RPO(採用代行)
2024.02.27

採用代行(RPO)を検討すべき3つの理由|重要点や成功事例も紹介

RPO(採用代行)とは、企業が採用業務の一部またはすべてを外部に委託する採用手法のひとつです。
HRTechやAIの登場、採用経路の多様化など、人事担当者の業務内容も増えており、猫の手を借りたいような状況にある方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、多忙な人事担当者の負担軽減だけでなく採用成果の向上も期待できるRPOについて、検討すべき理由、メリット・デメリット、利用すべきケース、利用時の重要点、成功事例を紹介します。
RPO導入を迷っている方にとって非常に参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

RPO(採用代行)とは

RPO(採用代行)とは、企業が採用業務の一部またはすべてを外部に委託する採用手法のひとつです。
RPOは”Recruitment Process Outsourcing”の頭文字を取っており、「採用代行」「採用アウトソーシング」とも呼ばれます。

RPOは中途採用に用いられる場合が多いですが、新卒採用やアルバイト採用の代行を請け負う企業も存在します。
RPOについての基本的な情報を知りたい場合は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

参考記事:「RPOとは?採用代行が向いている企業と失敗しないための注意点」

RPO(採用代行)を検討すべき3つの理由

RPO(採用代行)を検討すべき理由は、以下の3つです。

理由1:中途採用市場の競争が激化しているため

厚生労働省によると、2023年8月時点での有効求人倍率は1.29倍・新規求人倍率は2.33倍であり、採用市場が求職者優位の売り手市場であることが分かります。

求職者の増加は、2つの点で人事担当者の負担を増加させます。

1つ目は、アプローチの対象となる候補者が増える点です。
ただし、その中から優秀な人材を獲得するには、アプローチ対象を増やしつつコミュニケーションの質も担保しなければなりません。
工数が増加したからといって、対応がおざなりになってしまえば他社に優秀な人材を採られてしまいます。

2つ目は自社から離職する人が増える点です。
人材の流動が激しくなれば、人材を獲得できるチャンスが増加するだけでなく、他社に自社の人材をとられてしまうリスクが高まります。
離職防止のために、社内環境の改善など内部に対する業務も増えてしまうのです。

仮に事業拡大のために積極的に採用していこうというタイミングで離職が相次いでしまえば、負担過多になってしまいかねません。

以上のように増え続ける業務負担を軽減するためには、RPOの導入を検討すべきといえるでしょう。

参考資料:「一般職業紹介状況(令和5年8月分)|厚生労働省」

理由2:人事に求められる業務が広域化しているため

近年、人事の業務領域は広がりを見せています。
採用に絞ってみても、例えば候補者との面談日程調整や応募書類選考、ハイアリングマネージャーからのヒアリング、エージェント対応、採用広報など非常に多岐に渡ります。

採用の経路も、自社サイト応募、エージェント紹介、リファラル採用、そしてダイレクトリクルーティング(スカウト型採用)などなど多様化しており、経路の選定や導入にも時間を割かなくてはならないのです。

実例として「年間採用予定者数10名以上に対して担当者は1人」という企業は少なくありません。こうした企業は、RPOの導入を検討すべきといえます。

理由3:導入しやすいため

RPOはサブスクリプション形式でサービスを展開している場合も多く、予算が組みやすく、状況に応じてサービス停止も容易なため、導入も容易です。

採用業務を行える人員を増やすために正社員を採用するというのは、企業にとってもハードルが高いケースが多いでしょう。
昨今、クラウドワーカーなどを利用し、プロジェクト単位でジョインしてもらう仕事の形式も増えていますが、RPOについても同様の考え方を適用できます。

RPO(採用代行)を利用するメリット

RPO(採用代行)を利用するメリットは以下の3つです。

人事担当者の負担を軽減できる

人事担当者の負担を軽減できる点は、RPOの主なメリットといえます。
母集団形成・選考・面接・内定者フォローなどさまざまな採用業務を委託可能です。

例えば、応募書類管理・面接日程の調整など煩雑な業務を委託すれば、採用計画立案や選考、面接といったコア業務に注力できます。
こうした事務的な業務のみや繁忙期のみといった柔軟な利用ができるのもメリットといえるでしょう。

採用コストを抑えられる

中途採用で人材紹介エージェントを利用する企業も増えていますが、年間採用予定者数が10名を超えるような場合などは、ダイレクトリクルーティングとRPOを組み合わせた方がトータルの採用コストは抑えられるケースがほとんどです。

例えば、年収600万円の人材を10名採用する場合を考えてみると以下の通りです。

<エージェント利用>
成果報酬が30%で年収600万円の候補者を採用した場合
180万円×10名=合計1800万円

<ダイレクトリクルーティング+採用代行>
ダイレクトリクルーティングサービス年間利用料(例)=200万円
RPO利用料(例)=月間50万円×12カ月=600万円
200万円+600万円=合計800万円

概算ではありますが、およそ1000万円の差が出ることがわかります。
メリット・デメリットはそれぞれで異なるため、一概にどちらが優れているかは比較できませんが、コスト削減をKPIにおいている場合は検討する価値があるでしょう。

採用に関する知識やノウハウを得られる

RPOを利用すると、委託先が有する採用に関する知識やノウハウを得ることができます。

採用代行サービスを行う企業は、多くの企業の支援を経て成功事例や知識、ノウハウを豊富に持っている可能性が高いといえます。
そのため、業務を委託した上で、委託した業務をどのようにこなしているのかを理解することで、契約終了後は効率的なノウハウを引き継ぐことも可能です。

また、採用代行業者によって得意分野が分かれているため、自社が強化したい採用業務や必要とする知識やノウハウを有する企業を選定するのも良いでしょう。

さらに、転職市場は年度によって傾向が変わるため、他社と比べて自社の状況がどうかといった視点でのアドバイスも期待できます。
採用は時間との勝負(他社より早く人材を獲得する)の面があるので、いかに状況を把握し、適切に対応できるかが重要です。

そのため、複数社を並行して請け負っており、市場の状況に応じた客観的なアドバイスをくれる企業が好ましいといえます。

RPO(採用代行)を利用するデメリット

RPO(採用代行)を利用するデメリットは以下の3つです。
注意点や対処法と合わせて紹介します。

要件や要望を正確に伝えなければ成果を得られない

RPOを利用する際は、採用代行業者に自社の要件や要望を正確かつ綿密に伝えなければ成果を得られません。

例えばダイレクトリクルーティングのRPOにおいて、アプローチする人材を見つけてくるところを外部に依頼したとします。
その際に重要なのが、採用代行業者がいかに「自社の仕事内容・人材に求める条件(採用要件)・企業文化」などを正確に理解できているかです。

こうした理解を土台にしなければ、採用代行業者との間に齟齬が生じてミスマッチな人材の採用につながりません。
時折耳にする「RPOで失敗した」という声はこのような理由によるものと考えられます。

採用代行業者との密なコミュニケーションが不可欠

前項目のような問題を避けるためにも、採用代行業者との密なコミュニケーションが不可欠です。
最低でも、どのような人材を何人、いつまでに採用したいのか、目標値を共有しなければなりません。
このフェーズの理解がスムーズな業者でないと、ミスマッチを誘発するどころか、かえって負担が増してしまう可能性があります。

実績やノウハウを有する採用代行業者であれば、1を聞いて10まで考えてくれるように最低限のコミュニケーションで最大の効果を引き出すことを期待できます。

ただ、そのような採用代行業者ばかりではありません。
何から何まで具体的に指示しなければ動いてもらえず「自分でやったほうが早いのでは」と面倒に感じるケースも散見されるため注意が必要です。

採用の課題や問題点が見えづらくなる

RPOを利用しているが故に、採用の課題や問題点が見えづらくなるリスクがある点もデメリットです。

例えば、RPOを利用して採用活動を行ったものの「候補者が企業に魅力を感じる条件が整っていないため」、十分に応募が集まらなかったとします。
しかし、こうした際に「委託した採用代行業者が悪かった」と判断してしまうようなケースです。

こうなると、委託先を変えるだけで根本の要因は放置され、延々と問題と課題が繰り返されてしまいます。

内部ではなく外部に原因を求めるのは人の心理として自然です。
ただ、RPOを利用する際は、課題・問題の原因を冷静に見極めることが欠かせません。
また、こうした点を踏まえて、客観的かつ率直な意見をくれる採用代行業者を選定するとよいでしょう。

RPO(採用代行)を利用すべき3つのケース

RPO(採用代行)を利用すべき3つのケースを紹介します。当てはまる場合は、RPOの利用を推奨します。

採用に充てられる社内リソースが足りない

採用に充てられる労力や時間などリソースが足りないというケースは起こりがちです。
人員を増やせば解決しますが、自社での採用となると人件費がかさむため、容易に踏み切れないのが実情ではないでしょうか。

そこで、採用を積極的に行いたい時期と抑えたい時期で柔軟に利用できるRPOであれば、人手が必要なときだけ増員することも容易です。

新たな採用チャネルを増やしたい

転職ナビサイトやハローワーク以外にも、採用チャネルを増やしたいという際にもRPOは有効です。

新しい採用チャネルを増やす際、運用に慣れるまでには労力と時間を要します。
その際、新たな採用チャネルについて詳しい採用代行業者を利用すれば、「効果的な運用による成果」「運用ノウハウの獲得」をどちらも実現可能です。

採用スピードを高めたい

採用のスピードを高めたい場合にも、RPOが有効です。
あと数ヶ月内に数名を採用しなければいけないといった短期採用の場合、実績やノウハウを持った採用代行業者を利用することで実現できる可能性があります。

RPO(採用代行)を利用する際の重要点

RPO(採用代行)を利用する際の重要点は以下の通りです。

得意な分野・領域をチェックする

採用といっても、分野・領域はさまざまです。
新卒採用・中途採用という違い。
営業を採用するのか、技術職を採用するのかといった職種による違い。
求人媒体の応募から採用するのか、ダイレクトリクルーティングで採用するかの違い。

こうした違いをそれぞれ掛け合わせたらパターンは無限大であり、採用代行業者もパターンの数だけ得意不得意があります。
例えばダイレクトリクルーティングで採用したいのであれば、その実績が十分な業者を選定する必要があります。

要望や依頼事項を明確に伝える

採用代行業者に委託する場合、自社が期待する要望や依頼事項は、明確に伝えましょう。

「具体的な作業内容を伝えていても、求めているのはその先の結果」ということは、企業の中でも見られる光景です。
伝えたことだけをこなしてもらえれば良い場合でない限り、その裏に言葉にしていない要望があるのならば、つまびらかに伝える必要があります。
言葉にした上で採用代行業者が「そこはうちでは対応できません」という範囲であるのなら、別の方法を考えればいいのです。

都度のフィードバックで精度を高める

特に最初のうちは、事前にすり合わせを行っても十分な結果を得られるとは限りません。
幾度がフィードバックを重ねることで精度が高められるため、採用代行業者とコミュニケーションをとりましょう。

精度が高まれば、細かく指示を出さなくても一定のクオリティを担保できる状態になるので、最初だけは面倒くさがらずに積極的にフィードバックやコミュニケーションの機会を持ちましょう。

RPO(採用代行)の成功事例|株式会社マネーフォワード

自動家計簿・資産管理サービスを展開している株式会社マネーフォワードでは、「ダイレクトリクルーティング+弊社のRPO(採用代行)サービス」を利用いただいており、大きな成果につながっています。

同社は、新規事業の立ち上げや事業拡大のために、大規模な採用を行うことになりました。
そのため、採用工数が大幅に増え、社内のリソースだけでは足りなくなってしまったのです。

そこで、弊社サービスが候補として挙がりました。
同社の担当者は「スカウト代行といってもテンプレート文章をやみくもに送るだけでは?」と当初は懐疑的だったようです。
しかし、実際に担当者と会ってみると、自社の事業内容や環境、技術を十分理解した上で、密にコミュニケーションを取りつつ一緒に取り組んでもらえることが分かり「これは一緒にやっていける」と判断できたとのことです。

そして、どのような結果を得られたのかは、下記にて詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

参考記事:「株式会社マネーフォワードの井上さんにDS活用事例をインタビュー! | 株式会社ダイレクトソーシング」

ダイレクトリクルーティング専門のRPO(採用代行)

売り手市場のなかでも成果を期待できることから注目されるダイレクトリクルーティング。ただ、運用ノウハウが十分でない企業も少なくありません。
そこで、弊社ダイレクトソーシングは「ダイレクトリクルーティング専門のRPO(採用代行)サービス」を提供しています。特長は以下の通りです。

40種以上の媒体と50万件以上のデータから最短ルートを提案

40種以上の媒体(例:LinkedIn(リンクトイン)、ビズリーチ、Wantedly、AMBI、Green、ミイダスなど)の運用実績と、累計60万件以上のソーシングデータをもとに採用成功の最短ルートを導き出すことが可能です。

また、独自のシステムを使用したスカウトターゲットの分析や、返信率の良いスカウト文面の調整まで一気通貫のサービスを提供しています。

スカウトメールの作り方は、解説しているPDF資料がございますので、ぜひ以下からお受け取りください。




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候補者検索~電話面談、レポートなど広範囲に対応

候補者検索から、メール送信、メール対応、電話面談、採用管理システム(ATS)への登録、レポートまで幅広く対応可能です。
合否を決定する最終面接は自社にて対応いただきますが、そこまで進むことのできる人材をスクリーニングし、確度の高い人材に絞ってつなげることができます。

資格保有者によるスカウト

ダイレクトリクルーティングに関する資格を持った者が候補者検索からスカウトまでを行います。

スカウトメールは共通の文面を無作為に送っても、返信は期待できません。
スカウトメールの文面を送付する相手に応じて最適化し、返信があった場合はリアルタイムで対応いたします。

また、採用要件に応じた精度の高いスクリーニングおよびスカウトを行います。
エージェント経由の採用候補者は書類通過率10%だったのが、弊社経由では60%になった事例もあります。

まとめ

RPO(採用代行)とは、企業が採用業務の一部またはすべてを外部に委託する採用手法のひとつです。
「採用市場の競争激化」「人事業務の広域化」「導入しやすさ」といった理由から、RPOを検討すべきといえるでしょう。

本記事内では、利用のメリット・デメリット、利用すべきケースを紹介していますので、RPO検討時の参考としてください。

利用する際には、「採用代行業者が得意とする分野・領域の確認」「要望や依頼事項の明確な伝達」「都度のフィードバック」を心がけましょう。

また、弊社はダイレクトリクルーティング支援専門企業として、「ダイレクトリクルーティング専門のRPO(採用代行)サービス」を提供しています。
過去60万件・全40媒体以上のソーシングデータを用いて、各社に最適な媒体を通じて求める人材の採用を最短ルートで成功に導くサポートを行っています。

貴社の採用状況を鑑みた上でダイレクトリクルーティングの最適な支援をご提案できますので、ぜひ以下の問い合わせフォーム(無料)から気軽にお問い合わせください。

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弊社(株式会社ダイレクトソーシング)では、LinkedInやBizreachなどを活用したダイレクト採用を支援するサービスを提供しています。
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高木

高木

SIerから転職し株式会社ダイレクトソーシングへ入社。 前職では、会計システムの開発エンジニアとして、設計・開発・テスト・保守を製造業の顧客向けに担当。 現職ではソーシングスペシャリストとして、IT領域含む様々な採用要件に合致する候補者に向け、累計数万通のダイレクトスカウト業務を実施。 また、自社のマーケティング施策のディレクションやMAツールの導入など、マーケティング的な動きも兼任。