採用ノウハウ
2023.07.19

年末に人事・採用担当者がやっておきたい中途採用準備

中途採用の準備、普段からできていますか?
みなさんこんにちは!株式会社ダイレクトソーシングの小野です。

今年もあと1ヶ月ほどで終わってしまいますね。
営業日で考えると、もう残り20日をきった企業もいるのではないでしょうか。
最終営業日までに仕事がすっきり終わるように業務を猛スピードで進めていく12月。
業務以外にも忘年会や家の大掃除、帰省のための新幹線や飛行機のチケット手配、何末年始に旅行に行くならその準備、小さなお子さんがいる働くパパママはサンタとしての活動もあり、12月はやることがたくさんありますよね。
そんな忙しい年末ですが、人事・採用担当者は年明けからの中途採用のために、ぜひ年末中に準備をしておいてほしいのです。
今回はなぜ多忙な年末にこそ中途採用の準備をしておくべきなのか、どのように中途採用の準備をするのかについてご説明したいと思います。

1.年末年始は転職を考えやすいタイミング

そもそもなぜ年末に中途採用の準備をしておくべきなのか。
それは年末年始は転職を考えやすいタイミングだからです。
年末年始に転職を考え、休み中や年明けから動き出す求職者にそなえて、年末から準備をしておくべきなのです。

そもそも、なぜ年末年始は転職を考えやすいタイミングなのでしょうか。
6つの理由を挙げてみたいと思います。
転職経験のある方は「分かる!」となる理由もあると思います。

1.1.ゆっくりと考える時間・求人を調べる時間があるから

年末年始の休みに突入すると、自由な時間があり、ゆっくりと今の仕事に関して考える時間があります。
普段は目の前の仕事に追われ、自分の人生プランや転職について考える余裕がない人も少なくないでしょう。
転職を考えていても、転職サイトに登録したり、企業の求人をチェックしたりする時間がなく、動けていない人もいるかと思います。
しかし年末年始の休みなら考える時間も、行動に移す時間も十分にあるわけですから、転職へのハードルはぐんと下がります。

1.2.家族や親戚、友人と会って刺激を受けやすいから

年末年始に家族や親戚、友人と会って話す機会が増える人は多いでしょう。
家族や親戚では「親戚の誰々が結婚した」「誰々が有名企業に就職した」など、誰かしらのライフイベントや仕事の話が話題になりやすく、それを聞いて「自分はどうしよう」と周りと比較して考えるきっかけになるのです。
さらに学生時代の友人を会うと、活き活きと仕事をしていて成功を収めている友人がいたり、中には勤めている会社にスカウトしてくる友人もいたりして、「自分も友人に負けないように活躍したいな」と考えるきっかけになります。
今の職場でやる気を出すようになる人もいますが、現在の自分に満足していない人は環境を変えることで自分自身をも変えたいと思うケースも多く、転職を検討し始めるのです。
普段会わない人に会う機会が多いからこそ、年末年始は外部からの刺激を受けて転職を考えやすくなる時期と言えます。

1.3.新年で心機一転したい気持ちが湧きやすいから

そもそも新年を迎える年末年始は、心機一転で何かを始める・環境を変えることを選択しやすいタイミングです。
1月から新しく習い事を始めたり、ジムに通い始めたりする人が多いのは良く知られていますよね。
「転職して心機一転したい」と考えても何ら不思議ではありません。
年末には「来年に向けて何か目標は?」、年始では「今年の抱負は?」という質問がされやすく、年末年始にはそういう考えを抱きやすい空気感があるのです。
また、習い事やジム通いは継続が必要なことですが、転職活動は転職先が決まればそこで終わりです。
ある意味、継続が必要な新しい習慣を作るよりも、転職は単発で簡単に「何かを変えられた」感を抱きやすいことなのです。
そういう意味でもハードルが低くなります。

1.4.現在の職場で12月末退職の人がいたから

新年になってから心機一転のために転職を考え始める人がいる一方で、すでに1月から新しい職場で働けるように12月末で会社を辞めていく人もいます。
現在の職場でそのような人がいて見送る側に立つと、年末年始の休みに入って「自分も転職しようかな」と考える人もでてきます。
12月1月間にきりよく転職しなくても、すぐ3ヵ月後に3月4月の年度切り替わりのタイミングあるので、余計に転職しやすいと感じます。
また、12月以前に退職した人がいた場合でも、個人的に仲がよく、忘年会で会ったら以前よりも活き活きしていた、というケースでも転職を考えやすいです。

1.5.年末年始が仕事だと余計に休みの人と比べて転職意欲が湧くから

前述した年末年始に転職を考えやすい理由は、年末年始の休みをちゃんと取れているケースの話です。
しかし年末年始に仕事が入っている人にも、年末年始に転職を考えやすい理由があります。
自分が仕事をしている一方、世間は年末年始特有のお休みモードです。
みんなは休んでいるのに自分は仕事」と気分が下がってしまう人もいます。
飲食業やサービス業など、年末年始に営業していて家族連れなどを見る機会の多い職場だと、「世間は家族で過ごしているのに、自分は仕事で家族サービスができていない」と思うきっかけになりやすいのです。
さらに年末年始に客数が増えるような職場の場合は余計に忙しく、年末年始を休んでいる人との差を感じやすくなります。

1.6.企業も2月3月は求人を出しやすいタイミングだから

4月の新年度に向けて中途採用によって体制の再構築を図る企業が多く、2月3月は求人が多くなりやすい傾向にあります。
全体として求人数が増えるので、自ずと待遇の良い求人が見つかりやすくなります。
それを狙ってこのタイミングで転職を考える人もいます。
「そろそろ動き出す準備をしておくか」と考えるのです。
もし転職活動を始めても自分の希望する条件に満たない求人しかなければ、その人は転職時期を後日にずらしたり、なんだかんだでそのまま現在の職場で働き続けるでしょう。
しかし求人数が多ければ条件に合う求人に出会える確率は高くなるので、一度良いと思った求人があれば、その人の心は転職へと一直線です。
その求人は面接まで受けてダメだったとしても、一度「転職活動として面接を受けた」という実績ができれば、2社目、3社目を受ける心理的ハードルは下がります。
人は動き出すまでは腰が重くても、一度動いてしまえば「動いた分のもとを取り戻すまでは」とそのまま行動を続けやすい傾向があり、求人の多い2月3月はきっかけとなる1社目と出会いやすくなるのです。

2.年明けの中途採用には年末から準備を!

このような理由から年末年始は転職を考えやすく、年明けから本格的に転職活動を始めていく人がいます。
年末年始の休み中から動き出す人もいるでしょう。
よって、企業は年末の時点で中途採用の準備を進めておくべきです。

では実際にどのような準備ができるのでしょうか。

2.1.求める人物像の見直し

1月からすぐに中途採用に向けて動き出せるよう、求める人物像の見直しを行っておきましょう。
そもそも今求めている人物像でいいのか、という点だけでなく、求める人物像の表現も見直しましょう。
年末年始に転職を考えた人に刺さるような表現に変更するとなお良いでしょう。

2.2.採用戦略の立案・予算の確定

年末年始に転職を検討した人を採用するので、2月3月までに面接を終えて4月入社できる人を獲得するための計画をたて、予算を確定させましょう。
1月に稟議を通しても求人媒体を使えるのが2月以降になってしまう可能性が高いので、12月中に通してしまうつもりでいましょう。
動き出しが早ければ早いほど、計画通りにいかないときのリカバリーがしやすいです。

2.3.LinkedIn(リンクトイン)のプロジェクトを利用したタレントプールの形成

LinkedIn(リンクトイン)を中途採用に利用していれば、12月はタレントプール形成のちょうどよいタイミングといえるでしょう。
LinkedIn(リンクトイン)には採用に活用できる「LinkedIn Recruiter(リンクトインリクルーター)」というサービスがあり、その1機能として「プロジェクト」があります。
「プロジェクト」には任意で選択したLinkedInユーザーをそこに登録することができます
プロジェクトは募集職種や募集時期ごとに作成し、例えば「エンジニア」「2020年1~3月」のようにプロジェクトを作成して、それぞれLinkedInユーザーを登録するのです。
要は人材のカテゴリ別に履歴書のファイルを分けておくようなものです。

プロジェクト作成時にはスカウトするタイミングではなかったものの、欠員が出たり人員を増やしたいタイミングになったりしたときに、プロジェクトを見返せば採用候補者にすぐにアプローチが可能です。
過去に面接まで進み企業側は採用したかったものの、相手の急な都合で話が流れてしまったケースも年末年始のタイミングで転職可能な状況に変化しているかもしれませんから、プロジェクトにまとめておくことで後で接触しやすいです。
状況を伺う連絡を送り、もし転職できる状況に変わっていれば年末年始の間にしっかり検討してもらえばいいのです。

プロジェクトは複数人で共有することができるので、人事・採用担当者全員で共有し、各自が各プロジェクトに該当する人物を登録していくことで、情報を共有しやすく、効率もアップします。
登録した人材について、スカウトするかどうかを上司や別の事業部の社員などに確認を依頼する機能もあるので、複数人で良さそうな人をピックアップして、その中から実際にスカウトする人材を選択するのにも便利です。
プロジェクトに入れておけば、人事・採用担当者が変更になり引継ぎになっても引継ぎが楽になります。

このようにLinkedIn(リンクトイン)のプロジェクト機能はタレントプール形成に大いに役立つのですが、コツコツ登録ユーザーを貯めていく必要があります。
そのため年明けに採用活動を始める前に、その際に声を掛けたい人材を12月中に貯めておくといいでしょう。

3.中途採用の準備をしっかり終えて新年を迎えましょう!

今回は12月に中途採用の準備をしておくべき理由、どのような準備ができるのかについてご紹介しました。
今年中にできることはしっかり片付けてから新年を迎えたいですよね。
来年になってすぐ動けるように、しっかり中途採用の準備を進めていきましょう!

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竹村 朋晃

竹村 朋晃

株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。

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