【元理系学生が語る】理系学生を採用するための5つのポイントとおすすめの採用媒体
「理系学生を採用したくても採用できない・・・・・・」、そんな悩みをお抱えではないでしょうか?
みなさんこんにちは!株式会社ダイレクトソーシングの小野です。
IT技術の浸透やデータ分析の必要性により理系学生のニーズは高まっていますが、多くの企業が理系学生の採用に苦戦しています。
そこには理系学生特有の事情が絡んできています。
私自身、理系学生であったこともあり、なぜ理系学生の採用が難しいのか、理系学生を採用するにはどうすればいいのか、ということを元理系学生の視点でお話しできると思います。
それでは元理系学生から見た、理系学生を採用する難しさ、採用のポイントとおすすめの採用媒体をご紹介していきたいと思います。
1.理系学生の採用が難しい理由
そもそもなぜ理系学生の採用が難しいのか、その理由・背景を把握していなくては対策を考えることはできません。
採用業界で一般的に言われていることや、元理系学生の視点から見た採用が難しい理由を具体的にご紹介していきます。
1.1.少子化が進んでいるが、大学生全体の数はさほど変化がない
そもそも少子化が進んでいるので学生数全体が減少して採用が難しくなるのだと思う方もいるかもしれませんが、大学生の全体数はさほど変化はなく、むしろ緩やかではありますが上昇傾向にあります。
「大学進学率が上昇している」というニュースを耳にされたことがあるかと思います。
子どもの数が減っても進学率が上昇することで、そこまで大学生全体の数は変化していないのです。
文部科学省が公開している文部科学統計要覧(平成30年度版)の数値をグラフにしてみたものをご覧ください。
1960~1970年代は高度経済成長期であり、かつ第一次ベビーブームに生まれた団塊世代がちょうど20歳前後になる時期であったため、急激に学生数が増えています。
また、70年代の第二次ベビーブームで生まれた団塊ジュニア世代が20歳前後になる90年代も学生数が大きく伸びているのが分かります。
90年代後半頃からその伸びが緩やかになり、2000年代からはさほど大きな変化を見せません。
しかし緩やかではあるものの、2010年代後半では若干の増加が見られます。
1.2.しかし理系学生は2000年頃から減少
大学生の数が減っているわけではない、ということを踏まえた上で、理系学生数の推移も確認してみましょう。
さき程と同じく文部科学省が公開している、理・工・農系学生の数値をグラフにしてみました。
なお、医・歯・薬などの保健系の学生については、医師や薬剤師などの特定の職業への就職ありきでの進学が多いため、今回は理系学生の対象外として扱います。
学生全体数の推移と同様に、高度経済成長期、団塊世代や団塊ジュニア世代の進学時期については理系学生も増加傾向にありました。
しかし2000年頃から理系学生は減少傾向を見せています。
大学生全体の数はさほど変わっていないのに対し理系学生の数が減少している、つまり進路選択で理系を選ぶ学生が減っているということです。
理系離れと言われている、子どもの理数科目に対する興味関心・学力の低下や、理系の学費の高さが背景にあると考えられます。
理系の場合は文系に比べて学費が高く、また大学院進学率も高いため、経済的事情で理系に進めない人もいるのです。
理系学生の減少については国も問題視しており、理系学生を増やすための施策を講じています。
また最近では「これからの時代はプログラミングやデータ解析のスキルが必要!」といった世間の流れもあり、就職を考えて理系を志望する子どもが増えていく可能性があります。
しかし結果が出るには時間が掛かります。
そのため、現時点では母数の少ない理系学生を獲得するための努力が企業に求められるのです。
1.3.理系学生は人口が少ないうえに積極的に就職活動を行わない
理系学生が少ないということ以外に、理系学生の採用が困難である理由があります。
それは理系学生は文系に比べて積極的に就職活動を行わない点です。
「行わない」というよりも「行えない」と言った方が正しいかもしれません。
理系学生は学部4年初めや学部3年の終わり頃に研究室に配属され、卒業するまで、大学院に進学する場合は大学院の卒業まで、研究室での活動を続けます。
研究室で行うことは卒論のための研究だけではありません。
授業もありますし(学部の4年の場合は授業の無い人は多い)、学会に所属する場合は学会での発表準備やスタッフとしての当日のお手伝い、下の学年の授業や実験のTA、研究室で行うゼミの準備や運営、研究室と繋がりのある企業への見学・交流会などがあります。
また、前述したように理系学生はより多くの学費が掛かるためバイトをしている人も多く、学業とバイトに明け暮れる毎日で、就職活動に割ける時間を確保することが難しいのです。
そして、理系学生の場合、就職活動には「何社もエントリーして説明会・選考に進んで内定を得る」というルートよりも魅力的な王道ルートがあります。
それは大学からの推薦です。
大学・研究室と繋がりのある企業に推薦で進めれば、短い期間で、エントリーする企業も少なく、就活を終えることができるのです。
これらの理由により、理系学生の就職活動はあまり積極的なものではないのです。
1.4.優秀な層ほど大手志向が強い傾向にある
これは私の体感によるところが大きいのですが、優秀な層ほど大手志向が強いように感じます。
大手企業の方が研究設備も整っていたり、会社のお金で大学院に勉強・研究をしに戻れたり、海外で様々な経験を積めたりするチャンスがたくさんあります。
また、これは恐らくですが、やはりそれまでに費やした学費や時間(学部から修士課程まで6年間、博士課程までなら9年間)を考えると、給料が高い・安定している大手企業に就職するという“リターン”を望む考えが強くなるのではないかと思います。
奨学金を借りている学生の場合は、返済を考えて、より給料の高い安定した大手企業に何としてでも就職しなくてはいけないと考えているケースもあります。
また、大学・研究室側としては、大手の有名企業に就職してもらえれば就職実績として入学希望者やこれから研究室を選ぶ学生にアピールできます。
いざ自分が就職するというときまで、理系学生はそのようなアピールを目にする機会が多く、「理系学生は大手の有名企業に推薦で就職するのが王道」と考えやすくなる環境にあると思います。
そのため、余計に理系学生は積極的な就職活動に行わないのではないでしょうか。
2.理系学生採用のポイント
理系学生の採用が難しい理由・背景についてご説明しました。
理系学生は、
- そもそも母数が少ない
- 就職活動に積極的ではない(自発的ではない)
- 大手志向が強い
という特徴があることが分かったところで、ではどうすれば理系学生を採用できるのか、採用のポイントをご紹介していきたいと思います。
就職活動に積極的ではなく大手志向が強いとはいっても、世間的にはあまり認知されていない隠れた優良企業や中小・ベンチャーに就職する理系学生もいます。
どのようなポイントを押さえれば理系学生を採用できるのでしょうか。
2.1.企業から積極的にアプローチする
まず1つ目は企業から積極的に理系学生へアプローチすることです。
待っていても理系学生側から接触させる可能性は低く、この世に存在する企業の数を考えれば、理系学生があなたの会社の存在を知ってくれているとは限りません。
自ら存在を示し、理系学生に声を掛けなくてはいけないのです。
理系学生に限らず、企業から求職者に接触し、紹介会社などの挟まずに採用する「ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)」型の採用は増えてきています。
企業が求職者にスカウトメールを送ることのできるサービスも増えてきていますので、アプローチ方法がないわけではありません。
理系学生に接触できている企業とできていない企業の違いは、そのようなサービスを使うか、使わないか、です。
2.2.給料や待遇の良さ、企業としての業績をアピールする
もし給料や待遇が平均よりも良く、業績も安定しているのであれば、それを外に発信しないのは勿体無い話です。
これは採用の場面だけアピールすればいいのではありません。
普段の会社の広報、ブランディングを見直してみるべきでしょう。
部品メーカーなどのBtoB企業で、世界トップシェアを誇っていたり、東証一部上場企業であったりしても、その存在を知らない学生は多いのです。
就活にあたって業界研究・企業研究をして知るという学生も多いのですが、理系学生の場合は就活に時間を割きづらいため、そこまで業界研究・企業研究ができるとは限りません。
BtoC企業や財閥系などの以前から知っている企業からの内定を獲得してしまえば、そこで就活を終えてしまい、あなたの会社を知らずに終わることもあるのです。
まずは理系学生の就職先の候補にあがるように、普段から会社の情報を外に向けて発信していきましょう。
2.3.理系学生が研究内容をアピールできる場を設ける
熱心に研究に取り組んでいる理系学生にとって、研究内容の領域にはある種の愛着があります。
そのため就職してからもその分野に関わりたい、今までの知識や経験を活かせる仕事に就きたいと考えやすいのです。
そこで企業が行うべきことは、理系学生が研究内容をアピールできる場を設けることです。
面接の場で聞くのはもちろん、エントリーシートの項目に研究に関する質問を盛り込んでおきましょう。
「どのような研究をしているのか」「その研究を行う社会的意義は何か」「なぜあなたはその研究を選んだのか」などを聞くことで、企業側はその理系学生の考え方や論理的思考力をみることができますし、学生側は企業に興味を持たれていると感じることができます。
さらに理系学生と企業のミスマッチも防げます。
もし理系学生の研究領域とはまったく異なる分野の事業を行っている企業だとしたら、研究内容について話をしても学生と面接官の話が合わないことが起こりえます。
理系と一口にいっても分野は様々あるからです。
しかし、同じ領域や関連領域であれば話が通じないということはありませんし、むしろ話が盛り上がることもあるでしょう。
そうすれば理系学生側に「自分の知識や経験がこの会社なら活かせるかもしれない」と興味を持ってもらえるチャンスになります。
2.4.特定層向けの説明会や交流会を開催する
先ほども申しましたが、理系と一口にいっても分野は様々、ニッチな領域もあります。
そのため、文系・理系に関わらず一緒に行う説明会や理系向けに行う説明会以外に、もう少し対象者の範囲を狭くした説明会や交流会を開きましょう。
例えば「特定の分野についての研究者」「リケジョ」などの層に絞るのです。
やはり同じ境遇にいる人同士で集まれば話も合いますし、理系学生側も自分と同じ層にいる先輩を参考にしやすいです。
「文系で学生時代は経営学部経営学科で、営業職や事務職を5年続けている先輩社員」よりも「理系で学生時代は同じ領域の研究に取り組み、研究職や技術職を5年続けている先輩社員」や「理系で同じ女性で、理系職や技術職を正社員として5年続けている先輩社員」の方が、理系学生にとって「もしかしたら5年後、自分はこんな風になっているのかもしれない」とその会社で働くことを想像しやすいのです。
就活生向けの説明会だけでなく、1、2年生を対象にした交流会などを開くことで、就活前に会社を知ってもらう機会にもなります。
2.5.社員の出身校や研究室との繋がりをつくる
企業自ら動いて新たな理系学生との接触方法を確立することも重要ですが、従来からある学生の獲得チャネルを強化しておくことも重要です。
何故なら、やはり最初に理系学生がエントリーするのは「知っている(存在を認知できている)企業」だからです。
社員の出身大や研究室との繋がりをしっかり築けているでしょうか。
卒業以来、大学や研究室と疎遠になってしまう人もいます。
大学や研究室との繋がりを社員個人に任せていると地方転勤や海外転勤によって距離が遠くなってしまうタイミングで疎遠になってしまうこともあり、折角の可能性を潰してしまうことになりかねません。
社員個人が大学や研究室のOB・OGとして繋がっていることは望ましいことですが、企業の人事・採用担当者側で社員の出身大・出身研究室を把握し、企業としての繋がりを持てているのか見直しを行うべきでしょう。
もし繋がりが構築できていない、弱いのであれば、出身の社員の力を借りながら関係構築を進めていくべきです。
大学や研究室との繋がりができれば、理系学生の1年間のスケジュール・忙しさがどの程度かという情報を手に入れやすく、いつアプローチすべきかタイミングが分かりやすくなります。
3.理系学生を採用するためにおすすめの媒体
理系学生を採用するためのポイントをご紹介しましたが、そのうちの1つとして、企業側から積極的にアプローチするべきであると述べました。
ではどのようにしてアプローチするのか。
理系学生採用のための媒体は様々ありますが、その中でもスカウト機能のある採用媒体を選ぶべきでしょう。
今回は理系学生採用におすすめの採用媒体を2つご紹介します。
3.1.LinkedIn(リンクトイン)
LinkedIn(リンクトイン)といえば中途採用向きではないのか、と思った方もいるかもしれません。
確かにLinkedIn(リンクトイン)は既に就職してその分野で実績を積んできたプロフェッショナルと関係を構築するためのSNSですが、最近では学生への普及が進んでいます。
実際に日本ではLinkedIn社が有名大学でセミナー開いて登録を勧めており、東大や京大、東工大、早稲田、慶應などの大学の学生が利用しています。
LinkedIn(リンクトイン)にはスカウト機能があるので、登録しているプロフィールの情報によってターゲットを絞り、スカウトメールを送ることができるのです。
もちろん海外の理系学生にも接触できますので、海外採用を行う企業にもおすすめです。
※関連記事:
LinkedInで新卒の学生を採用する方法を解説
3.2.LabBase(ラボベース)
LabBase(ラボベース)は理系学生の採用に特化した媒体です。
企業からのスカウトありきのサービスですので、忙しい理系学生には最適な就活手段で、現在登録学生を増やしており全国の理系学生の4人に1人が登録しています。
理系学生の採用に特化しているため、学生が登録するプロフィールの項目も理系用になっており、研究概要や研究の意義などを登録する項目が設けられています。
スカウトメールは平均で約20%という高い返信率で、1社につき2名のコンサルタントがついてスカウトをサポートしてくれます。
すでに日本の理系学生に広まりつつあり、今後理系学生の就活ではLabBase(ラボベース)を使って当たり前、という日がくるかもしれません。
※関連記事:
理系学生の採用ならLabBase(ラボベース)!全国の理系学生4人に1人へアプローチ可能!
4.ダイレクトソーシングで理系学生を採用しよう!
なぜ理系学生の採用が困難であるのか、理系学生の採用のポイントやおすすめの採用媒体をご紹介しました。
これからの時代は待っていても理系学生を獲得できません。
積極的に動いて理系学生を採用していきましょう。
そして理系学生の採用にはダイレクトソーシングがおすすめです。
- ダイレクトソーシング型の採用は未経験
- 知識やノウハウがない
- 採用ができないで困っている
という方は、ぜひ弊社にご相談ください。
新卒理系採用も含め、弊社ではさまざまなダイレクト採用メディアの比較検討から運用支援までを行う事業を専門としています。
弊社の新卒採用向けサービスにご興味がある方は以下フォームからPDF資料のダウンロードが可能です。
また、中途採用の事例にはなりますが弊社のサービス導入事例も公開しております。
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竹村 朋晃
株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。
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