エンジニア採用
2023.02.08

エンジニア採用の課題と10の解決策について解説

エンジニアの採用がうまくいかず、悩んでいる企業は少なくないでしょう。
採用活動を成功させるには、自社のどの部分がネックとなっているのかを見極めて、具体的な課題を見つけだす必要があります。

この記事では、エンジニア採用でなぜ課題が生まれるのかを明らかにした上で、採用活動で失敗しやすい企業の特徴を洗い出していきます。
そこから、課題解決のためにどのような施策を取ればよいのか、10の方法から解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

エンジニア採用で生まれる課題の背景

エンジニア採用で課題が山積みになってしまうのは、現在の日本社会の状況や目まぐるしい技術革新など様々な背景があります。
このような原因から把握しておくことで、課題の解決策を講じやすくなるはずです。

背景①:人口減などを原因とした人材不足

日本は少子高齢化による人口減の時代に突入しており、2040年には1億1,092 万人、2053年には1億人を割ると試算されています。

※参考:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 29 年推計)」

そのなかでも若年人口の減少は著しく、すでにIT人材は将来的な人手不足が試算されています。
経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査(経済産業省)」によれば、2030年には最大で78.7万人の人材不足に直面する可能性が指摘されているのです。

IT人材需給に関する調査

しかも、エンジニア職はフリーランスとして働きやすい職種であり、優秀な人材が採用市場へ現れにくい特徴もあります。
ヒューマンリソシア株式会社が2021年に発表した「2021版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.4 ~93カ国のIT技術者数まとめ」によれば、現状で日本のITエンジニア人口は122万人と試算されており、さらに株式会社Brocanteが2022年に発表した「ITフリーランス人材及びITフリーランスエージェントの市場調査」によれば、ITフリーランス人口は23.1万人と試算されています。

ITフリーランス人口のすべてがエンジニアを指すわけではないにしても、ITエンジニア人口のうちでフリーランスが占める割合は、決して少なくないと考えられます。

これらのような背景から、エンジニア職は慢性的に需要に対して供給が追いついておらず、採用が困難な状況に陥っているのです。

背景②:エンジニアの職種・スキルの細分化

一口にエンジニアといっても、専門とする分野・領域はどんどん幅広く、細分化されています。

例えば、インフラ系やシステム開発といった大きな分類があり、そのなかでもセキュリティやネットワークなどの専門分野があります。
さらには、活用するプログラミング言語も異なるため、採用活動にあたって人材要件を設定するのも一苦労です。

さらに近年でもAIを扱う「AIエンジニア」が新しく生まれるなど、職種の拡大が進行しています。

こうした背景から、人事担当者に専門的な知識がないと、自社の課題解決にはどのエンジニアが必要なのかも把握できないわけです。
このマッチングの難しさは、エンジニア採用の大きな課題といえるでしょう。

背景③:採用側の知識不足

上で解説した「エンジニアの職種・スキルの細分化」は、応募者の選考も困難にさせています。
採用側の知識が追いついていないため、候補者のスキルや経験を正しく評価することができないのも大きな課題です。

どのような業務を担ってきたかを確認しても、適切な知識がなければ、その業務の難易度やスキルの希少性も把握できません。
面接時にも踏み込んだ質問ができないため、優秀な人材を見抜くのが困難になります。

また、人材・スキルの価値や希少性を理解できていないと、適切な条件を提示できません。
提示する条件が採用市場に見合っていなければ、人材の確保はほぼ不可能といえるでしょう。

参考記事:エンジニア採用が難しい理由|失敗の原因や重要ポイントを解説

エンジニア採用に失敗してしまう企業の特徴

エンジニア採用に失敗してしまう企業には、どのような特徴があるのでしょうか。
自社の状況と照らし合わせて、改善を図るきっかけにしてみましょう。

人材要件が定まっていない

エンジニアの採用に限ったことではありませんが、どのような人材を採用したいかが細かく定まっていないと、採用活動は上手くいきません。

解決してほしい課題や任せたい仕事から、どの程度のスキル・経験を有している人材を採用するか明確に定めないといけません。

しかし、エンジニアの職種やスキルは幅広く、かつ細分化されており、自社の課題と必要な人材を結びつけるのが難しくなっています。

極端に例えると、英語を話せる人材が必要なのに、中国語の読み書きしかできない人材を採用してしまうようなミスマッチが起きやすいのが、エンジニア採用なのです。

エンジニア人材への理解不足

エンジニア採用に失敗する理由として、エンジニア人材への理解不足が挙げられます。

エンジニア職は業界を問わず人手不足に陥っており、複数の企業が一人の求職者を奪い合う「売り手市場」となっています。
企業側は魅力的な待遇を提示して人材獲得に励まなければいけませんが、エンジニア人材への理解が浅いとミスマッチが生じてしまいます。

例えば、エンジニア人材への理解が不足していると、給与水準に合っていないスキルレベルを求めてしまうなどの失敗を招きます。
市場価値をしっかり把握できていないと、条件面での不一致を招くわけです。

エンジニア人材がどの程度の給与水準で、会社に対して何を求めているかなどを調べていき、理解を深めていきましょう。

ひとつの採用手法に頼りきっている

ひとつの採用手法しか用いていない企業も、採用活動に失敗しがちです。
とくにエンジニアの採用においては、「待ちの採用」だけで優秀な人材を獲得するのは非常に困難になっています。

その理由として、エンジニアの市場価値の高さが挙げられます。優秀な人材のもとには、企業からのスカウトやエージェントからの提案がいくつも届き、自発的に動かなくても求職活動が行えます。

つまり、求人広告を掲出するだけでは、求職者の目に留まる可能性は低いのです。
求人サイトに求人広告を掲載するオーソドックスな手法だけでは、十分な母集団形成は期待できないでしょう。

自社の従業員のコネクションを活用するリファラル採用や、SNS・採用サイトを活用した情報発信など、様々な採用手法を駆使して人材を求めていく必要があるのです。

エンジニア採用での課題を解決するための施策

エンジニアを採用するためには、多くの課題があります。
これらを解決するために必要な10つの施策を紹介していきます。

現場との連携

エンジニア採用にあたってまず行うべきは、現場との連携です。

エンジニアへの理解は、一朝一夕で深まるものではありません。
「いま自社に必要なのはどのようなエンジニアなのか」「採用市場での価値はどの程度なのか」など、本職である現場のエンジニアに確認して、疑問を解消していきましょう。

面接に参加してもらうだけでなく、人材要件の設定段階から参加してもらえるよう、担当者を選任するとよいでしょう。

現場との連携を密にすれば、現場が求める人物像と人事・経営層が求める人物像が食い違うことも防げます。

人材要件を明確にする

現場との連携を取り付けたら、人材要件を設定していきます。
人材要件を明確にすれば、書類・面接での選考の効率が上がり、採用後のミスマッチのリスクも減少します。

知識の浅い人事部だけで人材要件を作成すると「○年以上の経験」といった抽象的な条件を設定しがちで、母集団のなかでも能力差が生じてしまいます。

現場の声を反映して、必要なプログラミング言語やドキュメント(要件定義や設計書)の作成経験など、具体的な条件を設定しましょう。

採用市場と採用ターゲットの比較

人材要件を明確にして採用ターゲットが定まったら、採用市場との比較を行ってみましょう。
具体的には「求める人材を採用するのはどの程度難しいのか」「自社が提示できる給与面などの条件で採用できるか」などを確認します。

もし、採用するのが難しそうであれば、採用ターゲットの人材要件を緩める必要があります。
例えば、経験の浅い人材を候補に入れて、育成を前提として採用するのも打開策のひとつでしょう。

人材の補充を急がなければならないのであれば、給与面などの条件を向上できるよう、経営層へ相談しなければいけません。

採用手法の検討

採用ターゲットが定まったら、採用手法を検討します。採用手法にはそれぞれ長所と短所があるため、採用ターゲットに見合った手法を選ぶ必要があります。

例えば、なかなか採用市場に現れないようなハイクラス人材を求めるなら、ダイレクトリクルーティングなどの「攻めの採用」が欠かせません。
求人媒体へ広告を掲載するより、独自のデータベースを持つ人材紹介会社へ依頼するほうがマッチした人材に出会える確率は上がるでしょう。

また、社内にセミナーや交流会に参加しているエンジニアが多く、紹介を期待できるのであれば、リファラル採用の制度を整えるのがおすすめです。

このように、社内の状況や採用コストなどを考慮して、最適な採用手法を選びましょう。

スキルチェック行程の見直し

専門職を採用する場合、スキルチェックの難易度が向上します。
しかし、候補者の能力を見極められないと、採用後のスキル不足やミスマッチなどの原因となるため、一からスキルチェックの行程を見直してみましょう。

例えば、プログラミングやコーディングの実務能力だけでなく、コミュニケーション能力や課題解決力など、業務を進める上で重要となる能力を持っているかも確認しなければいけません。

面接時の質問に現場の声を反映させつつ、外部のスキルチェックサービスを活用するといった試みも重要となるでしょう。

自社の魅力・アピールポイントの整理

「売り手市場」になっているエンジニア採用では、求職者から選ばれるために、自社の魅力をアピールしていくことが大切です。
そのためには、採用ブランディングを推進していく必要があります。

採用ブランディングとは、自社の強みや魅力を発信して、ブランド化を目指す施策のことです。
「この会社で働きたい」と思ってもらえるような環境を整え、それを積極的に宣伝していく試みです。

独創的な社内ルールや福利厚生があればよいですが、なかなかそのような特徴をもつ企業ばかりではありません。
まずは同業他社と比較したときの自社の特色をまとめ、求職者に響くアピールポイントとして推し出していきましょう。

面談の導入

近年、求職者との理解を深めあう目的で、カジュアルな形式で面談を実施する機会が増えています。

面談は面接とは異なり、基本的に選考には含みません。会社の雰囲気や設備を体感してもらったり、お互いの疑問点を解消したり、双方の印象をより具体的にするのが狙いとなります。

お互いに対等な立場で条件面やスキルなど確認し合えるため、後々のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

スピード感をもった採用活動

エンジニア採用で非常に重要となるのが、スピード感をもった採用活動です。
具体的には、レスポンスや日程調整の迅速化などが挙げられます。

「売り手市場」のエンジニア採用では、優秀な人材ほど複数社からの内定を獲得します。
選考に時間がかかれば、その間に他社に奪われてしまう可能性が上がるわけです。

また、迅速なレスポンスは候補者の心証を良くするうえでも役立ち、スピード感のある組織という印象も与えられます。

あらかじめ人材要件を明確にしておき、現場や経営層とのあいだで意志統一を図っておくことで、選考もスムーズとなります。
候補者からの問い合わせに対しても、迅速に返信を行うことも重要です。

働きやすい環境作り

エンジニアを採用するためには、働きやすい環境を作り、エンゲージメントが高い企業でなければいけません。

優秀なエンジニアは複数社から内定を得る可能性が高いため、「この会社で働きたい」と思ってもらえるような環境でなければ、内定受諾には至りません。

リモートワークや副業の認可といった多様な働き方を選べるよう、制度を整備しておきましょう。
また、パソコンのスペックやインターネットの通信速度など、業務を行ううえで快適な環境を整えることも大切です。

雇用形態にこだわらない

エンジニア採用においては、週5日勤務の正社員雇用にこだわらず、柔軟な形態で人材を確保する姿勢も必要となるでしょう。

IT人材のなかにはフリーランス志向を持つ人材が一定数いるため、正社員を目標とした求職活動を行わない層がいます。

こうした人材を取り込むためには業務委託も視野に入れる必要があり、雇用形態に固執しない採用活動も必要となってくるでしょう。

エンジニア採用で活用すべき採用手法

従来のような求人広告を掲載するだけの採用活動だけでは、エンジニアの採用は行き詰まってしまうでしょう。
ここでは、活用すべき採用手法について解説していきます。

リファラル採用

リファラル採用とは、社員や社外の関係者から候補者を紹介してもらう採用手法です。
求人広告や人材紹介会社を通さずに人材と出会えるため、採用コストを抑えるメリットがあります。

またリファラル採用は、友人・知人から直接紹介してもらえるため、採用市場に出ていない希少な人材に出会える可能性もあります。

自社のエンジニアからの紹介であれば、スキル面でのミスマッチの恐れも少なくなるので、エンジニア採用を推進する際は積極的に活用すべき手法といえるでしょう。

参考記事:リファラル採用とは?目的や効果的な採用方法、コツまで完全網羅

採用サイト

採用サイトとは、求職者向けに特化した企業ホームページのことです。
企業のホームページは、主に顧客向けに作成するものであり、求職者が求める情報は不足しがちです。

情報不足はミスマッチに直結し、採用活動の遅延や早期離職の原因となるので、web上で理解を深められるサイトが必須となるのです。

また採用サイトは、採用ブランディング構築の中核としても機能します。
社員インタビューや福利厚生の紹介、一日の仕事の流れなどを掲載することで、入社後の姿がイメージしやすくなり、入社意欲を高める効果が期待されます。

採用サイトは、他の採用手法の精度を高める副次的な存在にもなるので、積極的に整備を進めていきましょう。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に対して積極的にアプローチを行い、人材の獲得を目指す採用手法です。
その方法は、人材データベースからのスカウトやSNSを通じたアプローチなど様々です。

エンジニア採用でダイレクトリクルーティングを活用すべき理由として、潜在層へのアプローチが挙げられます。

まだ積極的に求職活動を行っていない潜在層にアプローチをかけることで、他社を出し抜いて優秀な人材を獲得できます。
競争が厳しいエンジニア職の採用を目指すうえでは、大きなアドバンテージとなるでしょう。

まとめ

エンジニア採用の課題は、社会的な背景を起因として生じているため、しっかりと対策を講じていくしかありません。

ただ、その対策は決して不可能なものばかりではありません。
社内の協力を取り付けて、環境整備や新しい取り組みを積極的に導入していけば、自ずと採用活動の成功率も向上していくでしょう。

なかでも求める人材に直接アプローチ可能な「ダイレクトリクルーティング」は、エンジニア採用においても非常に注目されている採用手法です。

弊社は「ダイレクトリクルーティング支援専門企業」として、過去50万件・全20媒体のソーシングデータを用いて、ダイレクトリクルーティングを最短ルートで成功させるためのサポートを行っています。

エンジニア採用に有効なダイレクトリクルーティングに関して「まず何をすべきか分からない」「効率的な運用・少ない工数で成果を得たい」「既に行っているが課題や悩みがある」といった方は、ぜひ以下の「問い合わせフォーム:無料」から気軽にお問い合わせください。

エンジニア採用にお困りの方はこちらから

45分の気軽な相談会を
開催しています

野溝

野溝

前職で採用担当・コンテンツディレクターを経験後、株式会社ダイレクトソーシングのWebマーケティング担当に転職。 これまで数多くの採用関連コンテンツに携わり、特にエンジニア、スカウト関連のコンテンツに強みを持つ。

関連記事