記入例付き!求職者に刺さる求人票の書き方とは?コツや注意点も紹介
「効果的な求人票の作り方のコツが分からない
「求人票を作ってみたけど、なかなか応募が来ない」
このように、求人票の作成に関して悩んでいる採用担当者の方もいるかもしれません。
求人票の出来栄えが応募数大きく影響するため、いかに求職者に魅力的に映る求人票を作れるかどうかが重要です。
求人票を作る際には、書き方のコツや注意点があるため、それらを抑えれることで魅力的な求人票を作成できるようになるでしょう。
そこでこの記事ではそんな人事・採用担当者の方に向けて、魅力的な求人票の書き方のコツや注意点を解説します。
本記事を読めば、求職者が応募したくなるような求人票を作ることができ、多くの応募が期待できるようになるため、ぜひ参考にしてください。
➡︎資料の無料ダウンロードはこちら
目次
求人票の書き方の正解はない
最初に言っておきたいのは、求人票の書き方に正解はないということです。
強いて言うのであれば、求めるような人材が応募してくれれば、その求人票は役目を果たした、というくらいでしょう。
求人票はこれが正解、間違い、という観点で見るものではなく、目的(=欲しい人材からの応募を獲得する)を達成できた否か、で見るべきものです。
そもそも正解も間違いもないので「応募が来ないのなら、求人票の内容を変えてみよう」と次に移れる心の持ち方が必要です。
あまり悩まずにまずは書いてみる、そして求職者に見てもらって反応を確認してみましょう。
求人票の良し悪しはひたすら悩んで書かずにいる間に決まるのではなく、求職者に見てもらって初めて分かるもの。
だからといって、求人票は何も制約なしに自由に書いていいものではありません。
求人票に書くべき内容と、逆に書いてはいけない内容、ルールを知る必要があります。
さらに、求人票の書き方についてポイントやコツを知っておいたほうが書きやすいものです。
そこで次章から、「求人票を書くときの必須項目」「伝えたいことが伝わる求人票の書き方」「求人票の注意点」について、詳しく紹介します。
求人票を書くときの必須項目
まず、求人票に必須の項目を把握しましょう。
日本では、厚生労働省により「ハローワーク等へ求人申込みをする際や、ホームページ等で労働者の募集を行う場合は、労働契約締結までの間に労働条件を明示することが必要」とされています。
ここで指す「労働条件」とは、以下の12項目のことです。
- 業務内容(例:一般事務)
- 契約期間(例:期間の定めなし)
- 試用期間(例:試用期間あり(3ヶ月))
- 就業場所(例:本社(東京都港区西新橋1-1-1))
- 就業時間(例:9:00~18:00)
- 休憩時間(例:12:00~13:00)
- 休日(例:土日、祝日)
- 時間外労働(例:あり(月平均15時間)
※裁量労働制を採用している場合は「企画業務型裁量労働制により、~時間働いたものとみなされます」のような記載が必要) - 賃金(例:月給20万円(ただし試用期間中は月給19万円))
※時間外労働の有無に関わらず一定の手当てを支給する制度
(いわゆる「固定残業代」)を採用する場合は、①基本給〇〇円(②の手当を除く額)、②〇〇手当(時間外労働の有無に関わらず、〇時間分の時間外手当として〇〇円を支給)、③〇時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給、といった記載が必要 - 加入保健(例:雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険)
- 募集者の氏名又は名称(例:株式会社ダイレクトソーシング)
- 派遣労働者として雇用する場合はその旨
これらは最低限記載が必要な項目ですので、一部が欠けていてはいけません。
仮に求人票の記載スペースが足りなかったり、やむを得ない理由があったりする場合は、「詳細は面談の際にお伝えします」などを記載したうえで、別途明示する必要があります。
原則として、求職者と最初に接触するときまでに、すべての労働条件を明示すべきとされています。
そのため初回の面談や面接までにメールや書類郵送などで伝えておく必要があります。
求職者に刺さる!伝わる求人票の書き方のコツ
よほどの人気企業でもない限り、ただ闇雲に求人票を書いて募集しても、自社に合った求職者からの応募は期待できません。
それではどのような書き方が望ましいのか、記入例も交えながら求人票を書くうえでのコツを5つ紹介します。
- 業務内容を詳しく記載する
- 資格や実務経験の有無に条件があるなら記載する
- 福利厚生や社風の紹介を入れる
- キャリアパスや変形労働の例を出す
- キ原則、5W1Hを意識する
各項目を意識して求人票を書けば、自社が求める人材のからの応募が見込めるでしょう。
それぞれ解説します。
業務内容を詳しく記載する
まず、求人票を書くときは、業務内容を分かりやすく記載することが大切です。
ただ「一般事務」「営業」などと記載するだけでは、実際にその企業・職種で働いたときのイメージができません。
業務内容を記載する際は、以下の記載例のように具体性を持たせ、その仕事に就いたときの自分を想像しやすい内容にしましょう。
- 「伝票処理や整理、営業部から共有されたデータの入力など、会社全体をサポートし、時には電話や来客の対応などを通じて会社の顔にもなる仕事です」
- 「法人の既存顧客に対しルート営業していただきます。既存顧客の要望や悩みを引き出し解決する仕事です」
ただ、職種を記載するのではなく上記の記載例のように具体性を持たせることで、
「人をサポートするのが好き」
「人の悩みに対して解決策を提案して満足してもらえると嬉しい」
と思っている人に刺さりやすくなります。
また前述した通り、業務内容の都合で体力・筋力が平均よりも高い人に応募して欲しいと思っているケースなどでは、このような具体的な記載が役に立ちます。
たとえば、「ホームセンターの店内スタッフ」を募集する場合の記入例です。
「肥料やペットフードなど重い荷物を上げ下げ、移動してもらうこともあります」と記載があれば、筋力に自身のある人からの応募を得やすくなります。
資格や実務経験の有無に条件があるなら記載する
資格や実務経験の有無に条件がある場合、その旨をきちんと求人票に記載することも重要です。
チームリーダーやマネージャーなどを募集する際は、企業は入社してすぐにそのポジションで力を発揮してもらうことを望んでいるはずです。
そのような際は、資格や実務経験について指定をしましょう。
仮に未経験の人を採用したとしても、採用された人も入社後に対応できず大変です。
年齢制限に近いと思う方もいるかもしれませんが、このような指定は差別にあたりません。
企業と求職者お互いの利益になるので、ぜひ条件を具体的に設定しましょう。
福利厚生や社風の紹介を入れる
求人票に福利厚生や社風の記載は必須ではありませんが、マッチする人材を採用するには非常に大切です。
福利厚生はその企業が従業員を大切にしているのか、どのような生き方をしてほしいのか(セミナーや勉強会参加への補助や健康面でのサポートなどを通してみることができる)という考え方を見ることができます。
さらに社風では、以下のような記載があれば、職場の人とは一定の距離を保ちたいと考えている人は応募しません。
- 「毎月チームで〆会をします」
- 「社員同士で帰りに飲みに行くことが多いです」
面接で担当者や役員と会っても、実際に働く現場の人や雰囲気が分からないため最初から会社の雰囲気を具体的に伝えることが、双方にとってメリットになります。
入社した後に雰囲気が合わないという理由で離職してしまうケースも多く、採用活動が無駄にならないように自社の情報を開示することは大切です。
キャリアパスや変形労働の例を出す
キャリアパスや変形労働の例を出すことも、求人票を書く際に有効です。
これは求人サイトのように記載するスペースがないと、記載しづらいかもしれません。
しかし、その仕事に就いた場合のキャリアパスや時短で働く子持ち社員など変形労働例を示すことで、求職者に働くイメージを持ってもらいやすくなるメリットがあります。
入社数年後、どのように働いているのか、どのようなことができるようになっているのか、モデルケースを示されることでやる気を持ちやすくなるでしょう。
また、自分が希望する働き方が叶わないと思う求職者からの応募を防ぐことにもつながり、結果的に企業と応募者のマッチ度が高まります。
原則、5W1Hを意識する
求人票を具体的に書くには5W1Hを意識するのが大切です。
誰が、いつ、何を、どこで、なぜするのかということを具体化することで、相手に伝わる情報は具体性を持つようになり、イメージしやすくなっていきます。
求人票を書いた人にとっては頭の中で補完されているため分かる表現かもしれませんが、求職者には正確に伝わりません。
求人票は書いたら一度時間を置き、改めて5W1Hを意識して読み直せば改善点が見えてくるはずです。
また、現場社員など第三者に見てもらうなどして、フィードバックや意見をもらいブラッシュアップするのも良いでしょう。
➡︎資料の無料ダウンロードはこちら
求人票を書くときの注意点やNG項目
求人票を書くコツが理解できたところで、最後に注意点やNGポイントについても抑えておく必要があります。
求人票を書くときは、以下の5つの内容を抑えましょう。
- 性別を制限・差別するような内容
- 年齢をを制限・差別するような内容
- その他、人種や出身地域、身体的特徴や障がいなどを差別する内容
- 虚偽の内容
- 権利侵害に関する内容
初めの2つに関しては意識してないと記載してしまう可能性があり、トラブルに発展する恐れもあるので注意が必要です。
それぞれ解説していきます。
性別を制限・差別するような内容
求人票を書くときは、性別を制限・差別するような内容を記載しないように注意しましょう。
例えば、「看護婦」「営業マン」「ウェイター/ウェイトレス」という表現ですが、これでは性別を限定してしまっているため求人票で記載NGの対象となります。
「看護師」「営業職、営業スタッフ」「ホールスタッフ」のように、性別を制限しない表現に修正する必要があります。
また、「男性歓迎」「女性歓迎」という表記もNG。「未経験者歓迎」という表現はよくありますが、これが性別になると禁止されます。
さらに、性別によって採用条件に差をつけることも禁止です。
「男性3名:エンジニア歴3年以上/実技試験および面接を実施、女性1名:未経験可/面接のみ実施」のように、性別ごとに人数や条件を指定する記載です。
業務を行ううえで、片方の性別でなくてはいけない理由がある場合は「適用除外職種」として、性別を指定した求人票の記載でも問題ありません。
しかし、女優や巫女など限定的ですので、オフィスで働くような一般的な企業の場合、大抵は適用除外とならないと考えていいでしょう。
年齢を制限・差別するような内容
年齢については、応募条件を「〇〇歳まで」と制限したり、「〇〇歳以上は別途試験あり」のように年齢で採用条件を変更することが禁止されています。
原則、年齢は不問で、何歳でも同じ採用条件・面接条件で募集しなければなりません。
「若いと判断力が未熟」「高齢だと体力がない、身体能力が低下する」などの考えは通用しません。年齢によらず、個人によってさまざまだからです。
若くても理知的で冷静な判断を下せる人はいますし、高齢でも体力・筋力のある人もいます。
しかし、以下に該当する場合は 年齢を制限することが認められます。
- 定年が60歳なので60歳未満を採用したい場合
- 警備業のように法令で警備員になる人物の年齢が制限されている場合
- 長期勤続によりキャリア形成を図る観点から、より若い人材を期間の定めなしに採用したい場合
- 既存の従業員において、ある世代の人数が少なく、技能やノウハウの承継に問題がある場合
- 演劇の子役のように、芸術・芸能の分野の表現で年齢が制限される場合
- 60歳以上の高齢者や特定の年齢層の雇用を促進する政策のもと、対象の年齢層の人を採用する場合
上記以外では、年齢制限を設けることは認められないので、注意が必要です。
たとえば、体力が必要なハードワークのため若い人材を求めている場合でも「〇〇歳まで」という記載はNGです。
そのような場合の求人票の書き方としては、
「〇kgの荷物を上げ下ろしする業務であるため、体力や筋力が必要な業務です」のように、業務内容を具体的に記載することで対応しなくてはなりません。
その他、人種や出身地域、身体的特徴や障がいなどを差別する内容
最後は、人種や出身地域、身体的特徴、障害などで差別する内容を記載することです。
これらの内容に関しては、あまり見かけることはないですが、万が一記載があると会社の信用に関わったり、トラブルに発展したりする恐れがあります。
モラルの問題が大きく絡んくるため、まともな企業なら問題ないはずですが、求人票を書き終えたあとに確認するようにしましょう。
虚偽の内容
求人票を書く際に、労働条件を実際のものと異なる内容で記載しないように注意しましょう。応募を増やそうと実際よりも良い条件で記載した場合、のちのちのトラブルにしかなりません。
企業側にとっても、求職者側にとってもためにならないことはやめましょう。
よくある例として、賃金を「月給〇〇万円~〇〇万円」のように幅を持たせ、「能力と経験によって応相談」を記載する場合があります。
このように幅を持たせることは違法ではありませんが、あまりにも広い幅を持たせたり、実際には設定されないような上限額を設定したりするのは避けましょう。
これもトラブルの元になりますし、上限額よりもはるかに低い賃金を提示された場合、求職者が内定を受けるかどうかに影響を与えてしまいます。
仮に当初明示した労働条件が変更される場合は、変更内容について速やかに求職者に知らせる必要があります。
上記の労働条件以外に社風や企業文化の紹介、福利厚生などを求人票に記載するのは自由です。求人サイトや求人機能のあるサービスでは、基本的に上記の必須項目を記載するための欄が設けられているので、安心して用意された欄の通りに記載すればいいでしょう。
もし上記の項目の記載欄のない求人サイトや求人機能のあるサービスを見つけた際は、その提供元に相談・質問をしてみましょう。
権利を侵害するような内容
求人票を書くときに、第三者の権利を侵害するような内容を書かないことも重要です。
求人票は著作物に該当するので、無断で他社の求人情報を転用すると著作権侵害になります。
権利侵害をしないのは前提として、他社の求人と差別化を図るために独自の求人を作成し、募集することが大切です。
企業によって求める人物像や採用要件は違いますが、他社の求人内容を転用すれば、自社の求める人材からの応募が見込みにくくなるでしょう。
他社の求人を見て参考にするのは良いですが、必ず自社の求める人材を意識した求人内容にすることが欠かせません。
求人票の書き方に困ったら弊社までご相談を
この記事では、魅力的に見える求人票の書き方のコツについてご紹介しました。
求人票は書いて、実際に求職者に見てもらうまで良し悪しは分かりづらいかもしれません。
しかしコツやNGポイントを抑えて求人票を書けば、今までより応募が見込めるはずです。
もしそれでもうまくいかないようであれば、弊社までお気軽にご相談ください。
求人票の書き方だけでなく、採用ブランディングや採用代行など、企業の採用に関わる問題解決をサポートします。
関連記事
面接でよく聞かれる質疑応答【質問編】
面接と面談の違い ~候補者はどんな気持ちで来ている?~
年末に人事・採用担当者がやっておきたい中途採用準備
人事が在宅勤務をする上で必要な5つの基本ツール
採用業務で人事担当者がミスをなくすために必要なこと
45分の気軽な相談会を
開催しています
竹村 朋晃
株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。
関連記事