採用広告
2025.06.25

【2025年版】LinkedIn(リンクトイン)広告とは?種類・費用・始め方までまるわかりガイド

営業や採用など、ビジネス目的で活用されることが増えているビジネスSNS「LinkedIn(リンクトイン)」をご存じですか?

こんにちは。株式会社ダイレクトソーシングの竹村です。

LinkedInを使っていると、フィード上やメッセージ欄などでさまざまな広告を目にすることがあると思います。では、LinkedIn広告とはどんな種類があり、どんな費用で、どうやって始められるのでしょうか?

本記事では、LinkedIn(リンクトイン)の広告について、広告の種類別の特徴や用途、費用の目安、始め方まで丁寧に解説します。

「営業・採用でLinkedIn広告を検討している」「種類やターゲティング、料金について知りたい」といった方に向けて、無料で使える資料や広告運用支援サービスもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

✅ この記事でわかること

✔️ LinkedIn広告とは? 基本の仕組みやビジネス活用が進む背景をわかりやすく解説
✔️ 広告フォーマットの種類 スポンサードコンテンツ・メッセージ広告など各形式の特徴と使い方
✔️ 費用と課金モデル 最低出稿額やCPC/CPMなど広告料金の考え方と相場感
✔️ LinkedIn広告の始め方 広告アカウントの開設から出稿設定までの手順を解説
✔️ よくある質問と資料DL案内 初心者がつまずきやすいポイントや無料ガイド資料も紹介
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1.LinkedIn広告の種類とは?

そもそもLinkedInとは?

LinkedIn(リンクトイン)は、ビジネスパーソンが仕事やキャリアのために活用するビジネスSNSです。イメージとしては「ビジネス版Facebook」のようなもので、プロフィールや投稿内容もビジネス領域に特化しています。

世界での登録者数は12億人を超え、日本国内でも約400万人が利用しており、特に採用・転職・営業などのビジネスシーンで活発に活用されています。

詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
【2025年版】LinkedIn(リンクトイン)広告とは?種類・費用・始め方までまるわかりガイド

LinkedIn広告とは?

そんなLinkedIn上に出稿できるのがLinkedIn広告です。FacebookやX(旧Twitter)と同じように、ユーザーのプロフィール情報や職務経歴をもとに、精度の高いターゲティング広告を配信できます。

中でも特徴的なのは、LinkedInユーザーの多くが「キャリア形成」や「転職活動」「法人営業」「業界情報収集」を目的として利用している点です。そのため、求人広告やBtoBマーケティング広告との相性が非常に良いという強みがあります。

では、LinkedIn広告にはどのような種類があるのでしょうか?

大きく分けて以下の4種類があります:

  • スポンサードコンテンツ
  • スポンサードメッセージ(旧InMail)
  • ダイナミック広告
  • テキスト広告

次の章で、それぞれの広告フォーマットの特徴と活用シーンをご紹介します。

1.1. スポンサードコンテンツとは?

スポンサードコンテンツは、LinkedInのフィード上に自然に表示される広告です。フィードとは、自分やつながりのあるユーザーの投稿が流れてくるタイムラインのことを指します。

ユーザーが縦にスクロールする中で、通常の投稿と同じ形式で広告が表示されるため、違和感なく自然に目に入りやすいのが特長です。

特にスマートフォンとの相性が良く、実際にモバイル経由での閲覧・クリックが多いのも特徴です。BtoB広告としては珍しく、モバイルでの認知〜行動を促せる手法として注目されています。

スポンサードコンテンツで掲載できる広告フォーマットは以下のとおりです。

スポンサードコンテンツで利用できる広告フォーマット

シングル画像広告:画像+テキストで訴求する最も基本的な形式
カルーセル画像広告:複数の画像をスライド形式で見せる広告
動画広告:短尺動画でブランドやサービスを印象的に伝える
テキスト広告:簡易な静的フォーマットでターゲットにメッセージを届ける
スポットライト広告:プロフィール横などの目立つ位置に表示される広告
フォロワー広告:企業ページへのフォローを促進する目的で利用
会話型広告:選択肢付きボタンでユーザーの反応を引き出すインタラクティブ広告

これらの広告は目的やターゲットによって使い分けることで、認知からコンバージョンまで幅広く対応できます。

1.2. スポンサードメッセージ広告(旧InMail広告)とは?

スポンサードメッセージ広告は、LinkedIn内のメッセージ機能(インボックス)を活用した広告です。ユーザーの受信トレイに直接広告形式のメッセージを届けることができます。

形式はメール風のテンプレート構成になっており、通常のDMと似た感覚で開封・閲覧されるのが特徴です。

ユーザーの興味関心に応じて直接アプローチができるため、特にBtoB商材のリード獲得や採用候補者へのスカウト広告としてよく活用されています。

メッセージ広告の特徴

受信ボックスに直接表示されるため開封率が高い
CTAボタン付きの構成で明確なアクションを促せる
採用スカウトやセミナー招待など1to1感を活かした活用ができる

1.3. ダイナミック広告とは?

ダイナミック広告は、LinkedInのデスクトップ画面のサイドバーにのみ表示されるバナー形式の広告です。モバイル環境では表示されない点が他フォーマットと異なります。

画面固定型のため、ユーザーの目に止まりやすく、ブランド認知やプロフィール閲覧誘導などに適しています。

さらに大きな特徴として、ユーザーごとにパーソナライズされた表示が可能です。たとえば、ユーザーの名前やプロフィール写真を活用して「〇〇さん、当社ページをフォローしませんか?」といったメッセージが表示されます。

ダイナミック広告の特徴

デスクトップ限定でサイドバーに固定表示される広告
ユーザーごとのパーソナライズ表示が可能(例:氏名や写真入り)
ブランド認知、会社ページフォロー促進、求人訴求に活用可能

1.4. テキスト広告とは?

テキスト広告は、シンプルなテキストと画像を使った最も基本的な広告フォーマットです。LinkedInのトップページ上部や右側のサイドバーなど、目立つ位置に表示されます。

コンテンツ量が少ない分、訴求内容を端的に伝える必要がありますが、そのぶん配信コストが抑えやすいというメリットもあります。

クリックされた際には、外部サイトや会社ページなど指定のリンク先に遷移させることができます。

テキスト広告の特徴

簡単なテキスト+小さな画像で構成された軽量な広告
フィード上部やサイドバーなどに掲載されることが多い
低予算でも始めやすく、リンク誘導型広告に適している

2. LinkedIn広告の種類に応じた活用方法

LinkedIn広告には複数のフォーマットがありますが、広告の種類ごとに適した目的・活用シーンが異なります。広告はただ配信するだけでなく、「誰に」「どのような目的で」届けるかを明確にすることが成果に直結します。

ここでは、「認知」「比較・検討」「行動(CV)」「関係構築」という4つの代表的な目的ごとに、最適なLinkedIn広告の種類とターゲティング方法を整理します。

目的別|おすすめのLinkedIn広告フォーマット

✔ 認知を広げたい → スポンサードコンテンツ、ダイナミック広告がおすすめ。興味・関心軸でのターゲティングが効果的。
✔ 比較・検討層にアプローチしたい → 同じくスポンサードコンテンツやダイナミック広告を使用しつつ、業種・職種・役職など具体的なセグメントを指定。
✔ 資料請求や問い合わせを促したい → スポンサードコンテンツ+メッセージ広告(旧InMail)が効果的。ターゲットごとに文面やCTAを最適化。
✔ 特定の人と関係性を築きたい → メッセージ広告で個別に届けるアプローチが有効。採用・スカウト・営業活動などで活用される。

とくにスポンサードコンテンツは汎用性が高く、ほぼすべての目的に対応できる万能な広告フォーマットです。初めてLinkedIn広告を使う場合は、まずスポンサードコンテンツから始めてみるのがおすすめです。

広告フォーマットごとの強みを理解した上で、目的とターゲットに応じて使い分けることで、認知→検討→行動へとスムーズなコンバージョン導線を設計できます。

3. LinkedIn広告におけるクリエイティブのポイント

LinkedIn広告では、配信フォーマットやターゲティングを適切に選ぶことが重要ですが、それだけでは成果に直結しません。最終的にユーザーの目に触れ、行動を促すのは「広告クリエイティブ」そのものです。

ここでは、成果につながるクリエイティブを制作するための実践ポイントを2つに分けてご紹介します。

3.1 ABテストを必ず行う

LinkedIn広告では、1つのクリエイティブだけに依存せず、必ずABテストを実施することが推奨されます。理想は1キャンペーンあたり最低4種類のクリエイティブを用意してテストすることです。

注意点として、異なるキャンペーンや広告枠では比較条件が変わるため、必ず「同一キャンペーン内」でのABテストを行いましょう。

キャンペーンが複数あると準備が大変に感じられますが、テストの積み重ねがCTRやCVRを大きく左右します。どのコピーや画像が最も反応されるか、データをもとに改善を繰り返すことが重要です。

ABテストのポイント

1キャンペーンにつき4パターン以上の広告を用意
比較対象は同一の条件で揃える(掲載枠・ターゲット)
反応率を比較して勝ちパターンを洗練する

3.2 コピーは「簡潔×最重要情報は文頭に」

LinkedInはビジネスSNSであるため、ユーザーは短時間で情報を判断する傾向があります。広告コピーは長すぎず、パッと見て伝わることが極めて重要です。目安としては70文字以内に収めましょう。

さらに、伝えたい内容の中でも特に重要なワードは文頭に配置するのが効果的です。冒頭で視線を引きつけられるかどうかが、スクロールされる広告においては特に大きな差になります。

コピー作成のコツ

文字数は70文字以内を目安に
一番伝えたいワードは文頭に配置
誰に向けた広告かをひと目で伝える構成に

たとえば以下のように同じ内容でも文頭を変えるだけで印象が大きく変わります:

  • NG例:「手軽に自宅で食べられる三ツ星シェフの仔羊のロティ」
  • OK例:「三ツ星シェフの仔羊のロティが手軽に自宅で楽しめます」

このように、ターゲットが反応するキーワードを最初に見せることでクリック率が大きく変わるため、コピー設計にも意識を払いましょう。

3.3 ターゲットに価値を提供する

広告を見たユーザーに「この広告をクリックすることで、自分にメリットがある」と感じさせることが重要です。

たとえば「切れ味が良い包丁です」という訴求だけでは、価値は伝わりにくいかもしれません。代わりに、

  • 「ストレスなく、時短で調理ができる」
  • 「断面がきれいに切れるので、盛り付けも美しくなる」

といったように、機能から得られる具体的なベネフィットを伝えることで、行動につながる広告になります。

伝え方の工夫例

特徴ではなく「得られる成果」を伝える
機能→効果→価値という順で整理する

3.4 メッセージのトーンや口調を相手に合わせる

メッセージ広告(スポンサードInMail)は、受信者との距離感を誤ると逆効果になることもあります。

まだ接点のない相手にいきなりフランクな文体で話しかければ不信感を与え、逆に親しい関係で堅苦しい文面を送れば距離を感じさせてしまいます。

相手の役職・業界・職種・関係性を踏まえて、最適なトーンと表現を選びましょう。

トーン選定のヒント

初対面なら敬語・丁寧語を基本に
関係が構築できていればカジュアルもOK

3.5 行動を促す言葉を入れる(CTA設計)

広告のクリエイティブには「応募する」「資料をダウンロードする」「フォローする」などの具体的なアクションワードを必ず入れましょう。

人は「Yes/No」で判断できる状況では行動しやすくなります。逆に、次に何をすればいいのかが曖昧な広告は、せっかく興味を持っても次のステップに進みにくくなってしまいます。

効果的なCTA文言の例

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3.6 画像は広告の内容に関連したものを選ぶ

LinkedIn広告では画像の情報量がテキストよりも圧倒的に多く、印象を左右する要素です。

内容に無関係な画像を使ってしまうと、ユーザーに誤解を与えたり、スルーされる原因になりかねません。

たとえば「オフィス見学の案内」であれば、実際の職場の写真を、「オンラインセミナー告知」であれば、登壇者の顔やタイトル入りの画像などを使うことで、視覚から内容が伝わりやすくなります。

画像選定のポイント

テーマと一致したビジュアルを使用する
できれば「写真」か「構造化された情報」を含める
ストック画像よりも実写や自社素材の方が効果的

4. LinkedIn広告の始め方|出稿設定の流れをわかりやすく解説

LinkedIn広告は、マーケティング初心者でも手順に沿って進めれば比較的簡単に出稿できます。

ここでは、実際の画面を参考にしながら、出稿設定の流れをステップ形式でわかりやすくご紹介します。

4.1 キャンペーンの目的を選択する

最初に設定するのは「キャンペーンの目的」です。これは広告の配信最適化の方針を決める大事なステップで、以下の3カテゴリから選択できます。

  • 認知:ブランドやサービスを多くの人に知ってもらいたい場合
  • 検討(関心):ウェブサイトへの訪問や動画再生など、興味関心を高めたい場合
  • コンバージョン:資料請求・応募・問い合わせなど、具体的なアクションを目的とする場合

この目的に応じて選べる広告フォーマットや課金方式も変わるため、必ず事前にゴールを明確にしておきましょう。

📢 認知度(ブランド認知)

より多くの人に会社・製品・サービス・イベントを知ってもらいたい場合に。

  • ブランド認知・露出を強化
  • 製品や会社ページの認知向上
  • LinkedInイベントの告知に最適

👀 関心度(検討促進)

  • ウェブサイト訪問:特定ページやLPへの誘導
  • エンゲージメント:投稿やイベントへの反応、フォローを増やす
  • 動画視聴:ブランド紹介や事例動画を見てもらう

✅ コンバージョン(行動促進)

  • リード獲得:LinkedInフォームで顧客情報を収集
  • ウェブサイトコンバージョン:申込・登録・購入を促す
  • 求人応募者:自社求人の閲覧・応募を後押し

4.2 オーディエンスを決める

オーディエンスとは、広告を届けたい対象=「誰に見せるか」を定める設定です。LinkedIn広告では、場所や属性に基づいた高度なターゲティングが可能です。

📍 場所(ロケーション)の指定

2つの観点から、広告を配信する地域を柔軟に設定できます。

  • 場所:現在地・最近滞在した地域・定住エリアなどをもとに国や都市で設定可能
  • プロフィールの言語:アカウント設定言語をもとにターゲットを絞り込み可能

この2つの条件を組み合わせることで、たとえば「海外に住んでいる日本人」「日本国内にいる英語話者」などもピンポイントで設定できます。

🧑‍💼 属性によるターゲティング

LinkedInでは、プロフィール情報や行動データをもとに、非常に多様な属性でのターゲティングが可能です。

💡 LinkedIn広告の“圧倒的な強み”とは?

多くの広告媒体が「年齢」「性別」「地域」など表面的なセグメントしかできない中、LinkedInは“ビジネスプロフィール”にもとづく精緻なターゲティングが可能です。
だからこそ、本当に届けたい人にだけ、必要なメッセージが届く。 これが、LinkedIn広告の他社にない最大の武器です。

  • 会社:企業名、業種、会社規模、成長率、社員とのつながり など
  • 統計データ:年齢、性別
  • 学歴:学校名、学位、専攻分野
  • 職務経歴:役職レベル、ポジション、スキル、経験年数
  • 関心・行動:所属グループ、興味分野、行動特性

「業種 × ポジション × スキル」で絞り込んでスカウトを送ったり、特定企業の部長職以上だけに動画広告を見せることも可能。
“ピンポイント”で勝負できるからこそ、BtoBも採用も成果につながる。

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これらを自由に組み合わせることで、「従業員数500名以上のIT企業で部長職以上」「特定大学の卒業生で、営業職経験3年以上」など、非常に粒度の細かい配信設計が可能になります。

4.3 広告フォーマットを決める

LinkedIn広告には、配信目的や訴求スタイルに合わせて選べる7種類の広告フォーマットがあります。

以下に、それぞれの形式と用途を一覧でご紹介します。

📦 主なLinkedIn広告フォーマット一覧

  • シングル画像広告: 画像+リンクやイベント告知をニュースフィードに表示
  • カルーセル画像広告: 2枚以上の画像をスライド形式で表示
  • 動画広告: ブランドやサービスの魅力を動画で視覚的に訴求
  • テキスト広告: デスクトップ画面の右上などに表示される簡易テキスト形式
  • スポットライト広告: ユーザー情報に基づきパーソナライズされた誘導型広告
  • フォロワー広告: 会社ページのフォローを促すパーソナライズ広告
  • 会話型広告: メッセージ受信ボックスに配信される選択式インタラクティブ広告

用途やターゲットに応じて、配信面・デバイス・表示形式が大きく異なるため、訴求内容に合ったフォーマットを選ぶことが重要です。

どれを選べばいいか迷った場合は、最も汎用性の高い「シングル画像広告」からスタートするのがおすすめです。

4.4 予算&スケジュール、入札を設定する

広告の配信設定では、「1日の予算」または「通算予算」を指定し、広告掲載のスケジュール(期間)を設定します。

たとえば、「月間10万円で1ヶ月配信したい」「平日のみ朝10時〜18時に配信したい」といった細かい制御が可能です。

次に、予算の使い方・最適化方法を決めるために「入札戦略(ビディング)」を選択します。

入札戦略の種類

  • 最大配信(自動): 予算を使い切って最大限の成果を目指す
  • ターゲット単価: 目標単価をもとに自動で調整、費用対効果を最適化
  • 手動入札: 自分で上限単価を設定し、クリック単価などを調整

運用初心者であればまずは「最大配信」または「ターゲット単価」を選ぶのが無難です。より詳細にコントロールしたい場合は「手動入札」も検討できます。

4.5 推定オーディエンスを確認する

LinkedIn広告 推定オーディエンス表示画面

ターゲティング設定が完了すると、画面右側に「推定オーディエンスサイズ」や「推定成果」が表示されます。

これは、指定した地域・属性・配信条件などに基づいて、実際に広告が届く可能性のあるユーザー数や、想定インプレッション/クリック数などを算出した参考値です。

この推定オーディエンスの確認は非常に重要です。配信対象が狭すぎたり広すぎたりすると、広告効果に大きく影響が出ます。

🔍 推定値で確認すべき3つのポイント

① オーディエンスサイズ
数百人しかいない?それとも数十万人?ターゲットとして適切な規模かを確認。
② インプレッション数
目標の認知獲得に十分な配信量が見込めるかをチェック。
③ クリック数・CV数
想定成果が目標KPIに届くか?費用対効果を試算する目安に。

たとえば、月間10件の問い合わせ獲得を目指しているのに、推定クリック数が月5回では達成が困難です。ターゲット設定を見直すか、広告予算を増やす必要があります。

反対に、オーディエンスが数百万人などあまりにも広すぎる場合、無関係な人に配信されて費用が無駄になるリスクもあります。

この段階で調整できるのは:

  • ターゲット属性(業種、役職、地域など)の見直し
  • 広告予算や入札方法の再設定
  • 配信スケジュールの変更(期間や時間帯)

LinkedIn広告は無駄打ちを避けるためにも、推定値の確認は重要な工程です。

狙ったターゲットに、無駄なく、しっかり届く広告配信を実現するために、この画面は必ずチェックして調整しておきましょう。

5. LinkedIn広告の費用体系・料金相場

LinkedIn広告を検討する際、「結局いくらかかるのか?」という費用感は気になるポイントです。実際の管理画面では日本円で設定できるため、以下では円ベースで料金の目安を整理して解説します。

5.1 課金方式の種類

LinkedIn広告では、目的に応じて以下の課金方法から選択できます:

  • CPC(クリック課金): 広告がクリックされた時のみ課金
  • CPM(インプレッション課金): 広告が1,000回表示されるごとに課金
  • CPS(メッセージ送信課金): スポンサードメッセージが1通配信されるごとに課金

5.2 おおよその費用感(日本円)

課金方式相場目安
CPC(クリック課金)約200〜500円/クリック
CPM(インプレッション課金)約700〜1,200円/1,000回表示
CPS(メッセージ送信)約40〜80円/1通送信

※実際の金額は業界やターゲット条件、競合状況によって上下します。

5.3 最低出稿金額と推奨入札単価(日本円)

LinkedIn広告は少額から始められるとはいえ、広告キャンペーンの出稿には最低限の金額設定が必要です。2025年時点の国内設定では、以下の金額が下限となります:

  • 通算予算:最低 24,800円
  • 1日あたりの予算:最低 800円

また、広告単価については、自動入札ではなく手動入札を選んだ場合、入札単価の下限と推奨値が表示されます。

  • 推奨入札単価の下限目安(=上限CPC):: 1クリックあたり 1,511円
  • 競合広告主の支出相場: 1クリックあたり 1,092〜2,616円

この推奨単価を基準に設定することで、十分な配信量を確保しながら、キャンペーン予算を無駄なく使うことが可能です。

特に競合が多いターゲット(例:大手企業の管理職層など)を狙う場合は、入札単価が市場平均を下回ると広告が表示されづらくなるため注意が必要です。

5.4 他媒体との料金比較

他のSNS広告と比較して、LinkedIn広告はやや高めのCPC・CPMとなりますが、ビジネス属性による緻密なターゲティングが可能なため、無駄配信が少なく、BtoBや採用領域においては費用対効果が高い媒体です。

媒体名CPC目安CPM目安
Google広告約15〜70円約70〜140円
Facebook広告約140〜420円約700〜1,200円
LinkedIn広告約200〜500円約700〜1,200円

5.5 料金に影響する主な要因

LinkedIn広告の費用は一律ではなく、設定内容や広告の品質、競合状況によって大きく変動します。以下の3つは費用に特に影響を与える主要な要素です。

① ターゲットの競合性

配信対象として設定する属性(職種・業種・地域など)が、他社も広告を多く出している領域であればあるほど、入札価格は高騰します。

たとえば「IT業界 × 部長職 × 東京」などは多くの企業が注目するターゲット層であり、CPCも高めになりがちです。一方、「地方拠点 × 若手層」などニッチな条件では競争が少なく、単価も下がる傾向にあります。

② 広告の品質スコア

LinkedInでは、広告の表示順位やクリック単価に「広告品質スコア」が影響します。これは、広告のCTR(クリック率)や関連性スコアなどに基づいて自動的に算出されます。

同じ金額で入札していても、品質スコアが高ければ、より上位に表示されたり、実際の単価が安くなることがあります。

画像やコピーの完成度、ターゲットとの関連性を高めることで、コスト効率の良い運用が可能です。

③ 入札戦略の選択

LinkedIn広告では「自動入札(最大配信)」「ターゲット単価」「手動入札」のいずれかを選択できますが、どの戦略を採るかによって1クリックあたりの費用も変わります。

初期段階では「最大配信」や「推奨入札単価」を選んでおくことで、表示機会を安定して確保できます。慣れてきたら「手動入札」で単価調整し、効果が高いターゲット層に絞ってコストを最適化するのも一つの手です。

5.6 少額からのスタートと運用のコツ

LinkedIn広告は最低800円/日 × 通算24,800円〜で出稿可能なため、中小企業やスタートアップでも無理なく始められる媒体です。

いきなり大きな予算を投じる必要はなく、まずは小規模なテスト配信からスタートし、反応を見ながら調整していくのが理想的な進め方です。

たとえば初めての場合は、次のような設計が現実的です:

  • 予算:1日1,500円 × 2週間(計約21,000円)
  • 形式:シングル画像広告 or 会話型広告
  • 目的:リード獲得または動画再生

出稿後は、ABテストを実施しながらクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)の高いクリエイティブを特定し、効果が出たものに対して段階的に予算を拡大していく運用スタイルが効果的です。

また、1つの広告に絞りすぎず、2〜3パターンを同時に走らせて比較することで、少ない予算でも最適化が進みやすくなります

6. LinkedIn広告(リンクトイン広告)の運用は自社内?運用代行?

LinkedIn広告の出稿が現実的な選択肢になったとして、次に考えるべきは「運用を自社で行うか、外部に任せるか」という点です。

LinkedIn広告は、単に出稿するだけでなく、配信中のデータをもとにクリエイティブやターゲティングを改善し続ける「運用型広告」です。

つまり、運用に手をかけた分だけ成果が出やすい一方で、放置すると広告費だけが無駄に消化されてしまうという特性があります。

👤 自社運用に向いているケース

  • LinkedIn広告の運用に特化した担当者が社内にいる
  • 少額からABテストを繰り返す時間的・人的余裕がある
  • ターゲティングや広告表現の調整に慣れている

これらに当てはまれば、内製でも十分に成果が出せる可能性があります。

🤝 運用代行を活用すべきケース

  • 社内に専任担当者がいない/人的リソースが足りない
  • 初めての出稿で失敗リスクを減らしたい
  • 採用や事業立ち上げなどで短期間に成果を出す必要がある

特に人事・採用担当の方は、日常業務だけでも忙しく、LinkedIn広告の運用まで手が回らないケースが非常に多いのが現実です。

「とりあえず出稿したが、配信後は放置されていた」「結局何が良かったのか分からなかった」という状況になれば、せっかくの広告費が無駄になります。

7. LinkedIn広告(リンクトイン広告)の運用代行先を選ぶなら?

LinkedIn広告を外部に運用委託する場合、代行先の選定は成果を大きく左右する重要なポイントです。

前述の通り、LinkedIn広告は「運用型広告」であり、出稿後にリアルタイムでデータを見ながら調整と改善を繰り返す必要があります。そのため、運用代行を依頼する際には、以下の3つの観点から評価することが重要です。

🔍 運用代行に求められる3つのスキル

  • LinkedInに対する深い知見(仕様・機能・アルゴリズムの理解)
  • 採用領域における経験(採用ターゲットや候補者心理への理解)
  • 広告運用のスキル(分析・改善・データ活用の実行力)

この3つのうち1つでも欠けている場合、LinkedIn広告の本来のパフォーマンスを引き出すのは難しくなります。

⚠ よくある失敗パターン

  • 広告代理店だが、LinkedIn広告の取り扱い経験がない
  • 採用代行会社だが、データ分析や広告運用のPDCAが苦手
  • 知識はあるが、具体的な改善提案や実行力が不足している

こうした失敗を防ぐには、「どんな改善施策が可能かを具体的に列挙してもらう」「これまでの出稿事例やレポート提出実績を確認する」といったプロセスを通じて、代行会社の実力や姿勢を見極めることが大切です。

📊 見極めのポイント

  • データをもとに仮説立てと改善提案ができる担当者がつくか
  • 成果報告だけでなく「次に何をするか」が明確になっているか
  • LinkedIn広告と採用活動の両面に対してプロフェッショナルか

こうした観点で信頼できるパートナーを選べば、運用開始後も安定した成果を継続的に出していくことができます。

8. LinkedIn広告(リンクトイン広告)の運用代行を利用する場合、人事・採用担当者がすべきこと

LinkedIn広告の運用を代行会社に任せる場合、基本的には「おまかせ」で問題ありません。成果を出すための設計や調整は、運用代行会社が担ってくれます。

とはいえ、人事・採用担当者が「完全に何もしなくて良い」というわけではありません。成功確率を高めるには、運用パートナーとの信頼関係と役割分担が重要です。

🛑 8.1:勝手に手を加えない

LinkedIn広告はWeb上の管理画面で設定・変更ができるため、運用代行会社と社内の両方がログイン可能な状態になっていることもあります

しかし、成果を出すには「仮説→出稿→検証→改善」の設計が必要であり、運用代行会社は戦略に基づいた運用計画を組んで配信しているはずです。

そのため、心配になって独自に設定を変えてしまうと、効果測定が乱れたり、成果が落ちたりするリスクがあります。

もし不安や疑問があっても、勝手に触らずに、まずは運用代行の担当者に相談しましょう。設計意図を聞けば安心できるはずですし、何か気づきがあれば正しい形で改善に活かせます。

💬 8.2:フィードバックを積極的に伝える

広告経由で応募が発生したとき、代行会社側から見ると「うまく成果が出た」と判断するかもしれません。

しかし、実際に面談・面接した結果、求めている人材とズレていた、あるいはスキルは合っていてもカルチャーが違った、ということもよくあります。

そういった現場の情報は、人事・採用担当者にしかわかりません。だからこそ、面談を通じたリアルな感触をしっかりと運用代行会社に共有し、広告クリエイティブやターゲティングを調整する必要があります。

たとえば:

  • 応募数は多いが、ミスマッチが多い
  • スキルは合っているが、志向性がずれている
  • やや若手が多すぎる/年齢層が偏っている

このようなフィードバックを継続的に伝えることで、「見た人がどう感じるか」「どんな人が反応するか」をすり合わせ、広告の精度がどんどん上がっていきます

LinkedIn広告は配信データも豊富に取れますが、本質的なマッチング精度を高めるには、面談後の“人の目”による判断が不可欠です。

代行会社との連携を密にしながら、広告と採用の両面から改善を積み重ねていくことで、より確実に成果につながります。

📘 8.3:最低限の用語や運用ルールを把握する

運用代行会社に任せるとはいえ、人事・採用担当者も基本的な用語やルールは理解しておくべきです。

LinkedIn広告は専門的な設定が多いため、「わからないから任せる」ではなく「理解したうえで任せる」という姿勢が重要になります。

たとえば、以下のようなことを把握しておくだけでも、報告や相談を受けた際の判断が変わります:

  • 広告が表示される場所・配信面(フィード・右カラム・メッセージなど)
  • ターゲット設定で指定できる属性(会社・職種・学歴・スキルなど)
  • 配信ロジックやオークション方式の基礎
  • クリック課金/インプレッション課金の違い
  • 入札単価の調整とその影響
  • 広告費の請求タイミング・支払い方法

これらは、運用報告を受け取ったときに内容を理解するだけでなく、「こうしてほしい」と要望を伝えるためにも必要な知識です。

さらに言えば、万が一、代行会社側の運用に誤りや意図的な手抜きがあった場合にも、知識があることで適切に指摘し、自社の費用やブランドを守ることができます。

すべてを詳しく知る必要はありませんが、少なくとも基本的な概念・仕組み・費用体系は理解したうえで委託するのが望ましいでしょう。

9. 自社でLinkedIn広告(リンクトイン広告)を運用する場合のポイント

「まずは小さく、社内で運用してみたい」「効果が見えたら外注を検討したい」——そのような方も多いのではないでしょうか。

LinkedIn広告は、企業の採用活動やBtoBマーケティングにおいて非常に効果的な手法です。しかし、内製で成果を出すにはいくつかの重要なポイントがあります。

ここでは、自社運用に取り組む方向けに、失敗しないための6つのチェックポイントをご紹介します。

※「LinkedIn広告を社内運用する際のフローや指標一覧」は、以下の資料でも詳しく解説しています。
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📊 9.1 経過も結果も“数字”で確認する

LinkedIn広告を内製する場合、最も重要なのは「感覚ではなく、数値で成果を判断する」ことです。

「なんとなくクリックされていそう」「良い応募が来た気がする」といった曖昧な判断では、効果的な改善施策につながりません。

必ず以下のような指標をもとに、広告のパフォーマンスを分析しましょう:

表示回数
(Impression)
クリック率
(CTR)
クリック単価
(CPC)
応募数
(Conversions)
応募者の質
(ターゲットとの一致率)

たとえ応募が発生していても、「ターゲットから外れた応募ばかり」であれば、広告の方向性を見直す必要があります。

また、こうした数字を集めるには、1日2日では足りません。一定期間(例:1週間〜2週間)で十分な表示・クリック・応募が蓄積された状態で評価しましょう。

LinkedIn広告は、データを見ながら調整し続ける“運用型”広告です。数字と向き合い、改善の起点にすることで、社内でも費用対効果の高い配信が可能になります。

🎯 9.2 ターゲットを具体的にする

LinkedIn広告を出稿するうえで最も重要なのが、誰に届けたいのか=ターゲットの具体化です。

求人票の中では「中堅社員」「営業経験者」「ポテンシャル人材」などの抽象的な表現でも成り立ちますが、広告配信ではそれをLinkedIn上のターゲティング条件に落とし込む必要があります。

たとえば以下のような要素を組み合わせて、広告マネージャー上でセグメントを構成します:

例:ターゲティング設計に使える主な条件

  • 業種: IT/製造/医療/金融 など
  • 職種: 営業/マーケティング/エンジニア/人事 など
  • 役職レベル: マネージャー/部長職以上/新卒・若手
  • スキル: プログラミング/マネジメント/英語力 など
  • 会社の規模・成長率・フォロワー数

このように、採用ターゲットをただ「こういう人」と言うだけでなく、LinkedInが提供する属性項目で“広告として配信できる条件”に落とし込むことが必要です。

また、ターゲットを広げすぎると無駄な配信が増え、狭めすぎるとリーチが取れません。「職種×役職×スキル」など2〜3軸でバランスを取るのが基本です。

設定に迷った場合は、過去の採用実績者や面接通過者のプロフィールを参考にすると、精度の高い条件設計ができるはずです。

✍️ 9.3 LinkedIn広告の内容を考える

LinkedIn広告では、どんなテキストで、どんな画像を使って、誰に何を伝えるかが成果を左右します。

特にLinkedInはビジネスユーザーが多いため、「興味を引く」「信頼感がある」「価値が明確」な広告内容でないと、行動につながりにくいのが特徴です。

以下の3つを意識することで、より“刺さる”広告になります:

  • ① 誰に届けるか: ターゲットの悩みや願望を明確にイメージ
  • ② 自社の何を伝えるか: 給与や制度よりも「働き方・雰囲気・やりがい」など共感要素が重要
  • ③ どう伝えるか: テキストは簡潔に、画像は人物やカルチャーが伝わるものを選定

たとえば「自由な働き方ができる会社です」よりも、

  • 「週3リモート勤務/フレックス制度あり」
  • 「子育て中の社員も活躍中」

など、読み手が“自分ごと化”しやすい表現にすることで、クリックや応募への興味を引き出せます。

画像についても、職場の雰囲気・社員の表情・実際の業務風景など、「人」が見えるビジュアルの方が、視覚的な信頼感と共感を得やすくなります。

最終的に大切なのは、広告を見た相手が「自分に関係がある」と感じられるかどうか。その目線でコピーと画像を組み合わせましょう。

🧪 9.4 文面や画像は複数種類でテストする

LinkedIn広告で成果を出すには、テキストや画像を“最初から1つに決め打ちしない”ことがとても大切です。

たとえば社内では「この表現が一番伝わるはず」と思っていても、実際には外部ユーザーには刺さらないことも多くあります。

特にLinkedInは他の採用媒体とユーザー層が異なるため、「過去に成果が出た文面」や「汎用的な採用メッセージ」では反応しないこともあります。

そこで重要になるのが、複数パターンを同時に配信し、どれがもっとも効果的かを検証する“ABテスト”です。

  • テキストパターンA:制度や条件を強調
  • テキストパターンB:働く人やカルチャーに焦点
  • 画像パターンA:抽象的なイラスト
  • 画像パターンB:オフィス風景や社員の写真

このように、少しずつ切り口を変えて配信し、クリック率(CTR)や応募率(CVR)を比較することで、反応が高いパターンを見極めていくことができます。

特に初期フェーズでは「1つの広告を出して成果を判断する」のではなく、テストしながら“勝ちパターン”を探すスタンスが不可欠です。

LinkedIn広告の運用は、改善を重ねるごとに精度が上がっていく“育てる広告”です。
だからこそ、複数配信・ABテスト・結果検証のサイクルを前提として運用設計を進めましょう。

🏢 9.5 LinkedInの会社ページを充実させる

LinkedIn広告を見たユーザーの多くは、クリック後に「会社ページ」へ訪問します。

どれほど広告で興味を引けても、その先にある会社ページに情報がほとんどない/魅力が伝わらない状態であれば、応募や接点形成にはつながりません

LinkedInの会社ページでは、以下のような基本情報を無料で掲載できます:

  • 企業の概要・業種・従業員数・拠点
  • 事業内容や提供サービス
  • 最新の投稿やイベント情報

加えて、ビジョン・文化・社員インタビュー・福利厚生・制度など、候補者が知りたい情報を補足することで、エンゲージメントが高まります。

💡 キャリアページ(有料)を活用すると:
写真・動画・社員の声・特集コンテンツなど、よりリッチな情報が掲載可能になり、採用ブランディングの強化につながります。

広告で興味を持った人が、「もっと知りたい」と思った瞬間にどんな情報があるか。
この“次の一手”が、応募に進むか離脱するかの分かれ道になります。

自社での広告運用を成功させるためにも、会社ページの最適化は必ずセットで取り組みましょう。

📈 9.6 ある程度データが貯まるまで運用する

LinkedIn広告は「運用型広告」です。短期間で成果の有無を判断するのではなく、一定の配信ボリュームを確保した上で、データをもとに改善することが前提です。

よくある失敗が、出稿して1〜2日、数十回程度の表示で「反応がないから止めよう」と判断してしまうこと。

広告配信には“統計的な母数”が必要です。表示数もクリック数も、一定数がたまらなければ、判断できるほどの傾向は見えてきません。

📊 判断の目安となるボリューム(例)
・表示数(Impressions):10,000回以上
・クリック数(Clicks):100回以上
・応募数(Conversions):1件以上

このくらいの母数があってはじめて、「クリック率が悪い」「応募者の質が合わない」などの傾向を把握できます。

また、広告を表示するタイミング・対象者の属性・応募タイミングなども日々ばらつきがあります。
最低でも1〜2週間以上の運用期間を想定して、改善を前提に進めることが重要です。

LinkedIn広告は、「出して終わり」の媒体ではなく、「走らせながら整えていく」媒体です。焦らず、計画的にデータを蓄積し、改善に活かしていきましょう。

これらを意識して運用すれば、たとえ少額でも成果につながる広告運用が実現できます。「まずは内製で試す→型ができたら外注」という選択肢も大いにありです。

10. LinkedIn広告(リンクトイン広告)だけじゃない、採用に活用できる運用型広告

ここまでLinkedIn広告について解説してきましたが、実は他にも「運用型広告」で採用活動に活用できる媒体は多数あります。

これらの媒体で既に採用活動を行っている企業であれば、LinkedIn広告もターゲット層次第で有効に機能する可能性が高いです。

特に「他媒体でうまくいっているが、競合が増えてきた」「少し違う層にもアプローチしたい」という場合は、比較的競争の少ないLinkedIn広告への展開が差別化のチャンスになります。

ここでは、代表的な採用向け運用型広告の例を紹介します。

🧭 10.1 Indeed広告(インディード広告)

「仕事探しはIndeed」でおなじみのIndeedは、世界最大級の求人検索エンジンです。多くの求職者が積極的に仕事を探して訪問しているため、採用直結型の求人配信として非常に有効です。

Indeed広告は運用型のクリック課金(CPC)モデルを採用しており、掲載費無料+クリックされた分だけ費用が発生する仕組み。
少額から始められ、運用次第で費用対効果も高く抑えられるため、中途・アルバイト・新卒問わず活用されています。

💡 LinkedInとの違い:
Indeedは「仕事を探している人」に向けた検索型広告、
一方でLinkedIn広告は「今すぐ転職を考えていないが条件が合えば興味を持つ人」にリーチできる点が特長です。

そのため、“今すぐ転職”層にはIndeed、“潜在的な候補者”にはLinkedInという使い分けも効果的です。

📣 10.2 Facebook広告(フェイスブック広告)

Facebook広告は、LinkedIn広告と同様にフィード(タイムライン)上に自然に表示される広告として、多くの企業が採用活動に活用しています。

Facebookは、ユーザーの登録情報として「勤務先」「部署」「業種」「学歴」などの属性を保有しているため、これらを元にターゲット層を絞り込んで広告配信することが可能です。

加えて、Facebook広告の管理画面ではInstagram広告も同時に設定・配信できるため、「ビジュアル訴求が得意な採用ポジション」「若年層ターゲット」などにおいて高いパフォーマンスを発揮するケースもあります。

💡 LinkedInとの違い:
Facebookは「プライベート軸」「趣味・関心」ベースの広告訴求が得意。
対してLinkedInは「キャリア軸」「職務属性」ベースで、転職意欲が顕在化していない層にも届きやすい。

🐦 10.3 X(旧Twitter)広告

X(旧Twitter)広告も、求人広告を含む採用向けの配信が可能です。
ユーザーのタイムラインに広告が表示され、特定の投稿内容やキーワードに反応した人へアプローチできます。

ただし、XはFacebookやLinkedInと異なり、職歴・業種・役職といった詳細なユーザー属性の登録が原則ありません。
そのため、広告配信のターゲティングは「興味関心」「フォローアカウント」「キーワード反応」などの行動データをもとに設定する形となります。

その結果、狙った人物像とのマッチ度がやや不安定になることも多く、商材や訴求内容によって成果の出やすさに差が出る傾向があります。

💡 LinkedInとの違い:
Xはスピード感と拡散性に強く、カジュアル求人やイベント案内などで活用されることが多い。
一方LinkedInは「職務条件」「経歴」「ビジネス関心」など明確なビジネス軸のセグメントが可能。

11. 採用だけではないLinkedIn広告(リンクトイン広告)の利用法

これまで採用に特化してLinkedIn広告の活用方法をご紹介してきましたが、LinkedIn広告は採用以外の用途でも非常に有効な広告手段です。

とくにBtoB領域のマーケティングや、ハイクラス向けのtoC商材の認知拡大などにおいて、他のSNSにはないビジネス属性のターゲティングが活きてきます。

採用での活用が軌道に乗ってきたら、ぜひ次の活用フェーズとして以下の用途も検討してみてください。

📢 11.1 製品やサービスのプロモーション

LinkedIn広告では、企業向けの製品・サービス(BtoB)のプロモーションにも最適な配信が可能です。

たとえば次のような場面で活用されています:

  • SaaSサービスのリード獲得(ホワイトペーパーDLやセミナー案内)
  • コンサルティングサービスの認知拡大
  • 業界特化型のソリューション紹介

FacebookやInstagramなど、他のSNSはプライベート利用が中心であり、「仕事中に見ることを想定していない層」への広告配信になりがちです。

その点、LinkedInはビジネス目的で利用しているユーザーがほとんど
広告も仕事関連の情報として自然に受け入れられ、購買や問い合わせといったビジネス行動につながりやすいのです。

💡 ポイント:
「今まさに解決策を探している企業担当者」にアプローチできるのがLinkedIn広告の強み。
特に業種・職種・役職などで細かくターゲティングできる点は、他SNSとの大きな違いです。

さらに、LinkedInのユーザー層には管理職・経営層・専門職など年収が高めの“ビジネス意識の高い人材”が多いため、高額商品やハイクラス層向けのtoC商材との相性も良いといえます。

📅 11.2 セミナーの集客に活用する

LinkedIn広告は、製品やサービスのプロモーションだけでなく、ビジネスセミナーやウェビナーの集客にも非常に効果的です。

近年では、セミナーの申し込みから決済・視聴まですべてWebで完結できる時代。FAXや郵送DMと比べて、広告経由で参加を募る方が圧倒的に効率的です。

また、メールでの案内と異なり、LinkedIn広告はユーザーのフィード上に表示されるため、視認性が高く、ビジネス意識が高い層に自然にリーチできます。

加えて、LinkedIn上では同僚や部下へのシェアも簡単にできるため、セミナー情報が社内で広がるスピードも早いという利点があります。

💡 活用例:
・リード獲得目的の無料ウェビナー集客
・有料セミナーのターゲット層告知
・特定業界向けのカンファレンス告知

🏢 11.3 会社の認知度向上に使う

スタートアップ企業や設立間もない企業、ニッチなBtoBサービスを展開している企業にとって、LinkedIn広告は“会社を知ってもらう”ための有力手段となります。

「広告=売上に直結しなければいけない」と思われがちですが、LinkedIn広告は“認知目的”でも運用できるのが強みです。

特定の業界・職種・地域に向けて、自社の存在を知ってもらうだけで、その後の営業活動や採用活動が大きく変わる可能性があります。

また、大手企業であっても:

  • 新サービスや新ブランドのローンチ時
  • ロゴ・ミッション・ビジョンのリニューアル時
  • 特定部門や新規事業の注目喚起

といった場面で、「この企業、こんな取り組みしているんだ」と印象を残すブランディング広告として活用できます。

💡 Point:
認知目的の広告は“今すぐ売る”ではなく、“後から指名される”状態を作るブランディング投資。
将来の採用・営業・提携につながる重要な第一歩です。

12. LinkedIn広告(リンクトイン広告)のご相談もどうぞ!

LinkedIn広告を社内で運用するか、外部パートナーに任せるかは、企業の状況や目的に応じて判断すべき重要なポイントです。

この記事では、LinkedIn広告の特徴や設定手順、費用感、社内運用・外部委託それぞれのメリット・注意点を丁寧にご紹介してきました。

とはいえ、実際に「うちに合うのか?」「誰に相談すればいいのか?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

私たちダイレクトソーシングは、LinkedInの正規代理店として、採用・広告の両面において多数の支援実績があります。

「広告の出稿から始めたい」
「スカウトやブランディングと併用したい」
「まずは相談ベースで聞いてみたい」

そんな場合も、お気軽にご相談いただければ、最適な活用方法をご提案させていただきます。

💬 よくある質問(FAQ)

Q:LinkedIn広告は採用以外にも使えますか?
A:はい。BtoBのサービス認知、ウェビナーの集客、ブランディングなど、ビジネス目的であれば幅広く活用されています。
Q:最低いくらから始められますか?
A:通算予算は24,800円〜、1日あたり800円〜設定可能です。テスト運用にも向いています。
Q:広告運用の経験がなくても大丈夫ですか?
A:大丈夫です。弊社では初期設計から配信後の改善、社内運用との併走支援まで対応可能です。
Q:どのくらい精度の高いターゲティングができますか?
A:業種・職種・会社規模・役職・スキルなど、他媒体にはないビジネス属性で詳細に絞り込めます。
Q:まずは相談だけでも可能ですか?
A:もちろん可能です。課題ヒアリングからご提案までは無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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当記事の内容もふくめ、弊社にて調査した内容をもとにPDF版の資料を作成しました。
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竹村 朋晃

竹村 朋晃

著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。