総合商社・専門商社のダイレクトリクルーティング | 株式会社ダイレクトソーシング
ダイレクトリクルーティング
2026.07.24

総合商社・専門商社のダイレクトリクルーティング

商社のダイレクトリクルーティングとは、総合商社・専門商社が事業投資・DX・グローバル領域の即戦力人材に対して、LinkedInやビズリーチなどのスカウトメディアを通じて企業側から直接アプローチする採用手法です。新卒一括採用・終身雇用の代表格だった総合商社でもキャリア採用は常態化し、事業投資・DX・脱炭素といった注力領域の専門人材は「求人を出して待つ」のではなく自ら取りに行く時代になりました。ただし商社のハイクラス採用は紹介会社経由の慣習が強く、スカウト型に切り替えるには商社特有の課題設計が必要です。本記事では、商社が狙うべき人材プールの見取り図、スカウトメディアの使い分け、返信率を高める文面のコツ、支援サービスの活用法までを一気に整理します。

「事業投資先に送り込める経営人材が社内に足りない」「DX推進の中核を担うデジタル人材が紹介会社からほとんど提案されない」「海外拠点の次期リーダー候補を採りたいが、どの媒体に候補者がいるのか分からない」——。総合商社・専門商社の人事部長・採用責任者・タレントアクイジション担当者から、当社にはこうしたご相談が増え続けています。

背景にあるのは、商社の事業モデルの転換です。トレーディング中心から事業投資・事業経営へ軸足が移り、コンサルティングファーム・金融/PE・メーカー・スタートアップの出身者がキャリア採用で商社に入るケースは珍しくなくなりました。一方で、採用競争の相手はコンサル・PEファンド・外資金融といった報酬水準の高いプレイヤーであり、「待ちの採用」では最も採りたい層に接点すら持てないのが実情です。

本記事は、日本初のLinkedIn公式パートナーとして300社以上を支援し、60万件超のスカウト運用データを持つ株式会社ダイレクトソーシングが、総合商社・専門商社向けにダイレクトリクルーティングの立ち上げ方を業界特化で解説する完全ガイドです。

総合商社・専門商社のダイレクトリクルーティング完全ガイド2026 事業投資・DX・グローバル人材を自ら採りに行くスカウト戦略

✅ この記事でわかること

✔️ 広がる背景 新卒一括の代表格だった商社でキャリア採用・ダイレクトリクルーティングが常態化した構造要因
✔️ 商社特有の課題4つ 紹介経由の慣習・新卒の会社イメージ・総花的な訴求・コンサル/PE/外銀との報酬競争
✔️ 人材プールマップ 事業投資・DX・グローバル人材がどこに在籍し、どの媒体で届くのか
✔️ スカウト実務のコツ 「配属ガチャ」不安を消すポジション特定型スカウトなど文面5つのコツ
✔️ 体制のつくり方 RPO・運用支援・ATS・ヘッドハンティング支援の使い分けと90日立ち上げロードマップ

📌 この記事はこんな方におすすめです

  • キャリア採用の強化を任された総合商社・専門商社の人事部長・採用責任者の方
  • 事業投資・DX・脱炭素領域の専門人材を外部から採用したいタレントアクイジション担当者の方
  • 紹介会社・ヘッドハンター依存から脱却し、スカウト型採用を立ち上げたい方
  • 海外在住日本人・バイリンガル人材へのアプローチ手段を探している方
⚡ 5行で読む結論

  • 商社もキャリア採用が常態化:事業投資・DX・脱炭素の専門人材は社内育成だけでは間に合わず、「自ら採りに行く」ダイレクトリクルーティングが不可欠に
  • 商社特有の課題は4つ:紹介経由の慣習による母集団の偏り/「商社=新卒の会社」イメージ/総花的になりがちな訴求/コンサル・PE・外資金融との報酬比較
  • 狙う人材の居場所は明確:コンサル・金融/PE・メーカー海外事業・スタートアップ経営層。海外在住日本人・バイリンガル層はLinkedIn(世界13億人・日本500万人)に集中
  • スカウトは「ポジション特定型」:配属先と役割を明示して配属ガチャ不安を消し、事業投資の裁量・スケールと海外機会を具体的に訴求する
  • 体制は使い分けで設計:エグゼクティブは紹介型(ヘッドハンティング)、ボリュームポジションはダイレクト型。90日ロードマップで立ち上げる

商社でダイレクトリクルーティングが広がる背景

結論から言えば、キャリア採用の常態化・事業ポートフォリオの転換・スカウト市場の拡大という3つの構造変化が、商社にダイレクトリクルーティングの導入を迫っています。「商社は新卒で入る会社」という前提は、採用する側の実務ではすでに過去のものになりつつあります。

背景1:新卒一括・終身雇用の代表格でもキャリア採用が拡大

総合商社は長らく新卒一括採用と長期育成で人材を賄ってきた業界の代表格でした。しかし近年は、総合商社・専門商社ともにキャリア採用の門戸が広がり、コンサルティングファーム・金融機関・メーカー出身者の中途入社が増えています。専門性の高い領域では「社内で10年かけて育てる」よりも「即戦力を外部から迎えて社内に知見を移植する」ほうが事業スピードに合うためです。採用する側にとってこれは、これまで戦ったことのない中途採用マーケットで、コンサルやPEファンドと同じ候補者を奪い合うことを意味します。

背景2:事業ポートフォリオの転換で「持っていない専門性」が必要に

トレーディング中心から事業投資・事業経営へのシフトが進み、事業投資のバリューアップ人材、全社と投資先のDXを推進するデジタル人材、脱炭素・新エネルギー領域の専門人材など、従来の商社の育成パスでは生まれにくい職種の外部調達が常態化しています。これらの人材は転職顕在層が薄く、紹介会社の登録者データベースだけでは母集団が枯渇しがちです。在籍企業で活躍中の転職潜在層に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングが、構造的に必要とされる理由がここにあります。

背景3:ダイレクトリクルーティング市場そのものが急成長

矢野経済研究所の調査では、ダイレクトリクルーティングサービス市場は2023年度に1,074億円(前年度比23.2%増)、2024年度には1,275億円(同18.7%増)に達する見込みです。採用競合であるコンサル・金融・メーカー大手はすでにスカウト型採用の運用を成熟させており、商社が「待ちの採用」に留まるほど、ハイクラス候補者との接点格差が広がります。スカウト型採用の全体像はLinkedInとは?の記事もあわせてご覧ください。

商社特有の採用課題4つ|なぜスカウト型が難しいのか

商社のダイレクトリクルーティングには、「紹介経由の慣習」「新卒の会社イメージ」「総花的な訴求」「報酬比較の競争」という4つの業界特有の課題があります。裏を返せば、この4つを設計段階で潰せば、商社はハイクラス採用市場で強力な訴求資産(事業の幅・海外機会・経営経験)を持つ側に回れます。

商社のダイレクトリクルーティング4つの採用課題 紹介経由の慣習 新卒の会社イメージ 総花的な訴求 報酬比較の競争

課題A:ハイクラス層は紹介・ヘッドハンター経由が慣習で、母集団が偏る——商社のキャリア採用は歴史的に人材紹介会社・ヘッドハンター経由が中心でした。紹介経由は確実性が高い一方、母集団が「紹介会社に登録している転職顕在層」に限定され、最も採りたい「現職で活躍中の転職潜在層」がすっぽり抜け落ちます。理論年収の35〜40%/名という紹介手数料が積み上がり、採用単価が高止まりする構造的な課題もあります。
課題B:「商社=新卒で入る会社」イメージで、中途候補者に想起されない——コンサルや外資系と違い、商社は「中途で入る選択肢」として候補者の頭に浮かびにくいのが実情です。求人を出しても「自分が応募してよい対象」と認識されなければ応募は来ません。だからこそ、企業側から個別に声をかけて「あなたのこの経験を、この事業で求めている」と伝えるスカウト型が効きます。採用ブランディングとスカウトを連動させる設計は採用ブランディングの記事で解説しています。
課題C:求める人材像が事業部ごとに多様で、訴求が総花的になる——エネルギー、金属、食料、化学品、機械、ヘルスケア……と事業部ごとに求める経験・スキルはまったく異なります。それを1つの採用メッセージにまとめようとすると「グローバルに活躍できる総合力のある人材」といった誰にも刺さらない総花的な訴求に陥ります。ポジション・事業部単位で人材要件と訴求を分解することが出発点です。
課題D:年収水準は高いが、コンサル・PE・外資金融と比較される——商社は国内有数の高年収業界ですが、ハイクラス採用の競合はコンサルティングファーム・PEファンド・外資金融であり、報酬だけで戦うと不利な比較に持ち込まれる場面もあります。勝ち筋は報酬の多寡ではなく、「事業を持ち、経営に入り込める」「若いうちから海外拠点・投資先の経営を任される」という商社にしかないキャリア価値を具体的に提示することです。

商社が狙う人材はどこにいるか|人材プールマップ

商社が採りたい事業投資・DX・グローバル人材は、主にコンサルティングファーム・金融/PEファンド・メーカーの海外事業部門・スタートアップ経営層の4つのプールに在籍しており、その多く(特に海外在住日本人・バイリンガル層)はLinkedIn上で職務経歴を公開しています。「どの媒体を使うか」の前に「誰がどこにいるか」を特定するのが、母集団設計の正しい順序です。

商社が狙う人材プールマップ コンサル出身者 金融PE出身者 メーカー海外事業 スタートアップ経営層 LinkedInのグローバル人材

プール1:コンサルティングファーム出身者——戦略立案・業務改革の経験者は、事業投資先の経営改善や全社DX推進と親和性が高い層です。「提案で終わらず、事業主体として実行まで担いたい」という転職動機を持つ人が多く、事業と投資を「自分ごと」にできる商社のポジションは強い受け皿になります
プール2:金融・PEファンド出身者——投資銀行・PE・銀行の投資部門などで投資実務・財務モデリングを積んだ層は、事業投資の目利き・エグゼキューション・バリューアップの即戦力です。「投資して終わり」ではなく事業経営に長く関与できる点が、ファンドとの差別化訴求になります
プール3:メーカーの海外事業・海外拠点経験者——海外現地法人の運営、海外営業、サプライチェーン管理の経験者は、商社の海外事業とスキルがそのまま接続します。「海外駐在の機会が減った」「裁量を広げたい」という動機を持つ層に、商社の海外機会は強力に刺さります
プール4:スタートアップの経営層・新規事業経験者——0→1の事業立ち上げやグロースを経験した層は、新規領域の開拓やデジタル事業の推進役として価値があります。商社の資本力・事業基盤の上で大きなスケールに挑めることが訴求の核になります

そして4つのプールを横断する共通ルートがLinkedInです。世界13億人・日本500万人のユーザーを持つLinkedInには、海外在住の日本人プロフェッショナル、日本国内のバイリンガル層、投資・コンサル・テック領域の人材が職務経歴ベースで集まっており、国内転職サイトには存在しない「海外のマネジメント経験を持つ日本人」に直接アプローチできる実質的に唯一のチャネルです。日本普及率は4.2%とまだ低いからこそ、登録者は感度の高いプロフェッショナル層に偏っており、商社のグローバル採用とは相性が抜群です。

スカウトメディアの使い分け|LinkedIn・ビズリーチ・ヘッドハンティング

商社のキャリア採用では、「海外在住日本人・バイリンガル・ハイクラス層はLinkedIn」「国内の即戦力ミドル層はビズリーチなどの国内スカウトメディア」「経営幹部・後継者クラスはヘッドハンティング(紹介型)」という用途の使い分けが実務的です。どれか1つに絞るのではなく、ポジションの階層と候補者の居場所で並行運用します。

比較項目LinkedInビズリーチなど国内スカウトメディアヘッドハンティング(紹介型)
タイプグローバルSNS型・自社スカウト国内データベース型・自社スカウトエージェントによる探索・紹介
届きやすい層海外在住日本人・バイリンガル・投資/コンサル/テックのハイクラス層国内の即戦力ミドル・管理職層の転職顕在〜準顕在層経営幹部・事業責任者クラスの非公開母集団
商社での主な用途グローバル人材・DX人材・投資プロフェッショナルの直接スカウト経理・法務・営業・事業管理など国内ポジションの母集団形成投資先の社長・CxO、機密性の高い幹部ポジション
費用構造ライセンス費+運用工数(採用数が増えるほど単価逓減)利用料+成功報酬(媒体プランによる)理論年収の35〜40%/名(着手金型もあり)
運用のポイント英語・日本語のポジション特定型スカウトと企業ページ発信の両輪職種別の検索設計と返信率のPDCAを高速で回す要件のすり合わせ精度とリテイン先の見極めが成否を分ける

※ 本表は用途・役割の違いによる整理であり、媒体・サービスの順位付けやランク付けではありません。費用は2026年時点の一般的な相場観です。

LinkedIn:グローバル・ハイクラス採用の主戦場

海外駐在候補・現地法人マネジメント・投資プロフェッショナルを狙うなら、LinkedInは商社にとって最優先の検討媒体です。職務経歴・スキル・言語で精緻に検索でき、海外在住の日本人やバイリンガル層に「在籍中のまま」アプローチできるのが最大の強みです。当社は日本初のLinkedIn公式パートナーとして、商社を含むグローバル企業のLinkedIn運用を数多く支援してきました。媒体の基本機能と料金体系はLinkedInとは?の記事で詳しく解説しています。

ビズリーチなど国内スカウトメディア:即戦力ミドルの母集団形成

国内の管理部門・営業・事業管理などのポジションでは、ビズリーチをはじめとする国内スカウトメディアが母集団形成の中核になります。転職意向が顕在化したハイクラス・ミドル層が登録しているため、選考への転換が速いのが特徴です。当社は40種以上の採用メディアに対応しており、ポジションごとに最適な媒体ポートフォリオを設計できます。複数媒体を並行運用する際の管理設計はスカウト一元管理の記事をご覧ください。

ヘッドハンティング(紹介型):エグゼクティブ専用の手段として温存

投資先の社長・CxOや機密性の高い幹部ポジションは、エージェントが非公開で探索する紹介型ヘッドハンティングが適しています。重要なのは、ヘッドハンティングを「エグゼクティブ専用の手段」として位置づけ、ボリュームのあるミドル〜シニアポジションまで紹介依存にしないことです。理論年収の35〜40%/名の手数料をすべてのポジションで払い続けると採用コストは膨張します。階層別の使い分けこそが、商社のキャリア採用コストを最適化する鍵です。

商社向けスカウト文面5つのコツ|「配属ガチャ」不安を消す

商社のスカウト文面で最も重要なのは、「入社後どこに配属されるか分からない」という配属ガチャ不安を、ポジション特定型のスカウトで最初の1通から払拭することです。当社の60万件超のスカウト運用データでも、誰にでも送れる汎用文面と、ポジション・経歴に踏み込んだ個別文面では返信率に大きな差が出ています。

商社向けスカウト文面5つのコツ ポジション特定 裁量とスケール 海外機会の具体化 経歴との接続 キャリアの独自性

コツ1:ポジション特定型で誘う——「配属ガチャ」不安の払拭

「総合職採用」の建付けのまま「幅広いフィールドで活躍できます」と書くのは、中途候補者には配属リスクの宣言に読めます。「〇〇事業部の△△投資案件で、投資実行後のバリューアップを担うポジション」と配属先・役割・ミッションを特定して打診するだけで、候補者側の心理的ハードルは大きく下がります。ポジションを特定できる程度まで人材要件を分解する方法は12項目要件定義の記事が参考になります。

コツ2:事業投資の裁量とスケールを数字ではなく「役割」で示す

コンサル・PE出身者が商社に魅力を感じるのは、「投資して終わり」ではなく投資先の経営に入り込み、事業を長期で育てる側に回れることです。案件の意思決定にどこまで関与できるのか、投資先に出向して経営ポジションを担う可能性があるのか——。守秘義務に配慮しつつも、任される役割の範囲を具体的に書くことで、ファンドや事業会社との違いが伝わります。

コツ3:海外機会を「地域・時期・役割」まで具体化する

海外駐在・グローバル案件は商社最大の訴求資産ですが、「グローバルに活躍できます」だけでは他社の求人と区別がつきません。「アジアの事業会社でのマネジメント」「入社後数年での駐在機会」のように、地域・時期・役割のイメージが湧く粒度まで具体化すると、海外志向の強いメーカー海外事業出身者やLinkedIn上の海外在住日本人に強く刺さります。

コツ4:候補者の経歴と案件の接点を「最初の一文」で示す

ハイクラス層には大量のスカウトが届いており、テンプレート文面は数秒で閉じられます。「〇〇業界での事業再生のご経験が、当社が進める△△領域の投資案件に直結すると考えご連絡しました」のように、プロフィールを読んだことが伝わる一文を冒頭に置くことが、開封後の離脱を防ぐ最大のポイントです。返信率を高める文面設計の全体像はスカウト返信率の記事で詳しく解説しています。

コツ5:報酬ではなく「商社でしか積めない経営経験」を言語化する

コンサル・PE・外資金融との比較土俵で報酬を前面に出すのは得策ではありません。「若いうちから投資先経営に関与できる」「事業の川上から川下まで持てる」「国・産業をまたぐキャリアを1社で積める」という商社固有のキャリア価値を、候補者の目線で言語化することが、報酬競争を回避しながら意思決定を後押しする王道です。スカウト後の面談・候補者体験の設計は候補者体験CXの記事もご参照ください。

支援サービスの活用法|RPO・運用支援・ATS・ヘッドハンティング支援の使い分け

商社がダイレクトリクルーティングを立ち上げる際の外部支援は、「実行リソースを補うRPO(採用代行)」「成果の質を高める運用支援」「データ基盤を整えるATS(採用管理ツール)」の3類型で整理し、エグゼクティブ向けの紹介型ヘッドハンティング支援とは役割を分けて併用するのが実務的です

サービスカテゴリ担う役割費用相場商社での使いどころ
RPO(採用代行)候補者検索・スカウト送信・日程調整の実行月額30万〜100万円専任者ゼロからの立ち上げ期に実行を確保
LinkedIn運用支援など運用改善型媒体戦略・ターゲティング・文面改善・KPIレポート月額20万〜80万円グローバル・投資人材スカウトの返信率改善と内製化
採用管理ツール(ATS)複数媒体・複数事業部の候補者データ一元管理月額数万〜数十万円事業部横断の重複スカウト防止とKPI可視化
ヘッドハンティング支援(紹介型)経営幹部クラスの非公開探索・紹介理論年収の35〜40%/名投資先社長・CxOなどエグゼクティブ専用

※ サービスカテゴリの役割整理であり、特定企業の順位付けではありません。費用は2026年時点の一般的な相場です。

使い分けの原則はシンプルです。エグゼクティブ(投資先社長・CxO・幹部)は紹介型のヘッドハンティング支援、ボリュームのあるミドル〜シニアポジション(投資メンバー・DX人材・海外事業要員)はダイレクト型(RPO+運用支援+ATS)。すべてを紹介に頼ると採用単価が膨張し、すべてをダイレクトに寄せると幹部採用の機密性・探索力が不足します。3類型それぞれの選び方は採用代行3タイプの記事大企業のダイレクト採用支援選び方の記事で、採用コスト全体の試算は採用TCOの記事で詳しく解説しています。

ダイレクト型(スカウト自社運用+外部支援)が向くケース
  • 投資メンバー・DX人材・海外事業要員など複数名を継続採用するポジション
  • 海外在住日本人・バイリンガルなど紹介会社の登録DBに少ない層を狙う場合
  • スカウトノウハウ・候補者データを自社資産として蓄積したい場合
紹介型(ヘッドハンティング支援)が向くケース
  • 投資先の社長・CxOなど機密性が高く社名を伏せて探索したいポジション
  • 市場に数人しかいない特殊な経営人材をリテインで探すケース
  • 単発・少数で、社内に運用体制を持つ必要がないケース

90日立ち上げロードマップ|設計からスカウト検証、体制化まで

商社のダイレクトリクルーティングは、「Day 1-30 設計・準備」「Day 31-60 スカウト開始・検証」「Day 61-90 拡大・体制化」の90日計画で立ち上げるのが標準です。最初から全事業部で展開せず、ポジションを特定したパイロット運用で返信率の実測値を作ってから広げることが、社内の合意形成にも効きます。

商社のダイレクトリクルーティング90日立ち上げロードマップ 設計準備 スカウト開始検証 拡大体制化

Day 1-30:設計・準備——ポジション特定と訴求の言語化

最初の30日で、スカウト対象とするポジションを1〜3件に特定し、人材要件・ペルソナ・訴求メッセージを言語化します。「どの事業部の、どの案件で、どんな経験者に、何を任せるのか」を文章にできないポジションは、スカウトを送っても返信されません。並行して媒体選定・アカウント整備・企業ページの発信内容を整えます。

Day 31-60:スカウト開始・検証——文面ABテストと週次計測

ターゲットリストを作成してスカウトを開始し、返信率を週次で計測しながら文面・訴求軸のABテストを回します。「事業投資の裁量」訴求と「海外機会」訴求のどちらが自社ターゲットに効くのかは、実データでしか分かりません。返信後に事業部の現場社員・ラインマネージャーとのカジュアル面談へ素早く接続する動線も、この期間に設計します。

Day 61-90:拡大・体制化——勝ちパターンの標準化と内製化

パイロットで見つけた勝ちパターン(ターゲット×訴求×文面)を標準化し、対象事業部・職種を拡大します。KPIレポートを定例化し、事業部を巻き込んだ分業体制(人事=運用・事業部=面談)を確立すれば、ダイレクトリクルーティングは「人事の実験」から「全社の採用インフラ」に変わります。90日サイクルの運用詳細は採用90日運用の記事をご覧ください。

商社にありがちな失敗パターン4つと対策

商社のダイレクトリクルーティングの失敗は、「総合職型の汎用スカウト」「紹介との併走設計なし」「事業部を巻き込まない人事完結運用」「短期で成果を判断して撤退」の4パターンに集約されます。いずれも立ち上げ設計の段階で防げるものです。

❌ 失敗1:総合職型の汎用スカウト

「幅広いフィールドで活躍できます」という新卒採用の延長の文面を送り、配属不安を抱えた候補者に無視され続ける。

✅ 対策:ポジション特定型に転換し、配属先・役割・ミッションを最初の1通で明示する。
❌ 失敗2:紹介との併走設計がない

同じポジションを紹介会社とスカウトで無秩序に併走させ、候補者に二重アプローチが発生して信頼を損ねる。

✅ 対策:ポジション階層でチャネルを切り分け、ATSで候補者データを一元管理して重複を防ぐ。
❌ 失敗3:人事だけで完結する運用

事業部を巻き込まず人事だけでスカウトを送るため、案件の解像度が低い文面になり、返信後の面談も魅力づけできない。

✅ 対策:文面レビューとカジュアル面談に事業部の現場エースを巻き込み、人事=運用・事業部=口説きの分業を作る。
❌ 失敗4:短期で成果を判断して撤退

転職潜在層への中長期アプローチであるにもかかわらず、数ヶ月の採用数だけで「効果なし」と判断して止めてしまう。

✅ 対策:返信率・面談転換率など先行KPIで改善を判断し、90日単位でPDCAを回す前提を経営と合意しておく。

スカウト運用が途中で失速したときの立て直し方は、ダイレクトリクルーティング停滞の立て直しの記事で詳しく解説しています。

まとめ|商社の訴求資産は強い。届け方を変えるだけで戦える

事業の幅・投資の裁量・海外機会という商社の訴求資産は、ハイクラス採用市場で十分に戦えるだけの強度を持っています。足りないのは資産ではなく「届け方」です。紹介経由の慣習で偏った母集団を、LinkedInやビズリーチなどのスカウトメディアで転職潜在層まで広げ、ポジション特定型のスカウトで配属不安を消し、エグゼクティブは紹介型・ボリュームはダイレクト型と使い分ける。この設計ができれば、商社のキャリア採用は「紹介待ち」から「自ら採りに行く」体制に転換できます。

当社ダイレクトソーシングは、日本初のLinkedIn公式パートナーとして、300社以上の支援実績と60万件超のスカウト運用データをもとに、商社を含むグローバル企業のダイレクトリクルーティング立ち上げ・運用改善・内製化を支援しています。40種以上の採用メディアに対応しているため、LinkedInとビズリーチの併用設計など、貴社のポジション構成に合わせたチャネル戦略からご相談いただけます。

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「事業投資・DX・グローバル人材をどの媒体で狙うべきか」「紹介依存の採用構造をどう変えるか」——。60万件超のスカウトデータをもとに、貴社の採用課題に合わせた媒体戦略・文面設計・体制づくりを無料でご提案します。

  • 日本初のLinkedIn公式パートナー——海外在住日本人・バイリンガル採用に強い
  • 300社以上の支援実績——ハイクラス・グローバル採用の立ち上げ経験が豊富
  • 40種以上の採用メディア対応——媒体に中立な立場で最適な使い分けを設計

よくある質問(FAQ)

Q商社でもダイレクトリクルーティングは有効ですか?
A

有効です。総合商社・専門商社でもキャリア採用は常態化しており、事業投資・DX・脱炭素領域の専門人材は紹介会社の登録データベースだけでは母集団が不足します。特に海外在住日本人・バイリンガル層や在籍中の転職潜在層には、LinkedInなどを通じた企業からの直接アプローチが実質的に唯一の接点になります。事業の幅・投資の裁量・海外機会という商社の訴求資産はスカウトと相性が良く、ポジション特定型の文面に切り替えることで成果が出やすい業界です。
Q商社の中途採用で狙うべき人材はどこにいますか?
A

主なプールは、コンサルティングファーム出身者(事業投資先の経営改善・DX推進)、金融・PEファンド出身者(投資実務・バリューアップ)、メーカーの海外事業・海外拠点経験者(海外事業運営)、スタートアップの経営層・新規事業経験者(新規領域開拓)の4つです。海外在住の日本人プロフェッショナルやバイリンガル層はLinkedInに集中しており、国内の即戦力ミドル層はビズリーチなどの国内スカウトメディアで届きます。
QLinkedInとビズリーチはどう使い分ければよいですか?
A

候補者の居場所で使い分けます。海外在住日本人・バイリンガル・投資/コンサル/テック系のハイクラス層を狙うならLinkedIn(世界13億人・日本500万人)、国内の即戦力ミドル・管理職層の母集団形成ならビズリーチなどの国内スカウトメディアが中心になります。どちらが優れているかではなく、ポジションごとに候補者がどこにいるかで選ぶのが原則で、グローバル採用と国内採用を並行する商社では両方の併用が実務的です。
Qヘッドハンティングとダイレクトリクルーティングはどう使い分けますか?
A

ポジションの階層で分けます。投資先の社長・CxOなど機密性が高く市場に候補者が少ないエグゼクティブポジションは紹介型のヘッドハンティング支援、投資メンバー・DX人材・海外事業要員など複数名を継続的に採るボリュームポジションはダイレクトリクルーティングが適しています。すべてを紹介(理論年収の35〜40%/名)に頼ると採用単価が膨張するため、階層別の使い分けがコスト最適化の鍵です。
Q商社のスカウトで返信率を上げるコツはありますか?
A

最重要は「配属ガチャ」不安の払拭です。総合職型の汎用文面ではなく、配属先の事業部・案件・役割を特定したポジション特定型スカウトに切り替えます。加えて、事業投資の裁量とスケール、海外機会(地域・時期・役割)の具体化、候補者の経歴と案件の接点を示す冒頭一文、報酬ではなく商社でしか積めない経営経験の言語化、の5つが当社の60万件超のスカウト運用データから見えている改善ポイントです。
Q立ち上げにはどれくらいの期間と費用がかかりますか?
A

期間は90日(設計・準備30日→スカウト開始・検証30日→拡大・体制化30日)が標準です。費用は媒体ライセンス費に加え、外部支援を使う場合はRPOが月額30万〜100万円、LinkedIn運用支援などの運用改善型が月額20万〜80万円、採用管理ツール(ATS)が月額数万〜数十万円が相場です。人材紹介の手数料(理論年収の35〜40%/名)で何名採用する予定だったかを基準に予算を置き換えると、社内説明がしやすくなります。

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。

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