スカウト型採用とは?メリット・デメリットと手順、重要ポイントを紹介
スカウト型採用とは、企業が採用したいと感じた人材に対して個別にメッセージを送り、面談や面接などにつなげる採用手法です。
ダイレクトリクルーティングとも呼ばれます。
企業間の人材の獲得競争が激しさを増す昨今。スカウト型採用は、ピンポイントで直接アプローチが可能な「攻めの採用」として注目されています。
ただ一方で、「スカウト型採用が気になってはいるが導入を迷っている」「具体的にどのような手順なのかを理解しておきたい」と考える企業も少なくありません。
そこで本記事ではスカウト型採用について、メリット・デメリット、手順、重要ポイントを紹介します。
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スカウト型採用とは
スカウト型採用とは、企業が採用したいと感じた人材に対して個別にメッセージを送り、面談や面接などにつなげる採用手法です。
「型」を外してスカウト採用と呼ばれることもあります。
ダイレクトリクルーティングとは
ダイレクトリクルーティングとは、スカウト型採用の別名です。
呼び方が違うだけですので、難しく考える必要はありません。
スカウト型採用サービスとは
スカウト型採用サービスとは、採用の専門業者が提供するオンラインシステム上でスカウトを行えるサービスのことです。ダイレクトリクルーティングサービスやダイレクトリクルーティングメディアとも呼ばれます。
企業がSNSを用いて単独でスカウト型採用を行うことも可能ですが、一般的にはスカウト型採用サービスを利用します。
スカウト型採用サービスでは、登録されている求職者一覧から自社の採用要件にあった人材を検索して、個別にスカウトメッセージ(スカウトメール)を送信します。メッセージを受け取った求職者が希望することで選考が進みます。
スカウト代行サービスとは
スカウト代行サービスとは、スカウト型採用の運用を代行してくれるサービスのことです。
効果的な手法ではあるものの運用には特有のノウハウや工数を要するため、スカウト代行サービスを活用してより効率良く成果につなげます。
スカウト代行サービスについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:「【2023年版】スカウト代行サービス23社を徹底比較|選び方も紹介」
スカウト型採用のメリット
スカウト型採用のメリットは、以下の4つです。
求める人材に直接アプローチできる
「自社が求める人材に対して、能動的に直接アプローチをかけられる点」は、スカウト型採用の最も大きいメリットといえます。
新卒・中途を問わず採用市場における人材獲得競争が激しくなるなか、従来型の求職者からの応募を待つ「待ちの採用」では、自社に適した人材であっても接点すら持てないケースも少なくありません。
対してスカウト型採用は「攻めの採用」ともいわれており、企業が求める人材に対して少なくとも確実に直接アプローチをかけることが可能です。
転職潜在層にアプローチできる
スカウト型採用サービスには、今すぐ転職をしたい転職顕在層だけでなく、「直ぐではないがいずれは転職したい」「良い条件や自分に合った企業があれば転職したい」と考えている転職潜在層も多数登録している点が特徴です。
そのため、転職顕在層の割合が多い通常の転職ナビサイト等では出会えないような、転職潜在層の人材へアプローチできるチャンスが多い点も、スカウト型採用のメリットといえます。
採用に関するノウハウを社内に蓄積できる
スカウト型採用を行う場合、他の採用手法よりも社内に採用ノウハウを蓄積しやすい点もメリットです。
スカウト型採用採用では、ダイレクトリクルーティングメディアを使用するものの、基本的な操作・運用は自社が主体となって行います。
具体的には、登録者一覧からの求める人材選定、スカウトメールの作成、候補者からの返信後のやり取り、その後の選考から内定フォローまで、一連の採用プロセスを主体的に担います。
採用コストを低減できる可能性がある
採用コストを低減できる可能性がある点も、スカウト型採用のメリットです。
従来の採用手法においては、広告掲載はたとえ採用に至らなくとも定額で毎月費用が発生し、人材紹介の成功報酬は1件当たりが高額になりがちです。
スカウト型採用の場合も、料金体系は「定額型」「成功報酬型」もしくは「定額+成功報酬型」の3タイプに分かれています。
ただ、定額・成功報酬いずれの場合も求人媒体および人材紹介の料金よりも安価な傾向にあります。
スカウト型採用のデメリット
スカウト型採用のデメリットは、以下の4つです。
対策もあわせて紹介していますので、あわせて参考にしてください。
担当者の工数が増えがち
スカウト型採用サービスの登録者一覧から自社の採用要件にあった人材を選定したり、スカウトした候補者から返信があれば面談や応募につなげるためのやり取りをしたりと、担当者の工数は増えがちです。
また、スカウトメッセージについては、候補者ごとに内容を調整した方が効果的なものの、その分工数および負担は増してしまいます。
スカウト型採用サービスを利用する際は、テンプレートや例文を提供してくれるサービスを選びましょう。
以上からスカウト型採用を導入する場合、サポートが充実したサービスを選定する、もしくはスカウト型採用の運用を支援または一部代行してくれるスカウト代行サービスを利用することを推奨します。
特有のノウハウが求められる
スカウト型採用には特有のノウハウが求められます。具体的には、登録されている求職者の見極め、スカウトメッセージの作成、返信後の個別コミュニケーションなどです。従来の採用手法とは異なるノウハウが必要なため、担当者が運用に慣れるまでに時間を要するケースも散見されます。
こうした側面からも、サポートが充実したサービスもしくは、スカウト代行サービスの利用がおすすめといえます。
多人数の採用には工数がかかりがち
スカウト型採用の特性上、多人数の採用だとどうしても工数がかかってしまいます。
スカウト型採用は、候補者と個別(1対1)でのやり取りが基本です。
そのため、多人数を採用しようとすると、個別対応にかかる作業ボリュームが増え過ぎてしまい、担当者のみでは対応しきれなくなるリスクがあります。
そのため、いわゆる大量採用を行う場合は、自社内で対応できるかを考え、厳しい場合はRPO(採用代行)導入を検討することが望ましいです。
以下の記事でRPO(採用代行)を利用するメリット・デメリットを紹介しておりますのでご覧ください。
参考記事:「採用代行(RPO)を検討すべき3つの理由|重要点や成功事例も紹介」
すぐの応募につながらない場合がある
スカウト型採用には「直ぐではないがいずれは転職したい」と考える転職潜在層も多数存在しています。
そのため、自社が直ぐにでも採用したくとも候補者本人のタイミングが合わないケースも往々にして発生します。
こうした場合は、自社の候補者リストに追加しておき、定期的なコミュニケーションや次の募集タイミングでの再アプローチなどで、タイミングを見計らいましょう。
スカウト型採用の手順4ステップ
スカウト型採用の手順は、以下の4ステップです。
ステップ1:スカウト型採用サービスを選定する
まずは、自社に合ったスカウト型採用サービス(ダイレクトリクルーティングサービス・ダイレクトリクルーティングメディア)を選定します。
選定の際に重視すべき点は、主に3つです。
そもそも自社が求める人材像に当てはまる層が多く登録しているかは重要です。
その際に見るべきポイントは「登録ユーザーの属性」「登録者数」「顕在層と潜在層の割合」の3つです。
とくに「登録ユーザーの属性」に関しては、まず新卒・中途のどちらかに大きく分かれ、その上でサービスごとに得意とする業種・職種があります。
その他にも各サービスによって特徴が異なります。
例えば、LinkedIn(リンクトイン)であれば、ビジネスSNSとして国内外で名刺交換替わりに利用されているため、外資系企業や海外取引のある企業の登録者数が多くなります。
また、東京大学や早稲田大学などに出向いてユーザー獲得をしているため、有名大学の登録者が増えています。
少なくとも各サービスが公表している年齢層や業種などのデータやイメージのみで、選定するのは避けましょう。
返信率・面談率は、スカウト型採用でとくに重要となる数値です。スカウト型採用を実践する際のKPIとしても設定します。
まず返信率とは、スカウトメッセージを候補者へ送信した数のうち返信があった割合です。
返信率はどのスカウト型採用サービスを利用しているかが主な要因のひとつのため、高い返信率を維持しているサービスを選定しましょう。
次に面談率とは、返信があった候補者のうち面談または面接につながった割合です。
サービスが集計を取っている場合、検討材料としましょう。
費用の適切さと予算に見合っているかというコスト面も重視しましょう。
先述の通り、スカウト型採用の料金体系は「定額型」「成功報酬型」「定額+成功報酬型」の3タイプです。
そのため単純な比較は行いにくいですが、自社の採用予定人数を基に最終的な費用をシミュレーションすることは可能です。
選定ポイント①と②をクリアして候補となったサービスは相見積もりを取り、シミュレーションの上、予算に見合うものを選定しましょう。
ステップ2:登録者リストから求める人材を探す
自社に適したサービスを決定・契約し、導入まで完了したら、いよいよスカウト型採用をスタートします。
まずは、自社の採用要件(人材に求める各種条件)をあらためて確認します。
その上で、スカウト型採用サービスの検索機能を使って、採用要件に当てはまる人材を探します。具体的には、以下のような項目を用いて検索を行えます。
- 就業状況(現職中・離職中)
- 経験企業数
- 経験業界(メーカー・商社・小売・金融など)
- 経験職種(営業・事務・企画・販売・サービスなど)
- 経験年数
- 出身学部(経済・法・国際・建築など)
- 居住地
- 希望勤務地
- 資格・スキル(国家資格・TOEIC・TOEFLなど)
- 転職志望度
検索である程度の人数に絞れたら、各個人が登録しているプロフィールを個別で確認していきます。
検索機能では分からない「自己PR」「強み・弱み」「細かな希望条件」「専門的なスキルレベル」などを見ていきましょう。
とりわけ「専門的なスキルレベル」のように、採用担当者では判断がつきにくい要素については、配属予定の現場社員に見極めてもらうとスムーズです。
ステップ3:候補者にスカウトメールを送信する
検索と個別プロフィールの確認により「採用したい」と思える人材を特定したら、それぞれの候補者に対して「スカウトメール」を作成・送信します。
スカウトメールについての詳細は、後項目の「スカウト型採用の重要ポイント」にて解説しますので、ここでは手順の流れを理解しておきましょう。
ステップ4:面接や面談を実施する
スカウトメール送信後に候補者からの返信を受け取れたら、個別でのやり取りを通じて面接もしくは面談へつなげます。
候補者の自社への志望度が高いのであればそのまま面接へ進んでもらいましょう。
もし悩んでいる様子ならばカジュアル面談を提案して、まずは両者のマッチ度をざっくばらんに確認し合える場を設けるのが定石です。
面接・面談においても、昨今はオンライン上での実施が一般化しています。
参加ハードルが低いため、選択肢としてもっておきましょう。
スカウト型採用の重要ポイント
スカウト型採用の重要ポイントを3つ紹介します。
採用要件をあらかじめ明確にしておく
スカウト型採用を行うにあたり、自社が人材に求める各種条件を整理してまとめた「採用要件」を明確にしておきましょう。
採用要件は重視度によって以下の4つに分けることで、より精度の高い見極めを行えます。
- 必須条件:必ず満たすべき条件(満たさなければ対象外となる条件)
- 希望条件:満たせば加点となる条件(必要だが入社後に教育で補える条件など)
- 不要条件:満たしても加点にならない条件
- 回避条件:該当するなら減点もしくは対象外とする条件
スカウトメールの内容と返信率にこだわる
スカウト型採用の成否は、スカウトメールの内容および返信率で決まるといっても過言ではありません。
スカウトメールは自社と候補者の第一接点であり、候補者が「返信してみよう」と思える内容になっていなければ、採用にはつながらないのです。
そこで抑えておきたいのは、以下の7つのポイントです。
- メールを開封したくなる件名にする
- 候補者に求める行動を簡単なものにする
- 候補者が知りたい情報を記載する
- 企業情報は簡潔に記載する
- 候補者に興味をもった理由を明記する
- 送信者の人となりを伝える
- ターゲットを絞る
ここではポイントのみを紹介しましたが、こちらの記事ではより具体的な方法を解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:「スカウトメールの返信率を上げる方法|平均値や下がる理由も紹介」
また、そもそも「スカウトメールで何とかけばよいか分からない」という場合は、こちらの記事を参考にしてください。
参考記事:「スカウトメールの例文|返信をもらうコツや避けたい失敗も紹介」
一度断られた候補者も管理しておく
再アプローチをかけるために、一度断られてしまった候補者もリストで管理しておきましょう。
一度スカウトを断られたとしても、候補者の状況や転職意欲に変化が生じて、再アプローチに応じてもらえる可能性は十分にあります。
そのため、断られた候補者はリストで管理しておき、自社があらためて募集を開始したタイミングなどで、様子伺いとあわせて再アプローチをかけてみましょう。
サービスによっては、候補者の転職志望度に変化があった場合に通知を受け取れる機能を備えたものもあります。
前回交わしたコミュニケーションを踏まえて再アプローチをかけてくれる企業の印象は良く映ります。
反対に前回やり取りをしたにもかかわらず、初めてのようなアプローチを何度も送るような企業には悪い印象を抱くため注意が必要です。
まとめ
スカウト型採用とは、企業が採用したいと感じた人材に対して個別にメッセージを送り、面談や面接などにつなげる採用手法です。
スカウト型採用のメリットは、「求める人材に直接アプローチできる」「潜在層にアプローチできる」「採用に関するノウハウを社内に蓄積できる」「採用コストを低減できる可能性がある」の4つです。
対してデメリットは、「担当者の工数が増えがち」「特有のノウハウが求められる」「多人数の採用には向かない」「すぐの応募につながらない場合がある」の4つです。
スカウト型採用の手順は4ステップです。
まずは自社に最適なサービスの選定を行い、次に登録者リストを検索して採用要件にあった人材を探します。
その上で、候補者にスカウトメールを送り、返信があったら面接や面談へとつなげましょう。
スカウト型採用を成功させるための重要ポイントも紹介しました。
具体的には、「採用要件をあらかじめ明確にしておく」「スカウトメールの内容と返信率にこだわる」「一度断られた候補者も管理しておく」の3つです。
また、弊社は「ダイレクトリクルーティング支援専門企業」として、過去60万件・全40媒体以上のソーシングデータを用いて、スカウト型採用を最短ルートで成功に導くサポートを行っています。
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竹村 朋晃
株式会社ダイレクトソーシング CEO (プロフィールはこちらをクリック) 2005年に野村総合研究所に入社。損害保険システムの構築に従事。2015年11月より株式会社ダイレクトソーシングを立ち上げ。エンジニア経験者中心にデータドリブンリクルーティングを中心としたサービスを展開。
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