面談・採用ピッチ資料15個を分類し、作り方を考えてみました

更新日:2021年11月12日(金)

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安井

株式会社ダイレクトソーシングの安井です。
ダイレクトリクルーティングやWantedly、LinkedInなどの普及により、採用にカジュアル面談を取り入れる企業も増えてきました。

この記事では「カジュアル面談をこれから始めたい・既に始めているがどんな風に会社の魅力付けを行えばいいかわからない」という方向け「面談・採用ピッチ資料作成のポイント」を15社の実際のピッチ資料から抽出し・解説したいと思います。

作成した採用ピッチ資料のサンプル

今回調査した内容をもとに、弊社でも面談・採用ピッチ資料のサンプルを制作しました。 後述の分類に当てはめると「バランス型」で、自社の全ての情報に対して網羅的なつくりとしました。 面談を行う候補者の属性によって見せる情報をカスタマイズしつつ、今後実際に使用していく予定のものです。 下記フォームからダウンロード可能ですので、参考になれば幸いです。

1.面談・採用ピッチ資料の目的とメリット

そもそも、なぜ最近面談・採用ピッチ資料を用いる企業が増えたのでしょうか。

それは、カジュアル面談を実施する企業が増えてきたことに起因します。

カジュアル面談において重要なのは「候補者が自社に合うかを見極める」ことではなく「候補者体験を重視する」ことと「会社の魅力を伝える」ということです。
以前弊社が主催した「ダイレクトリクルーティングメディア大集合」のセミナー内でも似た話題が出ておりましたのでリンクを記載しておきます。
【イベントレポート】エンジニア採用の難しさをエンジニア特化型メディアが語る

この「会社の魅力を伝える」というテーマについて、100%の自信がある!という方はなかなかいないのではないかと思います。
もし自信がある方でも、他の人事部メンバーや現場の方が面談を実施する際でも同じクオリティで会社の魅力付けをできているかというと不安・・・という方もいると思います。

そんな状況の中で、採用ピッチ資料・面談ピッチ資料を用意することでカジュアル面談の「質の担保(平均化)」と「仕組み化」ができるため、結果的に面談の準備にかける時間も削減でき、カジュアル面談から面接応募への移行率が上がる、といった面をメリットに感じ取り入れる企業が多いようです。

2.<結論>面談・採用ピッチ資料作成に含めるべき内容と作成フロー

先に、15社の採用ピッチ資料を読み解き浮かび上がってきた内容を結論としてまとめておきます。
実際に様々な会社の面談・採用ピッチ資料実例をご覧になりたい方は面談・採用ピッチ資料15選とその特徴(クリックで記事下部へ移動します。)をご覧ください。

2-1.面談・採用ピッチ資料作成に含めるべき内容

まず、ピッチ資料にどんな内容を含めるべきか、という点についてです。
ここは正直に言うと、会社によって・また課題によって資料内で重視するべきポイントが変わってくるので、後述する資料作成フローに沿った設計をしっかり行うのが最適解です。

ただ、複数の面談・採用ピッチ資料を読み込む中で共通していた項目・重要度の高そうな項目を抽出すると以下のようになりました。

  • 自社について
    存在目的・意義(なんのために存在している会社か/MVV)
    会社概要、事業・サービス概要
    組織図
  • マーケットについて
    マーケット動向
    自社の立ち位置や強み・課題・戦略
  • ポジションについて
    概要、取り組んでいる課題
    メンバー、チーム構成や特徴
    応募要件
  • その他について
    自社の強み・魅力、競合優位性
    カルチャー、福利厚生 等
  • 今後の選考フローについて

ただ、これもあくまで一例のため、やはり自社の魅力や中身に沿った内容にするという点を第一指標としてください。

2-2.面談・採用ピッチ資料の作成フロー

①詳細な目的の設定

現状の課題に対し、何を解決するための資料か、という目的を詳細に設定します

②カジュアル面談を行うターゲット像(ペルソナ)の設計

カジュアル面談の通過率をあげたいターゲットはどんな方なのかを明確にします。
この工程は、実際にカジュアル面談を行う方・人事部・実際に募集するポジションの方等複数人ですり合わせをしながら行うのが理想的です。
またそこから、そのターゲットはどんな情報があれば自社に興味を持ってくれそうなのか、という部分も明確化します。

③コンセプト・候補者体験の設計

資料のコンセプトを考えます。
自社の情報の中でも、総合的かつ最終的に伝えたいことはなんなのか、ポイントを絞って設計することが大事です。

また、カスタマージャーニーならぬキャンディデイトジャーニーの設計を行います。
福利厚生に魅力度の高い制度があるならその情報を出すタイミングを最も印象深そうなタイミングにするなど、候補者に対してどんな気持ちの段階を踏んでもらうのか、というところから資料作成のベースとなる情報・構成を精査していきます。

④資料制作

実際の資料制作を行います。
上記のフローまでで設計した内容を元に「魅力付けをする」ことをベースに資料作成を行っていきましょう。

⑤※効果検証・アップデート

資料の作成・運用開始後、実際に効果があったかどうかを検証し、資料のアップデートを行っていくのも大切です。
アジャイル的な思想に沿って言えば、上記のサイクルを常に回せるようにするのもよいでしょう。
効果検証のための情報収集方法としては、カジュアルな雰囲気であれば面談の最後などに資料のフィードバックをもらうのも良いです。
面談後にアンケートをとる・もしくは資料を使った面談で入社まで繋がったメンバーがいるのであれば率直に意見をもらうなど、状況にあった情報収集をしましょう。

3.面談・採用ピッチ資料15選とその特徴

他社の面談・採用ピッチ資料を読み解く中で、いくつかの傾向があることがわかってきました。
それは全ての情報を網羅的に組み込んでいるわけではなく、むしろ最もアピールしたい情報に比重を偏らせた作りにしている企業が多いということです。

資料の中で力を入れているポイントから、目的別に各社資料を分類してみました。(各社が発表しているものではなく、あくまで僕が読み取った情報をもとにしたものです)

A.カルチャーアピール型

A-1.株式会社SmartHR

  • 自社の成長の歴史を詳細に伝え、今後の事業成長も見込める点をアピール
  • 福利厚生(特に給与・報酬系)の充実具合を説明
  • 自社の主要なカルチャーを解説

主に以上のような流れで構成されています。
「自社カルチャーを誰の目にも魅力的に映るように」というよりは「個性あるカルチャーを前面に押し出すことでカルチャーマッチ度の高い人を採用したい」といった意図を感じます。

A-2.サイボウズ株式会社サイボウズ会社紹介資料 Ver.2019.8 from Cybozu, Inc.)

前半部分は後述の「市場価値アピール型」に近いですが、バランスとしては後半のカルチャーや働き方に関しての内容に重きをおいている印象です。
中長期的な企業への興味付けとともに、すぐに応募したいと思わせるような魅力付けができるハイブリッド型とも言えるでしょう。

A-3.dely株式会社

カルチャーを前面に押し出しつつ、エンジニア採用のために社内の開発環境・開発カルチャーに重きを置く内容となっています。
このようにある程度面談するポジションを絞った状態だと、打ち出す情報の選び方・見せ方を最適化しやすいため、より効果の高い面談資料にすることが出来ます。

B.「想い」への共感型

B-1.株式会社ミラティブ

会社のミッション/想い/やり遂げたいことを最も重視した内容配分で、権威性のある人や経歴を最大活用しています。
「口説く」ことに特化した内容、といった印象で、カジュアル面談での魅力付けに優れた資料です。
また、ミラティブ社はエンジニア向けデザイナー向けの資料もそれぞれ別に用意しています。

B-2.エン・ジャパン株式会社

「面談時の話の流れ」をそのままスライドに起こしているのが印象的です。
次の話題への持っていき方、ストーリーライン自体が全て資料に起こされているので面談者を行う社員の差異に依存しない、優れた平均化が行える資料になっています。

C.市場価値アピール型

C-1.オープンワーク株式会社

Openworkというサービスの成立理由を、需要(課題)とそれに対する解決策、という視点で解説しています。
今後の事業拡大プランも市場における需要の観点から説明しており、福利厚生や技術開発環境などの情報も、対外的にクリーンな環境であることのアピールを主軸に置いているような内容となっています。
会社とサービスがいかに市場における価値があるのか、という点をかなりロジカルに説明しているため、カジュアル面談を受けた候補者は(すぐに選考フローに乗らなかったとしても)ある程度長期的に会社に対して興味を持ち続けてくれる、といったような効果が期待できそうです。

C-2.株式会社エクサウィザーズ

汎用的に使える会社説明資料とエンジニア向けの資料を別に用意している例です。
会社説明資料では「社会課題解決に向けたAI活用」という一貫したメッセージが伝わる作りとなっています。
エンジニア向け資料では「自社におけるエンジニアポジションの詳細と必要性の高さを訴える⇨開発環境の良さをアピールする」という流れになっています。
対エンジニアの場合の面談も含めて、実際の情報やデータで論理的に魅力付けを行っていく、といった志向が見て取れます。

C-3.エムスリーキャリア株式会社

事業の成り立ちを社会背景から説明している点はもちろん、COVID-19による事業への影響を資料に含めているところが特徴的です。
医療業界ならではの視点で興味深いトピックを取り上げています。
業界ごとに取り上げる話題は異なると思いますが、世界の状況や時事的な話題を入れることで「今、あなたのような人材が欲しい」直接的な理由を説明でき、説得力が増します。

D.視覚・デザイン重視型

D-1.株式会社グッドパッチ

開発に携わったサービスや、自社内で撮影・制作した素材をメインに配置したレイアウトにより、視覚的な印象やデザイン性の高さをアピールしています。
株式会社グッドパッチ自体がUI/UXデザイン支援の会社のため、自社で培っているUXデザインの技術などがふんだんに盛り込まれている印象です。
デザイン系の会社の方はもちろん、他業界の面談・採用ピッチ資料制作においてもレイアウトや全体デザインなどの参考にできるかと思います。

D-2.株式会社リチカ

デザインに非常に力を入れた構成・レイアウトであり、資料冒頭に会社のイメージを伝えるような写真スライドを挟んでいます。
内容は後述の会社紹介型に近く、会社の情報を満遍なく分かりやすく伝えています。

D-3.株式会社カオナビ

内容としては「カルチャーアピール型」に近いのですが、一見してわかる統一されたデザイン性が大きな特徴です。
カルチャーを説明する内容と相まって、自社の色・ブランドを伝えやすい資料に仕上がっています。
福利厚生の説明なども含め、個人や働き方の多様性へと対応できる企業、といったような印象を受けます。

E.バランス型(会社紹介型)

E-1.株式会社HRBrain

・会社自体や働いているメンバー
・事業やサービス
・組織体制
・福利厚生
等をバランスよく説明しています。
汎用性が高く、どんな業種・ターゲット層でも参考にできるお手本のような資料です。

E-2.株式会社コンカーコンカーを職場に選ぶ理由(2021年10月版) from Concur Japan)

他の項目で説明している全てのトピックについて漏れなく、かつとても詳細に説明しています。
このタイプの全情報網羅型の資料が作れれば、ターゲットとなる候補者層が複数あったとしても、魅力的に写りそうな箇所を抜き出して使うことも可能そうです。

E-3.GMOペパボ株式会社

デザインとしては最低限でシンプルな仕上がりですが、会社のストレートな情報をポイントを抑えながら説明しており、漏れも無駄もない資料です。
給与などもある程度ハッキリと提示しています。
資料作成にかける工数に対しての、期待される効果が非常に大きい資料と言えます。

E-4.ラクスル株式会社

情報自体は網羅的ですが、特に自社で展開している複数の事業の詳細についてある程度のボリュームを持って説明しています。
複数の事業を説明することで候補者に対して多様なキャリアの可能性を示しており、直接的な興味・魅力付けポイントとなっています。

4.まとめ

以上、参考になる情報が見つかれば幸いです。

また、今回調査した情報をもとに弊社でも採用ピッチ資料を作成しました。
サンプルは以下です。こちらからダウンロードも可能です。

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また、弊社では面談の質向上のための施策、エンジニア採用の支援、ダイレクトリクルーティングの支援などに重きをおいた、人事の方の業務をお手伝いするサービスを行っています。

採用関連での知見不足・リソース不足の場合はぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人

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安井

飲食系ITベンチャーにてマーケティングを担当後、株式会社ダイレクトソーシングに転職。
カスタマーサクセスとしてコンサルティング業界やエンジニア業界を中心にダイレクトメディアを活用した調査・スカウトを実施。
現在は前職の経験とカスタマーサクセスにて顧客との対面で得た知見・市場感を元に、マーケティング業務全般を担当。