【企業向け】良い印象に残る会社説明会の特徴|印象が悪いケースも紹介

会社説明会は、求職者に企業の魅力を伝え、応募意欲を高めてもらう大切な機会です。
ただし、ただ情報を提供するだけでは、求職者の心に響かず、エントリーにつながりにくくなってしまいます。
そこで本記事では、良い印象を残す会社説明会の特徴を紹介するとともに、反対に悪い印象を与えてしまうケースも解説します。
求職者に「この会社で働きたい!」と思ってもらうためのポイントを押さえ、より効果的な説明会を実施しましょう。
そもそも会社説明会とは

そもそも会社説明会とは、企業が参加者に対して自社の情報を伝え、志望度アップや応募につなげるためのイベントです。
主に以下の2つに分類されます。
- 合同説明会
複数企業が参加し、多くの求職者に短時間でアプローチ可能だが、競合と比較されやすく深い説明が難しい。オンライン開催も増加。 - 単独説明会(個別説明会)
1社のみで開催し、企業の魅力を詳しく伝えやすいが、集客や準備の負担が大きい。オンライン開催も増えている。
新卒の学生や中途の転職希望者を中心に、特定の業界・職種などさまざま対象やテーマで開催されます。
なお昨今はいずれもオンライン開催で行われるケースも増えています。対面の場合と比べると、全国の求職者にリーチでき、移動コストが不要で参加ハードルが低い点はメリットです。ただし、実際の雰囲気や熱量が伝わりにくいため、伝え方に工夫を求められます。
会社説明会の内容については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
会社説明会で企業が盛り込むべき内容|面白い内容にするポイントも紹介
良い印象が残る会社説明会の特徴

良い印象が残る会社説明会の特徴を、9つ紹介します。
会社説明会での印象は、エントリーや応募に直結しますので、ぜひ参考にしてください。
参加者が知りたい内容が網羅されている
求職者が会社説明会に参加する主な目的のひとつは、「この会社で働く自分の姿を具体的に想像できるか」を確認することです。
そのため、会社の基本情報や業界の動向だけでなく、具体的な仕事内容、キャリアパス、社内の雰囲気、評価制度、福利厚生、ワークライフバランスの取りやすさなど、多くの人が気になるポイントを網羅することが重要です。
特に、求職者の関心が高い「実際の1日の業務スケジュール」や「入社後の成長機会」などを具体的な事例を交えて伝えると、より魅力的な説明会になります。
スライドとプレゼンが分かりやすい
スライドは文字ばかりにならないようにし、図や写真、グラフを活用して視覚的に理解しやすい構成にすることが大切です。
「スライド1枚:1メッセージ」を意識するとより分かりやすいでしょう。
また、プレゼンはスライドを読み上げるだけではなく、聞き手が興味を持てるようにストーリー性を持たせると効果的です。
例えば、「当社の文化を一言で表すと〇〇です」といったキャッチーなフレーズを使いながら、具体的なエピソードを交えて説明すると、より伝わりやすくなります。
印象的なフレーズが盛り込まれている
説明会で語られる言葉は、求職者の印象に強く残ります。
「〇〇業界の未来を変える会社」「一人ひとりが主役になれる環境」など、会社のビジョンや特徴を表すフレーズを盛り込むことで、企業の魅力がより明確になります。
また、現場の社員がよく使う言葉や、社内で大切にされている価値観を反映したメッセージを伝えると、会社の文化が伝わりやすくなります。
登壇者や社員が朗らか
登壇者や各社員の雰囲気は、会社の社風を直感的に伝える要素になります。
終始固い雰囲気ではなく、自然な笑顔やアイコンタクトを大切にしながら話すことで、求職者に親しみやすさを感じてもらえます。
特に「この人たちと一緒に働きたい」と思わせることが大切なため、温かみのある雰囲気づくりを意識すると良いでしょう。
社員同士の良好な関係が垣間見える
会社説明会の参加者は、企業のリアルな雰囲気を把握したいため、社員同士のちょっとしたやり取りを注視しています。
そのため、登壇者同士の掛け合いや、社員同士の自然なコミュニケーションは、会社の人間関係の良さを示すポイントとなるのです。
例えば、会社説明会の開始前や休憩中などに社員同士がにこやかにやり取りを交わす様子を見せるだけでも、社内の雰囲気の良さをアピールできます。
また、経験談の発表や質問への回答時に、当日の参加社員との具体的なエピソードを交えると、社員同士の信頼関係が伝わります。
質問しやすい雰囲気にできている
質疑応答の時間は、求職者の不安を解消する大事な機会です。
質問が出やすいように「よく聞かれる質問」を最初にいくつか紹介するのも一つの方法です。
また、「どんな質問でも大丈夫ですよ」と積極的に促したり、あらかじめ質問用の匿名フォームを用意するなど、心理的ハードルを下げる工夫をすると、活発な質疑応答につながります。
「質問のしやすさ」は、「コミュニケーションを取りやすい」「親身になってくれる」といった好印象につながります。
活躍中の現役社員に自由に質問を行える
採用担当者の話だけでなく、実際に現場で働く社員の生の声を聞ける機会は、求職者にとって非常に価値があります。
例えば、座談会形式で少人数グループに分かれてフランクに話せる場を設けると、求職者も気軽に質問しやすくなります。
「正直、入社前と後でギャップはありましたか?」などのリアルな疑問にも率直に答えてもらうことで、求職者の不安を取り除き、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できるでしょう。
経営層がビジョンや求める人材などを伝える
経営層の話を直接聞ける機会は、会社の将来性や方向性を知る上で貴重です。
社長や役員が登壇し、会社のビジョンや大切にしている価値観、求める人材像を明確に伝えると、求職者にとって「この会社で働く意義」を感じてもらいやすくなります。
また、経営層が自身のキャリアや挑戦のエピソードを交えると、より共感を生みやすくなります。
説明会後のフォローまで丁寧
説明会が終わった後のフォローも、良い印象を残すために欠かせません。
例えば、説明会参加者限定の資料をメールで送付したり、追加の質問を受け付ける窓口を設けると、求職者に安心感を与えられます。
また、「選考に進むかどうか悩んでいる方は、個別相談も可能です」といった案内をすると、より参加者に寄り添った対応になります。
丁寧なフォローを行うことで、会社への好印象がより強まります。
悪い印象が残る会社説明会の特徴

悪い印象が残る会社説明会の特徴を、7つ紹介します。
せっかく自社の魅力を伝える機会に悪い印象を与えてしまうことは、何としても避けねばなりません。
ぜひ、以下を参考にして未然に防ぎましょう。
一方的な情報提供だけで終わる
会社説明会が企業側の説明だけで終わり、参加者との対話が一切ない場合、求職者は受け身のままで退屈してしまいます。
「質疑応答の時間がない」「双方向のコミュニケーションが取れない」といった説明会は一方的な印象が残り、企業に対する興味を薄れさせる要因になりかねないのです。
ホームページで確認できる情報しか得られない
企業理念や事業概要など、公式サイトで簡単に確認できる内容ばかりが説明されると、参加者は「わざわざ説明会に参加する意味がなかった」と感じてしまいます。
特に既に一定の関心をもった求職者が集まる単独説明会では、特に生じやすいでしょう。
説明会ならではのリアルな社風や具体的な働き方、社員だからこそ語れる現場での具体的エピソードなどを交えることが重要です。
参加者が知りたい情報が盛り込まれていない
給与やキャリアパス、業務内容など、求職者が知りたい情報が説明会で十分に説明されないと、企業に対して不信感を抱かれる可能性があります。
「ワークライフバランスの取りやすさはどうか」
「どのような人材が活躍できるのか」
「社内の評価制度はどうなっているのか」
など、実際の働き方に関する具体的な情報を提供することが求められます。
登壇者や社員の態度が悪い
説明会の登壇者が無表情で淡々と話す、質問に対して適当な返答をする、参加者の目を見ずに話すなど、やる気の感じられない態度は企業の印象を大きく損ねます。
良好な人柄や熱意がみられなければ、「この会社で働きたい」という意欲も生まれません。
なお登壇者本人はそのつもりがなくとも、緊張や癖でそういった悪い印象になってしまうケースもあるため注意が必要です。
社員同士のコミュニケーションが一切見られない
登壇者同士や社員の間に会話がなく、職場の雰囲気を垣間見えない説明会は、企業文化への不安を抱かせます。
社員同士の関係性が見えないと「社内の雰囲気が悪いのではないか?」と疑われる可能性があります。
時間管理が不適切(長すぎる・短すぎる・開始が遅れる)
説明会が予定より長引いてしまう、逆に内容が薄くすぐに終わってしまう、開始時間が遅れるといった時間管理の問題は、企業への信頼を損ないます。
特に長時間にわたる説明会は、参加者の集中力を奪い、印象を悪くする要因になります。
なお会社説明会における時間管理については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
【企業向け】会社説明会の適切な時間設定とは?所要時間と効果的な時間配分
説明会後のフォローがない
説明会に参加した後、企業からのフォローアップが一切ないと、参加者のモチベーションは下がってしまいます。
また、個別相談の機会や選考への案内がないと、「企業側は本当に採用する気があるのか?」といった疑問や不満を抱かれかねません。
説明会後のメールフォローや、追加情報の提供など、適切な対応が不可欠です。
会社説明会で良い印象を残すためのポイント

ここまでを踏まえて、会社説明会で良い印象を残すためのポイントを以下にまとめます。
採用向けのキャッチコピーを準備しておく
求職者の印象に残る採用向けのキャッチコピーを用意することで、企業の魅力を端的に伝えられます。
例えば、「挑戦する人が成長できる会社」「私の個性が活きる場所」など、企業の特徴を表すフレーズを考えましょう。
覚えやすく、ターゲット層の求職者から共感を得られるメッセージを発信することが大切です。
携わる社員全員に態度や言動を意識してもらう
登壇者だけでなく、受付や案内を担当する社員も、求職者にとっては企業の顔です。
挨拶や身だしなみ、丁寧な対応を徹底することで、会社全体の印象を良くできます。
事前にマナーや対応について共有・確認しておき、各社員とも一貫した姿勢を保てるようにしましょう。
リハーサルを入念に行っておく
スムーズな進行のために、事前にリハーサルを行いましょう。
プレゼンの流れを確認し、時間配分や話し方の練習を行うと、本番のクオリティを高められます。
特にスライドの発表時間は想定よりも長くなりがちなため、本番のつもりで通しで行ってみることを推奨します。
また、オンライン説明会の場合は、通信環境のチェックや画面共有の確認も欠かせません。
社員同士が楽しくコミュニケーションをとる場面をつくる
説明会の雰囲気が硬すぎると、職場の実際の雰囲気が伝わりにくくなります。
それどころか、「社内の雰囲気が悪いのでは?」と良くない印象を与えかねません。
そこで社員同士がリラックスして会話する場面を取り入れることで、社内の人間関係の良さをアピールしましょう。
具体的には、座談会やフリートークの時間を設けると特に効果的です。
また先述したように開始前や休憩中などに社員同士がにこやかにやり取りする場面を見せるだけでも好印象につながります。
経営層や現役社員に登壇を依頼する
経営層が直接ビジョンや事業戦略を語ると、企業の方向性に対する理解が深まります。
また、現場で働く社員が登壇すれば、リアルな働き方やキャリアパスを伝えられます。
求職者が「この会社で働くイメージ」を持ちやすくなるため、積極的に登壇を依頼しましょう。
実際に、新入社員に志望動機や関心をもったきっかけを聞くと
「会社説明会での社長のあの言葉がきっかけになった」
「会社説明会で聞いた〇〇さんの働き方に憧れを抱いた」
といった回答が帰ってくるケースも少なくありません。
質問しやすい雰囲気をつくり、時間も十分に確保する
質問しづらい雰囲気では、求職者が知りたいことを聞けず、理解が浅くなってしまいます。
「どんな質問でも構いませんよ」
「例えば〇〇について教えてほしいのような質問でも良いですよ」
といった投げかけを行い、質問するハードルを下げましょう。
また、質疑応答の時間は十分に確保しておきましょう。
また、質問しやすいように匿名質問の受付やチャット機能の活用などの工夫をしましょう。
登壇者が丁寧に答えることで、企業への信頼感も高まります。
もし質疑応答スタイルでは、質問が出にくいと予想される場合は、少人数グループに分かれての座談会がおすすめです。
オフライン・オンラインに限らず魅力を伝える工夫を施す
オフライン説明会では、対面での質疑応答や座談会など社員との交流機会を設けて、企業の雰囲気を実感してもらうことが大切です。
もし、時間に余裕があれば職場見学を取り入れるのも効果的です。
一方、オンライン説明会では、映像やスライドを工夫して視覚的に伝えたり、チャットや投票機能を活用して双方向のやり取りを促したりしましょう。
開催形式に応じた伝え方の工夫が、求職者の関心を高めるポイントとなります。
まとめ
会社説明会は、企業と求職者の最初の接点となる重要な場です。
良い印象を与える説明会では、求職者が知りたい情報をしっかり提供し、わかりやすいプレゼンやフレンドリーな雰囲気を大切にしています。
一方で、一方的な説明や求職者が求める情報の欠如、登壇者の態度の悪さは、企業への評価を大きく下げる要因になりかねません。
ぜひ本記事で紹介したポイントを参考に、自社の魅力を最大限に伝え、求職者に選ばれる会社説明会を実施しましょう。
また、弊社はダイレクトリクルーティング支援企業として、過去60万件・全40媒体以上のソーシングデータを用いて、自社が求める人材の採用を最短ルートで成功に導くサポートを行っています。
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竹村 朋晃
著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。
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