エンジニア採用
2023.06.14

ITクラウドコンサルタントのダイレクト採用について

ITクラウドコンサルタントについて

ITクラウドコンサルタントとは

ITクラウドコンサルタントとはクラウドコンピューティングに関する知識を持ち、企業に対してクラウド戦略やクラウドサービスの導入、最適化に関する支援を提供する職種です。

システムインテグレーター(SIer)とITコンサルティング企業の違い

システムインテグレーター(SIer)とITコンサルティング企業の違いは、目標が異なる点です。

SIerは顧客の要望に対してシステムを無事に提供することを目指し、一方でITコンサルティング企業はITを活用して顧客の課題を解決することを目標としています。そのため、ITコンサルティング企業では単に事前に決めた計画通りに進むだけではなく、計画や進捗が顧客の課題解決に貢献しているのか、顧客の課題の本質を能動的に考え続けながら業務を遂行する必要があります。

パブリッククラウドとは

パブリッククラウドは、複数のユーザがインターネット経由でアクセスし、共有されたリソースやサービスを利用するクラウド形態のことです。有名なパブリッククラウドとしては、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどがあります。

近年では、コスト面やカスタマイズの容易さから、企業がオンプレミスからクラウドへの移行を検討するケースが増えており、ITクラウドコンサルタントの需要は高まっていると考えられます。また、パブリッククラウドのカスタマイズの容易さから、課題に対する改善を短いサイクルで実施できるため、よりコンサルティング的な視点が求められます。

ITクラウドコンサルタントのダイレクト採用

有効なメディア

ITクラウドコンサルタントをダイレクト採用する際には、有効な採用メディアを検証することが重要です。自社が保有するデータを活用し有効なメディアを検証します。

例として、ITコンサルタントをターゲットにした場合のメディアごとの母集団、返信率、連携率などを表したバブルチャートを以下に掲載しました。

弊社は50万件以上のスカウト配信データを蓄積したデータベースを保有しており、そのデータベースを活用して有効なメディアを選定しています。バブルチャートから読み取ると、BizReachが母集団数において有効であり、LinkedInが返信率において有効であることが分かります。

※実際の運用では、クライアントごとやポジションごとにメディアの選定を行う必要がありますが、今回は大まかな傾向を紹介するために掲載しました。

スカウト対象業界別の訴求ポイント

ITクラウドコンサルタントを直接採用する際、対象業界別の訴求ポイントを以下にまとめました。

ITコンサルティング業界アプリケーション開発業界SIer・システム開発業界
企業例・アクセンチュア株式会社
・デロイトトーマツコンサルティング合同会社
・LINE株式会社
・株式会社サイバーエージェント
・株式会社メルカリ
・富士通株式会社
・日本アイ・ビー・エム株式会社
・野村総合研究所
スキル傾向幅広い規模や業種の顧客を対象に、IT戦略の観点での業務経験が豊富パブリッククラウドを活用した最先端のインフラ環境に精通し、モダンな知識を持っている大規模企業や公共機関へのシステム提供経験がある(業種特化のニーズを持つ事が多い)
訴求ポイント競合他社へのスカウトにより、業務内容は大きく変わらないため、待遇面での優遇を訴求ポイントにする必要有モダンな知識を活かして、幅広い規模や業種の顧客のIT課題に対応できるため、社会貢献性が高い点IT戦略の観点から多様な顧客に対して、業務遂行する事が出来る点

※実際の運用では、クライアントごとやポジションごとにスカウト戦略を詳細に練りますが、今回は大まかな傾向を紹介しました。

用語解説

ITクラウドコンサルタントをダイレクト採用する際に知っておくべき用語を、ITコンサルタントの職位、パブリッククラウドの用語、パブリッククラウドの資格の観点から紹介します。

ITコンサルタントの職位

ITコンサルタントの職位の簡単な説明をまとめました。

職位業務概要
パートナー・ディレクタービジネス戦略の策定とビジョンの構築を行い、新規ビジネスの開拓やクライアントの獲得に取り組みます。プロジェクトが開始された場合には、プロジェクトの責任者として戦略的な指導と方向性の決定を行います。
シニアマネージャー・マネジャープロジェクトの計画と実行の統括を行います。クライアントとの関係構築からプロジェクトの進捗状況と予算の管理などを担当します。
シニアコンサルタントチームリーダーまたはプロジェクトリーダーとして、プロジェクトのタスクの管理や作業を行います。この職位から、プロジェクトに対しての実作業を担当します。
コンサルタントプロジェクトのタスクに対する作業を担当します。個人に対してタスクが割り当てられることも多く、期限内での実施が求められます。
ビジネスアナリストプロジェクトのタスクに対するサポートとして、上位職のメンバーから与えられた作業を行います。

ただし、企業ごとに職位が担当する業務は異なる場合がありますので、これらはあくまで目安として考えておくべきです。どの職位にアプローチするかを検討する際には、その企業の状況や求められる役割に応じて判断することが重要です。

また、一般的にはマネージャー以上が管理業務に従事し、シニアコンサルタント以下が実作業を担当する傾向があります。この点を意識しながら候補者を探すと、目指す層に対してより効果的にアプローチ出来ます。

パブリッククラウドの用語

各パブリッククラウド毎の主要サービスをまとめました。

基本的に、パブリッククラウドを使用したインフラ構築の経験者は、サーバー、ネットワーク、データベースなどの分野に特化せず、多くの観点から経験していることが多いです。ただし、候補者の中には、各パブリッククラウドでどのようなサービスを使用し、どのような作業を行ったのかを詳細に記載している場合もあります。そのため、各パブリッククラウドの用語について把握しておくと、候補者への理解がスムーズになります。

AWSAzureGCP
仮想マシンサービスEC2 (Elastic Compute Cloud)Azure: Virtual MachinesCompute Engine
ストレージサービスS3 (Simple Storage Service)Blob StorageCloud Storage
データベースサービスRDS (Relational Database Service)Azure SQL DatabaseCloud SQL
仮想ネットワークサービスVPC (Virtual Private Cloud)Virtual NetworkVirtual Private Cloud (VPC)
アクセス権限サービスIAM (Identity and Access Management)Azure Active DirectoryCloud Identity and Access Management (IAM)
マイクロサービスAWS LambdaAzure FunctionsCloud Functions

 

上記の用語を踏まえて、以下の3つの経歴を参照してみましょう。

以下はAWS業務経験者の経歴例です。

 

AWSの各種クラウドサービスの設計、構築、および運用に従事しました。 EC2インスタンスのプロビジョニングと管理、S3バケットの設定、RDSデータベースの展開などを担当しました。 クライアントの要件を分析し、最適なAWSアーキテクチャとソリューションを提案しました。

AWS環境を用いたプロジェクトにおいて、設計、構築、運用の経験があることが分かります。

EC2、S3、RDSなどの仮想マシンサービス、ストレージサービス、データベースサービスを幅広く経験されたことが示されています。

 

グローバルなエンタープライズクライアント向けに、AWSのソリューションアーキテクチャを設計および導入しました。 大規模なアプリケーションの移行をAWSで実施し、マイクロサービスアーキテクチャおよびコンテナ化を推進しました。 Lambda関数を使用したサーバーレスアプリケーションの設計と実装を行いました。

AWS環境を用いたプロジェクトにおいて、設計と導入業務の経験があることが分かります。

また、マイクロサービスアーキテクチャ、コンテナ化、サーバーレスアプリケーションなどの用語から、モダンなアプリケーション開発を経験された可能性が予測されます。

 

AWSのセキュリティベストプラクティスを遵守し、セキュリティインフラストラクチャの設計と監視を担当しています。 VPCの設計とネットワークセキュリティの実装、IAMロールの管理、セキュリティグループの設定など、AWSセキュリティサービスを活用しました。 セキュリティインシデントの対応および脆弱性スキャンといったセキュリティ関連のタスクにも携わっています。

AWS環境を用いたプロジェクトにおいて、セキュリティ業務の経験があることが分かります。

特に、IAM(認証サービス)、脆弱性スキャンなどの用語に加えて、VPC(仮想ネットワークサービス)の設計などネットワークに関連する用語が含まれているため、幅広い観点から業務を実施されていた可能性が予測されます。

パブリッククラウドの資格

各パブリッククラウドごとの主要な資格をまとめました。

それぞれのパブリッククラウドには、さまざまな難易度や種類の資格があります。以下の情報を把握することで、候補者のスキルを理解する手助けになります。

AWSAzureGCP
初級Cloud PractitionerAzure FundamentalsAssociate Cloud Engineer
中級Solutions Architect – Associate
Developer – Associate
SysOps Administrator – Associate
Azure Administrator Associate
Azure Developer Associate
Azure Security Engineer Associate
Professional Cloud Architect
Professional Cloud Developer
Professional Data Engineer
上級Solutions Architect – Professional
DevOps Engineer – Professional
Security – Specialty
Machine Learning – Specialty
Azure Solutions Architect Expert
Azure DevOps Engineer Expert
Azure Security Engineer Associate
Professional Cloud Network Engineer
Professional Cloud DevOps Engineer
Professional Cloud Security Engineer

 

また、資格の難易度を把握することで、経験と比較した際に、候補者のキャリアステップの推測ができます。

以下は推測の例です。

  • 経験が少ないが、中~上級資格を所持

->その分野に対して極めたい・モチベーションが高い

  • 経験が多いが、初級資格を所持しているのみであり、他資格所持 or 他技術経験あり

->その分野に対して極めたいというより、様々な分野を極めたい or 他分野に関心がある

まとめ

このブログでは、ITクラウドコンサルタントをダイレクト採用する際の様々なノウハウを紹介しました。ただし、これはあくまで一部の内容であり、実際のダイレクト採用では、より詳細なデータを元に戦略を練り、運用を実施する必要があります。

このブログを通じて、ダイレクト採用の奥深さを理解いただければ幸いです。

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木村 圭太

木村 圭太

大学卒業後、某大手人材グループ会社(担当:IT運用エンジニア)、某大手外資系コンサル会社(担当:IT運用コンサル)での経験を経て、株式会社ダイレクトソーシングにカスタマーサクセスとして入社。これまでに培ったIT知識を活かして、クライアントのダイレクト採用支援に従事している。

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