採用ノウハウ
2022.09.22

ダイレクトソーシングとは?

こんにちは。株式会社ダイレクトソーシングCEOの竹村です。
今回は、そもそも「ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)」とは何か?についてお話します。

「ダイレクトソーシング」とは何か?

ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)とは、「企業の人事担当が自ら候補者を検索し、直接メールを送り、採用につなげる採用手法」のことを指します。
日本では、キャリア採用というと、リクナビNEXTや、マイナビ転職などの「求人メディア」、リクルートキャリアやDODA人材紹介サービスなどの「人材紹介」を指すことが多い印象です。実際、企業のキャリア採用のほとんどが求人メディアと人材紹介を利用しています。
一方、アメリカでは、求人メディアや人材紹介は採用経路の2割程度で、候補者からの「自主応募」「リファーラル(アルムナイ)」「ダイレクトソーシング」の3つで8割を占めます。そのため、採用単価も日本の1/10程度と言われています。
そのため、「ダイレクトソーシング」は新たな採用手法として注目を集め、実施を開始する企業が増えてきています。
【採用経路日米比較】
採用経路日米比較

「ダイレクトソーシング」と「ダイレクトリクルーティング」の違いとは?

ダイレクトソーシング(Direct Sourcing)の語源から考えると、「Soucing」とは、「調達」や「確保」という意味があります。
したがって、ダイレクト採用のプロセスである「人材発掘(検索)」→「スカウト送付」→「面談・面接」の中で、「人材発掘」の部分を「ダイレクトソーシング」、「ダイレクト採用のプロセス全体」を「ダイレクトリクルーティング」ととらえるのが一般的です。
ただし、実際には、厳密には使い分けはされておらず、「ダイレクトリクルーティング」=「ダイレクトソーシング」としてほぼ同じ言葉として利用されています。

「ダイレクトソーシング(Direct Sourcing)」と「ダイレクトリクルーティング(Direct Recruiting)という言葉を最初に言い始めたのは、LinkedInとビズリーチです。

  • 「ダイレクトソーシング(Direct Sourcing)」という言葉を使うのは、LinkedIn(リンクトイン)
  • 「ダイレクトリクルーティング(Direct Recruiting)」という言葉を使うのは、Bizreach(ビズリーチ)

従来の採用手法とは何が違うのか?

それでは、従来の採用手法とは何が違うのでしょうか?これまでの採用手法について考えていきましょう。
一般的には、「求人メディア」や「人材紹介」は受身の採用。「ダイレクトソーシング」は攻めの採用といわれます。候補者からの応募をまつ「求人メディア」では、そもそも応募がなければ採用につながりません。「人材紹介」では、エージェントからの紹介がなければ応募がありません。そのため、企業の知名度が低かったり、ポジションの魅力がなかったり、給与レンジが低い場合、そもそも応募はきませんし、エージェントからも積極的な紹介は見込めません。
そのため、緊急でオープンしたポジションを早急に充足させるのは至難の業。採用計画を立てても、そもそもが他社任せのため、自らコントロールすることもできません。さらにいうと、将来の採用のために人材をプールすることもできないため、ポジションオープンのたびに、1から採用をスタートする必要があるのも問題です。
そこで、こういった課題を解決するために登場したのが「ダイレクトソーシング」です。

【守りの採用】

  • 人材紹介会社や求人媒体
  • マッチした候補者が来るまで待つ

【攻めの採用】

  • ビズリーチ、LinkedIn、Wantedlyのメディアを利用
  • 企業が候補者に直接アプローチ

ダイレクトソーシングのメリットとは?

ダイレクトソーシングとは、「企業の人事担当が自ら候補者を検索し、直接メールを送り、採用につなげる採用手法」を指します。
したがって、自分自身の力で採用をコントロールすることができます。いわば攻めの採用です。求人要件にマッチした候補者を人材データベースの中から見つけ出し、自らメールを送り、採用につなげることで、他社に頼ることなく、自社の力で採用につなげることが可能です。
さらに、日々メールを送り続ければ、「メールを送ったら何%で返信が来るか?」などのデータが蓄積されますので、リクルートプロセスの全工程でのボトルネックを把握し、改善していくことが可能です。たとえば、「1000通送れば、100人と面談し、10人採用」などのデータがわかれば、採用計画を充足させるためには「どのくらいの工数が必要か?」までが明らかになってきます。
また、メールでお声がけして、「現在は転職のタイミングではない」と候補者から言われた場合でも、人材プールとしてフォローアップを続けることで、将来の人材を確保することも可能です。
結果的に、「ダイレクトソーシング」を企業の採用戦略に組み込みことで、企業の長期的な「採用力」を高めることができます。

【メリット】
・採用のコントロール
他社に依存することなく、採用をコントロールできます。
例えば、急遽埋めなくてはいけないポストが発生した際に、迅速に埋めることができます。

・コスト
人材紹介を利用した場合、採用毎に成果報酬費を支払う必要がありますが、
ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)の場合は成果報酬が発生しないため、
採用人数が増えれば、一人当たりのコストは大きく下がります。
(※成果報酬が発生するダイレクトメディアもありますので注意が必要です)

・質
必要なスキル・経験から候補者をターゲティングし、スカウトするので、
人材紹介経由では出会うことのできない候補者にアクセスが可能です。

・退職率の低下
人事が自らスカウトし、カジュアル面談を通して双方の理解を深め、納得して応募してもらうため、
入社後に「話が違う」「文化があわない」等のミスマッチを下げることができます。

・人材プールの構築
人材紹介を利用した場合、企業と候補者の直接的なつながりを構築することはできません。
一方、ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)では、「今は転職タイミングではない」といった候補者と、
直接的なつながりを作れるため、企業の長期的な「採用力」を高めることができます。

ダイレクトソーシングのデメリットとは?

ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)は、必ずしも夢のような採用手法というわけではありません。
企業によっては、「全然うまくいかない」「結果が出なくてやめた」といった声をきくこともあります。
ダイレクトソーシングのデメリットをまとめると以下のようになります。

【デメリット】
・人事の時間的コスト
様々なダイレクトメディア(ビズリーチ、Wantedly、LinkedIn等)にログインし要件にあった候補者を発見しメッセージを送る。
返事があったら、返信対応をし、日程調整後、カジュアル面談をする。
これをデイリーワークとして、日々リアルタイムで実施する必要があります。
忙しい人事が、これまでのワークフローの中にダイレクト採用という業務を組み込むと、
かなりの労働負荷がかかります。

・採用プロセスの最速実施の必要性
ダイレクト採用では、候補者の温度が冷めないうちに、リアルタイムで返信し、
できるだけ早くに面談をセットアップする必要があります。
返信があってから内定までのプロセスを最長でも1ヶ月で終わらせる方が結果がでます。
しかし、実際は現場面談との日程調整等でかなりの時間がとられ、候補者の温度がさがり、
結果的に採用につながらないケースがよくあります。

・候補者へのフォローの必要性
人材紹介では、候補者のフォローやプッシュを実施してもらえますが、
ダイレクト採用では、人事が自ら候補者フォローをする必要があります。
しかし、なかなかフォローまで手が回らず候補者を取り逃がしてしまうことがよくあります。

・現場との要件すり合わせの必要性
人材紹介がもつデータベースとは違い、ダイレクト採用では巨大な人材データベースの中から人を探します。
したがって、現場との人材要件のすり合わせでは、かなり細かく経験やスキルをヒヤリングする必要があります。
そのためには、現場と同水準の知識が必要になり、ヒヤリングに苦戦するケースがよくあります。

・自社の認知度(ブランディング)の必要性
ダイレクトメディアによっては、企業の認知度が低い場合でも返信率が高いメディアがあります。
しかし、やはり相対的に見て、認知度を高めないと、高い返信率を得ることはできません。
場合によっては、社員紹介ページの充実や企業文化の発信、オウンドメディアの構築などの
施策を実施する必要があります。

ダイレクトソーシングで成功する会社。失敗する会社。

ここまで話すと「よいことばかりで、すぐにでもはじめるべき!」と思うかもしれませんが、実際のところ、うまくいく会社もあれば、失敗する会社もあります。
その違いはなんでしょうか?ダイレクトソーシングを成功させるためには、大きく分けて3つのポイントがあります。

ソーシングの質
〇求人要件にマッチした候補者を見つけ出す技術力

メール返信率
候補者の心をギュッとつかむライティングの技術力

面談の質
候補者に「ぜひこの会社で働きたい」と思わせる営業力

なかでも、3番の「面談の質」は重要です。
従来型の採用手法である「人材紹介」では、エージェントが貴社の魅力を伝え、候補者視点で転職ニードを引き出し、面接でのポイントを伝え、採用までのプロセスを丁寧にアシストしてくれます。しかし、「ダイレクトソーシング」では、企業の人事部がエージェントに代わって、候補者側にたち、内定承諾までをアシストする必要があります。「評価する立場」としてのふるまいではいけません。それにもかかわらず、まだまだ多くの企業では「転職への熱意を感じない」とか「志望動機が弱い」などで評価してしまいます
新卒採用と違い、キャリア採用では「スキルがマッチするか、アンマッチか?」で評価するべきで、内定か、見送りかも、スキルマッチの観点で、候補者と同じ目線に立って採用プロセスを進むべきです。

みんなは隠しているが、、、ダイレクトソーシングで失敗する本当の理由、、

ここまで、ダイレクトソーシングのポイントを3つほど解説しましたが、実際のところ、8割以上の会社がこの理由で失敗しています。
それは、、、「そもそもメールを送っていない」
これが最も多い、本当の理由です。信じられないかもしれませんが、「年間契約して、メール通数を購入して、そのまま放置し解約」というパターンが非常に多いです。実際多くの企業の方に、なぜうまくいかなかったかを聞くと、「そもそも送っていないので、うまくいくかどうかすらわからなかった」と言われます。
たまにお客様に、「ダイレクトソーシングを実施して、成功している事例としてベンチャーが多いのはなぜですか?」と質問を受けますが、その本当の理由は、「ベンチャーは少ない予算の中でダイレクトメディアと契約しているので、ちゃんと頑張って送っているから」。それだけなんです。

すごく面白い、ダイレクトソーシングの世界を体験してみよう!

まだ触ったことがない方は、実際にLinkedInをはじめとする様々なダイレクトメディアをさわってみることをお勧めします。求人メディアや人材紹介よりも非常に安価に導入できます。
また、各社の営業担当者とあって、実際の画面を触らせてもらえば、さらにイメージが具体的にわかるでしょう。
ダイレクトソーシングは本当は非常に面白いんです。「自分の会社にあった方は誰かな?」と思いながら、人材データベースの中で人を探していくと、だんだんと自社の求人要件も整理されてきますし、どういった会社が自社にあうか、など具体的なペルソナが頭の中でイメージされてきます。
そして、「この人にぜひ会いたい!」と思いお声をかけ、実際に会い、面接に進み、入社した時の喜びは他には代えられない喜びです。本来リクルーターの仕事の喜びとは、自ら発見した候補者が入社し、会社で大活躍することだと思います。こんな仕事の本質を体験できる採用手法としても、ぜひ「ダイレクトソーシング」の導入をお勧めします。

ダイレクトメディアについて、どういったメディアがあるのか気になる方は、ぜひ以下からダウンロードしてください。

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。

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