カジュアル面談
2024.05.21

【企業向け】カジュアル面談でよくある逆質問|具体例と回答例を紹介

多くの企業がカジュアル面談の導入を進めるなか、以下のような悩みや不安を抱くケースも少なくありません。

「カジュアル面談を導入予定だが、候補者からの逆質問に上手く対応できるか不安」
「逆質問に対して適切な回答を行えず、志望度を下げてしまわないか心配」

そこで本記事では「カジュアル面談の逆質問」について、よくある具体例を挙げた上で回答例を紹介します。
さらに逆質問から予想される候補者の本音についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもカジュアル面談とは

カジュアル面談とは、企業と候補者がお互いをより理解するために、リラックスした雰囲気で行う面談のことです。
応募前に実施するケースが一般的ですが、内定後のフォローとして行う企業も存在します。

終始リラックスした雰囲気で進行するため、候補者も本音を発しやすくなります。
面接などでは得にくい情報を得られたり、人となりや意外な一面が垣間見えたりするでしょう。

よりリラックスして話せるように、服装をスーツではなく私服にする・カフェのような場所やオンライン上で実施するといった工夫も行います。
なお、企業側の面談担当者は人事に限らず、目的や状況に応じて現場の社員や役員クラスが担当しても構いません。

またカジュアル面談は、ダイレクトリクルーティング(スカウト採用)を行う際、候補者へスカウトメールを送信した次のステップとしてもよく用いられています。
つまりは、企業から候補者への「まずは気軽に話してみませんか」という提案です。

カジュアル面談の目的

カジュアル面談の目的は下記の3つです。

  • 相互理解によるミスマッチ防止
  • リラックスした雰囲気のなか、お互いの期待やそれに応えることができるかなどを話してミスマッチを防ぎます。

  • 候補者との関係構築
  • ざっくばらんなコミュニケーションによる関係構築を通じて、志望度アップや内定辞退防止を図ります。

  • 自社の魅力を理解してもらう
  • 自社の魅力を1対1で直接伝えます。

カジュアル面談について基本的な情報をより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
参考記事:【企業側】カジュアル面談とは?目的や面接との違いから流れまで解説 | 株式会社ダイレクトソーシング (directsourcing-lab.com)

カジュアル面談でよくある逆質問|具体例と回答例


カジュアル面談でよくある逆質問について、具体例と予想される候補者の本音、それに対する回答例をセットで紹介します。

なお、カジュアル面談において「企業側からどのような質問を投げかけるべきか」を知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
参考記事:【企業側】カジュアル面談の質問集と伝えるべき内容|失敗例やコツも紹介 (directsourcing-lab.com)

社内の雰囲気について教えてください

候補者にとって、自らが所属する企業および所属先の雰囲気は非常に気になるポイントです。
この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 厳しい言動をとる上司や先輩がいないか心配
  • ストレスの多い環境では無いか心配
  • 自分の性格や考え方と近い人が多いか知りたい

■回答例

  • 「一言でいえば、とても風通しの良い職場ですね。社員同士のコミュニケーションが活発ですし、上司と部下の関係もフラットです。新しいアイデアや意見も歓迎されます」
  • 「優しい人が多いですね。例えば直ぐ感情的になって声を荒げたりするような人はいません。一方で必要なことは積極的に指導やフォローをしてくれるので、新しく入社した人も安心できる環境といえます」

御社のワークライフバランスについて教えてください

厚生労働省が推進する「働き方改革」などをきっかけとして、ワークライフバランスを重視する人が増えています。
こうした聞き方の他にもストレートに「残業時間の平均を教えてください」「有給休暇の取得率を教えてください」のように尋ねられるケースもあるでしょう。

この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • いわゆる「ブラック企業」に該当しないかが気になる
  • 前職のように残業過多にならないか心配(転職者の場合)
  • 有給休暇を取得しやすい環境かを知りたい

■回答例

  • 「当社では従業員のワークライフバランスを重視しています。残業時間は平均で〇時間ほど、有給休暇の取得率は〇%です。出産や子育て、介護などさまざまなライフステージの変化に応じた働き方ができるように各種制度も整えています」
  • 「実は当社も以前はワークライフバランスを上手くとれていない従業員が多い時期もありました。ただ、その経験を踏まえて今はまさに具体的な改善をすすめているところです。例えば(続けて具体例を紹介)」

理念は業務にどのように反映されてますか?

理念には、その企業が最も重視する価値観や考え方が表されています。
加えて「こうありたい」「こうあるべき」といった理想を示したものであるため、候補者は共感を得やすいのと同時に「どの程度実践できているのか」を知りたいと考えます。

この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 理念に共感したが、現場の判断や行動にまで反映されているのかを知りたい
  • この理念がきちんと反映されているのであれば、良好な職場環境と予想できる

■回答例

  • 「当社の理念に関心をもってくださり、ありがとうございます。もちろん理念は、最重視すべきものとして、事業の指針や各従業員の判断や行動の根拠となっています。例えば(続けて具体例を紹介)」

研修制度などスキルアップの機会はありますか?

研修制度など自己成長の機会が十分に用意されているかを重視する候補者も多く存在します。
この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 従業員の育成にどのくらい注力しているかを知りたい
  • 成長意欲や学習意欲の高さを企業へアピールしておきたい
  • 今の時点で自らが所有しているスキルでは不安

■回答例

  • 「はい、教育制度も充実していますよ。入社後の新入社員研修に始まり、3か月後のフォロー研修、そして階層別研修など、各段階やポジションに応じた研修制度を整えています。その他にも、希望すればeラーニングや通信教育も受講可能です」

上記のように具体的に回答するようにしましょう。また、それぞれの教育制度への参加が義務なのか任意なのかも伝えておくことを推奨します。

どのような社内イベントがありますか?

社内イベントの頻度や内容を聞くことで、仕事以外でのコミュニケーション頻度や社内交流の活発さ、企業および職場の雰囲気を知ろうとしています。
この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 社員同士の仲を深める機会は十分にあるのか知りたい
  • リラックスできる機会でのコミュニケーションが行われているかを知りたい
  • プライベートの時間が必要以上に削られないか心配

■回答例

  • 「年間を通じてさまざまなイベントを開催していますよ。例えば、忘年会や新年会、社員旅行の他にも、バーベキューなども行っています。ちなみに昨年の社員旅行は、〇〇へ行きました」

一般的な社内イベントに加えて、自社の特色が出るようなイベントがあれば積極的に伝えましょう。
印象に残りやすくなります。
上記のような回答の後、「(候補者名)さんは、旅行はお好きですか?」といった趣味・嗜好の会話につなぐことも可能です。

御社で活躍している方の特徴を教えてください

自社で活躍している社員の特徴を聞かれるケースも多くあります。
企業側にとっては、自社が求める人材像および自社とマッチ度の高い人材像を伝えらえるチャンスです。

この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 自らも同じように活躍できそうかを確認したい
  • 今後の選考で同様の特徴を有していることをアピールしたい

■回答例

  • 「社内全体で見ると、自発性と行動力をもった社員がより活躍しています。上司からの細かな指示があって初めて動くのではなく、成すべき目的を見据えて自ら考え、積極的に提案しながら行動に移しています」
  • 「今回の募集ポジションで活躍している社員を例にあげると、課題発見力と提案力に長けています。例えば、お客様が気づかれていない課題を見つけて、解決策とあわせて即座に提案するといったことができています」

募集するポジションが明確な場合や、候補者が希望する配属先がある場合は、2つ目の回答例のように「そこで活躍している社員の特徴」を具体的に伝えましょう。

御社に内定する方の共通点を教えてください

候補者がカジュアル面談に参加する目的の1つは、内定に近づくことです。
この質問を通じて、以降の選考で有利となる情報を得たいと考えています。
詳細な採用基準までを伝えることはできませんが、傾向の開示までは問題ないでしょう。

予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 内定者の共通点を満たすことで、自らも内定を得たい
  • 共通点を有しているかを確認することで企業とのマッチ度を測りたい

■回答例

  • 「成長意欲が高い方が多い傾向があります。当社も、社員の育成に注力しているため、そういった点がマッチするのだと思います」
  • 「積極性をもった方が多いですね。例えば、複数人で発言を求められた場面で積極的に発言したり、ちょっとしたことでも自らが行えることを見つけて率先したりといった方です」

身に付けておくべきスキルはありますか?

この質問があると、候補者が一定以上の志望度をもっていると考えられるため、企業にとっては嬉しい質問といえるでしょう。
予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 入社後に即戦力となれるように今から備えておきたい
  • 志望度の高さや入社意欲を示しておきたい

■回答例

  • 「多くの社員がITパスポートを取得しています。社内でもさまざまなITツールを採用していますし、顧客先でも基本的なIT知識を前提として話が進む場合が多いためです。ただ、資格取得に関しては入社後にサポートがあるため、今時点では心づもりまでで十分ですよ」
  • 「今回の募集ポジションでは、TOEIC750点以上を歓迎条件として設定しています」

条件を設定している場合は、明確に提示しましょう。
また、入社後にスキル習得をサポートする機会があれば、優先的に伝えておくと自社のアピールにつながります。

入社後から配属までの流れを具体的に教えてください

入社直後から配属に至るまでの期間は、候補者にとって不安の大きい期間です。
入社した初日から違和感やギャップを感じることがないように、丁寧な回答を心がけましょう。

この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 不安を感じやすい入社直後の流れを理解することで安心を得たい
  • 入社直後にギャップを感じたくない(後悔したくない)
  • 迎え入れる準備が整っているか・迎え入れる余裕があるかを確認したい
  • ほったらかしにされるようなことが無いかを確認したい

■回答例

  • 「入社後は、本社で2週間の新入社員研修を受講していただきます。ビジネスマナーの確認や当社理念の理解、事業内容などの基本を身につけることが目的です。その後、部署に配属となり、そこからはOJTが始まります。OJTは、入社3年目の先輩〇〇が担当する予定になっていますよ」

回答時は、候補者がイメージしやすいように「期間・場所・内容・担当者」などを可能な範囲で具体的に伝えましょう。迎え入れる準備が万端であることのアピールにつながります。

具体的な業務内容について教えてください

具体的にどのような業務を行うのかは、ホームページや就活ナビサイトだけで理解するのは困難です。
自分が入社後にどのような業務を行うのかは、非常に関心が高い項目といえるでしょう。

この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • ホームページ等から抱いた自分の想像と、実際の業務内容にギャップ無いかを確認したい
  • 自分がしたい仕事を行えるかを知りたい
  • 業務に対する適正があるかを確認したい

■回答例

  • 「配属先で本格的な業務が始まったら、既存顧客への対応と新規顧客の開拓をおよそ7:3の割合で行います。既存顧客への対応は、先方担当と事前に決めたスパンで定期的な打合せを実施し、必要に応じて追加の提案をします。新規顧客の開拓は、テレアポとアポイント先への訪問を先輩社員のサポートのもとで行います」

候補者がどこまで把握・理解できているかを確認しつつ、全体像から詳細へと説明を進めていきましょう。
具体的に説明を進めていくと、候補者から気になる点や不明点などに関する追加質問が出てきますので、個別に回答を重ねていきます。

今後の事業展開について教えてください

人材の流動性が高まっているとはいえ、特定の企業に長く勤めることを望むのが一般的です。
そのため、志望先企業の将来性についても、非常に関心が集まりやすい点といえます。

この質問をする際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 企業としての将来性があるかを知りたい
  • 企業および事業内容に対する関心の高さをアピールしたい

■回答例

  • 「今後の事業展開については、〇〇分野への進出や〇〇市場でのシェア拡大など、戦略的な成長を目指しています。さらに、新たなサービスの開発やグローバル展開なども着々と進めているところです。(候補者名)さんには、ぜひ〇〇分野への進出でご経験を存分に活かしていただきたいと考えています」

自社の事業展開を端的に説明しつつ、候補者には具体的にどの部分での活躍を期待しているのかを伝えるとより印象が良いでしょう。

〇〇様が入社された経緯を教えてください

カジュアル面談は1対1で実施するケースが多いため、このような面談担当者のパーソナリティに焦点をあてた質問もあります。
その際に予想される候補者の本音と、回答例は以下の通りです。

■予想される候補者の本音

  • 個人的な経験や意見を尋ねることで、より実態に近い情報を得たい
  • 企業としての回答ではなく、候補者である自分と同じ視点での意見を知りたい

■回答例

  • 「私は2019年に中途で入社したのですが、それまでは同じ業界の別企業に勤めていました。希望する業界での仕事にある程度は満足していたのですが、よりスキルアップが見込める企業に勤めたいと考えるようになりました。その基準で候補を探すなか、転職サイトで見つけたのが今の会社です(以下略)」

この質問に関しては、可能な限り正直に伝えることで候補者からの信頼アップにつながります。
ただし、前の会社を悪く言ったり、今の会社への不満などを述べたりするようなネガティブな回答にならないよう注意しましょう。

募集の背景について教えてください

この質問は、主に中途採用でよく尋ねられます。
仮に人員補充のためであっても、よりポジティブな要素にフォーカスして伝えることが大切です。

■予想される候補者の本音

  • 募集要項にあった理由と矛盾しないか
  • 誰かが辞めたから人員補充をするのではないのか(入れ替わりが激しくないか)

■回答例

  • 「業務内容やチーム構成が変化したため、新しい人材を募集する必要が生じました」
  • 「新しいプロジェクトの展開に向けて、新たな人材を確保する必要があったためです」
  • 「組織の成長戦略の一環として、新しいポジションを設けることになりました」

上記のように、成長や変化に焦点を当てることで、前担当者の辞任という事実を回避しつつ、募集の背景を説明することができます。

カジュアル面談の逆質問に関する重要ポイント


カジュアル面談の逆質問に関する重要ポイントを、4つ紹介します。

正確かつ具体的に回答する

候補者からの質問に対しては、正確性と具体性を重視しましょう。
カジュアル面談に臨む候補者は、事前にホームページや就活ナビサイト上で企業の情報を得ています。
そのため、掲載情報と相違や矛盾があると、不信感につながりかねません。

面談担当者は、正確かつ具体的な回答を行えるように、各所への掲載情報の事前確認と付随する情報の準備が不可欠です。
また、その場で答えられない場合は無理に答えず、後で確実な情報を共有しましょう。

ネガティブな回答は改善の姿勢とあわせて示す

ネガティブな回答が必要な場合でも、それに対する改善策や取り組みの姿勢を示します。

例えば、残業時間について聞かれたものの現状の平均が一般的な数値よりも多い場合、嘘の数値を伝えたり、はぶらかしたりするのではなく、改善に向けて具体的な対策を推進していることを伝えましょう。
数値的な改善がみられる場合は、あわせて提示することで信ぴょう性が増します。

事前にネットなどで自社の評判を把握しておく

昨今は、各種SNS、就活・転職口コミサイトなどで、企業の情報を誰でも簡単にリサーチできるようになっています。

なかには、事実と異なる内容や、誤解を与えかねない不正確な情報が含まれているケースも散見されます。
ただ、初めてその情報に触れる候補者にとっては、真偽の判断は困難です。

そのため、自社が一般的にどのような評判がなされているのかを把握しておき、誤解を招きそうなポイントがあれば事前に説明内容を整理しておくようにしましょう。

よくある逆質問の回答例を準備しておく

先の項目で紹介したような「よくある逆質問に対する回答例」を参考に、自社独自のものを準備しておきましょう。
これにより、以下のような利点を得られます。

  • スムーズな質疑応答を行える
  • ネガティブな要素を含む内容も印象を落とさず回答できるようになる
  • 各面談担当者の回答に統一性をもたせられる
  • ホームページ等で公開している情報と一貫性をもたせられる
  • 以降の選考で伝える内容と一貫性をもたせられる

まとめ

カジュアル面談の逆質問について、具体例と回答例を紹介しました。
いずれもよくある逆質問ですので、それぞれに対して「自社の場合は、どう答えるべきか」を紹介した回答例や予想される候補者の本音を基に考えてみてください。

あわせて「自社側からすべき質問」を整理しておくことで、カジュアル面談に向けての準備は盤石なものとなります。
ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
参考記事:【企業側】カジュアル面談の質問集と伝えるべき内容|失敗例やコツも紹介 (directsourcing-lab.com)

また弊社はダイレクトリクルーティング支援企業として、過去70万件・全40媒体以上のソーシングデータを用いて、自社が求める人材の採用を最短ルートで成功に導くサポートを行っています。

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。