在宅勤務中の人事が今やっておくべきこと
在宅勤務中の人事の皆さん、今こそやっておくべき事、把握できていますか?
みなさんこんにちは!株式会社ダイレクトソーシングの小野です。
コロナの世界的流行により、日本でも緊急事態宣言が出され、企業活動に大きな影響を与えています。
外出自粛、3密を避けての生活など、今までとは違う過ごし方が必要です。
仕事も同様に、できることならテレワークに移行して自宅で仕事をしましょう、ということになっていますよね。
しかし人事の場合、人を扱う業務であるからこそ、テレワークでは進められない仕事もあって頭を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
前回お伝えした、「人事が在宅勤務をする上で必要な5つの基本ツール」のようにツールを使って自宅でも仕事ができるように工夫することが大切です。
しかし、ツールの導入は1社員では決定できないことが多く、なかなかテレワーク環境の構築が進まないという人事の方もいると思います。
人事だけでなく、他の部署でもテレワークに必要なものがあればそれを購入したいと思っており、しかし予算は限られていますから、わがままは言えないんですよね。
そこで今回は、普段のように通常の業務ができない中でも、在宅勤務中だからこそ人事がやっておくべきことをまとめてみたいと思います。
こんな状況下でも意外とやれることはあるのです。
目次
1.在宅勤務中の人事が今やっておくべきこと
それでは、在宅勤務中の人事が今やっておくべきことには何があるのでしょうか。
1つずつ見ていきましょう。
1.1.今でもできることと後ろ倒しにすることを分ける
コロナの影響で企業の計画が崩れてしまっています。
となると、人事が関わる各種業務のスケジュールも崩れます。
ツールなどを利用して、在宅勤務中でも遂行できる業務は進められますが、どうしても後ろ倒しになってしまうものも出てくるでしょう。
よって、まずは今この状況でもできること、どうしてもできないので後ろ倒しにすることの2つに業務を分けましょう。
例えば、今年の新入社員の研修ができなくて困っている企業は多いのではないでしょうか。
しかしオンライン会議ツールやeラーニングツールなどを活用すれば、一部の研修は進められるはずです。
ただ、企業によっては専門の機械やツールを使った実地の研修や実技研修などがあれば、在宅勤務中に研修を進めるのは難しいと思います。
そのため、どうしても現時点で困難な研修は、コロナが終息し出社できる状況になってからの実施となります。
そこで、6月に終息したらいつ頃に実施できるか、7月だったら、8月だったら、と仮定して実施タイミングや方法を再検討しましょう。
また、万が一今年中の実施が困難である場合も考え、代替案を考えることも重要です。
このように今できることとできないことに分けることで、崩れてしまったスケジュールの組み直しができるようになります。
また、今できることが明確になれば、不安を抱えている社員も落ち着きを取り戻しやすくなるでしょう。
何もやることがないと不安になりやすく、会社の“人”を扱う人事では、そういった面のサポートもできるといいですよね。
1.2.アフターコロナに向けた用意
次にアフターコロナに向けた用意です。
前述したスケジュールの組み直しによって、例えば研修を通常よりも半分の期間で終わらせないといけないということが分かれば、それ用に研修の教材を用意する必要があります。
スケジュールを組み直したら終わりではなく、それを実現できるように準備することも必要です。
また、このアフターコロナ。
いつの時点をアフターコロナと呼ぶべきかという問題でもありますが、一旦今年の夏ごろに終息したとしても次の冬にまた第二波がやってくる、という意見を耳にしたことはないでしょうか。
もしかしたら一度終息しても、第二波によって再び外出自粛や緊急事態宣言が出るような状況に陥る可能性があります。
実際、スペイン風邪では何回かに分けて感染の波があったそうですね。
つまり、次の流行に備えた用意もしておく必要があります。
現時点では在宅勤務の環境が十分に整えられない企業もいるでしょう。
そして一度国内の流行が落ち着けば、また普段通りの出社ありきの企業運営に戻るはずです。
そこで安心しきってしまうのではなく、次の流行に備えて、そのときには万全の状態で在宅勤務化できるように用意しておく必要があります。
第二波が来なければいいのですが、備えておくことにこしたことはありません。
また、今回のコロナの問題が解決しても、次の新しい感染症が出てきてもおかしくありません。
日本は災害が多いこともあり、感染症だけでなく、そのような緊急事態に備えておくことも必要です。
ぜひ一度、何が不足していて何を今後取り入れていくべきか、整理してみましょう。
1.3.求人票の見直し
この機会に求人票の見直しをしてみましょう。
今までも人材獲得の競争は激しくなりつつありました。
しかしコロナによってさらに厳しくなっていく可能性があります。
今回、すぐに全社テレワーク化できた企業は報道でよく取り上げられていました。
そのような適応力、スピードのある企業は求職者の視点から見て、非常に好ましく見えます。
国や自治体から「外出自粛を。テレワークで仕事を」と言われても、「会社が対応しないから外出したくないけど出社しないといけない」という声があります。
また、そんな出勤せざるを得ない家族を心配する声もあります。
そのような背景から、今回のコロナを受けて、緊急事態時における企業の対応力について、求職者側の求める水準が上がる可能性があります。
今勤めている会社が在宅勤務に消極的で、転職する気持ちが強くなる人もいるでしょう。
また、どうしても社会インフラ維持のために働かなくてはいけない人たちがいますが、負担が大きく別の業種につきたいと思う人も出ているようです。
今回のコロナによって、今後の求職者のニーズや企業の人気度などに少なからず影響が出るだろうと思います。
一方、企業も経営活動が停滞することで業績に悪影響が出ることが予想できます。
採用も今後数年絞っていく企業が出ても不思議ではありません。
企業は企業で、コストを抑えながら、優秀な人材を獲得していこうと、より採用の質が重要になっていくと考えられます。
求職者と企業、双方が厳しく相手を見定めていくことになり、人事の採用力が問われるでしょう。
そのような中で、まず何ができるかというと「求人票の見直し」です。
採用力の向上と言われると、何か新しい媒体を使うとか、人事向けの研修に参加するとか、大きなチャレンジが必要に思えてしまうかもしれません。
確かにそれらも大切ですが、まずはできるところから始めることが肝心です。
求人票は採用候補者が目にする企業情報の中でも始めの方に目にするもので、それで企業に興味を持つかどうか、選考に進むかどうかを決めてしまうことさえあります。
優秀な人材を採用できる企業は、企業自体が採用候補者にとってすばらしいと思える企業になる必要がありますが、すぐに変われるものではありません。
まずはできることから始めるということで、今の状況でも求人票をもっと“伝わる”求人票にできないか、推敲してみましょう。
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求職者に刺さる求人票の書き方とは1.4.新しい採用手法に関する調査やトライ
皆さんはこの世にある採用手法のすべてにトライできていますか。
様々な採用手法がありますよね。
それぞれにメリットとデメリットがあり、企業規模や欲しい人材によって最適な採用手法は変化していくものです。
もしその新しい採用手法を取り入れていれば、採用単価が下がったり、内定率が上がったり、といった恩恵があったかもしれないにも関わらず、普段の業務が忙しく、新しい採用手法に挑戦しようと思っても後回しにしてしまうケースは少なくありません。
他の多くの企業が昔から利用している採用手法に強く依存し、新しい採用手法に挑戦できずにいる企業は、この機会にまだチャレンジしたことのない採用手法について調べてトライしてみましょう。
比較的新しい採用手法で、最近やっと取り入れる企業が増えてきたなと感じるものとして、
- リファラル
- ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)
- アルムナイ
があります。
どれもアメリカでは一般的な採用手法で、採用単価を抑えたい企業にとってぴったりな採用手法です。
リファラルは社員の紹介で新しい人材を獲得する方法で、紹介した社員にはインセンティブがあることから、人事以外の社員を採用活動に巻き込みやすくなります。
実際に会社で働いている社員が「この人はうちの会社に合うかも」と思った人を紹介するため、採用に至った場合の定着率も比較的高くなりやすいです。
ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)は、企業が採用したい人材を見つけて直接声を掛ける採用手法です。
LinkedIn(リンクトイン)やWantedly(ウォンテッドリー)などの、人材探しができる媒体がたくさんあるので、ターゲット層に合わせて媒体を選んで利用し、第三者を介さずに母集団形成から採用までを企業自ら進めていきます。
リファラルと同様にエージェントなどの第三者を挟まないことで、マッチしやすい人材を獲得しやすく、また採用単価を下げることができます。
ただし、すべてを人事が行うため、業務量が多くなりやすく、慣れるまでは負担になってしまうことが多いです。
そのため、今回のように時間が取りやすいタイミングなどに下調べをして試してみることをおすすめします。
アルムナイは、昔働いていた元社員に声を掛けて再雇用するものです。
退職する際に会社に対して悪い感情を持って辞めてしまう人ももちろんいますが、会社に悪い感情は持たないものの、自分のやりたいことを優先して辞めていく人がいます。
そのような人材は、後々、キャリアを重ねていく中でまたあの会社で働きたい、と思ってくれることがあるので、関係を継続させておくことが重要です。
社外で様々な経験を積んで戻ってきてくれるため、社内に新しい風を起こしてくれたり、新しい視点で事業をブラッシュアップさせてくれたりなどのメリットがあります。
採用手法だけでなく、採用媒体でも新しいものが日々誕生しています。
「あれ気になるけど、ちゃんと調べていないんだよなあ」「あの採用手法を取り入れてみたいけど、後回しにしていた」というものがある人は、この機会に是非トライしてみましょう。
2.ピンチをチャンスに!在宅勤務中の人事は今できることをやっておこう
「ピンチをチャンスに」というと使い古されたフレーズですが、実際、ここで何もせずに待ちの状態の企業と、積極的に次に備えて動けている企業では後々差が出てくるでしょう。
急な在宅勤務化や仕事のキャンセルなどで環境が変わりストレスが掛かるものの、自粛生活でストレス発散ができない、という方も少なくはないと思います。
終わりが見えないことは非常に辛いです。
しかし、ここでしっかりとアフターコロナに向けての動きができていれば、きっと未来のの自分が楽になるはずです。
中には、在宅勤務で通勤時間がなくなり以前よりも余裕のある生活ができている人や、予定していた仕事がキャンセルになり時間ができたという人もいるようです。
そのような方は、普段の忙しさで後回しにしていたことを一気に片付ける時間がとれたと思って、是非新しいことにチャレンジしたり調べたりしてみましょう。
日本には「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉があるので、コロナが落ち着いたら以前と同じ働き方に戻ってしまう企業が出てくるのではないかと思います。
ということは、逆に言えば喉元を過ぎてない今こそ、変革のチャンスです。
ぜひ未来の自分たちがより良く働けるよう、今のうちに動いておきましょう。
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竹村 朋晃
株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。
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