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日本電気株式会社(NEC)

「選ぶ採用」から「選び選ばれるワン・トゥ・ワン」へ。NECが挑む「人として繋がる採用」

Results

社員が学生と直接つながる

日本電気株式会社 タレントマネジメント統括部
タレント・アクイジショングループ ディレクター 大橋 康子 さん

1899年の創業以来、日本のIT・ネットワーク社会を牽引し続けてきた日本電気株式会社(NEC)。海底ケーブルから宇宙の人工衛星まで幅広い領域で社会を支える「社会価値創造型企業」として独自の歩みを続けています。

伝統的な大企業というイメージを持たれがちな同社ですが、今、新卒採用のあり方を根底から変えようとしています。これまでの大量募集・一括選考のスタイルを脱ぎ捨て、なぜ「ワン・トゥ・ワン」の繋がりに舵を切るのか。その背景と「人として向き合う採用」への想いをNECの新卒採用を統括されている大橋さんに伺いました。

「言われたことを正しくやる時代」の終焉。NECが採用方針を変える理由

Q:2029年卒から新卒採用の方針を大きく変えるとお聞きしました。背景にあるものを教えてください。

これまでのNECは、媒体に大規模に出稿して大量に母集団を集め、その中から選考を通じて候補者を絞り込んでいく、いわゆるウォーターフォール型の採用が中心でした。
しかし、もはやそういう市場ではありません。

そもそも、NECに入社することは何らゴールではないです。この場をどう使ってキャリアを作るかを学生さんは考えるでしょうし、私たちも一生この会社で働いてほしいわけではありません。あなたの能力を高め、その結果として会社の発展に寄与していただく、お互いがそういう関係であってほしいと思っています。だからこそ「選び、選ばれる関係」になっていくことを、すごく大事にしようと思っています。

Q:事業環境の変化も、採用方針の変化と連動しているのでしょうか。

そうですね。10年前のシステムインテグレーター業界は、お客様の中に専門家がいないこともあり、ご要望をうかがいながらシステムを作っていくというのが王道でした。
けれど今は、お客様側にも元エンジニアの方が発注側として入り、コントロールタワーを担うようになっています。状況を理解し、どうあるべきかをお客様と共に定義し、それに合わせた形を作っていく。前段のコンサルティングから一緒に考えることがスタンダードになってきています。

中期経営計画で5年分を立てても、5年先は誰にも分かりません。1年先すら見通せない時代に、フィールドに出た一人ひとりが自分で状況を判断し、動かなければなりません。

求められるのは、アジリティ(俊敏性)の高い人。だとしたら、ウォーターフォール型の新卒採用で本当にそうした人に出会えるのか? いえ、こちらから出会いに行かなければならない。そういう考え方で動いています。

LinkedIn Student Career Weekで見えた、人として繋がる場の価値

Q: LSCWへの出展を選ばれた理由を教えてください。

今の学生さんの動向を直接見たかったというのが出発点です。従来型の採用イベントで、かしこまって座って話を聞いている学生ではなく、自分の意思で動き、何を話し、どんな関係性を作ろうとしているのか。その“生の姿”を見たかったのです。

1回目に参加した時、参加学生一人ひとりが自分の意思を持って、「今日、なぜここに来ているのか」が極めて明確だったことに衝撃を受けました。この方々ともっと対話していけば、当社のウォーターフォール型採用を変えていけるのではないか。そういう兆しを感じました。

2回目となる今回は、情報収集ではなく、「NECの“中の人”が学生と直接繋がる状態をつくりに行く」ことが目的でした。今年すぐに採用に結びつかなくても構いません。後からLinkedInを見たときに「あ、この人NECの社員と繋がっているんだ」と分かる状態を残しておくこと自体に、価値があると考えています。

Q:会場では、人事の方々がブースの前で学生とフラットに対話している姿が非常に印象的でした。

「採用する」という感覚は全くなくて、本当に“人として”話そうと意識していました。根底にあるのは、「選ぶ側ではなく、学生の皆さんに選んでいただく立場にある」という前提です。

社名に「日本」と入っているくらい、NECは伝統的で堅固な会社だと見られがちです。学生が望む、一見して分かりやすい華やかな条件を、当社がすぐに用意できるわけではありません。

もちろん、自由な働き方や多角的なキャリアを築く環境は十分にありますが、そうした目に見えやすいアピール材料だけで勝負しては、今の学生さんには届かないと思っています。

だからこそ、肩書きではなく「なぜ働いているのか」をきちんと見せていく必要があると考えています。私自身も、従業員として、どうしてこの会社で働いているのか、何をしたいのかを、本当にフラットに話そうと思い学生と向き合っていました。

求める人物像は「冒険を楽しめる人」。自分が通った跡が、道になる時代へ

Q:これからNECに入社いただく新卒の方には、どのようなタイプを期待していますか?

「冒険を楽しめる人」ですね。

これまでは、上司の指示に従い、先輩の背中を見て、日々実行する、そういう時代でした。けれど、もはやそういう時代ではありません。

特にAI領域では、AIに慣れていないベテラン世代より、ネイティブに近い若い世代の方が、はるかに効果的に使いこなせると私は思っています。私自身が学び直すのはもちろんですが、生活の中で日常的にAIに触れている若い方がやる方が、圧倒的に早い。

そうした若手が入社して、「それ、どうやってやるのですか?」とベテラン社員が驚くような場面が、これから当たり前のように生まれてくるはずです。

誰も道を示してくれない時代だからこそ、自分で道を作っていく————自分が通った跡が道になっていくことを楽しめる人こそ、NECで輝けると考えています。

Q:大橋さんご自身のそのフラットなスタンスは、どこから生まれてきたのでしょうか。

それは、1社目に在籍した会社の環境が大きいかもしれません。そもそも上下関係がなく、新卒の最初の段階から「誰もが能力を持っているはずだ」という前提で仕事をしていました。
現在のNECも、トップダウンの会社ではありません。ボトムアップで「こうあった方がいいよね」とみんながフラットに動いていくカルチャーがあります。

年齢やキャリアに関係なく、お互いの強みをリスペクトし合い、学び合う。その心地よさを、新卒の皆さんにも同じように感じてほしいと思っています。

「就職はゴールではなくスタート」。川の流れのように、また出会いたい

Q:最後に、学生の皆さん、あるいは今の採用市場へのメッセージをお願いします。

LinkedIn Student Career Weekのような場が、これからさらに大きくなり「就職することがゴールだ」と思う学生さんを減らしていきたい。もっと中長期的でダイナミックな動きになってほしい、それが私の願いです。

就職はゴールではなく、スタートです。最初の扉をどこで開けるかは、ぜひ真剣に考えていただきたいです。
その時に開けなかった扉も、また数年先に開けていただくことがあるかもしれません。なので目の前の卒業=就職という部分に焦点を当て過ぎず、中長期的に自分の道をどうつくるかという視点で考えてほしいです。

人生は、川の流れのようなものだと思っています。近くで一緒にいる時はいるけれども、岩が来ればまた道は分かれる。
でも、どこかでまた一緒になることもある。そうやって長い目で「生きる」ということを考えていく方と、これからも出会っていきたいですね。

記者の感想

大橋さんとお話しして強く感じたのは、「採用する/される」という非対称な関係を本気で手放し、一人の人間として学生と並び立とうとする姿勢でした。「選ぶ側ではなく、選んでいただく立場にある」という言葉には、126年続く大企業の看板を脇に置いてでも、人として向き合おうとする覚悟が滲んでいたように思います。

私も採用に関わる者として、川の流れに例えられた「長い目で出会い直す」という視点に深く共感しました。LSCWが、企業と学生が肩書きを脱いで繋がり直せる場であり続けられるよう、私たちも歩みを進めていきたいと感じます。

[NEC LinkedInページはこちら]
https://www.linkedin.com/company/nec/
[大橋 康子氏 LinkedInプロフィールページはこちら]
https://www.linkedin.com/in/yasuko-ohashi/

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