【イベントレポート】エンジニア採用の難しさをエンジニア特化型メディアが語る【ダイレクトリクルーティングシフトVol.3】
11月25日(水)、第三回目の開催となった「複数のダイレクトメディアによるトークセッション」。今回はLAPRAS・paiza・forkwellの三社にご参加いただき、成果の出るエンジニア採用手法をテーマにトークセッションを行いました。
「本来競合であるダイレクトメディア同士が協業し、日本におけるダイレクト採用市場の拡大を目指す」ことをミッションに開催しているこのトークイベント。
前回、前々回の開催よりも的を絞った話題を設定したことにより、実務的な知見やかなり具体的な体験を基にした話が飛び交う、非常に有益な場となりました。
エンジニアに限らず、採用で成果を出す上でぶつかるのが「効率化」と「候補者体験」の両立問題。 ここでは、エンジニア採用における困りごとが多く共有されたVol.3の模様をお伝えしたいと思います。
目次
エンジニア特化型メディア3社の大きな特徴
まず初めに、今回ご参加いただいたLAPRAS・paiza・forkwellの三社から自メディアの大きな特徴となるポイントを挙げていただきました。
- LAPRAS
・LAPRASの最大の特徴、ポートフォリオ機能によりメディアに直接登録していないユーザーにもスカウトを送ることができる
- paiza
・ユーザー登録にプログラミングスキルテストを設けているため、すべての候補者のスキルを客観的に評価できる
- forkwell
・平均返信率が高い
・エンジニア勉強会を開催しており、様々なコミュニティを形成している(時には2500人クラスの参加者になることも)
候補者体験と効率化を両立できるエンジニア採用とは?
効率化・候補者体験を追求する中でも、やはり細分化して出てくる問題の解決や根本的な部分での定義付けが必要になってきます。
キーワードとして出たのは以下の5つ。
・なぜダイレクト採用を行うのか
・候補者体験
・効率化
・両立
・選考プロセス
この中で今回特にメインの話題となったのが「効率化」そして「候補者体験」。
まずは候補者体験の確立について各メディアの担当者に話し合っていただきました。
「会社の魅力をどう見せるか」候補者体験の向上について
Forkwell赤川:まず伝えたいのは「カジュアル面談は選考ではない」ということです。カジュアル面談はあくまでカジュアルに会社の魅力などを伝えるターン。会社に強い魅力を感じてもらえれば、その後の選考でもその人が最大のパフォーマンスでアピールしてくれることにつながります。カジュアル面談でいきなり志望理由を聞いてしまうなど、目的を理解していない面談を行ってしまうと候補者体験としては質が落ちてしまうと思います。
LAPRAS二井:候補者体験を分類すると大きく2つに分けられる気がしていて「候補者にネガティブ要素を与えていないか」「アトラクト(自社の魅力付け)ができるか」。この二つが特に重要だと考えています。赤川さんの話も「ネガティブ」の方に分類できると思います。そういう意味では、スカウトを送るという行為自体エンジニアにいい印象を持ってもらえないことが多い。ネガティブに思われそうな部分を最低限まで抑えて、魅力付けの部分にいかに力を入れるかを考えることが良い候補者体験を作る秘訣だと考えています。
paiza有吉:Paizaに登録する方でいえば「転職するために登録する」というよりも「paizaのテストで自分のスキルチェックをしてみたい」って人が多いですね。「スキルチェックしたい」⇒「スカウトが来てうれしい」⇒「じゃあちょっと会ってみようかな」という流れで面談に繋がるケースが多いです。
ただ魅力的なスカウト文を作るには候補者の情報をいかに集めるかも重要だと思うので、LAPRASのポートフォリオ機能で候補者のSNS等から情報収集ができるのは非常に羨ましく思っています。
LAPRAS二井:LAPRASではスカウトを送信する際にLAPRAS側で魅力的な文になっているかクオリティチェックをしています。チェックを続けていてわかったのは、短いスカウト文の中で伝えるべきポイント、抑えるべき個所を精査出来ていない人事担当者の方が意外に多いということです。LAPRASではそこを重点的にサポートすることで成果を上げられるようにしています。
Forkwell赤川:今、日本ではダイレクトリクルーティング黎明期なのでスカウトのノウハウが少しずつ世間に出回って来ている分「あなたのここの経歴に魅力を感じました」という定型文なスカウトが蔓延してきてしまっていて、候補者からも飽きられがちだと感じています。候補者の経歴に言及することも大事ですが、Forkwellで大事にしているのは会社の文化を文章だけでどううまく伝えるか。この点を意識しているかどうかで返信率やその後の候補者の熱意にもつながってくると考えています。
LAPRAS二井:スカウト文作成や面談時を通して大事なのは採用ポジションへの理解です。以前LAPRASに所属していた方が人事・採用担当がエンジニア知識を得るための書籍を出しています。これは本当にいい本なのでぜひ読んでください(笑)
話題に上がったポイントをまとめるとやはり重要なのは要件理解・整理と会社への魅力付けということが見えてきました。
続いて、話題は採用をいかに効率的に行うか、という点に移っていきます。
成果に直結する「採用の効率化」
paiza有吉:ダイレクト採用の工数を効率化していく上では、候補者のサーチとスカウト送信がやはり最も時間的コストがかかりますね・・・ポジションの採用状況や市況にもよりますが、メルマガのようにただ情報を伝えるようなメッセージから開始して徐々にその人個人へのアプローチに繋げていくという手法も勧めています。
LAPRAS二井:LAPRASでは、スカウトを多く打つことは重要ではなく、少ない工数で一人でも多くの人材を採用をすることが効率化だという考えを念頭に置いています。ポジションの要件をより詳細に定義し、ターゲットをより明確にしていくことが、狙った候補者を確実に採ることにつながるという考え。加えて、CTOとかVPoEのような上位ポジションの採用とジュニア層の採用では掛ける工数も変わると思っているので、どこに注力するのかというポイントを常に明確にしていくことが重要だということもよく伝えています。要件定義に関してはこういった記事も執筆しています。それくらい要件定義は本当に重要・・・
Forkwell赤川:Forkwellでは、各会社のカジュアル面談に対するアンケートを匿名でとっていて、4、5名溜まったら会社にフィードバックしています。そういうリアルな声を受けることで、カジュアル面談後の応募率が低い原因を特定し改善することができます。面談する人を誰に設定するかも重要で、例えばカジュアル面談では現場の方に面談に参加してもらって現場感を伝えつつ本選考では人事側でしっかりした会社説明をする等、ポジションごとの面談フロー等の設計・最適化も非常に重要なポイントです。
LAPRAS二井:あらかじめ想定される候補者経歴別に魅力付けのためのストーリーを各ポジションで10個ほど用意しておき、実際の候補者の経歴に合わせてスカウト文を選択できるようにしておく、というのもお勧めしています。工数はかかりますが面談に繋がる率も増加します。
Forkwell赤川:経歴を見てその人のスペックが全く見えない、最適なスカウト文がわからないという場合はまだ要件の整理が甘い可能性があります。各ポジションの知識を増やし、経歴を見た時にその人のスキルが具体的にイメージできるようになると、スカウト送信業務の大きな効率化につながると考えています。
各メディアからのアドバイス
最後に、参加者の方へお三方からエンジニア採用に関するコメントをいただきました。
paiza有吉:今日のお話の中でも何度も出ていましたが、要件の定義・整理はいくら時間をかけてもいいくらい重要。仮にそのポジションの採用がストップしたとしても、似たポジションの理解や次回採用にもつながってくると思うので。あと先ほど出ていたLAPRASさんの本がエンジニア知識を得る上でめちゃくちゃいいです(笑)ちゃんと知識を得るのにすごく役立つ。
Forkwell赤川:要件をしっかり詰めるという話にもつながってきますが、現場のエンジニアとの相互理解が本当に大事です。あとエンジニア系の知識を得る上では弊社のYoutubeなんかもオススメです。
LAPRAS二井:大体皆さんと同じ意見です(笑) 他の方にも本をお褒めいただいたこともあり、人事担当の皆さんの知識・学習の部分を助けていけるようなコンテンツは継続的に出していきたいし、そういった部分でLAPRASに価値を感じていただきたいですね。
まとめと今後のイベント開催について
今回はエンジニア採用に特化したダイレクトメディアの方をお呼びし、リアルな経験に基づいた沢山の知見を得ることができました。今後もエンジニア採用にのみならず、ダイレクトリクルーティングに関する様々なテーマを設けてトークセッションを開催する予定です。気軽に参加できるイベントですので、ご興味があればぜひ次回セミナーにもご参加ください!
また、これまで多くのメディアからお話を伺ってきましたが、どんなメディアを導入するか迷っている方向けに、今回参加いただいたLAPRAS・paiza・forkwellも含めたダイレクト採用メディア20社の比較記事を公開しました。
全てのメディアで、弊社での運用実績を元に比較を行っています。ぜひご一読ください。(かなりのボリュームなので、すでに検討しているメディアを中心に見比べていくという使い方がよいかと思います)
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安井
飲食系ITベンチャーにてマーケティングを担当後、株式会社ダイレクトソーシングに転職。 カスタマーサクセスとしてコンサルティング業界やエンジニア業界を中心にダイレクトメディアを活用した調査・スカウトを実施。 現在は前職の経験とカスタマーサクセスにて顧客との対面で得た知見・市場感を元に、マーケティング業務全般を担当。
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