採用ブランディング
2025.07.31

採用ブランディングとは?自社の魅力で「選ばれる採用」へ

「応募は来ているけれど、なかなか“いい人”がいない」
「せっかく内定を出しても辞退されてしまう」
そんなお悩みを抱えていませんか?

採用難が続く現在、人事担当者に求められるのは「ただ求人を出す」だけではなく、
自社の魅力を明確に伝え、共感してもらう仕組みづくりです。

そこで注目されているのが「採用ブランディング」
求職者にとって魅力的な企業として認知され、入社後のミスマッチを減らし、
採用活動の効果を中長期的に高める戦略的手法です。

本記事では、採用ブランディングの基礎から進め方、効果的な設計方法、
そして他社事例までを網羅的に解説します。
最後には、無料で相談できるサポート案内もご用意していますので、
ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • 採用ブランディングとは何か?広報・マーケティングとの違い
  • 採用市場がブランディングを必要とする理由
  • ミスマッチ防止や応募者の質向上につながる具体的効果
  • 採用ブランディングの6ステップと実践ポイント
  • 候補者体験(Candidate Journey)を設計する視点
  • 成功する企業の共通点とやってはいけない失敗例
  • 無料で相談できる支援サービスの活用方法

採用ブランディングについて、まずはお気軽にご相談ください。

採用ブランディングに関するご相談はこちら

「採用ブランディングをどこから始めればよいか分からない…」という状態でも大丈夫です。 貴社の採用状況や課題をヒアリングしながら、最適な進め方や必要なコンテンツをご提案いたします。 まずはお気軽にご相談ください。

採用ブランディングの定義と重要性

採用ブランディングとは何か?

採用ブランディングとは、「自社がどんな企業であり、どんな価値を提供できるのか」を候補者に伝え、共感や好感を得るためのブランド戦略です。単なる求人広告ではなく、企業の理念・文化・働き方・人間関係など、「働くことそのもの」に関する魅力を言語化・視覚化していく取り組みといえます。

「社員がどんな想いで働いているのか」「どんな未来を描ける会社なのか」。これらを発信し、企業への共感を生むことが、採用ブランディングの本質です。

採用ブランディングとは?

採用ブランディングとは、自社の理念・文化・働き方・人の魅力を整理し、候補者に一貫性をもって伝える取り組みです。
応募のきっかけではなく、「この会社で働きたい」と“選ばれる状態”をつくることが目的です。

採用広報・採用マーケティングとの違い

採用広報は、企業が採用情報や魅力を外部に発信する活動全般を指し、採用マーケティングは「誰に・何を・どう届けるか」を戦略的に設計することです。

一方で採用ブランディングは、より上位の概念であり、「企業がどのように見られたいか」「どんな人に“選ばれる存在”でありたいか」というブランドイメージの設計が主軸になります。つまり、発信だけでなく、体験や文化も含めた全体の設計が求められるのです。

採用ブランディング・採用広報・採用マーケティングの違い

項目採用ブランディング採用広報採用マーケティング
目的共感で「選ばれる会社」になること企業の存在・雰囲気を知ってもらうこと応募したくなる仕組みをつくること
役割「ここで働きたい」と思わせるブランド作り会社の取り組みや魅力を外に伝えることターゲット設計と導線で応募を増やすこと
主な手法採用サイト、社員インタビュー、SNS、動画ブログ、ニュース、説明会、社内報ペルソナ、LP設計、広告運用、数値分析
効果マッチ度の高い人材が集まりやすくなる認知が広がり、接点が増える応募率や歩留まりが改善する

なぜいま採用ブランディングが求められるのか

少子高齢化、売り手市場、そして価値観の多様化。現代の採用市場は、大きく変化しています。候補者が企業を調べ、自ら「合う・合わない」を判断する時代だからこそ、企業側にも「自分たちがどう見られているか」を意識した発信が必要です。

また、情報発信の手段がSNSや動画などに広がり、単に知ってもらうだけでなく、「共感されること」が選ばれる企業の条件となっています。採用ブランディングは、母集団の量よりも「質」を重視する時代の中で、自社らしさを軸にした採用成功の鍵となるのです。

採用ブランディングの3つの効果

採用ブランディングは単なるイメージ戦略ではなく、実際の採用成果に直結する“攻めの施策”です。
特に応募者の質の向上・内定承諾率アップ・採用コストの最適化といった効果は、多くの企業で実感されています。

ここでは、採用ブランディングによって得られる代表的な3つの効果を、実例も交えながらご紹介します。

① 魅力度アップ

自社の価値観や文化を発信することで、
求職者の共感や「ここで働きたい」を引き出す。

② ミスマッチ防止・定着率向上

事前に「合う・合わない」を判断できる情報を伝えることで、
入社後のギャップや離職を防ぐ。

③ コスト削減・エンゲージメント向上

自然応募や共感層の増加により広告依存を減らし、
社内の誇りや推奨意欲も高める。

① 求職者から見た企業の魅力度向上

採用ブランディングの最も大きな効果の一つが、求職者に対する「印象のよさ」や「共感」の獲得です。
企業としてのメッセージや文化、働く人々の姿を一貫して発信することで、
「ここで働いてみたい」「自分に合いそう」と感じてもらえる機会が確実に増えます。

特にSNSや採用サイト、社員インタビュー、YouTube動画などを通じた情報提供は、
企業に対する“想像の解像度”を高め、エントリー前から志望度の高い人材を惹きつける力を持ちます。

② ミスマッチ防止と定着率アップ

採用ブランディングを通じて、企業の価値観・文化・働き方を具体的に伝えることで、
「入社後のギャップ」や「早期離職」のリスクを大幅に減らすことが可能になります。

例えば、「自由度が高い反面、自己管理が求められる職場」「スピードよりも丁寧さを大事にする文化」など、
言語化しにくいカルチャーを丁寧に表現することで、合う人・合わない人の判断がしやすくなります

その結果、定着率の高い“共感層”が集まり、活躍人材の再現性も高まりやすくなります。
採用活動と組織づくりの両面で、大きなメリットを生む効果です。

③ 採用コスト削減・エンゲージメント向上

採用ブランディングは、短期的な応募獲得だけでなく、中長期的な採用効率の改善にも効果があります。
「共感層」が自然と集まる状態ができれば、高額な求人広告に頼らなくても、“指名検索”や“社員経由の応募”が増えていきます。

また、社内のメンバーが「自社を誇れる状態」が生まれることで、社員のエンゲージメント(共感・愛着・推奨意欲)も高まりやすくなります。
これは、リファラル採用の活性化や、社内からの情報発信の質向上にもつながります。

採用ブランディングは、社外に向けた活動でありながら、社内の文化醸成や帰属意識の向上にもつながるという、全社に好影響をもたらす施策です。

採用ブランディングの進め方・ステップ

採用ブランディングは「とりあえず発信する」だけでは成果につながりません。
自社の魅力を正しく伝え、共感を生むには、戦略設計から発信・改善までを段階的に進めることが重要です。

ここでは、採用ブランディングを成功に導くための基本ステップを、6つのフェーズに分けてご紹介します。
それぞれのステップで押さえるべきポイントやコツも併せて解説していきます。

ステップ1.採用目標の設定と自社分析

採用ブランディングの第一歩は、採用の目的や理想状態を明確にすることです。
たとえば「中途エンジニアを3名採用したい」のか、「将来を担う新卒の共感層を増やしたい」のかによって、伝えるべきメッセージやチャネルは大きく変わります。

同時に、自社の強み・課題を客観的に把握しておくことも欠かせません。
「なぜ自社を選ぶのか?」という問いに答えられる材料を洗い出すことで、ブランディング設計の軸が見えてきます。

社内アンケートや、過去の内定者・退職者インタビュー、口コミサイトなども有効な分析材料になります。
自社の魅力と弱みの両面を正しく理解しておくことが、説得力のある採用メッセージにつながります。

ステップ1の成果物(アウトプット)

項目内容
採用目的の明文化人数・職種・ターゲット層を明確にする
経営課題の整理採用を通じて解決したい経営的・組織的課題を定義
自社の強み・弱みリストカルチャー・制度・社員の傾向などを棚卸し
過去データの棚卸し内定承諾理由・辞退理由・採用経路などの分析
社員インサイト社員アンケートやヒアリングによる“現場の声”
ブランド起点の問い「誰に・何を・なぜ届けるのか?」への仮説設計

ステップ2.採用ペルソナの明確化

ブランディングは「誰に向けて届けるか」が明確でなければ効果を発揮しません。
そこで必要なのが、自社が採用したい人物像=採用ペルソナの設計です。

採用ペルソナとは、単なるスキルや経歴だけではなく、価値観・働き方・志向性まで含めた、理想的な候補者像を具体化したもの。
「どんな人なら自社で活躍できるか」「どんな情報に心が動くか」を言語化することで、
メッセージや発信手法に一貫性が生まれます。

現場社員やマネージャーへのヒアリング、過去の活躍社員の共通項分析などを通じて、
“リアルに存在しそうな1人のモデル像”を描くことが、採用成功の第一歩です。

採用ペルソナ例(中途エンジニア)

名前(仮)田中 翼(29歳)
現職自社開発系スタートアップのWebエンジニア(React / Node.js)
経験年数エンジニア歴6年/リーダー経験あり
志向・価値観 チームでの開発と技術的成長を両立させたい。
「自分の仕事が誰かの役に立つ」ことにやりがいを感じる。
転職理由 現職はスピード重視で技術的負債が多く、開発の質にこだわりたい気持ちとのギャップを感じている。
刺さる情報 – 技術選定の自由度
– ユーザー視点を重視する開発スタイル
– チーム開発の文化やレビュー体制
– 働き方の柔軟性(リモート・裁量)

採用ペルソナ例(BtoBマーケター)

名前(仮)鈴木 美咲(32歳)
現職SaaS企業のマーケティング部門リーダー(BtoB・インサイドセールス連携)
経験年数マーケティング歴9年/マネジメント・MA運用経験あり
志向・価値観 顧客視点のコンテンツ設計にこだわりがある。
「売上に貢献するマーケター」として営業との連携を重視。
転職理由 現職は施策実行だけに偏っており、戦略立案やブランド設計など、より上流工程に関わりたい。
刺さる情報 – 事業戦略にマーケが直結している組織体制
– ブランド視点とデータ分析を両立できる環境
– ノウハウ共有やスキルアップの文化
– CMOとの距離の近さ、提案を歓迎する社風

ステップ3.バリュープロポジションとメッセージ開発

採用ペルソナが定まったら、次に必要なのは「自社がその人に対して提供できる価値=バリュープロポジション」の明確化です。
自社にとっての強みを、一方的なアピールではなく、候補者の関心とつながるかたちで翻訳することがポイントです。

たとえば「裁量がある環境」という特徴も、「成長志向のある若手にとっては魅力」でも、
「手厚いサポートを求める人にとっては不安要素」になりえます。
だからこそ、“誰にとって価値があるか”を意識したメッセージづくりが必要になります。

そしてその価値を伝えるには、「キャッチコピー」や「タグライン」、「面接で伝える言葉」も含めた一貫したメッセージ設計が不可欠です。
採用ブランディングにおけるトーン&マナー(語り口・視覚表現)もここで定めておきましょう。

ステップ3の成果物(バリュープロポジション例)

要素内容
ターゲット人材20代後半~30代前半/成長志向のBtoBマーケター
自社の強み – マーケティングが事業の中心に位置づけられている
– 経営層と近い距離で施策提案ができる
– リード獲得からナーチャリングまで一貫で携われる
候補者にとっての価値 – 意思決定の近くで成長できる
– 組織を動かすマーケティングスキルが身につく
– 自分の仕事の影響力が数字で見える
採用メッセージ 「マーケティングで、事業を動かす手応えを。」
誰かの指示ではなく、あなたの戦略がチームを動かす。
そんな環境で、次の一歩を踏み出しませんか?

バリュープロポジション例(SIerエンジニア)

要素内容
ターゲット人材30代前半/業務系システムの開発経験があり、チームマネジメントに関心を持つエンジニア
自社の強み – 直請け案件が7割以上。顧客との距離が近い
– 若手でもプロジェクトリーダーを任される風土
– 官公庁・大手企業の安定案件が中心で長期視点で成長できる
候補者にとっての価値 – ユーザーと直接関わりながら上流工程に挑戦できる
– チームづくりやマネジメントに早期に関われる
– 安定性と技術成長を両立できる
採用メッセージ 「技術だけじゃない、“人を動かす”キャリアを。」
要件定義からマネジメントまで、顧客の声とともに成長できる。
SIerの枠を超えた、次のステージへ。

ステップ4.タッチポイント設計(Candidate Journey)

ペルソナとメッセージが定まったら、いよいよ「どう届けるか」の設計フェーズです。
採用活動では、候補者が企業を知り、惹かれ、入社を決めるまでに、多くの接点(タッチポイント)が存在します。

ここで重要になるのが、候補者の視点で設計されたCandidate Journey(候補者の旅路)
それぞれのフェーズで候補者がどんな気持ちで、何を求め、どこに触れているのかを明らかにし、
適切な情報を、適切なタイミングで届ける設計が求められます。

まずは、候補者が企業と出会ってから入社に至るまでの流れをマップとして整理し、
続いて、あらゆる接点を一覧化してみましょう。

Candidate Journey(候補者の旅路)とタッチポイント設計

フェーズ候補者の心理主なタッチポイント提供すべき情報
① 認知こんな会社あるんだ/気になる存在かもSNS投稿、社員の発信、イベント、広告会社の存在・価値観・世界観を知ってもらう情報
② 興味この会社、もう少し詳しく知りたい採用サイト、社員インタビュー、採用動画働く人・カルチャー・制度・仕事内容の詳細
③ 応募検討自分に合いそうか?働くイメージが湧くか?求人票、スカウト文、カジュアル面談仕事内容・期待される役割・評価軸・待遇
④ 選考入社していい会社かどうかを見極めたい面接、社員面談、現場見学、選考中フォロー一緒に働く人・ミッション・現場のリアルな声
⑤ 内定・入社ここに決めていいか?安心して入社できるか?内定面談、オファーレター、入社前フォロー評価制度、オンボーディング、活躍後の未来像

タッチポイントごとに作成すべき情報・コンテンツ(完全版)

タッチポイント作成すべき情報・コンテンツ
会社公式SNS(Instagram / LinkedIn / X など) ・社員の日常・働き方が伝わる投稿シリーズ
・募集職種と絡めたカルチャー投稿
・ビジョンや取り組みをビジュアルで発信
社員の個人発信(note / LinkedIn投稿 など) ・「転職してどう変わったか」リアル体験談
・業務内容やチームの雰囲気に関する記事
・求職者向け投稿テンプレの社内共有
採用サイト・コーポレートサイト ・社員インタビュー/1日の流れ/カルチャー紹介
・評価制度/成長環境/ミッションの明文化
・選考フローやFAQの可視化
採用ピッチ資料・動画・スライド ・ビジョン・事業概要・組織構成をまとめた資料
・社員の登壇動画/働く環境紹介映像
・採用説明資料のテンプレ&運用ルール
求人票(求人媒体・自社サイト) ・業務内容/期待役割/チーム構成の明記
・使用ツール・働き方の記載
・スキル要件と求める人物像の明文化
スカウトメッセージ ・パーソナライズされた導入文と共感ポイント
・職種に応じた魅力訴求テンプレート
・結びのCTAと送信ルールの統一
カジュアル面談・オンライン雑談 ・面談用スクリプト/社員プロフィール紹介資料
・候補者の関心に応じた会話テーマ例
・カジュアル面談実施マニュアル
面接(1次~最終) ・質問設計ガイド/面接官トレーニング資料
・カルチャーマッチを測る設問例
・面接評価シートと一貫した選考基準
面接官の質問・態度・フィードバック ・ポジティブな印象を与える返答フレーズ集
・「選ばれる企業」としての姿勢・応対ガイド
・選考後フィードバックのテンプレとタイミング
内定通知・オファー面談 ・オファーレター文例/職種別テンプレート
・内定理由の言語化例/期待される役割の提示
・入社後のストーリー共有用資料
入社前フォロー(メール・Slack・ランチ招待など) ・入社までのスケジュールガイド
・ウェルカムメッセージ・Slackグループ案内
・入社前に読む社内ドキュメント/動画など

会社公式SNS(Instagram / LinkedIn / X など)

候補者が企業に最初に触れるタッチポイントのひとつが「SNS」です。
特にInstagramやLinkedIn、X(旧Twitter)は、“らしさ”やカルチャーを日常的に発信できる重要なブランディング手段となります。

採用目的で運用する場合、単なる「お知らせ」ではなく、候補者が知りたい・共感したい情報にフォーカスすることがポイントです。

SNSで発信すべきコンテンツ例
  • 社員の日常や働き方が伝わる「1日密着」「カバンの中身」シリーズ
  • 募集中の職種に絡めたカルチャー投稿(例:「エンジニアが語るうちの開発文化」)
  • 会社のビジョン・新規プロジェクト・取り組みを図解や短尺動画でわかりやすく発信
  • 社員が登壇したイベントや社内勉強会レポート
  • LinkedInでは採用ページと連携し、求人表示や社員紹介を活用

主要SNSごとの特徴と活用コンテンツ

SNS主な目的・特徴有効なコンテンツ施策
Instagram ・ビジュアル重視の企業ブランディング
・学生・若手層への訴求に強い
✔️ 社員の1日/働く風景の写真投稿
✔️ チーム紹介リール動画(30秒〜1分)
✔️ ストーリーズで社内イベントの裏側を発信
LinkedIn ・ビジネス視点での信頼構築
・社員の発信と連携しやすい
✔️ 採用ページと連携して求人掲載
✔️ 社員インタビュー記事のシェア
✔️ 組織や事業のアップデート投稿
X(旧Twitter) ・気軽な情報発信と拡散性が高い
・ライト層や社内の空気感を伝えるのに向く
✔️ 社員のつぶやき・雑談系投稿
✔️ 勉強会やイベント実況・速報投稿
✔️ 日常ネタにユーモアを添える工夫
TikTok ・Z世代に圧倒的なリーチ力
・エンタメ性と人柄の伝わりやすさが強み
✔️ 「うちの新卒紹介します」動画
✔️ 社員の1問1答・社内ルール紹介
✔️ トレンド音源を使ったオフィスあるある

SNS運用にについて、まずはお気軽にご相談ください。

社員の個人発信(note / LinkedIn投稿 など)

採用ブランディングにおいて、もっとも“信頼される発信者”は現場社員です。
公式サイトや企業SNSよりも、社員個人のリアルな言葉・体験談こそが、候補者の心を動かす材料になります。

特にnoteやLinkedInでは、長文で「働く人の価値観」や「入社後のギャップ」まで語れるため、企業の内側を候補者に届ける手段として有効です。

社員が自発的に発信できるよう、テーマ設計やテンプレート整備・広報との連携など、仕組みを用意することが鍵です。

個人発信でおすすめのテーマ例
  • 「転職してどう変わったか」「なぜこの会社を選んだのか」
  • 業務内容・チームの雰囲気・1日のスケジュール紹介
  • オンボーディング体験・最初の失敗談・学びのエピソード
  • 自分と同じ職種の人へのアドバイス/応募を迷う人への言葉
  • 求職者向け投稿テンプレートの社内共有(SlackやNotionで展開)

社員の言葉が最も響く場、それがLinkedInです。
現場のリアルを伝えるために、以下のテンプレートを活用して投稿することで、共感層の候補者との接点を増やすことができます。

💡 編集部からのワンポイントアドバイス

候補者がもっとも信頼する情報源は、「中の人のリアルな声」
とくにLinkedInでの社員の発信は、カジュアル面談やスカウトと同じくらいエンゲージメントを高める接点になっています。

投稿内容は、“かっこいい言葉”じゃなくてOK。
自分の言葉・気づき・働く実感をそのまま書いたものの方が、候補者の心に刺さります。

私たちはLinkedIn公式パートナーとして、個人発信を応援しています。
以下にそのまま使えるテンプレートをご用意しましたので、社員の声を届ける第一歩としてご活用ください。

📢 いま、うちのチームで◯◯職を募集しています。

私自身、転職して◯ヶ月が経ちましたが、
この会社に来てから「〇〇な働き方ができるようになった」「△△な学びがあった」など、日々多くの発見があります。

特に気に入っているのは、〇〇なカルチャー
・例:失敗しても歓迎される空気
・例:Slackでどんどん情報がオープンに共有される
・例:◯割がリモートでもちゃんとチームっぽいところ

私が担当しているのは、□□という業務ですが、
実際の仕事の進め方やチームの雰囲気など、選考前でも気軽に聞いていただければ嬉しいです。

「ちょっと話だけでも聞いてみたい」「中の人のリアルな声を知りたい」
そんな方がいれば、ぜひカジュアルにご連絡ください。

▼ 募集職種はこちら
https://www.example.com/job-url

#採用中 #転職歓迎 #チーム紹介 #キャリアチェンジ #〇〇職 #働き方

採用サイト・コーポレートサイト

採用サイトは、候補者が最もじっくり読む「企業の公式な顔」です。
SNSや求人票から興味を持った人が、“最後の意思決定前に情報を深掘りする場所”として必ず訪れます。

企業文化・社員のリアル・評価制度・キャリアの可能性など、「この会社で働くイメージ」を持ってもらえるコンテンツを用意することが重要です。
また、採用サイトとコーポレートサイトは、トーン&マナーの一貫性もポイントになります。

採用サイトにぜひ入れたい8つのコンテンツ

✔️ 社員インタビュー職種・キャリア別のリアルな声を紹介
✔️ 1日の流れ・働く環境写真や図解で現場感を伝える
✔️ 組織図・チーム構成開発体制・使用ツールなどを見える化
✔️ 評価制度・キャリアパス成長や昇格の仕組みを示す
✔️ ミッション・カルチャービジョン・行動指針を視覚化
✔️ よくある質問(FAQ)選考・勤務条件への疑問に対応
✔️ 福利厚生・イベント紹介社内文化や働く楽しさの可視化
✔️ バーチャルオフィス見学360°ツアーでオフィス空間と文化を体感

採用サイト制作について、まずはお気軽にご相談ください。

採用ピッチ資料・動画・スライド

カジュアル面談やイベント・説明会で使われる採用ピッチ資料・動画・スライドは、
候補者に自社の魅力を伝えるための「ビジュアル型プレゼンツール」です。

特にスタートアップやベンチャー企業においては、限られた時間で事業・組織・カルチャーを一気に伝える手段として非常に重要。
また、ミドルシニア層やリモート候補者に向けて、動画コンテンツを活用するケースも増えています。

「誰が話すか」「どの順番で伝えるか」「どこまでカジュアルにしていいか」など、テンプレ化とルール設計が肝です。

面談後に渡す「採用ピッチ資料」に含めるべき具体項目

✔️ ビジョン・ミッション・事業内容会社の“向かう方向性”と提供価値を再認識してもらうパート
✔️ チーム体制・部署構成配属予定の部署、上司・同僚となる人の紹介、組織図など
✔️ 評価制度・等級制度・フィードバックの仕組み何を見て評価するか、どう成長が促進されるのかを明確化
✔️ 勤務形態・働き方の柔軟性リモート可/ハイブリッド/フル出社の別やフレックス有無など
✔️ 福利厚生の具体内容住宅手当・資格補助・ランチ補助・副業OKなど明文化された制度
✔️ 開発環境・使用ツール(エンジニア職向け)言語/フレームワーク/CI/コード管理/コミュニケーションツールなど
✔️ オフィス設備・社内制度フリーデスク・ドリンクバー・部活動・シャッフルランチなどカルチャー要素も含む
✔️ 先輩社員の1日/インタビュー応募ポジションに近い社員のモデルケースや業務イメージを提示

求人票(求人媒体・自社サイト)

候補者が応募前に最も注意深く読むのが求人票です。
特に中途採用では、「自分がどんな役割を担い、どんな環境で働くか」が具体的にイメージできないと応募には至りません。

一般的な職務記述だけでなく、チーム構成・使用ツール・働き方の柔軟性なども明記することで、応募の質と転職後のミスマッチを同時に改善できます。

求人票に明記しておきたい具体項目一覧
✔️ 業務内容プロジェクト事例・担当領域・入社後の業務スケジュールなど
✔️ チーム構成配属部署・上司・一緒に働くメンバーの人数や役割
✔️ 使用ツール・技術環境プログラミング言語/FW/デザイン/コミュニケーションツール
✔️ 働き方・制度リモート可否、フレックス、出社頻度、育児との両立支援など
✔️ 求める人物像スキルだけでなく、価値観・志向性・カルチャーフィット軸も明記
✔️ 選考フロー・選考基準何回面接があるか・見ているポイント・リードタイムの目安など

スカウトメッセージ

ダイレクトリクルーティングで成果を左右するのが、1通目のスカウトメッセージです。
特に「企業が候補者を選ぶ」のではなく「候補者に選ばれる」時代では、テンプレ感のない、共感のあるアプローチが不可欠です。

メッセージ文面は、パーソナライズ/職種に応じた訴求軸/行動を促す結びという3つの要素で構成するのが基本です。

スカウトメッセージの3つの設計ポイント
  • ① パーソナライズされた導入文
    候補者の経歴や投稿内容に触れ、「なぜ声をかけたのか」が伝わる一文から始める。
  • ② 職種に応じた魅力訴求
    エンジニアには技術環境、マーケターには裁量や成長領域など、「自分ごと化」できる訴求軸を準備。
  • ③ 行動を促す結びとルールの統一
    応募ではなく「お話だけでもいかがですか?」などハードルを下げたCTA設計。送信タイミングや文字数も統一する。

カジュアル面談・オンライン雑談

カジュアル面談は、選考ではなく「お互いを知る場」。
企業側にとっては候補者の“共感スイッチ”を押す最大のチャンスです。

とはいえ、ただ話すだけでは効果は薄く、話す内容・誰が話すか・どう伝えるかをあらかじめ設計しておくことで、
志望度の醸成やマッチング率の向上に直結します。

カジュアル面談の準備ポイント
  • 面談用スクリプト/社員プロフィール資料
    どの社員がどんな話をするのか事前に共有。アイスブレイクネタも含めておくと安心。
  • 候補者の関心に応じた会話テーマ
    職種別に「よく聞かれる質問」や「不安に感じやすい点」などをリスト化し、話題選定の参考に。
  • カジュアル面談マニュアル
    面談の目的/話すべきこと/話してはいけないことをまとめたガイド。全社員で統一感を持つ鍵に。

面接設計と面接官のふるまい

面接は企業の印象を決定づける“双方向のジャッジの場”です。
候補者が最終的に「この会社に入りたい」と思えるかどうかは、面接中のやりとりに大きく左右されます。

面接はスクリプトだけではなく、質問内容・態度・選考後のフォローまでを含めた“体験設計”が重要です。
下記の項目を整えておくことで、面接官のバラつきを防ぎつつ、選ばれる面接体験を提供できます。

面接体験を高めるための準備ポイント
  • 質問設計ガイド
    評価したい項目に合わせた質問パターンとカルチャーマッチを測る設問例を整備
  • 面接官トレーニング資料
    選考目的/聞いてはいけない質問/候補者の印象を下げないふるまいを明文化
  • ポジティブな応対と印象設計
    面接中に安心感を持ってもらうための返答テンプレートや言い換え例を共有
  • 面接評価シートの統一
    複数の面接官でも一貫した選考ができるよう、評価軸と記述方法をフォーマット化
  • フィードバックと連絡タイミングのガイド
    不合格でも“ちゃんと見てくれた感”を残すためのフィードバック文例とスピード管理

内定通知・オファー面談

内定通知・オファー面談は、候補者が「ここに入社するか」を最終的に判断するもっとも感情の動くタイミングです。

条件提示だけではなく、“期待されていること”や“入社後の未来像”を丁寧に伝えることで、納得感と安心感を提供し、
承諾率を大きく高めることができます。

面談・面接設計からトレーニングについて、まずはお気軽にご相談ください。

オファー面談で準備しておくべきコンテンツ
  • オファーレター文例/職種別テンプレート
    条件・ポジション・役割・勤務地・待遇などを網羅した書面。口頭と内容が一致していることが重要。
  • 内定理由の言語化と“あなたへの期待”
    「なぜあなたなのか」「何を期待しているのか」を具体的に伝えると承諾率が上がる。
  • 入社後のストーリー共有資料
    配属予定チームの紹介、キャリアパス、最初の3ヶ月の動き方など、未来がイメージできる資料。

入社前フォロー(メール・Slack・ランチ招待など)

内定承諾後の期間は、候補者が「この選択でよかったか」と揺れ動くタイミングでもあります。
入社前フォローは、入社日までの安心感・つながり・期待感を育てる重要なコミュニケーション設計です。

「何も連絡がない」は不安に直結します。
日程や制度の共有だけでなく、社員との交流や社内文化を体感できる工夫を取り入れましょう。

入社前に準備したいコミュニケーション施策
  • 入社までのスケジュールガイド
    提出書類・PC受け取り・当日の集合時間などを一覧にして共有。Slackで送ると便利。
  • ウェルカムメッセージとSlackグループ案内
    入社前からやりとりできる「入社予定者チャンネル」や、配属先メンバーからの一言歓迎メッセージを送る。
  • 入社前に読む社内ドキュメント/動画
    バリューの解説スライド、現場チームの紹介資料、よくある質問など。Notion/Google Driveで事前配布。

ジャーニー全体の設計まとめ

採用ブランディングは「発信の工夫」だけでは完結しません。
候補者が企業を知り、興味を持ち、応募し、入社に至るまでのすべてのタッチポイントをデザインすることが本質です。

ここまでご紹介した通り、認知・興味・選考・意思決定・入社までには、フェーズごとの接点があり、設計すべきコンテンツが明確に存在します。

フェーズ別に整理した候補者ジャーニー設計マップ
フェーズ主な接点設計すべきコンテンツ
① 認知SNS(Instagram / TikTok / LinkedIn)
社員の投稿・求人媒体
カルチャー発信投稿/note記事/バーチャルオフィスツアー
② 興味採用サイト・社員紹介ページ・動画社員インタビュー/働く環境・チーム体制/FAQ
③ 応募検討求人票・スカウト・ピッチ資料業務内容/求める人物像/使用ツール/働き方
④ 選考カジュアル面談/面接/社員面談スクリプト/カルチャーマッチ設問/フィードバック設計
⑤ 意思決定内定通知・オファー面談オファーレター/期待される役割/入社後ストーリー
⑥ 入社前Slack/メール/事前ランチウェルカムメッセージ/入社準備資料/社員紹介

ステップ5.発信チャネル戦略と運用

タッチポイントを洗い出したら、次はそれらをどのチャネルで、誰が、どの頻度で届けるかを戦略的に整理します。
採用サイト・SNS・note・YouTubeなど、媒体の特性とターゲット層に応じて設計することがポイントです。

重要なのは、継続できる運用体制をつくること。特定の個人に頼らず、社内全体で協力できる仕組みを用意しましょう。

チャネル目的・対象コンテンツ例
採用サイト中途・新卒問わず、意思決定前の全候補者社員紹介・FAQ・制度紹介・バーチャルオフィスツアー
LinkedInビジネス層・経験者・グローバル人材社員投稿・採用ページ連携・ピッチ資料シェア
Instagram / TikTokZ世代・学生・ビジュアル重視の求職者社員紹介リール・オフィス紹介・1日密着動画
note文化に共感したい候補者・コンテンツ型流入社員ストーリー・失敗談・キャリア選択の背景

✅ 運用のコツは、月次で発信カレンダーを作成し、「誰が・何を・いつ投稿するか」を見える化しておくことです。SlackやNotionでの共有が便利です。

ステップ6.効果測定と改善(PDCA)

ブランディングは“やりっぱなし”では意味がありません。
定量(数字)と定性(印象)を両面から測定し、改善サイクルをまわすことが、ブランディング活動の完成度を高めます。

効果測定で見るべき主な指標
  • 採用サイトのPV数・滞在時間・離脱率
  • SNSのインプレッション・エンゲージメント
  • スカウトの開封率・返信率
  • 面談→応募、応募→内定、内定→入社のCVR(歩留まり)
  • 候補者アンケートでの印象スコア(ex.「共感できた」「安心感があった」)

フェーズやること
Plan
設計
ターゲット/KPI/チャネル設計SNS週1投稿/採用サイトCVR1.5%など
Do
実行
各種施策の実施/投稿・面談実行note更新・LinkedIn投稿・求人票改善
Check
確認
定量・定性データの収集と可視化GA分析・スカウト返信率・候補者の声集約
Act
改善
次回アクションの決定/A/Bテスト投稿時間変更・文面チューニング・面談設計見直し

採用ブランディング成功のポイントと注意点

採用ブランディングの施策は、ペルソナ設計や発信コンテンツなど、手法や仕組みに注目されがちですが、
本質的に重要なのは“伝え方”以上に“あり方”です。

どれだけ魅力的なビジュアルや発信チャネルを用意しても、候補者が「本当にそうなのか?」と感じられなければ逆効果になることもあります。
また、継続性がなければ途中でブレてしまい、社内からの信頼も得られません。

この章では、採用ブランディングを“成功させ続ける”ために押さえておきたい3つの重要ポイントをご紹介します。

一貫性とAuthenticity(企業らしさの貫徹)

採用ブランディングでもっとも重要なのは、「何を伝えるか」以上に「どう伝わるか」です。
求職者は情報の矛盾や表面的なメッセージに敏感であり、SNS・求人票・面接対応のどこかで違和感を覚えれば、
その瞬間に「合わないかも」と離脱してしまいます。

だからこそ、メッセージの一貫性と、企業の価値観・カルチャーが自然とにじみ出るAuthenticity(らしさ・誠実さ)が不可欠です。

採用担当・広報・現場社員の間で「私たちの会社って、どんな魅力があるのか」「何を大切にしているのか」を共通言語にしておくことで、
発信・面談・オファーのすべてが連動し、“違和感のない採用体験”を生み出せます。

継続性(長期的な取り組み)

採用ブランディングは「一度整えれば終わり」という性質のものではありません。
むしろ本質的には、社内外の環境変化にあわせてアップデートし続ける“習慣”です。

組織体制やメンバー構成、カルチャーは日々変化します。過去に作ったスライドやインタビュー記事も、半年後には情報が古くなっているかもしれません。
だからこそ、定期的な見直しと、運用を“回す仕組み”を整えておくことが重要です。

たとえば以下のような工夫が有効です:

  • 月1で社員発信ネタをピックアップ → noteやLinkedInに展開
  • 採用ページ・ピッチ資料は「担当を決めて半年ごとに更新」
  • SlackやNotionに「カルチャーのかけら」を随時ストック
  • 発信スケジュールはカレンダー化し、運用ルールを明文化

社内巻き込みと従業員エンゲージメント

採用ブランディングは「人事や広報だけの取り組み」ではなく、社員全員が自然と担い手になることで、より強く、広がりやすくなります。

社員が「この会社で働いていることを伝えたい」と思える状態は、それ自体が最大のブランディングです。
発信を強制するのではなく、自発的な関与を促す“場と仕組み”を用意しましょう。

  • 社員紹介リレー投稿をSlackで回す(note/LinkedIn)
  • カジュアル面談に現場メンバーが参加できるよう調整
  • 勉強会・制度・福利厚生の社内発信をブログ化
  • 社内報や月次MTGで「採用ブランディングの成果」を可視化し、巻き込み意識を高める

採用ブランディングに必要なツール・サービス一覧

採用ブランディングを始めるにあたって、「まず何を整えればいいのか?」という疑問にお応えするため、
実務でよく使われているおすすめツール・サービスを一覧でご紹介します。

発信・ページ制作・体験設計・分析など、目的別に最適なツールを揃えておくことで、継続的かつ高品質なブランディング運用が可能になります。

カテゴリツール・サービス用途・特徴
SNS運用LinkedIn(代理店経由)/Instagram/Canva候補者との認知接点・社員投稿の活性化・ビジュアル編集
採用サイト制作STUDIO/Wix/WordPressノーコードで採用ページ・コンテンツを自由設計
バーチャル体験バチャナビ(Vachanavi)360°オフィスツアーでカルチャー・職場の空気を可視化
スカウト運用・求人管理HERP/Talentio/YOUTRUSTスカウト送信・応募管理・KPI可視化の自動化
コンテンツ作成Googleスライド/Notion/Figma採用ピッチ・FAQ・面談マニュアルなどを内製
分析・効果測定Google Analytics/Looker StudioサイトアクセスやCVRの可視化/改善サイクルの土台に

まずはここから:社員インタビューが採用ブランディングの起点

採用ブランディングで「何を発信すればいいのか分からない」と感じているなら、まず最初にやるべきは“社員インタビュー”です。

なぜなら、社員インタビューを1本丁寧に行えば、ほとんどすべてのコンテンツに再利用できるからです。
それは文章としてだけでなく、画像・SNS投稿・動画・ピッチ資料・スカウト文など、多様な形に展開できます。

社員インタビューが活きる掲載先と流用パターン
掲載場所流用できるコンテンツ
採用サイトインタビュー記事/チーム紹介/1日の流れ/FAQ事例
スカウトメッセージ訴求コピー/共感軸のパーソナライズ文/実際のエピソード
採用ピッチ資料「社員の声」スライド/カルチャー紹介パート/入社理由まとめ
SNS投稿(LinkedIn・Instagramなど)顔写真+一言コメント/“この会社で働く理由”シリーズ
動画・ショートリールインタビューから切り出し → 動画編集 → TikTok/YouTube用素材

実際、私たちも採用ブランディング支援のスタートは、社員インタビュー制作から始めるケースがほとんどです。

「社内でうまく巻き込めない」「インタビューが形にならない」という場合は、
ぜひ 社員インタビュー設計・制作サービス をご相談ください。

採用ブランディング成功事例 ~各社の取り組み~

採用ブランディングの理論や手法は理解できても、「実際にどのように設計し、何を使って形にしたのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。

この章では、実際に私たちが支援した企業の中から、候補者体験の設計とコンテンツ制作を通じて“共感される採用”を実現した事例をご紹介します。

各事例では、

  • 候補者とのタッチポイントの設計
  • 実際に制作したコンテンツ
  • 活用したツール・運用の仕組み

を整理してご紹介しています。自社の設計のヒントとしてぜひご活用ください。

事例①:ITベンチャー― 技術組織の共感を軸にしたブランディング

シリーズB調達直後の成長期にあるITスタートアップ。
エンジニア採用を強化したい一方で、採用広報やブランド整備にリソースを割けていない状態でした。

認知〜面談〜オファーまでのすべての接点において、“技術×カルチャー共感”を統一軸にした体験設計を実施。
各タッチポイントに合わせたコンテンツと発信チャネルを整備することで、スカウト返信率、応募率、内定承諾率すべてを改善しました。

📍 設計したタッチポイントと統一メッセージ
採用サイト「開発×共創」のカルチャーをビジュアルで訴求
スカウト技術選定と価値観共感を軸にテンプレ設計(3職種)
カジュアル面談テックリードが同席し現場の魅力を直接伝える構成
面接評価観点・説明内容を統一し、印象のブレを防止
オファー面談CTOが「なぜこの人を迎えたいか」を直筆で伝える

🛠️ 制作・整備したコンテンツ
社員インタビューエンジニア3名を取材し、note+採用サイトへ掲載
採用ピッチ資料Googleスライド(30ページ)で全体像とカルチャーを伝える
スカウトテンプレ開発・PdM・インフラ向けに職種別テンプレを整備
面接評価シート観点・質問項目を可視化し、全面接官で共有
内定者フォロー資料Notionでオンボーディング前からストーリー共有

🔧 使用ツール・導入サービス
採用サイトSTUDIOで制作・公開/バーチャル見学ツアーを連携
スカウト運用HERPを使用/テンプレと返信自動化の連携設計
社員発信LinkedIn(公式パートナー支援)でインタビューを分散投稿
オフィス体験バチャナビで360°開発フロアを自由見学可能に
ドキュメント管理Notion/Google Driveで全コンテンツを一元管理

事例②:大手メーカー― 硬派な企業像を“共感”で再設計

BtoB領域で国内トップシェアを誇る老舗メーカー。
技術力・信頼性は抜群ながら、「大手すぎて個人の裁量がなさそう」「カルチャーが見えない」という印象を持たれがちでした。

若手〜第二新卒層に向け、社員の声・カルチャー・働き方を軸に、全体体験を再設計
「まじめそうだけど、おもしろい」「育成に熱い会社」というブランド転換に成功しました。

📍 設計したタッチポイントと統一ストーリー
採用サイト社員インタビューと部署別ページを新設。「成長実感×人のあたたかさ」を表現
note連載若手社員が執筆する「わたしの成長ストーリー」シリーズを月1で公開
カジュアル面談2対1形式で「同世代の社員が話す」場を用意。安心と親近感を提供
オファー面談現場のマネージャーから「あなたに期待していること」を個別に伝える仕組みに

🛠️ 制作・整備したコンテンツ
社員インタビュー事務・技術・研究の3職種で5名分の深掘り記事を制作
バーチャルオフィス見学ラボツアー形式で研究棟を360°で公開、職場の清潔感・設備を体感可能に
説明会用ピッチ新卒・第二新卒向けに30分でわかるストーリースライドを開発
選考中フォロー資料先輩社員の“ある1日”とオンボーディングの流れを可視化したPDF

🔧 使用ツール・導入サービス
採用サイトWordPress(CMSで全社ページ連携)+note埋め込み
社員発信note(公式連載化)・社内ライター育成支援
バーチャルオフィスバチャナビ:研究棟・工場エリアを360°化+社内紹介ピン連動
説明会/ピッチ資料Google スライド/Canvaで社内でも更新しやすい構成に

事例③:国内大手企業 ― 変化を受け入れ、未来を語る採用ブランディングへ

国内トップクラスのIT企業である本企業では、組織改革・働き方変革・グローバル人材戦略など多くの社内トランスフォーメーションが進む中、
採用ブランドとのギャップが課題として顕在化していました。

特にキャリア採用では、「伝統的で硬そう」「自由度が低そう」という先入観を払拭し、“変わろうとしている現場”の声を候補者に届けることがテーマでした。

📍 設計したタッチポイントと共通メッセージ
採用サイト特設ページ「変革する現場と人」をテーマに、職種別にコンテンツを再構成
社員インタビュー変革推進を担う若手・中堅を中心に5名を取材、変化のリアルを語る
面談・面接「過去の印象を変えたい」という社内の想いを候補者へ言語化して伝える面談スクリプトを作成

🛠️ 制作・整備したコンテンツ
インタビュー記事「大企業を“変える側”で働く」をテーマにした社員記事をnote/採用サイトに掲載
職種別訴求ページエンジニア・UX・営業企画など職種ごとの魅力・変化をビジュアルで整理
面談用スクリプト「候補者にギャップを感じさせない」トーンで統一された説明スクリプトを作成・社内配布

🔧 使用ツール・導入サービス
採用サイトWordPress+デザインチーム連携で構築。グローバル基準で整合性を確保
コンテンツ運用Google Workspace・Notionで社内共有と定期更新フローを整備
社内展開支援HRBP・現場リーダーと連携し、カルチャー浸透とブランディングの連動を設計

当社がご提供する採用ブランディング支援メニュー

候補者に選ばれるブランドづくりを、企画から制作・運用までトータルでご支援します。
「何を作ればいいか分からない」状態でも、ターゲットや採用課題に応じて最適な形に設計します。

📍 採用ピッチ資料

ターゲット人材に合わせて設計する、魅力が伝わる採用説明用スライド

📍 社員インタビュー記事

現場社員の言葉を引き出し、候補者の共感を呼ぶ読み物コンテンツ

📍 採用サイト

コンセプト設計から構成、デザイン、実装まで対応可能な採用特設ページ

📍 採用動画

社員のリアルな声やオフィスの雰囲気を伝えるショートムービー/ドキュメンタリー

📍 SNS採用ページ制作

LinkedInの会社ページや個人ページの制作・運用設計。候補者との接点づくりに

📍 SNS採用投稿コンテンツ

LinkedInなどで発信するための採用投稿セット(テンプレ・運用ガイド付き)

採用ブランディングについて、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ:採用ブランディングは、企業の“らしさ”を届ける設計

本記事では、採用ブランディングの全体像と実践ステップ、必要なコンテンツ、成功事例までを一貫してご紹介してきました。

候補者とのあらゆる接点において、「この会社は自分に合っていそう」と思ってもらえるかどうか。
それを左右するのは、魅せ方ではなく“伝わり方”、つまり体験としての一貫性です。

情報の量よりも、質と設計。そして何より、企業らしさ=Authenticityが自然とにじみ出ているか。
それが、選ばれる企業とそうでない企業を分けるポイントです。

採用ブランディングは、今すぐ完璧にする必要はありません。
まずは1つ、社員インタビューやスカウト文、ピッチ資料など、自分たちの“声”を発信するところから始めてみませんか?

採用ブランディングについて、まずはお気軽にご相談ください。

採用ブランディングに関するよくある質問

Q1. 採用ブランディングとは何ですか?
→ 採用ブランディングとは、自社の価値観や文化、働く環境などを整理・発信し、候補者から「選ばれる企業」になるためのブランドづくりのことです。

Q2. 採用広報や採用マーケティングとの違いは?
→ 採用広報は“情報発信”、採用マーケティングは“応募導線の設計”に近く、採用ブランディングはそれらを統合し、全体の印象や一貫性をつくる上位概念です。

Q3. どんな企業にとって必要ですか?
→ ベンチャーでも大手でも「企業の特徴が伝わっていない」「採用の競争力を高めたい」と感じるすべての企業が対象です。

Q4. どこから始めればいいですか?
→ 社員インタビューや求人票の見直しなど、候補者との接点から始めるのがおすすめです。まずは自社の「らしさ」を整理してみましょう。

Q5. 成果が出るまでにどのくらいかかりますか?
→ 短期でスカウト返信率や応募率が改善することもありますが、基本は中長期的にブランドを育てていく視点が必要です。

Q6. 社内の協力を得るにはどうすればいいですか?
→ 社員の声をコンテンツに反映することで「採用が他人事じゃない」と感じてもらう仕掛けが重要です。インタビューや座談会がおすすめです。


採用ブランディングに関するご相談はこちら

「採用ブランディングをどこから始めればよいか分からない…」という状態でも大丈夫です。 貴社の採用状況や課題をヒアリングしながら、最適な進め方や必要なコンテンツをご提案いたします。 まずはお気軽にご相談ください。

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。

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