人事担当者が知っておくべき、候補者とエージェントのコミュニケーション(前編) ~初回面談って何話すの?~
みなさんこんにちは!株式会社ダイレクトソーシングのKです。
人事の皆さんが日々選考されている候補者は、どのようなルートで応募されましたか?会社のホームページを見て、転職サイトで見つけてなど「自分で探して」応募された候補者もいれば、人材紹介のエージェントに紹介されてなど「他人に言われて」応募した候補者もいるのではないでしょうか。
「自分で探した」候補者はなんかしらの理由で興味を持ってくれたんだなと察しがつきやすいですが、「他人に言われた」候補者はなぜ応募したのか、不明瞭なことはありませんか?
そもそも候補者って、人材紹介のエージェントとどのようなやりとりをしているのだろう…?
そこで、今回は私のエージェント時代の経験をもとにブラックボックスになりがちな候補者とエージェントのコミュニケーションシリーズを前編、後編に分けて赤裸々にお送りしたいと思います。候補者はどのように転職活動を開始し、エージェントとどんな会話をし、選考に来ているのか?この裏側を知って頂くことで、候補者の離脱防止や円滑な選考にお役立て頂ければ幸いです。
まず「初回面談」について、とある候補者の事例をもとに時系列に沿ってお送りします。
事例)新卒で入社した会社で5年営業を務め、グループリーダーも経験しているAさん(30歳)。今の業務に物足りなさを感じ、よりハードな環境で自分を成長させたいと漠然と考えていました。
●エージェント登録~面談前
興味のある会社はいくつかあるけど、自分の知らない良い会社もあるかもしれない…と思い、Aさんはエージェントに登録することにしました。とあるエージェントに登録すると、早速初回面談を案内する電話が。日程調整が完了し電話を切ると、面談前のヒアリングメールが届きます。質問項目は「転職理由」「希望年収」「希望勤務地」「希望入社日」「併願企業」「家族は転職活動を知っているか」…と様々。Aさんはこのメールを面談までに返信し、転職への自分の希望を整理しました。
※現在、有料職業紹介事業所数だけでも19,000社を超えており、候補者は複数のエージェントを使うことも多々あります。その為候補者が自社エージェントから離脱しないよう、登録段階でも登録時に即時に企業を紹介するメールを送信する、登録までの手間を減らすなど、各社様々な施策を実施しています。
参考URL:厚生労働省 平成28年度職業紹介事業報告書の集計結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000200901.html
●面談開始!
いよいよ面談当日、面談場所を訪れたAさん。事前にヒアリングメールを返信したおかげで、エージェントは事前にAさんの希望に合致すると思われる企業を数社ピックアップしていました。(もしヒアリングメールがなかった場合、エージェントはAさんの希望を予測してピックアップします。)しかし求人票を見る前に、エージェントは転職理由についてAさんと会話を重ねます。「どのような点に物足りなさを感じますか?上司や同僚との関係はどうですか?Aさんがイメージする『ハードな環境』とはどのようなものですか?…」
複数の角度からの質問に答えるうち、Aさんは自分の本音に気づきます。実は上司やその上層部に意見をいいにくい環境が嫌だったんだと。
その話をふまえ、エージェントは1枚の求人票を取り出しました。
「風通しの良さ、Aさんのおっしゃるハードな環境がこのB社にはあると思います」
本音が見えた分、Aさんはその会社をとても魅力的に感じました。
そして転職活動で実現したいことの優先順位(業務内容なのか、組織体制なのか、年収なのか、勤務地なのかなど)を整理し、いつまでに転職したいかという見通しのすり合わせも行います。
面談が終わる頃には漠然としていた転職活動のイメージもクリアになり、Aさんは今後のスケジュールを確認して帰途に就きました。
●面談終了後
面談終了後、すぐにエージェントからB社の求人票と会社情報が届きました。Aさんは早速選考を受けてみたいと思い、B社への応募依頼をエージェントに伝えます。
ここで初めて、B社の人事にエージェントからの連絡が来るのです。
この事例はKのエージェント時代のエピソードですが、先述の通りエージェントは現在19,000社を超えており、面談の手法も多岐にわたっています。
中にはエージェントが候補者の人生設計を一緒に行い、そこから転職に必要な要素を割り出していくというユニークな手法もあります。
エージェントにとっては、この初回面談でどれだけ候補者の本音を引き出せるかが、その後の離脱を防ぐ重要なポイントです。
●まとめ
人事の皆様には、ぜひ日頃から信頼できるエージェントには求人情報や会社の最新情報をお伝えしておくことをお勧めします。なぜなら、それらの情報によりエージェントの脳内に会社情報がインプットされ、初回面談で会話に出る頻度が多くなるためです。そして候補者にとっても最初に聞く企業情報は印象に残りやすいため、応募獲得に繋がりやすい傾向があります。AIなど様々なテクノロジーが進化していますが、エージェントはまだまだその脳内データベースによる紹介が多いのが現状です。
さて次回はシリーズ後編、候補者とエージェントのコミュニケーションについてお伝えしていきたいと思います。
お楽しみに!
後編記事はこちら:
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竹村 朋晃
株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。
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