イベントレポート
2022.11.24

日本オラクルが実践している「ノーエージェント採用」とは|10月10日に登壇する西村さんにインタビュー!

2018年10月10日に開催されるセミナー「ダイレクトソーシング成功企業 3つの法則」にゲストスピーカーとして登壇される日本オラクル株式会社人事部採用担当の西村氏に、ダイレクトソーシングを活用するメリットについてお話を伺いました。

セミナーでは、「私がダイレクトソーシングを成功できた理由」と題して、ダイレクトリクルーティングを成功させるための具体的なコツを紹介していただきます。

ダイレクトリクルーティングを成功させるには、会社全体の意識を変えること

Fortune 100全企業を含む43万社以上のお客様を抱え、世界175か国以上で様々な業種にクラウドサービスを展開するオラクルは、デジタル・トランスフォーメーションを支援するクラウドの提供と、それらの活用を促す各種サービスの事業を展開している。
同社の提供するソリューション(クラウドおよびオンプレミス)は、柔軟性に富んだデプロイメントを実現し、比類のないメリット(アプリケーション統合、高度なセキュリティ、高可用性、スケーラビリティ、エネルギー効率、優れたパフォーマンス、総保有コストの軽減など)をユーザに提供している。
業務に必要なクラウドサービスを包括的に提供するオラクルだが、製品以外にも業界に先駆けて取り組んでいるものがある。それが、直接候補者にアプローチする「ダイレクトリクルーティング」という採用方式だ。ダイレクトリクルーティングという手法について、日本国内のリクルーターの間でも一目置かれ、積極的に情報発信も行っている日本オラクル株式会社の人事部で中途採用を担当している西村航氏に、ダイレクトリクルーティングのメリットについて話を伺った。
 

Globalの方針で一気に採用方法を転換

日本オラクルは、今から9年前、エージェントを活用した採用から、ダイレクトリクルーティングへと一気にシフトチェンジした。当時、オラクル・コーポレーション全体でいうとダイレクトリクルーティングが既に採用活動の9割を占めていた。ただ、日本だけが例外で、採用の多くをエージェント経由が占めていた。日本の人材市場はGlobalと比べて極めて異なっているため、エージェントを利用しないと人材採用に苦戦すると考えていたからだ。

結果、ダイレクトリクルーティングという土壌ができあがっている諸外国と比べ、エージェントに頼っていた日本のコストが目立っていたという。このような状況を受け、米国本社から採用体制の改変が求められた。

 

大幅なコスト削減と、応募者の質の向上

エージェントに支払う費用がなくなったことで、大幅なコスト削減できた、と西村氏は語る。中途採用だけでも年間数百名規模の採用をしているというのだから、莫大な費用がかかっていたことは想像に難くない。
また、採用担当者が直接候補者に連絡を取るため、ファーストコンタクト(主に電話面談)で、同社が目指していること、現場がどのように動いているかを候補者にきちんと伝えられ、面接に臨む前に理解を深めておくことができるというのもメリットの一つだ。「実際に、hiring manager(採用決裁者)から、企業理解が深い状態で面接に来てもらえる、というフィードバックももらっています」(西村氏)
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 日本オラクル株式会社 タレントアドバイザー 西村航氏

 

作業工数は多い

ダイレクトリクルーティングの採用を迷っている多くの採用担当者が、懸念事項としてまっさきに挙げるのが「作業工数の増加」である。確かに作業工数はエージェントに頼んだときよりも多い…ように見えるかもしれない。ソーシング(候補者の洗い出し)から採用までの工程を簡単にまとめたものを以下に示す。通常、エージェントが行う作業を採用担当者が担っていることが分かる。
 
Direct_Flow
ただ、候補者との間に介在する人がいないので、コミュニケーションの速度は上がる。仲介する人とのコミュニケーションに費やしている時間が省けるので、その分候補者との信頼関係の構築に充てることができる。最初に候補者と話をするときは、自分のキャリアをどうしていきたいのかをきちんとヒアリングし、それに対してどのようなポジションなら合っていそうか考えながら話を進めることができる。採用担当者が候補者側に立つことで、給料などの条件面でミスマッチが発生したときには採用決裁者と交渉することさえある。
他にも、ダイレクトリクルーティングへの転向を検討中の採用担当者がよく口にする課題について、西村氏に質問をぶつけてみた。
 

1.十分な数の候補者が見つけられる?

どれだけの候補者が洗い出せるかは、ポジションによって大分変わってくる。もちろん難しいポジションだと、要件を満たす候補者そのものが少ないため、面接につなげられる人数も自ずと減ってしまう。「難しいポジションですと、15名ほどの候補者の中から1名を採用する、といった割合になりますね。最近私が担当した案件ですと、2~3名を採用するのに、40~50名ほどの候補者にコンタクトしています。もちろんポジションによってその数は上下します。」(西村氏、以下省略)
そうは言っても、人材採用の目標が達成できるか否かは、採用決裁者の評価にもつながってくるので、どんなに難しいポジションでも一定数の候補者を出せるよう尽力するという。「候補者の総数という点で見ると、エージェントの方が多いかもしれませんが、クオリティという点では、面接につなげるかどうかをオラクルの社員として判断できるので、精度を高めることができます」と西村氏は語る。
 

2.現場のhiring manager(採用決裁者)の協力がもらいにくいのだけれど…?

オラクルでは、部門側が採用に対して高い意識を持っています。採用は人事部の仕事、という認識はない。したがって、よい候補者がいたときには積極的に口説いてもらえますし、採用オーナーはビジネス側にあるという認識があります。ここはオラクルならではなのかもしれませんが、ビジネス側の意識改革はダイレクトリクルーティング成功のために必須かもしれません。
 

3.潜在層の人に面接に進んでもらうには?

「電話面談という限られた時間の中で、いかに情報を引き出してその情報を元に有用な情報を与えられるかが鍵だと思います。一方的にポジションや会社の説明をするのではなく、少しでも転職を検討しているのなら、どうして検討しているのか、自分のキャリアをどうしていきたいのかを聞き出します。その後、ひっかかりそうなポイントに対して情報を与えていくのですが(どのようなポジションなら合っていそうか、など)、その結果、当初想定していたものとは違うポジションを提案することもあります(候補者の20%くらい)。
例えば、経験2~3年のエンジニアと話してみて、実際はセールスを希望していることが分かれば、ポテンシャル採用でプロセスを進めることもあります。候補者の希望するポジションが自分の担当分野でない場合は、他のリクルーターに紹介します(資産の有効活用)。これはエージェントでは難しいかもしれませんね。エンジニアがセールス希望だと分かったとしても、エージェントがエンジニアのポジションしか把握していなければ、話はそこで終わってしまうためです。」
 

4.ダイレクトリクルーティングを成功させるには?

「2.の答えともかぶるのですが、会社全体の意識を変えることが必要です。採用担当者だけが頑張ってもダメ。オラクルは、他社と比べて、採用担当側と採用決裁者との間での案件定義、採用後の人材開発に関する計画などの意識が非常に明確に共有されているのが強みだと思います。会社全体で共通の意識を持った上で、候補者の管理やデータベースの管理などができる自動化ツールが使えると、作業効率の向上が期待できますね。」
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竹村 朋晃

竹村 朋晃

株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。

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