キャリアの地図読みとは?社員の経歴から逆算する企業研究の方法
学生向けキャリア記事|LSCM — LinkedIn Student Career Media
LSCM編集部 ・ 読了目安 6分 ・ 監修:株式会社ダイレクトソーシング(日本初のLinkedIn公式パートナー)
キャリアの地図読みとは、会社ではなく「人」を調べる企業研究の方法です。憧れの働き方をしている社員をLinkedInで見つけ、その経歴を現在から新卒まで後ろ向きに読み、3人分重ねてルートの共通点を掴み、いまの自分との差分をToDoに変換する——所要は1社あたり約1時間。IRや四季報を開く前に、まず人の歩いた道を読む。この記事はそのやり方の全手順です。
目次
なぜ「会社」ではなく「人」を調べるのか
従来の企業研究は、会社を調べます。事業内容、売上、社風、福利厚生。もちろん大事です。でも、それを全部調べても分からないことが1つだけあります——「入社したあなたが、何年目に、何をしているか」です。就活で本当に知りたいのは会社の姿より、その中での自分の道のはず。そして道は、IRにも四季報にも載っていません。載っている場所がたった1つあります。実際にその道を歩いた社員の経歴です。
会社情報や求人票は、ある瞬間の「点」です。それに対して人の経歴は、新卒から現在まで続く「線」。点をいくら集めても道にはなりませんが、線は最初から道です。LinkedInには、その線が本人の署名つきで公開されています。地図読みは、この公開された線を読む技術です。従来の企業研究を捨てる必要はありません。ただ、開く順番を変えてください。人が先、会社が後です。
地図読みの5ステップ
STEP 1目的地を1人決める(10分)
「この会社に入りたい」ではなく、「この働き方いいな」と思える社員を1人見つけます。探し場所は3つ。気になる会社のLinkedInページから社員一覧、大学ページの同窓生タブ、キーワード検索(例:「マーケティング 駐在」)です。役職の高さで選ばないでください。憧れの基準は「地位」ではなく「日々やっていそうなこと」です。
STEP 2経歴を後ろから読む(10分)
プロフィールの職歴を、現在から新卒まで遡って読みます。「何年目に、どの部署で、何をしたか」を1行ずつメモ。前から読むと物語に見えますが、後ろから読むと「目的地に着くには何が必要だったか」の必要条件リストに見えてきます。これが逆算です。
STEP 3分岐点をマークする(5分)
経歴の中で道が曲がった場所——異動、転職、留学、資格取得、大きなプロジェクト——に印をつけます。分岐点は、その人がキャリアオーナーシップを発揮した瞬間です。会社に運ばれたのか、自分でハンドルを切ったのか。ここを読み取れると、その会社が人をどう育てるかまで見えてきます。
STEP 43人分重ねる(30分)
同じ目的地(似たポジション・働き方)の人を、あと2人読みます。1人の経歴はエピソードにすぎませんが、3人重ねると共通点が浮かびます。たとえば「海外拠点のマーケター」を3人読むと、国内営業→マーケ異動→駐在、代理店→事業会社に転職→駐在、新卒グローバル採用→駐在と、経路はバラバラ。それでも全員が「国内で数字を持った経験」を通っていた——この共通点が主要ルートです。
STEP 5差分をToDoに変換する(10分)
主要ルートと、いまの自分の間にある差分を書き出します。英語、データ分析、営業経験、その業界の知識。そして差分を「今の学年でできる行動」に落とします。2年生なら長期インターンで数字を持つ経験、3年生ならその職種のインターン応募。地図読みの出口は感想ではなく、来月の予定です。
地図読みが効く3つの場面
効果 1志望動機が変わる
「御社の事業に共感しました」は誰でも言えますが、「◯◯さんのような、入社5年目で海外案件を持つ道を歩きたい。そのために△△を始めています」は、調べた人にしか言えません。
効果 2OB訪問の質問が変わる
経歴を読んでから会えば、「仕事のやりがいは何ですか」ではなく「3年目の営業からマーケへの異動は、手を挙げたんですか」と聞けます。相手の目の色が変わる質問です。
効果 3ミスマッチが減る
憧れのポジションまでのルートが自分に合わないと分かるのも、立派な収穫です。入社後に知るより、ずっと安い授業料です。
監修:株式会社ダイレクトソーシング(日本初のLinkedIn公式パートナー・300社以上の採用支援)
よくある質問
地図の登場人物に、直接会える日があります。
LinkedIn Student Career Week(LSCW)は、グローバルで事業を動かす企業の人事・現場社員と学生が1対1で話せる無料イベントです。経歴を読んでから会うと、質問の質がまるで変わります。「あなたの3年目の異動は、手を挙げたんですか」——地図読みの成果を、そのままぶつけてください。春・秋はオンラインセッションもあります。
あわせて読む
▶ LinkedInの「同窓生」機能の使い方|同じ大学の先輩を探す方法
目的地の人を見つける、いちばん確実な入口|4分
▶ 「英語を使う仕事がしたい」の解像度を上げる方法
地図読みを「英語×仕事」に適用した実践例|5分
▶ 【2028卒版】学生のためのLinkedIn完全ガイド
まだ登録していない人は、まずここから30分|6分
日本初のLinkedIn公式パートナー・株式会社ダイレクトソーシングが運営。企業側の採用実務の知見をもとに、学生がキャリアオーナーシップを持つためのLinkedIn活用を発信しています。LinkedIn Student Career Week(LSCW)主催。
出典・注記:「キャリアの地図読み」はLSCM編集部による企業研究フレームの呼称です。手法・採用側の視点は監修者(株式会社ダイレクトソーシング)の採用支援実務に基づきます。本文中のルート例は複数事例をもとにした架空の構成です。公開プロフィールの閲覧はLinkedInの利用規約の範囲で行ってください。2026年7月9日公開(2028卒版・毎年更新)。

45分の気軽な相談会を
開催しています
竹村 朋晃
著者プロフィール 竹村 朋晃(Tomoaki Takemura)
株式会社ダイレクトソーシング 代表取締役CEO
▶︎ LinkedInプロフィールを見る
2005年に野村総合研究所に入社。大手損害保険会社のシステム設計・開発に従事し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。 2015年、ダイレクトソーシングの可能性に着目し、株式会社ダイレクトソーシングを創業。データドリブンな採用を軸に、候補者データの構造化、スカウト改善、タレントプール構築などを通じて、累計500社以上の採用支援を行う。 2017年よりLinkedIn公式パートナーとして、日本企業へのLinkedIn活用を支援。2025年には「LinkedIn Student Career Week」を主催し、5,000名超の学生と40社超の企業をマッチングさせるなど、イベントプロデュースでも実績多数。 「Stand Alone Complex Society(個が独立し共創する社会)」の実現を掲げ、採用における価値創造を追求している。 趣味はウェイクボードとテニス。お台場在住。技術と営業を横断する“ハイブリッド人材”として、採用の進化に挑み続けている。
関連記事