詳しくお伝えできればと思いますし、積極的に当日は皆さんと情報交換できればと思っております。
 
ーーありがとうございます。続いてLinkedInの活用について質問させていただきますね。
 

Q:LinkedInを実際に使われている方で、知名度がないけど採用に成功されている会社はどういった活用の仕方をされていらっしゃいますか?

そうですね、成功事例はいくつかありますが…今回はある業界に特化したバーティカルSaaS企業の事例をお話しさせていただきます。

そこは知名度は全く無かったんですが、LinkedInのカルチャーページ(採用ページのようなもの)をすごく上手に活用されていました。

伝統的な業界のDXに取り組んでいる企業なので、その業界自体があまりオープンではないなか、クリエイティブな動画や、会社の日常、一緒にランチ行きました、みたいな些細なものもガンガン投稿してファンを増やすことで知名度を上げていました。

そうなると返信率もどんどん上がっていって、1ヶ月くらいで数十%も上がっていましたし、複数人の採用を、他のチャネルよりも効率よく成功されています。
 
ーー今のお話、知名度が無い企業の採用担当者の方からするととても希望が見えるお話しだと思ったのですが、とはいえ忙しくてなかなか社外への情報発信が難しい採用担当者へ何かアドバイスをいただけますか?
 
一つめは、いまチャンスだと思うんです。

採用ブランディングってまだまだ世にでてるナレッジも少ないですし、

大変だからやらない企業も多いですから。

やらない企業が多くいるということは、やる企業は目立ちます。

具体的な話をすると、LinkedInである従業員の方の投稿をよく目にしていまして、それまでその人の所属する企業のことをぼくは全く知りませんでした。

でも、その人のことをよく投稿で見るからという理由で、その人の所属する企業のことを調べたりして、どんどん魅力が伝わってくる。これがブランディングの入り口だと思うんですよね。

二つめに、ブランディングをやるとなると、自然と社内を巻き込めます。

現場や、経営層、いろんなところとコミュニケーションも生まれますし、動くことでその方の社内でのプレゼンスも上がりますよね。会社全体を動かしていけるチャンスだと思います。

LinkedInの社員も日々投稿をしているのですが、会社で“投稿見たよ”などというコミュニケーションは日々起こっています。

弊社の日本代表の投稿も見ることで、トップの考えていることもわかって話しやすいですし、部署ごとの垣根がなくなります。

厳しい一言になってしまうかもしれませんが、会社全体が採用に取り組まないと、今後はもっとそれができている企業に人材も、そしてエージェントもそちらに流れてしまいます。
 
ーーここは、採用担当の方も分かっているからこそ耳が痛いお話しですね。

とはいえやっていかないといけないことなので、どうやっていくのが効果的なのか、他の知名度が無い会社がどう戦っているのか、イベントでも詳細お聞きできれば嬉しいです。
 

Q:イベント当日は、どのようなお話をしていただけますか?

“明日からすぐできる情報”を伝えたいなと思っています。

私は元エージェントで、採用現場にいましたから、LinkedInの効果的な使い方はもちろん、より具体的なエージェント時代の成功事例や、スカウトの作成方法から、エージェントとのコミュニケーション方法など、お伝えできればと思っています。

せっかくオフラインイベントに参加させていただくので、ぜひ当日話しかけてくださいね!

【今後の取り組みについて】

Q:最後にLinkedIn社にご入社されて4ヶ月目、今後の取り組みや目指しているものなどあれば教えてください。

そうですね、LinkedInも日本でもどんどんメンバーが増えてきているので、より正しくLinkedInを広めていければと考えています。

やはりLinkedInといえばグローバル人材の採用、みたいなイメージをお持ちかと思いますが、LinkedInはそれだけじゃないです。

私は、ほとんど国内の企業、ポジションをLinkedInで採用していましたから。

また、エージェントとして多くの企業の中に入り込んでいた経験から、経営と人事は本当に密接に関わっているなと思っています。

そこをセットにして、シナジーを生み出してくれるのもLinkedInの強みだと感じています。

日本ではまだ知らない、謎だと思っている人たちがたくさんいるのが現状かと思いますが、一方知りたいと考えてくれている人もいると思っています。

そんな人たちにもっと知りたいと思ってもらえるコンテンツを届けられるよう頑張っていきます!

45分の気軽な相談会を
開催しています

竹村 朋晃

竹村 朋晃

株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。

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