業界地図の「次」に開く地図|会社ではなく「人」で企業を見る | 株式会社ダイレクトソーシング
就活攻略ガイド
2026.07.21

業界地図の「次」に開く地図|会社ではなく「人」で企業を見る

STUDENT
学生向けキャリア記事|LSCM — LinkedIn Student Career Media
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LSCM編集部 ・ 読了目安 5分 ・ 監修:株式会社ダイレクトソーシング(日本初のLinkedIn公式パートナー)

業界地図の正しい使い方は、隅々まで読み込むことではなく、「気になる業界を3つに絞る入口」として30分で3周することです。そして業界が絞れたら、次に開くべき2枚目の地図があります——社員の経歴、つまり「人の地図」です。この記事では、業界地図の30分の使い方と、そこから人の地図へつなぐ4ステップを解説します。

業界地図は「地形図」——できること、できないこと

最初に言っておくと、業界地図(『会社四季報 業界地図』など)は素晴らしい本です。約180の業界について、主要プレーヤー、シェア、企業同士の関係、そして業界の「天気」(成長か縮小か)が見開きで俯瞰できる。日本の産業の全体像を1冊で掴める地形図として、これに勝るものはありません。知らない業界に出会うための道具として、就活の最初に開く1冊はこれでいい。

ただし、地形図にはできないことがあります。そこを歩くあなたの「ルート」は描かれていないのです。半導体業界が成長していることは分かっても、文系のあなたがその業界のどの会社で、何年目に、何をしているかは1行も載っていません。これは業界地図の欠陥ではなく、役割の違いです。地形図に登山ルートを求めてはいけない。ルートは、もう1枚の地図に載っています。

就活で使う2枚の地図の比較:業界地図は地形図で業界の全体像が広く浅く見える、人の地図はルート図で入社後の道が狭く深く見える

業界地図の正しい使い方:30分で3周

地形図の使い方は「精読」ではなく「周回」です。合計30分、3周してください。

1周目全ページをぱらぱらめくる(15分)

読まずに、めくります。目的は「こんな業界があったのか」という出会いです。名前も知らなかった業界、思ったより大きい業界、意外な会社がトップの業界——引っかかったページに付箋を貼るだけ。1ページ5秒でいい。

2周目付箋のページだけ深読みする(10分)

付箋を貼った業界だけ戻って、今度はちゃんと読みます。業界の天気(成長・縮小の矢印)、主要プレーヤー、海外との関係。ここで「気になる業界」を3つまで絞ります。3つで十分です。あとで変えていいので、いまの直感で選んでください。

3周目主要企業を15社メモする(5分)

絞った3業界のページから、企業名を5社ずつメモします。コツは、知っている会社だけでなく「名前を初めて見た会社」を必ず入れること。業界地図の相関図には、テレビCMを打たない優良企業がたくさん載っています。ここが知名度就活から抜け出す分かれ道です。

「次の地図」:人で企業を見る

ここからが本題です。手元に15社のリストができたら、業界地図を閉じて、LinkedInを開きます。各社の社員を2〜3人ずつ、経歴を読む——キャリアの地図読みです(やり方の全手順は別記事にまとめています)。全体の流れはこうなります。

業界地図から人までの4ステップ:業界地図を30分で3周して3業界に絞る、主要企業15社をメモ、社員の経歴を読んで5社に絞る、志望動機とToDoに変換

実例をひとつ。業界地図で半導体業界の成長を知った文系の学生がいたとします。地形図の段階では「でも理系の業界だよな」で終わりがちです。ところが半導体商社の社員の経歴を読むと、経済学部→国内営業3年→海外営業→シンガポール駐在という線が普通に出てくる。「文系でも半導体業界で海外に出るルートがある」——この発見は、業界地図を100回読んでも出てきません。業界の天気は地形図で、自分の道はルート図で。2枚セットで初めて、企業研究は「自分ごと」になります。

DS

採用側も、実は同じ2段階で動いています。市場(業界の伸び)を見て採用計画を立て、そのあとは徹底的に「人」を見る。学生の企業研究が業界地図で止まるのは、家を買うのに地価マップだけ見て、内見をしないようなものです。面接で私たちが「お、調べてるな」と感じるのは業界シェアを暗唱する学生ではなく、「御社の◯◯さんのような道を歩きたい」と人の名前で語る学生です。
監修:株式会社ダイレクトソーシング(日本初のLinkedIn公式パートナー・300社以上の採用支援)

よくある質問

Q業界地図は就活でどう使えばいいですか?
A

精読ではなく30分で3周します。1周目は全ページをめくって気になる業界に付箋(15分)、2周目は付箋のページを深読みして3業界に絞る(10分)、3周目は主要企業を15社メモする(5分)。そのあと社員の経歴を読む「人の地図」に進みます。
Q業界地図は毎年最新版を買うべきですか?
A

できれば最新版が望ましいですが、入口として使うなら1〜2年前の版や図書館のものでも十分です。業界の顔ぶれは1年で激変しません。細かいシェアの数字より、業界との出会いに使うのが本来の役割です。
Q業界地図だけで企業研究は足りますか?
A

足りません。業界地図で分かるのは業界の全体像と会社の位置(地形)で、入社後に自分が歩く道(ルート)は載っていません。社員の経歴をLinkedInで読む「キャリアの地図読み」を重ねて、初めて志望動機に変換できます。
Q1〜2年生が業界地図を読む意味はありますか?
A

あります。低学年の30分3周は「知らない業界と出会う」効果がいちばん大きく、その後の履修・バイト・インターン選びの視野が変わります。就活が始まってから開くより、ずっと得です。
Q業界地図を読んだあとは、何をすればいいですか?
A

メモした15社の社員をLinkedInで2〜3人ずつ読みます(キャリアの地図読み)。経歴の共通点からルートが見えたら、志望動機と「今の学年でやること」に変換して動き出します。

地図で見つけた会社の「中の人」と、話せます。

LinkedIn Student Career Week(LSCW)は、グローバルで事業を動かす企業の人事・現場社員と学生が1対1で話せる無料イベントです。業界地図で出会い、経歴を読んで気になった会社を、今度は生身の人で確かめてください。春・秋はオンラインセッションで説明会も聞けます。


▶ キャリアの地図読みとは?社員の経歴から逆算する企業研究の方法
「2枚目の地図」の読み方・5ステップ全解説|6分


▶ LinkedInの「同窓生」機能の使い方|同じ大学の先輩を探す方法
15社リストの中に先輩がいないか、まず確認|4分


▶ 「英語を使う仕事がしたい」の解像度を上げる方法
「人で見る」を英語×仕事に適用した実践例|5分

LSCM — LinkedIn Student Career Media 編集部
日本初のLinkedIn公式パートナー・株式会社ダイレクトソーシングが運営。企業側の採用実務の知見をもとに、学生がキャリアオーナーシップを持つためのLinkedIn活用を発信しています。LinkedIn Student Career Week(LSCW)主催。

出典・注記:『会社四季報 業界地図』は東洋経済新報社の出版物です(収録業界数は版により異なります)。本記事は同書の活用法をLSCM編集部の視点で紹介するもので、同社とは無関係です。「キャリアの地図読み」はLSCM編集部による企業研究フレームの呼称です。本文中のルート例は複数事例をもとにした架空の構成です。2026年7月9日公開(2028卒版・毎年更新)。


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竹村 朋晃

竹村 朋晃

著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
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2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。

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